ONE 11.9 ルンピニー:武尊、ロッタン×スミスを現地観戦「ロッタンに勝ってもらわないと困る」。ロッタンは計量オーバーでムエタイ・フライ級王座はく奪
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ONE 169: Malykhin vs. Reug Reug(11月9日(土)タイ・バンコク:ルンピニースタジアム)のONEムエタイ・フライ級タイトルマッチで対戦するロッタン・ジットムアンノンとジェイコブ・スミス、およびこの一戦を現地観戦する武尊のインタビューがONE Championshipから届いた。
なお、ロッタンは試合2日前の7日の公式計量&ハイドレーションテストをクリアできず、フライ級の135ポンド(61.2kg)リミットから135.5ポンド(61.46kg)契約に変更となった。ロッタンは王座を剥奪され、スミスが勝利した場合のみ王座獲得となる。
大会の模様はU-NEXTにて9日午前10時より生中継される。(写真:(C) ONE Championship)
武尊、ロッタンへの想い、ロッタン防衛戦について語る
9月27日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催された『ONE FRIDAY FIGHTS 81』のフライ級キックボクシングで、タン・ジン(ミャンマー)をKO勝利した武尊(team VASILEUS)。ONE初勝利の振り返りと共に今後の展望、そして対戦が期待される宿敵ロッタン・ジットムアンノンについての心境を語った。
―― 改めて前回のタン・ジン戦を振り返るといかがですか。
武尊「1R目は、相手が結構一発がある選手だったので、色々攻撃を警戒していました。特にローキックでその前の試合で足を怪我したので、そのイメージが強くあって、結構下に意識が行ってしまいました。最初のダウンもやはり、下に意識が行き過ぎて、パンチをもらったというのがあります。でもそこからはいつも通りの戦いに戻れた感覚で。2Rからは、倒し返さないと勝てない状況だったので、もう倒しに行くしかない感じで戦えていました。気持ちを切り替えて上手く勝てた感じです」
―― そのパフォーマンを自身ではどう評価しますか?何点をつけますか。
武尊「ダウンを取られているので、そんなに自分では評価はできないですが、2R以降は自分の戦いができたと思うので2R以降で言ったら70点ぐらいという感じですね。」
―― 対戦したタン・ジン選手のパフォーマンスはいかがでしたか?試合前と試合後で印象は変わりましたか。
武尊「一撃が強い選手というイメージがありましたので、実際に試合の時にもらってしまい、思っていた以上にパンチ力はあったかなと感じました。オープンフィンガーだから倒せてきたパンチなのかなって思っていましたが、グローブでもしっかり効くパンチを打ってきたし、パンチを受けても一発一発が重かったので、これからドンドン成長する選手だと言う風に思っています」
―― ルンピニースタジアムの雰囲気はいかがでしたか。
武尊「お客さんの熱がすごい伝わる会場だし歓声も凄くて、戦っていて気持ちがいい会場だなっていう風に思いました」
―― これまでと違った雰囲気は新鮮でしたか。
武尊「そうですね。新鮮だし、お客さんの盛り上がり方も日本と全然違う盛り上がり方をしていました。選手は戦い甲斐がある会場だと思いますね」
―― 最近の練習状況を教えてください。所属するteam VASILEUSは全員好調だと思いますが、メンバーとどの様な練習を行なっていますか。
武尊「練習内容はそんなに今までと変わらないですが、今ジムを新しく作って、皆で一緒に練習できることが結構多くなって、他の選手の技術を盗んだりとか、教え合ったりみたいな事は前よりは増えたと思います。」
―― その中で現在、技術面やメンタル面などの新しい発見や手応えがあれば教えてください。
武尊「自分がこれまでやってきた戦い方とか、練習方法とか、そういうものを信じてずっとやってきて、それで勝ち続けてきたので、それを続けて来たのはあるのですが、前々回のスーパーレック戦で負けてその事で色々考えさせられることがありました。怪我もありましたし、試合前も本当にオーバーワークで動けなくなったりとか体調を崩したり色々とありました。今まではそれでも勝ってきたので、変えてこなかったのですが、前回の負けで『これじゃダメなんだな』っていうのが分かって。今回の試合はいつもと違う調整方法にしたりしました。ちょっとずつですが、自分に合うやり方が作れてきたのかなと思っています」
