BOUT 11.21 北海道恵庭市総合体育館:嶋田将典、地元北海道の安斎宙を秒殺KO。野呂裕貴、1日限りの復帰戦はKO勝ち。ぱんちゃん璃奈と大倉萌が実戦さながらのエキシ
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格闘技医学会
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ノースエリア格闘技イベント BOUT 43
2021年11月21日(日) 北海道恵庭市総合体育館アリーナ
記事提供:BOUT実行委員会(レポート:布施鋼治 写真:長尾廸)
恵庭総合体育館でBOUTが行なわれるのはちょうど1年前のBOUT41以来1年ぶり。ぱんちゃん璃奈の登場や野呂裕貴の復帰など話題も多く、観客は280名(主催者発表=超満員札止め)。観客数は選手や大会スタッフを合わせ総入場者は300名という制限が設けられていたための措置だった。次回は来春開催の予定だが、今大会同様キック+MMAのマッチメークで主催のBOUT実行委員会はケージでの開催も視野に入れているという。
第6試合 メインイベント RISE スーパーフェザー級 3分3R(延長1R)
○嶋田将典(Stay Gold/RISEスーパーフェザー級7位)
×安斎 宙(Kickboxing Academy Sapporo)
1R 0’30” KO (右ストレート)
今年4月開催のBOUT 42では磯山恒基を左の三日月蹴りによって3R KOで撃破し、1年3カ月ぶりに再起を果たした安斎宙。その勢いで今大会ではメインに抜擢された。所属するKickboxing Academy Sapporoのキック部門では山川賢誠に続いて期待されている存在だ。今回の対戦相手は過去2度もBOUTに参戦している嶋田将典(Stay Gold)。かつて武尊や白鳥大珠とも拳を交わしたキャリアを持つ静岡の雄だ。KO率は7割を超えるハードパンチャーでもある。
しかも、今回の契約体重は嶋田に合わせたスーパーフェザー級。バンタム級が適正の安斎にとっては試練ともいえるマッチメークだった。1R、オーソドックスに構える両者は右ローで探り合う静かな立ち上がりに見えた。そうした中、嶋田はいきなり右ストレートをジャストミート。この一撃をまともに食らった安斎は立てず、会場に10カウントを響かせた。嶋田の衝撃的ともいえる一撃で今大会は幕を閉じた。
第5試合 エキシビションマッチ 2分2R
―ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)
―大倉 萌(大道塾吉祥寺支部/RISE QUEENミニフライ級2位)
勝敗無し
本来ならば、ぱんちゃんは1年前のBOUT 41に参戦し、STRUGGLEの鈴木秀明会長とエキシビジョンマッチなどを披露する予定だった。しかしながらケガによって泣く泣く出場をキャンセル。そこで今回仕切り直しのエキシビションマッチが組まれた。
対戦相手はBOUTでプロデビューし、その後ベースとなる大道塾での活動を続けながらRISEに参戦する北海道帯広市出身の大倉萌に。東京ではホームとするリングが異なるだけに、現時点で本戦では実現不可能な組み合わせだ。
もっとも最近はエキシといっても、那須川天心VSフロイド・メイウェザーを見るまでもなく、模範試合の範疇を超え、限りなくリアルファイトに近い攻防を繰り広げるケースも多い。ぱんちゃん対大倉は、まさにそうだった。レガースをつけての一戦だったが、それ以外は限りなく本戦に近いスタイルに。しかも当初は2分1Rの予定だったが、お互いの「せっかくやるなら、ちゃんとやりたい」と意見が合致したため、急遽2R制に変更された。当日会場に詰めかけた北海道の格闘技ファンにとってはうれしいボーナストラックだ。
リーチを活かしたぱんちゃんの力強く鋭いワンツー、相手の攻撃をカットしてから放つ大倉の絶妙な右カウンター。テクニカルな攻防が続く中、試合時間はあっという間に過ぎていった。このふたりの本戦が実現する日はやってくれるのか。
第4試合 RISE スーパーフェザー級 3分3R
○野呂裕貴(エスジム/元WPMF日本&NKBバンタム級王者、元ムエタイオープン・スーパーバンタム級王者)
×ソントン・チタラダ(タイ/元ルンピニー認定バンタム級2位)
2R 1’04” KO (右フック)
かつてWPMFやNKBの日本バンタム級など国内ムエタイ3冠王として活躍した野呂が1日限りの復帰を果たした。ルールは以前野呂が得意としていたムエタイやヒジ・ヒザありの純キックボクシングルールではなく、RISEルール。「現役時代に経験できなかったルールを体験することで、今後の指導に活かしたい」というのが復帰の理由だった。
現在は札幌を拠点に指導者としての道を歩む野呂にとっては久々のリングとなったが、この日のためにきちんと追い込みもしてきたのだろう。1Rこそお互いムエタイのリズムで闘う場面が多かったものの、手数はワンツーを主体に積極的に前に出ていた野呂の方が上。2Rになると、左からの右フックで先制のダウンを奪う。立ち上がってきたソントンに対して、野呂は再び右を決め熱戦に終止符を打った。まだ34歳。もう一花咲かせてほしい気もするが…。
第3試合 パンクラス バンタム級 5分3R
○上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸/ネオブラットトーナメント2019同級準優勝)
×愛翔[あいと](P’s LAB札幌/Kickboxing Academy Sapporo)※谷村愛翔 改め
判定3-0
BOUT 41ではメインイベンターに抜擢され、念願のMMA初勝利を飾った愛翔が1年ぶりに復帰した。スタンドに活路を見出そうとする愛翔に対して、上野は相手の打撃をかくぐってタックルを狙う展開に。グラウンドになると愛翔はクローズガードになる攻防が多く、次の展開が生まれない。愛翔のセコンドに就いた先輩の後藤丈治から「組むな。解除してからのエビで立て」という指示が出たが、なかなかそうすることができない。3R終盤、ようやくスタンドの打撃で愛翔は上野に襲いかかるが、時すでに遅し。試合の流れを変えるまでには至らず、3-0の判定で完敗を喫した。
第2試合 パンクラス フライ級 5分3R
×平賀正孝(TEAM URESPA)
○江崎 壽(ALMA FIGHT GYM BASE/全日本アマ修斗2021フライ級優勝)
1R 1’17” 裸絞め
BOUTの常連である平賀が2年ぶりに復帰し、この日がプロデビュー戦の江崎を迎え撃った。しかしながらブラジリアン柔術やアマチュア修斗で実績を積み上げた江崎は1R開始早々平賀をチョークスリーパーで絞め落とし初陣を飾った。今後が楽しみな存在だ。
第1試合 RISE セレクションマッチ(プロ査定試合) バンタム級 2分3R
△堤 彪羽(チームコンバット小樽/新極真会ドリームカップ2019準優勝)
△相沢 晟(TARGET/RISE Nova全日本トーナメント2019準優勝)
判定1-0
1Rから激しくやり合う両者。そうした中、相沢が優勢な試合展開になったが、2R以降、堤も尻上がりに調子を上げて応戦。結局1-0(堤)の痛み分けに終わったが、試合が終わったときには会場から温かい拍手が贈られた。数年後、プロの舞台で再戦を組んでもらいたい。