KNOCK OUT 2.11 大田区総合体育館:無法島GP出場の鈴木千裕「1年前のマイナスから、やっとここまで来ました」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
神楽坂 江戸川橋 クラミツムエタイジム
立ち技最強、ムエタイを究める!16周年、選手コース開設。ジュニア、女子クラスも。今ならスタート月会費0円!
テレ・マーカー Presents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1(2月11日(火/祝) 大田区総合体育館)での無法島GRAND PRIX(肘無しのBLACKルールでの64kg契約1DAYトーナメント)に出場する鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者から届いた。
「KID、五味以来の衝撃」をもたらす
“クレイジーダイヤモンド”前史。
「1年前のマイナスから、やっとここまで来ました」
文・撮影 茂田浩司
プロフィール
鈴木千裕(すずき・ちひろ)
1999年5月14日、東京都あきる野市出身。
RIZIN FFアマチュアMMA2016 カンカCUP・フライ級優勝。パンクラス・ネオブラッドトーナメント2018フライ級(57キロ)優勝。2019年6月にシュートボクシングで立ち技デビュー。同年8月「REBELS.62」でキックデビュー。現在までキック3戦3勝3KO。兄はREBELS BLACK(ヒジなし)60kg王者の鈴木宙樹(ひろき)で愛称は「倒し屋兄弟」。
鈴木千裕はいつも「逆境」で戦ってきた。
昨年、立ち技デビューすると持ち前の強打で格上の対戦相手を次々とKOし、格闘技通で知られる「無法島」作者、森恒二氏を驚嘆させた。
「パワフルで、対戦相手を暴風雨に巻き込むようにして倒す。山本KID選手や五味隆典選手以来の衝撃です」
見る人の度肝を抜く強打は、ペルー人の父と日本人の母を持つハーフという強みから生み出される。兄・宙樹(ひろき)と共にパンチの硬さと伸びには定評があり、「倒し屋兄弟」の愛称通り、目下KOを量産中だ。
だが「天性の強打」という武器は与えられたものの、その反面、彫りの深い顔立ちや手足の長さが幼少期からからかいの対象に。鈴木はこう振り返る。
「『ハーフあるある』ですけど、めっちゃ言われたのが『祖国に帰れ!』です(苦笑)。あと『なんで日本語喋れるの?』とか。ペルーへの差別もありましたね。『触るな、ペルーが移る!』なんて言われたり」
からかわれたり、馬鹿にする物言いをされたら、絶対に黙ってはいなかった。
「小学校の時は荒ぶってて、何か言われると『うるせえ!』って言い返して、小1から小6までよく喧嘩しました。6年生の時に最後の大喧嘩をしたんです。相手はクラスで一番体の大きな子で、マウントを取ったり取られたりで殴り合いして。僕のパンチが相手の目に入って大きく腫れてしまって、あとで『空手をやってるのにそんなことでいいの?』と親や先生に怒られて。それで反省して、それ以来、どんなにからかわれたり馬鹿にされたりしても、喧嘩は一切してないです」
鈴木は3歳から伝統派空手を始め、中学で総合格闘技に転向。17歳でプロデビューすると、19歳でパンクラス・ネオブラッド・トーナメント優勝。その後、立ち技に転向するとキックルールで3戦3勝3KOをマーク。
格闘家としての歩みは順調そのものに見えるが、実は大きな挫折を経験している。昨今、格闘技界で問題となっている「計量失敗」である。
これまで公にしてこなかった当時の経緯や事情を、初めて鈴木が明かす。
「パンクラスではフライ級の57キロで試合していて、毎回12キロの減量をしてました。栄養士の専門学校に通っているので、実習で料理を作っても味見だけで一口も食べられなくて、減量期間は毎日が地獄でした。『次は絶対に階級を上げよう』と思うんですけど、計量をパスしてリカバリーして試合に勝つと『もう1回大丈夫』と思ってしまうんです。それがよくなかったです」
過度の減量で、いつしか鈴木は心身のバランスを崩してしまう。
「過食症みたいになってました。試合が終わると、食べても食べてもお腹いっぱいにならなくて、弁当を5、6個、気持ち悪くなるまで食べました。そうすると、今度は罪悪感に襲われて、隠れて食べたものを戻して。つらくて、生まれて初めて『死にたい』とまで思いました」
体重は最大で72.5キロにも達した。だが「ここから3連勝すればチャンピオンになれる」と言われ、夢をかなえたい一心で57キロで戦い続けることを決めた。
しかし、成長期の体は練習するだけで筋肉が付き、過食の影響もあって、57キロまで15キロもの減量が必要となり、一昨年12月、鈴木は計量を失敗する。
「計量の前日、脱水で倒れてしまったんです。全然体重が落ちなくて、下剤を2回使って出すものは全部出して、それから走ったんですけど汗が全然出なくて。
その晩、母親に『計量オーバーしたら罰金とか大変だと思うけど、死ぬぐらいなら水分を摂って』と言われたんですけど飲まなかったです。それでも落ちなくて、無理だと分かってたんですけど、計量会場に行って秤に乗って2.8キロオーバーでした。対戦相手の方やパンクラスの人に『すみませんでした』と謝りました」