―― 今後ですが、海外トレーニングなども予定していますか。
武尊「そうですね。次の試合が決まったら、また合宿に入ろうと思っています。最近はラドウィックさんのジムではなくてLAのジムで練習しています。アメリカのムエタイジムなので、MMAの選手やボクシングの選手も来るし、もちろんムエタイファイターもいて、様々なジャンルの良いところを掻い摘んでやれる。タイに行くと本当にムエタイの練習ばっかりになるし、それこそムエタイ選手を相手にムエタイの練習をしても経験値が違うし、同じ戦いをして勝てる相手ではないと思う。自分の強さに色々な格闘技の良い部分のエッセンスを加えて自分のスタイルを作り上げていくのがここ数年の自分のやり方で、行っているジムはそういうことができる場所です」
―― 11月9日の「ONE169」でロッタン選手がフライ級ムエタイの防衛戦を行いますが、武尊選手は現地観戦しますか。
武尊「そうですね、見に行こうと思っています」
―― 因みに、ロッタン選手とは普段コミュニケーションは取っていますか。
武尊「いえ、全く取ってないです。この前の試合後のリング上で初めて喋ったぐらいですね。」
―― そのリング上でフェイスオフしました。改めて、あの時の瞬間の感情やお気持ちを教えてください。
武尊「『やっと試合ができるな』っていう嬉しさだけでした。あの時はもう『やっとコイツと戦える』っていうそれだけの喜びでした。もしあの試合で負けていたら対戦はないと思うし、自分も終わりかなと思っていたんで、ロッタンと戦えることへの喜びだけでした」
―― 武尊選手が感じるロッタン選手の魅力は何でしょうか。
「やっぱりONEでチャンピオンになっていることもそうだし、今までの戦いとか見てきて、本当に強さプラス唯一無二の戦い方とあのキャラクター。試合を見てなかなか熱くなれる選手って少ないと思うんですけど、僕はあの選手だったらすごい熱い試合ができるなっていうのを見て感じました。同じ階級で世界の頂点を極めている選手で、あれだけ噛み合う選手はいないと思うので、僕からしたら戦いたい理由でもあるし、魅力でもあります」
―― ロッタン選手のファイトスタイルは非常にアグレッシブだと評価されます。選手目線であの戦い方をどう見ますか。
武尊「アグレッシブだと思うのですが、意外と細かい技術使っていたり、意外と丁寧だったりとか、何も考えずに打ち合う選手じゃない。最近の試合を見ると、アウトボクシングみたいな戦い方もできているし、ヒット&アウェイみたいなこともできる。そういうところもできる普通に上手い選手だと思います」
―― 自身のファイトスタイルとの共通点を多く感じますか。
武尊「そうですね。本当に気持ちだけ殴り合っているだけだったら、多分世界は獲れないし、これだけの結果を残せないと思います。 ロッタン選手も凄いバチバチやっているようで高い技術のある選手だと思います。僕も自分で言うのもあれですが、何も考えずにいつも殴り合っている訳じゃなくて、しっかりと技術を磨いて、その上で自分が得意な所で打ち合いだったり殴り合いっていうのをやっています。そういう部分では凄く似ている選手だと思います」
―― ロッタン選手が試合中、自分の感情を表現する対戦相手への「挑発パフォーマンス」をどう思いますか?
武尊「お客さんも盛り上がるし、対戦相手としても気持ちもは上がるし。僕は全然いいかなと思います。やはり盛り上がると思います」
―― 一瞬で会場を沸かすと言う点でも、武尊選手とロッタン選手は共通すると思います。ご自身はどう思いますか?
武尊「盛り上がることは嬉しいことだし。プロとしてはやっぱり大事なことじゃないかなって思います。僕は会場を盛り上げるとか相手と熱くなるっていうのもあるんですけど、自分自身を鼓舞する意味でも盛り上げたりします。それをやることによって自分のパフォーマンスも上がるし、ロッタン選手も多分そういう感覚でやっている部分もあるんじゃないかと思います」
―― 武尊選手が感じるロッタン選手の1番の強さは何でしょうか。
武尊「肉体が凄く強い選手だと思います。打たれ強さだったり、体の芯の強さみたいなのが凄くある選手。その一方で細かい技術やディフェンスの巧さもある。そこが強さの理由だと思います。」
―― その上で今回のジェイコブ・スミスとの防衛戦をどう予想しますか?
