99･8･1 PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR GAORA NEO BLOOD TOURNAMENT DAY&NIGHT 後楽園ホール 第3試合　トーナメント１回戦10分1本勝負 × 　 窪田幸生 　 10+3分 判定3-0 ○ 　 須藤元気 　 　頭に付けた赤いサイレンを回しながらの入場は、須藤元気。セコンドには師匠のバス・ルッテン。ニーパットとシューズ、レガースはなし。一方窪田は最近のノー・キック・スタイルから、従来のフル装備に。 　 ゴングと同時に膝蹴りで入ってくる須藤。掌底で返す窪田。バックステップから潜り込んで足関節狙いの須藤。取らせず膝蹴りを放つ窪田。逃げながらバックに素早く回る須藤。その腕をアームロックに捕らえようとする窪田。抜いて正面から腕を差し、コーナーに詰める須藤・・・その背中の大きな刺青は、羽ばたく鳥をモチーフにした地上絵のようなデザイン。この数十秒の攻防はまさにハイブリッド・レスリング。スピード感、見栄え、フェイクのバリエーションでは、やや須藤に分があるようだ。 　 須藤のスタイルは、ルッテンの一番弟子というふれ込みから想像出来るものとは大きく異なる・・・リオン・ダイクのようなタイプではけっしてない。小さい体をカバーするように、ガードポジションでは膝まで伸ばして距離を取り、隙あらば腕関節・足関節・掌底を狙ってくる。スタンドレスリングでも、フェイクのバリエーションを活かしてのタックル、バランスを上手く使っての差し替え、逆転を狙うなら反り投げなど、スピードを活かした攻撃が得意なようだ。一方打撃はあまり得意ではないようで、スタンドでは上体が乗り切らない感じの掌底を返す程度。 　 窪田はこの須藤の器用な足に阻まれて、なかなかいいポジションが取れない。パスガードをしかけても、すぐに膝が入って来て距離を取られてしまう。だがそれでも構わず体重を浴びせて放つ窪田の掌底は、須藤の左目を腫らせていく。 　 互いに決定打を出せぬまま、残り時間３０秒で激しい打ち合い。須藤の打撃はけっして上手いものではないが、窪田も似たようなものなのでいい勝負になっている。やがて須藤は、窪田がフラフラとロープに腰を預けるまで追い込む。前回の試合のダイクより、余程ダウンではないか？と思わせる姿だったが、ジャッジはノー・ダウンと宣言。組み付いた窪田が須藤を押し倒したところで、本戦終了。２ドロー、窪田に１本のドロー判定で、３分間の延長に。 　 延長戦１分。反り投げから須藤はハーフマウントながら、この試合初めて窪田の上になる。そこから時間はかかったがマウントに成功。そこから窪田が逃げれば、胴絞めをキープしてチョーク狙い。これは惜しくもアウトサイドブレイク。再びスタンドに戻ったものの、両者有効な攻撃が出せぬまま時間切れ。判定は３−０で、延長戦を有利に進めた須藤の勝利。 　 試合後、四方に土下座する窪田。それに向かって水をぶっかける鈴木。この鈴木の行動をどう解釈するかは人それぞれだが、窪田はいったいどう解釈するのだろうか？ （誉田徹也） 　 昼の部 夜の部 ［1］渡辺vs井場→→ ［1］美濃輪vs渡辺→→ ［2］美濃輪vs高瀬→→ ［2］須藤vs豊永→→ ［3］窪田vs須藤 ［3］デルーシアvs山田→→ ［4］石井vs豊永→→ ［4］ダイクvs柳澤→→ ［5］伊藤vsライトル→→ ［5］渡辺vs須藤 ［6］近藤vsゴドシー→→ ［6］美濃輪vs豊永→→ ＜全試合結果に戻る＞ 　 取材：誉田徹也　カメラ：大場和正