NJKF 4.30 岡山コンベンションセンター(レポ):国崇、アゴ骨折も逆転TKO勝ち「頑張れば何とかなるんですわ」。庄司理玖斗、TKO勝ちし「国崇を超える」宣言
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NJKF拳之会主催興行20th ~ NJKF2023 west 2nd ~
2023年4月30日(日)岡山コンベンションセンター
記事提供:NJKF、拳之会(レポート&写真:高崎計三)
第9試合 WメインイベントII ISKA JAPAN 杯 58kg契約 3分5R ※ヒジあり
○国崇(拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
×ジェイソン・トラン(AMMA/ISKA&WBCオーストラリア王者)
TKO 4R 0分46秒
※ヒジ打ちによるレフェリーストップ
拳之会主催興行としては20回目を迎える記念すべき大会で、岡山コンベンションセンターでは昨年10月以来半年ぶりの開催となった。
今大会の目玉は「ISKA JAPAN杯」と銘打たれた国際戦。106戦目を迎え、なおも拳之会のエースに君臨する国崇が、ISKAとWBCムエタイのオーストラリア王座を保持するジェイソン・トランを迎撃する一戦だ。
国崇は約1年前の昨年5月、光太朗ZLSに敗れて地元・岡山での無敗記録が14戦目でストップ。10月の倉敷・真備町大会でタイ人を相手に再起し、今年2月には後楽園ホールでジョニー・オリベイラと対戦。試合直前の練習で鼻を骨折し力を発揮できず判定負けを喫し、今回は地元での再起戦となった。今大会の冒頭には国崇をグランドチャンピオンに認定しているISKAから、功労賞の表彰も受けた。
オーストラリア2冠王者のジェイソンは17戦14勝(4KO)3敗という25歳。スイッチしながら左右フックを勢いよく振り回すアグレッシブなスタイルが身上だ。
1R、ジェイソンのスタイルがさっそく発揮される。まずはジャブで様子を見る国崇に、早い段階から左右フックを振り回し、ヒジも狙ってくる。国崇もヒジを出して応戦。右ストレートをヒットする場面も。だが終盤、ジェイソンは国崇のローを取ると左を当て、そこからラッシュへ。この試合は各ラウンドでマスト採点となるISKAルールが採用されており、このラウンドはジェイソンがポイントを先取したと思われる。
この攻勢を受けて、2Rにはジェイソンが一気に勝負に出る。前半に左フックでダウンを奪い、さらに前進。劣勢に立った国崇は左ボディを返す場面もあったが、もつれて背中を見せた隙にパンチをもらい、さらにダウンを重ねる。ISKAルールではフリーノックダウンとはいえ万事休すかと思われたが、ここで国崇がカウンターのヒジをヒットし、ダウンを取り返す。この一撃でジェイソンの動きが鈍り、国崇は左ボディなどで追撃。
3Rに入る際には国崇もダメージは否めない様子だったが、動きの落ちた相手に攻撃の糸口も見え、左フックでダウンを奪う。さらにローも効いている様子で、終盤には右ハイも見舞う。だがジェイソンも試合を諦めてはおらず、パンチやヒジで反撃を試み、油断はできないという空気が場内にも流れる。
ポイントでは逆転した国崇だが、3Rに大きなダメージを負ったらしく、4Rに向かう際にはセコンドから「踏ん張れ!」との声が飛ぶ。その中、序盤に国崇がヒジをヒットするとジェイソンは左目上をカットして出血。ドクターチェックとなるが、拳之会興行にずっと関わっている医療スタッフが「今まで見た中で一番深かった」と言うほどの傷で、レフェリーはすぐに試合をストップ。国崇の大逆転TKO勝ちで試合は幕を閉じた。
国崇は3R、ジェイソンのパンチでアゴが折れた模様で、試合後もつらそうな表情。だが勝利者インタビューで「ひと言だけ」とマイクを向けられ「アゴ割れててうまいことしゃべれないんですけど、ドランカーとかじゃないんで心配しないでください」と話すと、場内の反応に「ここ、ウケるとこですよ」とジョークまで。さらに「5月で43歳になるんですけど、ケガ続きです。現役生活も22~23年やってますけど、でも、頑張れば何とかなるんですよ。コロナとか年だとかって言う人もおるかもしれんですけど、頑張れば何とかなるんですわ」と続け、場内からは大きな拍手が起きた。
試合後の控室でもいつになくつらそうな様子を見せていた国崇は、救急車で病院に直行。下アゴの骨が真っ二つに折れていたようで、しばらくは治療に時間がかかる見込みだ。なお、ジェイソンの傷も10針以上縫うものだったという。
しかし106戦目で25歳の海外新鋭を迎え撃ち、劣勢に立たされながらも勝機を逃さずに攻め込み逆転勝利を果たした国崇は、改めて拳之会のエースであり、日本キック界でも希有な存在であることを実証してみせた。この試合は国崇のキャリアの中でもベストバウトと呼んでいいほどの大激闘で、大きなリスクを負いながらも最終的に仕留めてみせる姿には、場内から拍手が鳴り止まなかった。