武尊「この前のデニス・ピューリックとの試合を見ると、自分よりフィジカルの強い選手に対し、技術の巧さでいなす事に長けていると感じました。ジェイコブ選手自身も身体は強そうですが、攻撃はロッタンが上手く当てるのではないかと思います。ムエタイルールでヒジもありますが、どちらにしても勝ってもらわないと困るので、しっかりと勝って欲しいです」
ー 最後にファンへのメッセージをお願いします。
武尊「ロッタン選手がしっかりと勝ってくれたら、試合は実現すると思います。ONEの過去イチ最高のベストバウトにして必ず勝ちます。皆様も応援をよろしくお願い致します」
ロッタン、スミスとの防衛戦に「チャンスがあればフィニッシュ」武尊戦は「スリリングだった」=『ONE 169』
11月9日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される『ONE 169』のフライ級ムエタイ世界王座戦で、同級3位のジェイコブ・スミス(英国)と対戦する王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)が試合前のインタビューで答えた。
ロッタンは2022年5月に開催された『ONE157』のONEフライ級ムエタイ世界グランプリの準々決勝でスミスと初対決し判定勝利した。
―― 現在のコンディションは。
ロッタン「今回の試合に向けて、栄養士やスポーツサイエンティストと一緒にフィジカルコンディションを向上させてきたので、万全の状態だ。いつでも戦える」
―― 今回のファイトキャンプは何を重視しましたか。
ロッタン「フィジカルコンディションとスピードに重点を置いた練習を行なった」
―― 対戦相手の印象は。
ロッタン「ジェイコブはとても強くてタフな相手だ。気持ちが強く、決して下がらない。今回もガンガン前に出てくると予想している」
―― 今回の試合であなたの強みは?相手の弱みはどこにある。
ロッタン「自分はとても粘り強くタフで決して諦めないファイターだ。相手はスピードのなさがあったが、今回はそこを修正してきていると思う」
―― 対戦相手の警戒する点は。
「先程も言ったが、あのタフさが彼の強みだ。前回はKO出来なかった。あれだけ出血させたのに、立っているのが信じられなかった」
―― ジェイコブがインタビューで「以前より進化して強くなった」と発言しています。どう思いますか。
ロッタン「彼が発言通り進化して、前より100倍強くなっていることを期待するよ。面白い戦いになるはずだ」
―― 理想的な試合展開とフィニッシュは。
ロッタン「やってみないと分からない。試合の流れ次第だ。チャンスがあれば、もちろん、フィニッシュする」
―― 武尊選手について、前回の試合を観客席で見ていましたが、感想は。
ロッタン「観戦してスリリングな戦いだった。彼がダウンをもらった時は、正直ショックだった。『もし戦えなかったらどうしよう』と不安がよぎった。でも最終的には彼はその力強さを見せてKO勝ちした。本当に素晴らしい試合だった」
―― 日本のファンへメッセージをお願いします。
ロッタン「日本のファンの皆さん、必ずお会いしましょう!」
ジェイコブ・スミス、ロッタンのタイトル挑戦に「本気で私をナメているなら愚かだ、驚くことになる」
11月9日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される『ONE 169』のフライ級ムエタイ王座戦で、王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)に挑戦する同級3位のジェイコブ・スミス(英国)が試合前のインタビューで答えた。
スミスは2022年5月に開催された『ONE157』のONEフライ級ムエタイ世界グランプリの準々決勝でロッタンと初対決し判定で敗れた。
―― 現在のコンディションは。
スミス「完璧だ。ファンタスティックな状態だ。興奮して試合が待ちきれない。」
―― 今回の試合に向けて何を意識して準備しましたか。
スミス「感情的になりすぎず、頭を使って冷静に戦うこと。雑にならず、ゲームプラン通りに戦うこと意識している」
―― 1度戦ってみてロッタンの印象は。
スミス「ヤツはキラーだ。しかしそれは私も同じ。今回も相手をぶちのめす同士の戦いになる」
