ONE 6.7 ルンピニー:内藤大樹「3月の日本大会を見に行って、自分がダメだったって納得できた。もう一回、ONEデビュー戦の気持ちで勝利をつかみ取りに行く」。10カ月ぶり試合はONE 5戦全勝のエストゥピニャンと
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ONE Fight Night 32(6月7日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム)でONEムエタイ・フライ級5位のジョハン・エストゥピニャンとムエタイルールで対戦する内藤大樹のインタビューがONEから届いた。大会の模様は同日午前よりU-NEXTにて生中継される。
ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
ジョハン・エストゥピニャン(コロンビア/5位)
内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/キックボクシング3位、元シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
内藤は29歳。村越優汰、原口健飛に勝利し、那須川天心には2度KO負け。19年からONEに参戦し、22年のムエタイ・フライ級GPでは一回戦でスーパーレックに判定負け。23年以降はONEフライデーファイツが主戦場で1勝4敗。デッドゥアンレック、ゴントラニーに判定負けし、昨年3月にシャーゾット・カブトフに判定勝ちしたが、3週間後のデッドゥアンレックとの再戦では判定負け。8月のファイトナイトではキックルールでエリアス・マムーディと対戦し3RバックハンドブローでKO負けし2連敗中だ。
エストゥピニャンは22歳。昨年5月、ONEフライデーファイツでONEに初参戦し、弘・センチャイジムを27秒でKO。その後もナンバーシリーズやファイトナイトに上がり、6月にザファー・シャイックに判定勝ち、9月にショーン・クリマコに2R TKO勝ち、10月にザカリア・ジャマリに2R KO勝ち、今年1月にジョハン・ガザリに判定勝ち。タイ人とは対戦していないが、ONEムエタイで5連勝し、現在ムエタイ・フライ級5位に入っている新鋭だ。サウスポーからのリーチを生かした伸びのあるパンチと蹴りに、内藤がどう対処するか。
―― 昨年の8月から約10か月ぶりの試合になりますが、いかがですか?
内藤「その間トレーニングはしているし、前回の負けから新たに取り入れたことがあります。ファイターとしては、かなり期間が空いたなっていうのはありますが、自分としてはこの期間、逆に空いたからこそ身になっているものがあると思うので、凄い楽しみです」
―― この10ヶ月間、どのように過ごしましたか?
内藤「まず、ボクシングを始めました。これまでは、パンチとか独学じゃないですけど、チームだけで専属のトレーナーがいる訳でもなかったし、自分たちで映像見たりとか、色々考えながらやってきたんですけど、ボクシングトレーナーを豊橋で見つけて。去年の9月からスタートして、今は週3でボクシングをやっています。かなり手応えを感じているので、僕の自信になっていますね」
―― ボクシングはどのような練習環境なのですか?
内藤「豊橋にある『とよはしボクシングジム』の出身で、プロで試合はしていないですが、プロライセンスを取っている方です。ブラジル人の方で、豊橋は結構ブラジルの人たちが多いんですけど、ジムの2階のフロアでブラジル人の選手たちを中心に教えているところに自分も混ぜてもらって、見てもらっています」
―― ボクシングを本格的に練習することで、ファイトスタイルが変わる部分はありますか?
内藤「やっぱり僕は蹴りの方が得意で、今までの試合は蹴りの数の方が圧倒的に多かったと思うんですけど、蹴りとパンチのバランスが上手く組み合わせることができるようになって。これまで僕のパンチはカウンターなイメージが多いと思うんですけど、自分から打ちに行くような感じになってきて、そういう自分に期待しています。今までの自分のスタイルが変わるかと言えば、変わらないかもしれないですけど、戦い方とか技のバリエーションっていうのは、全く別人のようなものを見せたい。自分でもすごく楽しみです」
―― キャリア50戦で自身の“正しい距離”を既に持っている中、“パンチの武器で勝負してみよう”と言った気持ちはありますか?
内藤「ボクシングを教えてもらって練習を重ねていく中で、徐々に、先生やトレーナーの方から『もっと自信持って行った方がいいよ』『なんでこのパンチ力でKOを増やせないのかがわからない』とか言ってもらえていて。自分でもそれを感じているのがすごくあって。パンチを自信持ってやっていくことで、同時に自分の蹴りも生きるなと思ってて。今まで以上にもっと強い蹴りも蹴れるようになっていると思います。自分の中ではその辺のバランスが良くて、これを本番でしっかり出して、新たな印象を与えたいです」
―― 対戦相手のエストゥピニャンは蹴りも出しますが、被弾上等でパンチの距離でくる選手のイメージがありますが、この点はいかがですか?
