尚武会所属のDAIJU、7月21日のムエロークの試合前日に死去
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DAIJU(尚武会/WMC日本ライト級2位)が7月21日の尚武会主催のムエタイ大会「ムエローク」新宿フェイス大会の前日の20日、急性心筋梗塞で死去した。37歳だった。
DAIJUが亡くなった翌日のムエロークは通常通り開催され、会場ではDAIJUの死去については公表されず「不慮の事故により欠場」とのみアナウンスされた。尚武会本部は大会後、公式サイトに訃報を掲載し、20日の計量を終え自宅で睡眠中に死去したことを発表し、「謹んでDAIJUのご冥福をお祈り致します。ジム関係者も突然のことで詳細を把握出来ず後日詳細をご報告申し上げます」と記した。通夜は24日、告別式は25日に東京都八王子市で営まれた。
DAIJUは東京都西多摩郡檜原村出身、1982年6月15日生まれ。ドージョーチャクリキ・ジャパン時代の2007年にプロデビュー。長年、本名の高平大需で選手活動し、R.I.S.E.(現在のRISE)を主戦場とし、チャクリキ・ジャパンの閉館後は新日本キックの藤本ジムに移籍した。中央大学の学生が作成したドキュメンタリー番組で、DAIJUは2015年の夏の新日本での試合前の減量中に脱水症状で倒れ、3週間入院し、医師から引退勧告を受けたことを明かしている。17年2月のタウンニュース八王子版のDAIJUに関する記事には、その時に脳梗塞になっていたことも記されている。
その後、王座獲得の夢をあきらめきれず、八王子にある尚武会に加入し、16年8月のムエロークで現役復帰し勝利。上記の番組にも収録されている、17年8月のムエローク八王子富士森体育館大会では、翔・センチャイジムとWMC日本ライト級王座決定戦を行うも、3R肘でダウンしTKO負けを喫した(上写真はその試合でのDAIJU)。通常のワンマッチでは勝利していたものの、昨年6月のM-ONEでの長谷川健とのWPMF日本ライト級王座でも2R右ストレートでTKO負け。昨年12月のBOMでのWMC日本ライト級王座決定戦でも伊東伴恭に肘によるカットで5R TKO負けを喫し、過酷な戦いが続くも、念願のタイトル獲得にはあと一歩届かない状態が続いていた。昨年6月には結婚し子供も誕生。7月21日のムエロークではウィラサクレック・フェアテックス・イラン所属のメハマッド・サリーと対戦予定だったが、前日に帰らぬ人となった。
(26日夜追記)尚武会から、経緯説明、DAIJUの親族と今井勝義・尚武会会長の談話が届いている。以下全文。
・経緯
DAIJU(高平大需)は7月20日計量、相手選手と撮影を終えジム関係者と談笑したのち帰宅しました。階級も上げ減量も問題なくいつも通りの光景でした。違っていたのは翌日の試合に出場出来なかったことです。自宅にて睡眠から目覚めず直ぐに病院に搬送されましたが帰らぬ人となりました。その後、司法解剖の結果急性心筋梗塞の結果でした。
真面目なDAIJUは今までに減量を失敗したり練習中にケガを負うことはありませんでした。
そんな選手に突然起こった急性心筋梗塞の一報は耳を疑いました。体脂肪率10%以下、睡眠中の心拍数35と普通の人から見れば完璧なアスリートです。未だに信じられない事故にジム関係者のみならずDAIJUに関わっていた多くの方々からお悔やみのご連絡を頂いております。
7月20日、高平大需は翌日に控えた試合の計量を終え、自宅に戻ると「少し怠いから休む」と妻に伝え眠りにつき、そのまま帰らぬ人となりました。
死因は急性心筋梗塞。
スポーツ心臓を持つアスリートが稀に起こす事もある心臓病との事でした。
37歳と早すぎる大需の死に親族一同愕然と致しました。
親族内では家族葬で終わらそうと言う話も出ましたが、寂しがり屋だった大需はきっと多くの人に会わせて送り出した方が喜ぶだろうと、生前大需と親しかった方々に協力をお願いし、葬儀では親族の予想を上回る数の方々に参列して頂きました。
また葬儀を終えた後も大需への問い合わせは後を絶っておりません。
これはムエタイ、キックボクシングを通して大需が様々な方と出会い、愛されてきた証です。
大需に関わって頂いた多くの方々に感謝し、大需の大好きだったムエタイの発展を親族一同心から願っております。親族より
この度のDAIJUの死に未だ向き合うことが出来ません。
常にジムの事を考え、常に周りに気付い、ムエタイに対して真っ直ぐ向きあってた選手が夢半ばでリングから去る無念さを考えるとやるせない気持ちでいっぱいです。
試合が終わる度に「もう少しやらせてください」と嘆願してくるほど試合が好きでした。
前回、栄基(エイワ)との一戦が決まった時には半端な選手じゃなくて燃えて来ました!ありがとうございます!と喜んでました。今回の国際戦には初めて奥さんと愛娘が観戦に来るので、いつも以上に張り切ってました。
年内にもう一度タイトルに挑戦する予定だっただけに残念でなりません
これからはDAIJUの後輩やキッズたちが彼の無念をはらしてくれると思います。
今までに支えてくださったご親族、会社の皆さま、ファンの皆さま、格闘技関係者の皆さまにはこの場を借りて心より御礼申し上げます。今井勝義