試合は中止。鈴木のSNSには「プロ失格」と非難するコメントが殺到した。
「1週間は引きこもりました。カーテンを閉め切って、携帯は部屋の隅に置いて、ベッドの上で体育座りしながら『対戦相手やいろんな人に迷惑をかけてプロ失格だ。このままだと体も壊す。やめよう』と考えてました」
1週間後、鈴木はSNSに寄せられたすべてのコメントに目を通した。
「『見るなよ』と言われていたんですけど全部知りたかったんです。すべて読んで、それで火が付きました。まず対戦相手の方に謝りに行って、一緒に練習をしたんです。それからは学校が終わると2つのアルバイトを掛け持ちして、なんとか借金を返して。それで少し胸のしこりが取れました」
あまり知られていないが、計量オーバーで試合を不成立にしてしまった選手は「ファイトマネー没収」だけでは済まされず「罰金」や「チケット代金弁済」で多額の借金を背負うのだ(契約条件によって異なる)。
失意の鈴木にクロスポイントの山口会長が声を掛けた。
「階級を上げて、キックをやるか?」
山口会長はこう述懐する。
「その選手に合う居場所を見つけてあげることが大事で、千裕はパンチがあるのに寝技でつけられて負けるのを見てきたので、計量失敗を機に打撃を活かせるキックの方が輝くのではないか、と考えたんです」
鈴木は即決だった。
「やります」
鈴木の脳裏に浮かんだのは、兄・宙樹の姿だった。
「お兄ちゃんはみんなが見ていないところで助けてくれるんです。計量を失敗して、一番キツい時に『千裕は絶対にチャンピオンになれるからもう1回やり直せ』って。普段はアホですけど(笑)大事なところでは守ってくれて、お兄ちゃんとしても、選手としても尊敬しています。僕もキックでベルトを獲って、兄弟そろって一緒にベルトを巻いてリングの上で写真を撮る、って決めてます」
2月11日(火・祝)、大田区総合体育館で開催される「テレ・マーカー Presents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1」が近づいてきた。
無法島 GRAND PRIXの1回戦の相手は、トーナメント抽選会で鈴木が指名した与座優貴(橋本道場)。
「20代対決で、無敗同士で、昔から意識してる与座選手とどうしても戦いたかったんです。ずっとベルトを獲ることを意識していたんですけど、今は与座選手との1回戦に全部集中してます。
動画は100回以上見て、与座選手の蹴りは速いですけど自分のパンチの方が速いんで。今の自分の考えでは1RでKOできると思います。準決勝は西岡(蓮太)選手、決勝戦は古村(匡平)選手が来ると思ってて。全員、20代の選手を自分が倒して、ベルトを獲って、新しい世代、新しいKNOCK OUTを自分が引っ張っていく。そういうストーリーだと思ってます」
計量失敗のどん底から1年で華やかな舞台に立つまでに這い上がってきたが、本人は「まだまだです」という。
「これから自分の階級の選手は全員ぶっ倒していくんで、まだ今の自分は『100』だとも思ってないです。今回のトーナメントで対戦相手を全員倒して優勝した時、自信に変わるんだと思います。ぜひ、2月11日、大田区総合体育館に来て『無法島 GRAND PRIX』で鈴木千裕が新しい時代を作る瞬間を見に来てください!」
対戦カード
※REDルールは肘有り、BLACKルールは肘無し
第15試合 メインイベント 無法島GRAND PRIX 決勝 BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
第14試合 セミメイン BLACKルール 70kg契約(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS-BLACK 70kg級王者)
ダニエル・マーシャル[Daniel Marshall](オーストラリア/Muay U/WKBFオーストラリア王者)
第13試合 REDルール 61.5kg契約 3分5R
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-REDライト級王者)
スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿ジム/REBELS-REDライト級暫定王者)
第12試合 REDルール 58kg契約 3分3R(延長1R)
安本晴翔(橋本道場/WPMF世界&REBELS-REDフェザー級王者)
ダウサヤーム[ダウサイアム]・ノーナクシン(タイ/ノーナクシンムエタイジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級6位)
第11試合 BLACKルール 女子46kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
祥子JSK(治政館)※祥子 改め
~休憩~
第10試合 無法島GRAND PRIX 準決勝(2) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一回戦(3)勝者
一回戦(4)勝者
第9試合 無法島GRAND PRIX 準決勝(1) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一回戦(1)勝者
