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(レポ&写真) [パンクラス] 3.18 後楽園:川村、金原を激闘の末KO

ワールドパンクラスクリエイト "PANCRASE 2007 RISING TOUR"
2007年3月18日(日) 東京・後楽園ホール  観衆:1900人(満員・主催者発表)
 
  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ※大会の模様はスカイ・A Sports+にて3/26(月)20:00〜22:00初回放送


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第6試合 メインイベント ライトヘビー級 5分3R
○川村 亮(パンクラスism/3位)
×金原弘光(U.K.R.)
3R 1'36" KO (スタンドパンチ)


 1R、川村がアカーシオもKOした右フックで金原をひるませ先手。金原のタックルを潰してラッシュを仕掛ける。だが金原もスタンドに戻すと、打ち合いでパンチを当て一歩も引かない。
 2Rはグラウンドで互いに上になるもチャンスの無いまま終了。3R、後の無い金原は一本狙いでタックルを繰り返すが、川村は右フックやサッカーボールキックをヒット。金原万事休すかと思われた。
 ところが金原の気持ちは折れない。殴り合いでもらいながらも当て、川村をひるませ、流れを変えようとする。両者ともフラフラ。PRIDEの五味×川尻を思い出させる、やるかやられるかの展開に突入し、場内は大盛り上がりに。金原が公開練習で見せると話していた「総合の深み」とはこのことか。

 しかしその発言に対し川村は「僕は勝ってそれを学びたい。絶対に負けない」「僕にあるのは勢いのみ。金原選手が勢いをかわそうとしても、僕は潰して飲み込みたい」と話していたが、その言葉どおり、ここから真骨頂を発揮。右フックで金原の左目尻をカットしたのをきっかけに、怒濤のパンチラッシュ。被弾しながらも左ストレート、右フックをクリーンヒットさせ前へ前へ。さすがの金原も後ずさりするようになり、最後はパンチの連打で見事金原を撃沈した。

 金原に勝った選手は過去にたくさんいる。だが、ここまで真っ向勝負に挑み、金原の魂を響かせた選手はいなかったのではないだろうか。金原はマイクを持ち「いい選手が育ってきてくれてうれしい」と川村を讃えると、「あと1試合で引退します。パンクラスで引退します」と表明した。選手生活15年の男に、デビュー2年足らずの男が引導を渡した。パンクラスの尾崎允実社長は、相撲の千代の富士と引退を決意させた若き日の貴乃花に二人を喩えたが、今の川村には、それだけの輝きがある。

 引退理由を聞かれた金原は、しばらく言葉を詰まらせた後、涙を浮かべながら語る。「膝の手術をしてから、連敗して、辛かった。前は試合が楽しみだったけど、今は憂鬱と不安が強くなった。リングに上がると吹っ切れるけど、上がる前の気持ちを作るのが難しくなった」。パンクラスを引退場所に選んだのはUWF系で唯一残っている団体であることが理由。最後の相手として、05年に一度戦ったことのある王者・近藤有己を希望した。

 試合後の川村は「魂を受け止めました。僕みたいな若造が戦わせてもらえて光栄です。全力でぶつかれて楽しかった。今日の戦いは僕にとって宝物ですね」と充実した表情で語った。とはいえ今日得た宝物を、思い出としてしまい込む気はない。マイクアピールでは「立ち止まっているわけにはいかない。どこまで行けるか、みなさんも川村亮と一緒にRISING(今年のパンクラスのテーマ)して行きましょう」と宣言した。全ての魂・宝・エネルギー、そして悩みや痛みまでをも、さらに上昇(RISING)していくためのエネルギーに変えるこの男の原動力。まだまだ底は見えない。

 
 

第5試合 ミドル級 5分2R
×金井一朗(パンクラスism)
○ガジエフ・アワウディン(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)
1R 1'05" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)


 ガジエフが強引なタックルとパンチで先手。押し込んだ状態でも膝蹴りでプレッシャーをかけ、後ずさりした金井をフックの連打で撃破した。元スペツナズの集中力の高さを感じる試合だった。

第4試合 フェザー級 5分2R
○DJ.taiki(K.I.B.A./1位)
×今泉堅太郎(SKアブソリュート)
判定2-0 (和田20-19/小菅20-20/廣戸20-19)


 急遽出場の今泉は、DJの周りを回り続けるアウトボクシング。2Rになっても攻めなかったため、レフェリーから注意される。今泉が少し前に出るようなると、DJの右アッパーが当たるように。返り討ちを果たしたDJだが「イライラした。(澤屋敷戦の)ジェロム・レ・バンナみたいな気持ちですね」とガックリ。「こういう展開でも攻められる練習をしないと」と反省した。

第3試合 ライト級 5分2R
×矢野卓見(烏合会/1位)
○松田恵理也(TEAM坂口道場/ネオブラッド・トーナメント'06ライト級優勝)
1R 1'30" KO (膝蹴り)


 打撃を嫌い組み付こうとし続ける矢野の顔面に、松田が膝蹴りをクリーンヒット。サッカーボールキックも浴びた矢野は担架で運ばれた。松田はランク入り確実に。

第2試合 ライト級 5分2R
○星野勇二(和術慧舟會GODS)
×昇侍(K.I.B.A.)
判定3-0 (和田20-19/谷内20-19/梅木20-19)


 激しいパンチ戦。星野が1Rに昇侍をダウンさせ、2Rには右まぶたを切り裂き勝利した。「ライト級とウェルター級の2階級制覇を目指す」と宣言。

第1試合 ウェルター級 5分2R
△本田朝樹(パンクラスP's LAB横浜/ネオブラッド・トーナメント'06ウェルター級優勝)
△梁 正基(スタンド)
判定1-0 (小菅20-19/和田20-20/廣戸20-20)


 本田が下から腕を狙い、梁が上からパウンドを落とす展開。本田の下からの蹴り上げで梁が鼻血を出したが、あまり差がつかずドローに終わった。


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Last Update : 03/19 16:42

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