(レポ&写真) [パンクラス] 4.27 後楽園:吉朗、bodog刺客に勝利
ワールドパンクラスクリエイト "PANCRASE 2007 RISING TOUR" 2007年4月27日(金) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第7試合 メインイベント フェザー級 5分3R ○前田吉朗(パンクラス稲垣組/王者) ×ダニー・バッテン(イギリス/bodog/ケージ・ウォリアーズ・フェザー級王者) 判定3-0 (松宮30-28/梅木30-28/和田30-27)
1R、リーチのあるバッテンは、サウスポーの吉朗のテーピングした膝を狙い、着実にローを当てる。戦いにくそうな吉朗は中盤、組み付いて上に。パウンドを落とした後、踏みつけを狙うが、バッテンは吉朗の動きを読んでかわす。 2Rもスタンド戦が続くが、次第に吉朗のボディ狙いのストレートが当たり出す。左ミドルと左フックも当て、終盤はパウンドを落とし着実にラウンドのポイントを取る。 3Rも左ミドルでバッテンを吹き飛ばした後、パウンド、踏みつけ、サッカーボールキックで猛ラッシュ。とはいえ本人も「動きにキレが無かった」と振り返ったように、ここぞという場面での一刺しから、いつものような殺気が伝わらない。最近7試合負け無しの英国金網王者は、驚異的なタフネスを発揮。終盤は攻めている吉朗が苦しそうな表情を見せ、バッテンが平然としていたほどだった。
この日出場したbodog派遣選手のバッテン、ラフィーク、そして2月大会に出たグスタボ・PC、チアゴ・シウバ。4人とも世界のトップクラスには及ばないとはいえ、日本人には手ごわい相手だ。 演出面でも今大会よりグローブやコーナーポスト等にbodogのロゴが入り、5月30日と7月27日の後楽園大会もbodogがスポンサーとなる。bodogとの提携は、資金・人材・広報等、いろんな角度から確実にパンクラスに光をもたらし始めている。 だがその光が、パンクラスの良さを照らすスポットライトとなるか、それともパンクラスの本来持つ光までかき消すほどの爆破光となるかは、実際にbodogの派遣する世界の実力者たちと肌を合わせる、日本人選手たちの放つ光量次第。第1戦を突破した吉朗だが、これからもまだまだ厳しい戦いが続くだろう。
第6試合 セミファイナル ミドル級 5分3R ×佐藤光留(パンクラスism/2位) ○ブライアン・ラフィーク(フランス/ジュカオ・アシル・チーム / bodog) 2R 2'16" KO (グラウンドパンチ)
新調した真っ白のメイド服を着て、勢いよく走って入場した光留。試合でもその勢いを維持するかのように、首投げから横四方のポジションを奪い先手を取る。だがハーフに戻されると、パス狙いのカウンターでラフィークが下にもぐり、バックを奪う。
そのチャンスは逃してしまったラフィークだが、その後は終始主導権。1R終盤には勢いのあるパウンドで光留を痛めつけ、2Rには得意のギロチンでチャンス。最後は光留のバック狙いの動きを読み切って潰すと、上から再びパウンドと鉄槌の雨を降らせ光留を粉砕した。 21歳と若く、まだ発展途上とはいえ、ここぞという場面できっちり仕留めに行く判断能力や度胸にダイヤの原石の輝きを見た。試合後は中西の持つパンクラス・ミドル級の王座奪取を表明。ヘビー級のチアゴ・シウバがUFCに流出した今、bodog系で一番最初にパンクラス王座に就くのはこの若者かもしれない。
第5試合 ミドル級 5分3R ○竹内 出(SKアブソリュート/1位) ×渡辺大介(パンクラスism) 判定3-0 (岡本30-28/和田30-28/廣戸30-27)