第8試合 WメインイベントⅠ ミネルヴァ アトム級タイトルマッチ 3分3R
○MARI (ナックルズGYM/ミネルヴァ アトム級王者)
×ほのか(KANALOA-GYM)
判定3-0(30-28、30-29、30-29)
※MARIが王座初防衛
ダブルメイン第1試合は、NJKFミネルヴァ・アトム級タイトルマッチ。やはり倉敷が地元の王者MARIが、3月のジャパンキック新宿大会で祥子JSKを下して挑戦権を勝ち取った岐阜のほのかを迎えての初防衛戦に臨んだ。昨年5月の真備町大会で同王座を獲得し2階級制覇を成し遂げたMARIは、ノーガードからパンチや顔面への前蹴りなどを繰り出していったが、組み主体のほのかになかなか自分のペースが掴めない。ほのかは首投げ狙いのような体勢になる場面も多く、攻防が止まる場面も多々見られたものの、その中でも主導権を握ったMARIが判定勝利で防衛に成功した。
試合後のMARIは「不甲斐ない試合をしてしまった。相手の首相撲とかで冷静じゃない自分がいた」と反省しきり。だが最後には「今日でアトム級の選手全員と対戦しました。1個上の階級で、私が他団体で負けている選手に勝っている選手がベルトを持っています。現役でいる以上一番になりたいので、まだミネルヴァで誰もやったことのない三階級制覇を目指して、真美選手が持つベルトに挑戦したいです」と、さらなる目標をブチ上げた。
第7試合 WセミファイナルII スーパーバンタム級 3分5R ※ヒジあり
×湧也(BOSS GYM/DEEP☆KICK-55kg級5位)
○庄司理玖斗(拳之会/NJKFスーパーバンタム級7位)
TKO 2R 1分46秒
※左フック
ダブルセミファイナル第2試合は、拳之会期待の新鋭・庄司理玖斗(NJKFスーパーバンタム級7位)が、DEEP☆KICK-55kg級5位の湧也と対戦。4勝(2KO)1敗1分けで7戦目の庄司にとって、8勝(2KO)5敗2分の湧也は試合数で倍以上のキャリアを持つ相手だが、開始早々からロー、ミドルに左のパンチなどで攻める。2Rに入ると得意の打ち合いから得意の左フックを決め、TKO勝利を飾った。歓喜の庄司はキックの前にやっていたというブレイクダンスも披露。
庄司は試合後のマイクで「これから、拳之会絶対エースの国崇を超えられるようにメチャクチャ頑張ります。皆さん、応援よろしくお願いします!」と“国崇超え”を宣言。2003年にスタートし、今年で20周年を迎える拳之会興行だが、所属選手から「国崇を超える」との言葉が出てきたのはこれが初めて。庄司の今後にも大いに期待したい。
第6試合 WセミファイナルⅠ ミネルヴァ バンタム級 2分3R
○ARINA (闘神塾/ミネルヴァ スーパーフライ級王者)
×水野志保(名古屋JKファクトリー/NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級2位)
判定3-0(30-27、30-27、30-28)
ダブルセミファイナル第1試合は、NJKFミネルヴァ・スーパーフライ級王者のARINAが登場。大ベテランの水野志保を相手にヒザで圧倒し、パンチラッシュも見せて判定勝利を収めた。
その他、プロ全9試合中、6試合がKO決着となり盛況のうちに終了。
現在は年2回の開催となっている拳之会主催興行、次回は11月19日、倉敷市真備町のマービーふれあいセンターでの開催が予定されている。
第5試合 80kg契約 3分3R ※ヒジあり
○佐野克海(拳之会/NJKFスーパーウェルター級2位)
×ギャオス(チーム ギャオス)
TKO 1R 0分59秒
※左ストレート
第4試合 58.5kg契約 3分3R
×勇(OU-BU GYM)
○竹添翔太(インスパイヤードモーション)
TKO 2R 0分25秒
※右ストレート
第3試合 60kg契約 3分3R
○田中陸登(拳狼会)
×中元優成(team Bonds)
判定3-0(30-27、30-27、30-28)
※中元は体重オーバーで減点1
第2試合 スーパーフェザー級 3分3R
○祐輝(OU-BU GYM)
×蓮 SUNCOSMO(SUNCOSMO GYM)
TKO 1R 1分02秒
※パンチ連打
第1試合 スーパーライト級 3分3R
×垣内哲郎(拳之会)
○寛弥(BOSS GYM)
TKO 1R 2分54秒
※右ローキック
〈オープニングファイト〉
アマチュアキックボクシングNEXT☆LEVEL
第3試合 50kg 2分2R+ex1
○細川凜愛(Studio Player)
×服部華鈴(GET OVER)
ex判定3-0
第2試合 50kg 2分2R+ex1
×杉生虎雅(心将塾)
○庄司翔依斗(拳之会)
判定0-3
第1試合 55kg 2分2R+ex1
×林 梨子(team Bonds)
○松田沙和奈(NJKF拳之会)
判定0-3