Krush 3.28 後楽園ホール:K-Jee、無観客大会で加藤久輝に1R KO勝ちしリベンジ&防衛
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Krush.112
2020年3月28日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、K-1実行委員会は政府と埼玉県の開催自粛要請を受け入れず、3月22日のK-1さいたまスーパーアリーナ大会を観客を入れて開催し、一般の報道や国会でも大きな議論を呼んだ。だが日が進むごとに感染者が増える中、25日の発表の通り、東京都と後楽園ホールからの要請に従い、今回のKrushは無観客で開催された。
大会の模様はAbemaTVで独占生中継された。場内の北側に大画面が無い以外、設備は普段と大差無い状態。ラウンドガールもいつも通り。客席に人がいないため、試合中はセコンドの声、一発一発の打撃音がいつも以上に大きく響き渡った。東側バルコニーではいつも通り、出場選手とセコンドが観戦していた。
第8試合 メインイベント Krushクルーザー級(90kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○K-Jee[けいじ](K-1ジム福岡チームbeginning/王者/89.7kg)
×加藤久輝(ALIVE/挑戦者/89.9kg)
1R 2’11” KO (左ボディフック)
※K-Jeeが初防衛
メインイベントはK-Jeeのクルーザー級王座防衛戦。K-Jeeは昨年12月のK-1名古屋大会で加藤に2R KO負けしている。今回の前日計量後の会見では「しっかり攻略したので、同じ過ちはしない」とコメントしていたが、本人も想定外のフィニッシュとなる。
1R開始すぐから、加藤がサウスポーに構えて圧力をかけ、左右のフックを当て、優位に試合を運ぶ。K-Jeeはスリップする場面もあり、いきなり苦しい状況に陥るが、打ち合いに果敢に応じるようになると、クリンチの離れ際に左ボディを加藤のレバーにヒット。加藤はダウンすると、うずくまったまま立ち上がれず、K-JeeのKO勝ちとなった、
K-Jeeは「こういう状況で大会を組んでくれた運営側にも感謝しています。いよいよ福岡で(7月26日に)K-1が開催されます。先週(22日のK-1で)、シナ・カリミアンが(K-1 WGPクルーザー級王座を)防衛しました。俺、カリミアンに負けてるので、福岡大会でもカリミアンにリベンジして、K-1のベルトに挑戦したいです」とアピールした。
バックステージでのインタビューでK-Jeeはフィニッシュの左ボディについて「下からのアッパーの練習をしていましたけど(左ボディは)イメージはしていなかったです」とのこと。無観客での戦いについては「セコンドの声がよく聞こえた」としつつも「シチュエーションどうこうより、リベンジしたい気持ちが強かったです。他は意識せずここだけ集中していました」と話した。敗れた加藤は「彼のパワーが3カ月でこんなに上がると思わなかったです。自分のペースが狂いました」と話した。
第7試合 セミファイナル ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○近藤魁成(大成会館/K-1甲子園2017&2018 -65kg優勝)
×山際和希(谷山ジム/元Bigbangウェルター級王者)
判定3-0 (岡田30-28/山根30-27/豊永30-27)
1R、お互い序盤は慎重だったが、中盤から山際が右ミドルを増やすと、近藤は右ストレートを合わせるようになり、終盤には右ストレート、右ボディを増やし、やや優位に。2Rも同じような構図が続き、近藤のヒットがやや多いが、まとめるほどにはならない。
3R、山際のフェイントを前に、少し近藤は慎重になっていたが、右ロー、左テンカオを随所で効かせ、終盤、右ボディと右フックの2連打でダウンを奪う。最後はパンチの連打で追い詰め、ダウン気味に倒したところで終了。最終的には近藤が強さを印象付け判定勝利した。
第6試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元王者)
○吉岡ビギン(team ALL-WIN)
判定0-3 (岡田23-30/西村23-30/豊永23-30)
1R序盤から吉岡が蹴り主体で主導権を握り、中盤、左の三日月蹴りでダウンを奪う。その後も二段蹴りや左ハイも絡め、終盤にも左の三日月でダウンを重ねる。
2R、吉岡は左ボディからの右フックでダウンを奪う。だが晃貴が序盤から右ローを執拗にあ手続けると、吉岡は踏ん張りが弱まり、パンチに力が入らなくなってくる。
3R、晃貴は右ローだけでなく、足狙いの右膝蹴りを増やす。だがこの右膝のタイミングで、吉岡が右フックを合わせてダウンを奪う。その後も晃貴は執拗にローを当てるが、吉岡は耐え終了。19歳の新鋭・吉岡が苦しみながらも大差の判定勝ちで、元王者から価値ある白星を奪った。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○山本直樹(優弥道場)
×佐野天馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangフェザー級王者)
4R 判定3-0 (豊永10-9/西村10-9/岡田10-9)
3R 判定0-1 (豊永29-30/西村29-29/岡田29-29)
1R、山本はボディ狙いのパンチ、左ミドル、三日月蹴りを多用。佐野は中盤まで右ローを強打し続けるが、終盤には右ストレートのヒットを増やし、やや優位に。2R以降はお互い体をくっつけてパンチを打ち合う場面が増える。3Rは打ち合いの激しさを増し、一進一退のまま終了。試合は延長へ。
延長R、序盤は山本が接近戦で左右のフック、左ボディを当てるが、佐野も途中から左ボディを増やし巻き返す。終盤は頭をつけ激しく打ち合う中で、山本がやや手数で上回り、ジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×伊澤波人(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○斗麗(WIZARDキックボクシングジム)
1R 2’43” KO (3ダウン:左フック)
1R開始すぐから17歳の新鋭・斗麗(とうま)が蹴りとパンチを立て続けに当て、ボディブローを効かせてからの左フックでダウンを奪う。以降も斗麗が飛び膝も絡めながら圧倒する展開で、45戦目の伊澤は全く返せず。斗麗が左の顔面へのパンチで2ダウンを重ね完勝。プロデビュー以来の連勝を5に伸ばした。京都出身の斗麗は試合後のマイクで、5月のKrush大阪大会参戦を熱望した。
第3試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×多久田和馬(K-1 GYM横浜infinity/K-1甲子園2018 -55kg優勝)
○松本日向(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1カレッジ2018 -55kg優勝)
1R 2’18” KO
蹴りのカウンターで正確にパンチを当て3ダウンを奪い快勝の松本日向。マイクでは「僕にはいつも来てくれている応援団が見えていました」と話した。
第2試合 バンタム級(53kg) 3分3R
×聖也(ウィラサクレック・フェアテックス西川口)
○提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
1R 2’54” KO
提髪はKO勝ち後、マイクを受け取ると、「皆さんどうでしたか?」と話してから、誰もいない客席にマイクを向けた。
第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
○橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×豊田優輝(B.W/K-1カレッジ2019 -60kg優勝)
2R 2’33” KO
選手は通常通りに入場テーマをBGMにライトを浴びながら登場するが、周囲に客はいない状態だった。写真はKO勝ちした橋本。
プレリミナリーファイト第3試合 女子アトム級(45kg) 2分3R
○チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)※ROCK ONから所属変更
×森川侑凜(サポートスクールグレス/K-1 AWARDS 2019アマチュア最優秀選手)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○水津空良(優弥道場)
×立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
判定3-0 (29-28/29-27/30-28)
※3R度重なるホールディングで立基に減点1
プレリミナリーファイト第1試合 女子アトム級(45kg) 2分3R
×谷田美穂(K-1ジム大宮チームレオン)
○加藤りこ(K-1ジム五反田チームキングス)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)