1R中盤、竹内がサバ折りで上になるが、渡辺は防御。2R、渡辺が右ストレートを当てると、竹内はまたも組み付いてくるが、渡辺は得意のギロチンで捕まえ大チャンスを得る。 だが良かったのはここまで。ギロチンを外してそのまま上から攻めた竹内は、パウンドで渡辺のまぶたを切り、ラウンド終盤にはバックマウントに。3Rもパウンドでねちっこく痛めつけ完勝した。悲願の王座奪取に向け、次の壁はラフィークとなりそうな気配だ。
第4試合 ウェルター級 5分2R ×坂口征夫(TEAM坂口道場) ○チェ・ヒュンソク(韓国/チームタックル) 1R 1'51" KO (左ストレート)
開始すぐのパンチの打ち合いで、ガードが甘く体格でも劣る坂口はぐらついてしまう。その後、右ハイと膝蹴りを当てるが、打ち合いにもつれ込むと左ストレートをアゴにもらい、あっけなくマットに沈んだ。 坂口は「韓国まで追いかけてでも仕返しをしたい」と悔しさを露わに。周囲の期待の重圧から下痢になるなど体調を崩し、十分な練習ができなかったとも明かした。 パンクラスの尾崎允実社長は「負けたけど素晴らしい試合をした」と闘志を讃え、7月27日の後楽園大会でプロ2戦目を組む考えを示した。だが階級を下げるなり、防御をしっかり身につけない限り、今回の二の舞になりかねない。厳しいプロの洗礼を浴びた坂口。今回の完敗をどう糧にするか。本当の勝負はここからだ。
第3試合 フェザー級 5分3R ○志田 幹(パンクラスP's LAB東京/2位) ×井上 学(U.W.F.スネークピットジャパン/3位) 判定3-0 (岡本30-28/廣戸30-28/松宮30-28)
1R、スタンドでプレッシャーをかける志田が左フックを随所で当て攻勢。2R、志田はマウントを取りかけるが、井上は脱出し、スタンドで右ハイを当て反撃する。3R、志田が左右のフックと飛び膝で一気にラッシュを仕掛けるが、膝がローブローとなり一時中断。苦しむ井上だが逆にこのストップで最大のピンチを脱することに。最後まで優位に試合を運んだ志田。KO勝ちには至らなかったものの、安定した強さを見せつけた。bodog系との対戦も見てみたい。
第2試合 ウェルター級 5分2R ○和田拓也(SKアブソリュート) ×山田崇太郎(TEAM JUNKiey) 判定3-0 (岡本20-19/和田20-18/廣戸20-19)
4月15日のアブダビ日本予選で実現したカードの再戦。その時は山田が勝利したが、総合では和田に軍配が上がった。山田はアブダビ同様引き込んでからラバーガードを仕掛けるが、和田は随所でパウンドをうまく当てる。2R残り1分のブレイク直後、和田のスタンドパンチで山田がダウン。和田の勝利を決定づけた。
第1試合 ライト級 5分2R ×武重賢司(パンクラス稲垣組) ○昇侍[しょうじ](K.I.B.A.) 1R 2'28" KO (グラウンドパンチ)
昇侍がスタンドでの多彩な攻めで主導権。パンチでダウンさせた後、サッカーボールキック。武重は立ち上がったが、再びパンチで倒すと踏みつけとパウンドで粉砕した。 試合後マイクを持つと「ウマハノフにライト級王座を渡したくない。来月も出るんで見に来て下さい」とアピールした。先月は星野勇二に判定で敗れ、「ライト級とウェルター級の2階級制覇を目指す」と宣言されてしまったが、昇侍も後を追うように王座取りを表明。ノーランカーとはいえ、実力はランカーに引けを取らない上、試合も毎回面白い。そろそろ休憩明けの試合も見てみたい選手だ。
パンクラスゲート第1試合 ライトヘビー級 5分2R △鈴木慎吾(ALLIANCE-SQUARE) △藤岡裕士(品川CS) 時間切れ
Last Update : 04/27 23:39
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