ムエタイ 3.17 ルンピニー:大崎一貴の弟・孔稀、ルンピニー初戦は相手切り裂くも判定負け
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スック・ルンピニー・ワールド・チャンピオン
2018年3月17日(土) タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text by Hiroshi Soda)
第4試合 3分5R
×コウキ・プライアナンプンパンムアン [大崎孔稀](OISHI GYM)
○ニランノーイ・コーセンチュン
判定
大崎孔稀が初のルンピニースタジアム参戦。「スック・ルンピニーワールドチャンピオン」興行に出場した。同興行はルンピニースタジアムが外国人選手への登竜門的興行として開催しているもの。大崎孔稀は現在ルンピニーで8連続KO勝利中の大崎一貴の実弟だ。この事が影響してか、この試合は大崎孔稀の初のルンピニー参戦でありながら20万バーツ(約70万円)の賭け試合として行われることに。大崎孔稀はルンピニー初陣でありながら多くのタイ関係者らの期待を集めた。
試合は、大崎は初回から威勢よく左右のローからパンチの繰り出す。ニランノーイは50戦もの戦績がある22歳だが、今日でムエタイ3戦目(過去2戦2KO勝ち)だという大崎の威勢の良い攻めにたじろいでいる。
2ラウンドに入り、ニランノーイもようやくペースを掴んだか、大崎がパンチで出ると肘で応戦。ここで大崎も距離を詰め、両者肘の打ち合いに展開。大崎のコンパクトな右肘が何度もニランノーイの顔面に食い込むが、ニランノーイは根性で応戦してくる。
3ラウンド、打撃戦では危険と悟ったか、ニランノーイは組んできた。大崎も組んで膝で応戦するが、首相撲では若干ニランノーイの膝数が多かったか。
4ラウンド、大崎は首を取りに来るにランノーイにパンチと肘で応戦。ニランノーイの目尻が切れ顔が真っ赤に染まるが、それでもニランノーイの前進は止まらなかった。
最終ラウンド、4ラウンドからの膝蹴りの攻防でポイントを取られた?と悟った大崎陣営は、パンチとローキックで倒しにかかるよう指示を出す。ニランノーイは大崎の強打を顔面で受けながら首相撲に持ち込み勝ち逃げへと凌いだ。ジャッジはニランノーイを勝者とした。
試合は終始、大崎の強打が多数ヒットし、ニランノーイの顔も形が変わる程だったが、ムエタイとしての試合の組み立てではニランノーイの試合運びに分があった。ルンピニー初陣で、タイで判定で勝つ難しさを知った大崎だが、同時に大金がかかった時のタイ人の強さを思い知る形となってしまった。ただ、大崎の素早く重い打撃、そして兄譲りのアグレッシブな攻めの数々は、タイの関係者やギャンブラーの目に留まったに違いない。
大崎孔稀から試合後の声が届いている。「今回の試合は初めてのメジャースタジアムで初めての賭け試合だったので何としても勝ちたかったです。しかし改めてムエタイの難しさを思い知らされました。日本でしっかり練習し直してまた戻ってきたいです。沢山の応援ありがとうございました。」