新日本キック 2.2 後楽園ホール:勝次、ロンペット・Y’ZDに完敗。重森陽太はKO勝ち。日畑達也と瀬戸口勝也のベテラン九州勢がベルト獲得
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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新日本キック「MAGNUM 52」
2020年2月2日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 62.5kg契約 3分5R
×勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者)
○ロンペット・Y’ZD[Lomphet Y’ZD](タイ/Y’ZDジム)
判定0-3 (45-50/45-50/45-50)
勝次は12月大会での丹羽圭介との激闘を制し、新日本のリングに連続出場したが、大苦戦することに。ロンペットは沖縄のY’ZD豊見城(とみぐすく)ジムのトレーナーで戦績54戦35勝(10KO)19敗。タイ時代にはロッタンとも試合経験があるといい、昨年6月の沖縄でのK-SPIRITで元WMC日本ライト級王者の伊藤伴恭にKO勝ちしている。
1R、ロンペットはサウスポーに構え、オーソドックスの勝次に左ローを当て続けた後、左フックを効かせ、右ハイなどでも脅かして先手を取る。
2R、ロンペットは左ミドルの蹴り数を一気に上げ、左ミドル、ハイを何発も勝次の右腕に当てる。勝次は防戦一方になり、中盤に右のテンカオを当てて少し挽回したが、終盤も攻め込まれてしまう。
3Rもロンペットは左ミドルを何発も当て、左ボディストレートも絡めて勝次を追い詰める。勝次は左の前蹴りを関節蹴りの形で数発当てるが、ロンペットの勢いは止まらない。
4R、ロンペットは変わらず左ミドルを何発も当てつつ、首相撲で捕まえて膝を当てる頻度も上げ、勝次の反撃を封じる。
5R、ロンペットは肘で勝次の左まぶたを切り裂く。ロンペットは逃げ切りモードに切り替え、回って距離を取る時間が増えるが、勝次が前に突っ込んで来ると、左フックを合わせてダウンを奪取。以降も左ミドル、組んでの膝を当て続けて勝次を完封し判定勝ちした。
第10試合 62.5kg契約 3分3R
○重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者)
×デッパノム・チューワッタナ(タイ/元ラジャダムナン認定スーパーバンタム級王者)
3R 2’29” KO (左ボディフック)
重森は12月のシュートボクシングでSB日本王者の笠原弘希にTKO勝ちし、新日本のリングに凱旋。今回は33歳のベテラン・タイ人・デッパノムを迎え撃つが、重森はデッパノムにムエタイを習っていた過去がある。
1R、重森が圧力をかけ、左右のロー、ミドルをタイミング良く当て続けて主導権を握る。2Rも重森が主導権を維持し、右ローを効かせ、デッパノムはスリップする場面も。3Rも重森が蹴り主体でじっくり攻めてから、終盤に左ボディフックをクリーンヒットしてマットに沈めた。
重森は「相手は私が昔からお世話になっているチュワタナジムのコーチで、試合の時にセコンドについたりミットを持ってくれて、お世話になっていた方です。試合で成長した姿を見せられればと思って試合をしました。ラジャダムナンの王座を取っているだけあって、テクニックがあってやりにくかったですが、セコンドにボディを狙えと言われて、その通りに勝つことができました。今年1年、去年に引き続き盛り上げます」とアピールした。
第9試合 WKBAジャパン・スーパーフライ級王座決定戦 3分5R
×泰史(伊原道場本部/元日本フライ級王者)
○日畑達也(FKD/KING OF STRIKERSスーパーフライ級王者、J-NETWORKバンタム級1位)
1R 2’53” KO (左ストレート)
伊原ジム代表で新日本キック代表の伊原信一氏が代表者を兼ねる世界王座認定組織・WKBA(世界キックボクシング協会)の日本タイトルが新設され、初のタイトルマッチが行われた。新日本キックの日本タイトルは新日本所属選手のみが対象で、WKBAジャパンは他団体やフリーの選手にも門戸が開放されている。ベルトは伊原代表が好きなネコ科の動物・カラカルの顔をモチーフにしている。
