モラエスにＶＴ戦で判定勝利を上げて以来、ふっきれたように強くなったグルジアのグロム・ザザ。自らのレスリングの力を生かすやり方を見つけたようだ。このところ、タックルからのアキレス連発で見事な勝利を幾つも飾っている。
　片や、第四試合の金原と成瀬を共に下し、相変わらずの地力を見せつけているハン。

　試合はエスケープの取り合いになった。
　この結果だけ見ていると、かつてのリングスのスタイルを想像するかもしれない。しかし、実際は違った、ザザが「上に載る」ことの強みをはっきりと認識して試合に臨んでいるだけに、ハンもそれに対応せざるを得ない。最初のザザの立ちアキレスについては、持ち上げられた体勢から逆にザザのアキレスを取り返すという「らしい」返しを見せたハンだが、ザザが安易に立ちアキレスにいかず、押さえてから首を狙うように戦術を変更すると、ガード、ハーフガードで対応し、そこから腕十字や腕をたぐってのアームロック狙いなどに切り替える。
　かつてとは明らかに違う動きだ。

　ポイント合戦はザザが先行した。
　最初のエスケープこそ、立ちアキレスを切り替えされて取られたものの、次には、マウントを返された後に、ガードからハンの腕を手繰ってアームロック。これに焦ったかハンは、エスケープするだけではなく、パンチをザザの顔面に入れてしまい、一気に二つポイントを失う。しかも、その後の立ちアームロックは完全に読まれ、後ろに付かれて潰されて、スリーパーを食らいエスケープ。
　立て続けに３点を失ってペースを握られるハン。
　アキレスだけではなく、ガードからのアームロック、バックをとってからの素早いスリーパーと、すっかり武器を揃えてしまったザザ。これにそもそものタックルの力が加わるのだからたまらない。
　しかし、それでも、簡単に負けるハンではない。
　足で上にのったザザをコントロールしながら、腕をたぐり、あるいは首を手繰って、一つ一つエスケープを返していく。何とか５分のポイントに戻したい。

（山名尚志）

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［１］W・ピータース×上山龍紀　→→

［２］豊永稔×滑川康仁　→→

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［４］金原弘光×成瀬昌由　→→

［５］V・ハン×G・ザザ

［６］J・カステル×B・タリエル　→→

［７］田村潔司×山本宜久　→→

＜全試合結果＞

取材：山名尚志　カメラ：井田英登
HTML編集：井原芳徳