―― ロッタンと比較して、自分が上回っていると思う点はありますか。
スミス「彼に弱点があるなんて考えない様にしている。相手の弱点を突くことに比重を置いていない。自分が進化した点、特に攻撃の部分に意識を集中させて、攻撃的に戦うつもりだ」
―― ロッタンの特に警戒している点は。
スミス「こちらの想像以上に技術レベルが上がっているはずと警戒している」
―― ロッタンは過去のインタビューで、今回の試合も前回同様に圧勝すると語っていますが、その発言についてどう思いますか。
スミス「彼はチャンピオンだし、だから敢えて私を格下扱いにしていると思っている。もし本気で私をナメているなら、それは愚か過ぎる。リング上で驚く結果になると思う」
―― 理想的な試合展開、フィニッシュは。
スミス「もちろん、KOすることが一番理想的だ。ただKOフィニッシュという結果は二の次で、とにかく前に出てKOを狙う戦いがしたい。私の過去の試合を見れば、私がポイント狙いの逃げの戦いをしないファイターだってことがわかるはずだ。私はどの試合でも常にフィニッシュを狙う」
―― 王座を獲得した場合、初防衛戦は誰と戦いたい。
スミス「(2024年5月の前戦で負けた)デニス・ピューリックだ」
―― 日本のファンにメッセージをお願いします。
スミス「いつも応援してくれて本当にありがとう。皆なのために土曜日は最高のショーを見せるので期待してほしい」
また、スミスは公式サイトのインタビュー(10月24日掲載)で以下の様に答えている。
―― ロッタンとの前回の対戦について振り返ってください。
スミス「前回の対決は、彼にとっては楽勝だった。自分は対戦するまで彼の実力がどれほどか、わかっていなかった。最初から最後まで、彼は常に自分の一歩も二歩も先を行っていた。それだけのことだ。これについては言い訳しない。あの対決では自分にあれ以上のことはできなかったと思う。だが、その試合は2年前だったってことを思い出してほしい。自分にとってはONEチャンピオンシップでの初試合だった。4オンスグローブで試合をしたのは初めてだったんだ。ハイレベルな試合も、一流のムエタイ選手との試合も初めてだった。だから厳しい戦いだった」
―― 2年半越しの再戦ですが、今回はどの様な試合をイメージしているか。
スミス「あのときから、2人とも進化して成長してきた。当時は自分のタフさに頼り切って打撃を交わしたけれど、そのために相手の罠にはまってしまった。あまり細かいことは話したくないが、あの試合から多くのことを学んで、現在やこの先のスタイルに取り入れている。だからこそ今回は彼に勝てる気がするんだ。試合展開を考えてみよう。5ラウンドは自分にとって有利だ。調子はいいし、いつも後半のラウンドで強くなる。ロッタンも同じだと思うが、自分が言えるのは、この試合に100パーセント勝つつもりで臨む、ということだ。どうなるかは誰にもわからない。隙があればそこを狙う。だが、そうでなければゲームプランに基づいて、仕事をやり遂げるつもりだ」
―― 今回の試合はロッタン優位の声が多くありますが、それについてどう思いますか。
スミス「今まはあらゆる面で以前より進化している。以前とタフさは変わらないうえ、ファイトIQは高まったし、総合的なスキルは10倍以上向上している。それに、あの試合以来ずっとONEで出場し続けてきた。いまでは何度も出場しているのでかなり慣れて、今回の試合に向けての準備もできていると感じる。今回の試合では、以前と変わらず荒々しくてタフなジェイコブ・スミスを見ることができるだろう。それに加えて、ファイトIQがより高く、気持ちのコントロールも上手にできるようになっている」
―― 今回のタイトル挑戦、自身にとっての意味は。
スミス「(家族の)マクドナルドのハッピーセットのために戦うにしても、ONEチャンピオンシップの世界タイトルのために戦うにしても、自分には関係ない。自分が朝起きる理由は、自分がファイターだから、そしてすべての試合に勝ちたいと思っているからだ。世界タイトル獲得という目標に向かって戦うことは信じられないことだ。子どもたちの未来を変える可能性がある。だから、毎朝起きてそういうことを考えるんだ。けれども、トレーニングには影響しない。目の前の目標が何であろうと、全力でトレーニングをするだけだ」