1R、日畑はサウスポー、泰史はオーソドックスに構え、お互いジャブを突きつつパンチ、蹴りのタイミングをうかがう。あまり攻撃がお互い出ない状態が続いたが、終盤、日畑が左ストレートを空振りさせた後、続けて左ストレートを放つとクリーンヒットし、泰史はダウンする。泰史は立ち上がるがダメージが大きく、日畑がコーナーに詰めて左ストレートをクリーンヒットし、再びダウンを奪うと、泰史は立ち上がれず、日畑のKO勝ちとなった。
見事なKO勝ちでベルトを奪った日畑は「新日本キックに上がらせてもらって光栄です。強い相手だったのでしっかり練習し勝つことができました。またこの場所に帰ってきたいです」と話した。
第8試合 日本フェザー級王座決定戦 3分5R
○瀬戸口勝也(横須賀太賀ジム/1位)
×平塚一郎(トーエルジム/2位)
3R 0’57” KO (左ボディフック)
※瀬戸口が王者に
瀬戸口はフェザー級王座挑戦が5度目。平塚は11戦目で初挑戦。1R、瀬戸口が終盤にかけて左右のフックのヒットを増やし、先手を取る。2Rには瀬戸口が左ボディからの右フックでダウンを奪う。3R、瀬戸口が開始すぐラッシュを仕掛け、左ボディフックでダウンを奪う。最後も平塚の左右のボディを連打してマットに沈め、見事KO勝ちで悲願のタイトル奪取を果たした。
ベルトを巻いた瀬戸口が「鹿児島に住んでいて、地方に住んでいても夢がかなうと証明したかったです。地方の方の勇気になったと思います」と話すと、場内は暖かい拍手に包まれた。瀬戸口は03年プロデビューの36歳。この日は福岡出身の35歳・日畑もタイトルを獲得し、ベテランの九州勢が存在感を示した。
第7試合 55.5kg契約 3分3R
○HIROYUKI(藤本ジム/日本バンタム級王者)
×久保田雄太(新興ムエタイジム/NJKFスーパーバンタム級王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
HIROYUKIは次回3月大会での岩波悠弥戦を控えるが、その前にNJKFの9戦全勝の王者・久保田を迎え撃つことになった。
1R、HIROYUKIが素早い動きで圧をかけ、左右の蹴りを出し続ける。攻撃数ではHIROYUKIが上だが、まだ久保田も動きは落ちない。
2R、序盤こそ久保田が首相撲からの膝で少し巻き返したが、中盤以降、HIROYUKIが左ミドルなどを効かせ、ストレート、ハイ、前蹴りなどを当て続け、崩しも数決め優位に。3Rもその流れは変わらず、HIROYUKIがパンチ、蹴りを数多く当て続けて主導権を維持して判定勝ちしたが、追い詰めきれず、試合直後には「糞試合したわ」と話して悔しがった。
第6試合 61.5kg契約 3分3R
○髙橋亨汰(伊原道場本部/日本ライト級王者)
×ウ・スンボム(韓国)
2R 1’30” TKO (3ダウン:左フック)
1R、サウスポー同士の構図で、スンボムがパンチを振り回し、時折当てるが、髙橋は次第に左右の蹴りのヒットを増やし、終盤には左ハイでぐらつかせる。
2R、スンボムが右フックを空振りすると、髙橋は組み付いて頭を下げさせて、左膝をクリーンヒットしてダウンを奪う。スンボムはダメージが大きく、髙橋が右フックと左フックでダウンを重ねTKO勝ちした。
第5試合 67kg契約 3分3R
○リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原道場本部/日本ウェルター級王者)
×チェ・ジェウク(韓国/KMFウェルター級王者)
2R 1’16” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる左頬のカット)
第4試合 57.5kg契約 3分3R
○瀬川 琉(伊原道場稲城支部/日本フェザー級3位)
×銀次(Next零/大和Kick 55kg1位、TENKAICHIフェザー級1位)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
第3試合 57kg契約 3分3R
○仁流丸[じんりゅうまる](ウルブズスクワッド/日本フェザー級7位)
×ヨ・ソンミン(韓国)
2R 1’17” TKO (3ダウン:右フック)
第2試合 59kg契約 3分3R
×甲斐康介(伊原道場本部)
○角☆チョンボン(CRAZY WOLF/KAISERスーパーフェザー級王者)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
第1試合 女子48kg契約 2分3R
×ラム(モンゴル/伊原道場本部)
○徳里鈴音奈(RIOTジム)
判定0-3 (28-30/27-30/28-30)