決して大きくはない金原。だが、ミドル級の成瀬と比べてみると、やはり一回りでかい。成瀬が、一時の、増量作戦をやめているだけに、体格差が見て取れる。
　しかし成瀬に気後れはない。
　スタンドで激しく打ち合う。組んでも、両者ともなかなか倒しにいかず、至近距離で打撃戦。成瀬がボディや金原の太股にガンガン拳をぶちこむ。金原は、成瀬の耳めがけて掌打を放ち、また、えんぴを振り回す。
　ごつごつした試合展開だ。

　グラウンドにはいると、流石に、金原のポジショニングに一日の長がある。しかし成瀬もなかなか極めさせず、隙を見ては足関節を狙いにいく。中盤、ようやく成瀬からアームロックでエスケープを取るが、これも成瀬の膝十字を切り返してのもの。成瀬のマット上でのポジション取りもうまく、金原が押さえきれないうちにロープ・ブレイクになることもしばしば。
　結局、最後にいたるまで、金原のイエロー（金的）と、成瀬のエスケープで１対１のまま。このままドローか、と思われたが・・・・最後の最後、両者のコーナーに押しつけあってのどつきあいの最中、成瀬の拳が上に流れてしまい、イエローを食らう。
　だが、成瀬の健闘が光りに光った試合だった。
　　

（山名尚志）

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［１］W・ピータース×上山龍紀　→→

［２］豊永稔×滑川康仁　→→

［３］B・ジュリアスコフ×坂田亘　→→

［４］金原弘光×成瀬昌由

［５］V・ハン×G・ザザ　→→

［６］J・カステル×B・タリエル　→→

［７］田村潔司×山本宜久　→→

＜全試合結果＞

取材：山名尚志　カメラ：井田英登
HTML編集：井原芳徳