一回戦(2)勝者
第8試合 REDルール 58kg契約 3分5R
駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者、元WMAF世界&MA日本フェザー級王者)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元ISSHINキックフライ級王者、元ムエタイ大和フェザー級王者、元stair king 60kg級王者、元PRINCE REVOLUTION58kg級・61kg級王者)
第7試合 REDルール 65kg契約 3分3R(延長1R)
タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kgトーナメント2019優勝、SB世界スーパーライト級(65kg)4位、元WMC世界フェザー級王者)
鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
第6試合 REDルール 61kg契約 3分3R(延長1R)
シラー・Y’ZD(タイ/Y’ZD GYM/元ラジャダムナン認定バンタム級王者、元ルンピニー認定フェザー級2位、元オムノーイ認定フェザー級王者)
雅 駿介(PHOENIX/ムエタイオープン・スックワンキントーン・WMC日本ライト級王者)
第5試合 REDルール 67kg契約 3分3R(延長1R)
喜入 衆(NEXT LEVEL渋谷/元LPNJ(ルンピニー日本)ウェルター級王者、元J-NETWORKスーパーライト級王者)
峯山竜哉(ウィラサクレック・フェアテックス西川口/J-NETWORKウェルター級王者)
第4試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(4) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/パンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)優勝)
与座優貴(橋本道場/極真会館2017全世界ウェイト制軽量級(70kg)優勝)
第3試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(3) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本ライト級王者、元REBELS RED同級王者、ホーストカップ日本&蹴拳ムエタイ・スーパーライト級王者)
西岡蓮太(龍生塾/シュートボクシング日本ライト級(62.5kg)王者)
第2試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(2) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
丹羽圭介(TEAMニワールド/REBELS BLACK 63kg級王者)※TEAM KSKから所属名変更
古村匡平[きょうへい](FURUMURA-GYM/アマチュアムエタイ世界大会2016年優勝)
第1試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(1) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本スーパーライト級王者)
橋本 悟(橋本道場/INNOVATIONスーパーライト級王者)
【第1部】
第5試合 無法島GRAND PRIX 一回戦リザーブマッチ BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一輝(OGUNI GYM/元NJKFライト級王者)
大谷翔司(スクランブル渋谷)
第4試合 REDルール 57.5kg契約 3分3R
浦林 幹(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKバンタム級王者)
龍聖(TRY HARD GYM)
第3試合 BLACKルール 55.5kg契約 3分3R
大川一貴(青春塾)
森岡悠樹(北流会君津ジム)
第2試合 REDルール 57.5kg契約 3分3R
千羽裕樹(スクランブル渋谷)
渉生(アントジム)
第1試合 BLACKルール 女子48kg契約 2分3R
荒井穂乃香(DRAGON GYM)
山上都乃(ウィラサクレック・フェアテックス湖北)
概要
大会名 テレ・マーカー Presents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1
日時 2020年2月11日(火/祝) 開場・13:00 第1部開始・13:15 第2部開始・15:00(予定)
会場 大田区総合体育館
チケット料金 柵内VIP 50,000円 アリーナS 15,000円 アリーナA 10,000円 1FスタンドA 9,000円 2FスタンドB 7,000円 2FスタンドC 5,000円 ※当日券は各1000円アップ。
チケット販売 チケットぴあ(Pコード:844-919)
お問い合わせ ブシロードファイト https://knockout.co.jp/inquiry/