内藤「彼はONEでもプロとしても無敗ですよね。彼がONEのデビュー戦で日本人の選手(大森弘太=弘・センチャイジム)と試合したのをたまたま観ていたら30秒ぐらいでKOして。この選手すごい強いなと印象が残っていて、いつかフライ級に来そうだなって思っていました。負け知らずだけあって、思い切りの良さというか、怖いものがないんだろうなっていうスタイルですね。うまいタイプとは思わないんですけど、ブンブン振り回して勢いを持ってくると思います。だからこそ、今の自分を試すのに凄く良い相手だと。ハードヒッターですが、今回は良い意味で相手に合わして、乗っていきたいと。相手の攻撃をただ避けるんじゃなくて、激しい中に入っていきたいという風に思っています」
―― これまでの内藤選手の戦い方であれば、エストゥピニャン戦は高い経験値と技術力で“いなしていく”展開イメージでしたが、今回はあえて“暴風の中に飛び込む”イメージですか?
内藤「それが自分の中で今回の試合の鍵だと思っていて。まさに暴風のような中に飛び込んで、自分だけ当てるみたいな、それがベストな形だと思っていて。それを今回、本当やりたいなっていう風には思っています」
―― 選手として進化していく過程で、今回の試合は“もう一段上のステージに登った内藤大樹を出す”ようなイメージですか?
内藤「正にそんな感じで。今、自分はキャリア的に終盤に来ていると思うんですけど、自分でも実際に成長を感じているし。でも、キャリア50戦やって、新しいことを取り入れるのは勇気のいることで。あんまりその部分を崩したくないタイプだったんですけど、変なプライドみたいなのを一度捨てて、取り入れてみることで、また新しい自分と出会えている気がしています。だから、今回は今までと違うなって思わせたいし、自分自身に凄く期待しています」
―― 繰り返しになりますが、今回の試合の展開、フィニッシュをどう考えていますか?
内藤「相手も来るので、100%激しい試合になると思うし。自分自身もそういうキツイ展開に飛び込んでいかないといけないと思っています。そこに行けば自分が倒す確率は上がるし、倒せると思っているので。世間的な評価は相手が高いと思いますが、そういう相手だからこそ今回はしっかりKOしたいと思っています。ただ勝つじゃなくてKOをしたいです」
―― 武尊選手のONE参戦などもあり、フライ級キックボクシングが盛り上がっています。ランキング3位の内藤選手としては、今回はキックの試合をしたかったなどの気持ちはありますか?
内藤「勿論、キックボクシングを希望したいと言う気持ちはあります。今はキックボクシングのタイトルを狙っていますが、そのためにも今回のムエタイのオファーを受けて、そこで結果を出して、まずはしっかりと発言権を得ないといけないと思っています。次の試合に行くためにも、今回は凄い大事な試合だと思っています」
―― 先程の質問の流れで敢えて伺います。3月の日本大会が凄く盛り上がり、その中には内藤選手の名前はありませんでした。焦りだったり、苛立ちだったり、どのような感情がありましたか?また、今はそれとどう向き合っていますか?
内藤「やはり大会が終わるまでは凄くモヤモヤしていて。これまでの日本大会、なぜ今まで1度も声が掛からないんだろうとか。もっと自分が戦ってきたことを評価してくれてもいいのになとか。確かに日本での知名度だけで言えば、出てきた選手たちには、負けてしまうのかもしれないですけど。ただ、世界と戦ってきたっていう意味では、どの選手よりもやってきたと思っているんで。そう言う思いがありました。やっぱり当時は苛立ちみたいなのは凄いありましたね。
日本大会も見に行く予定じゃなかったんです。変なプライドじゃないですけど、いつでも試合できるように、見に行くのも無駄な時間かなと思って。だったら自分のために時間を使って練習しようとか、そういう感じだったんですけど、やはりモヤモヤしたので、急遽、1週間前ぐらいにチケットを用意してもらって行くことになりました。
結果、見て良かったなって現地ですごく思って。苛立ちみたいなのが、見たことでなくなりました。良いものが見れたし、結局、声が掛からないのは、自分がダメだったんだっていう風に納得ができて。だから、次の日本大会にはアピールしなくとも必ず選ばれるように、日々過ごしたりとか、しっかり結果出してかないといけないなっていう、良い意味での刺激に変わりました」
―― 寧ろ、次に繋がる良い刺激を受けたのですね。
内藤「その通りです。だから僕は今回はデビュー戦の気持ちで戦おうと思っています。もう一回、ONEデビュー戦の気持ち。その感覚で勝利を掴み取りに行くつもりです」
―― 最後に日本のファンの方々にメッセージをお願いします。
内藤「ONEは今、日本人の強い選手たちが入ってきて、さらに日本でも注目が集まっています。その中で自分っていう選手がいるということを、次の試合で印象付けたいなと思っています。注目して観てください」