ホーストカップ 12.23 名古屋国際会議場:大石駿介が地元でISKA王座初防衛。レジェンドDNAとの対抗戦はホーストカップ選抜に軍配
アーネストホーストジムJAPAN「グループエスカラデーPRESENTS HOOST CUP KINGS NAGOYA 5」
2018年12月23日(日/祝) 名古屋国際会議場 イベントホール
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記事提供:アーネストホーストジムJAPAN
「レジェンドDNA vsホーストカップ選抜」がテーマとして掲げられた今大会ではアーネスト・ホースト、ピーター・アーツ、武蔵とかつてK-1で時代を築いたレジェンドたちの弟子がホーストカップ選抜の国内選手と対戦。開会式にはホースト、アーツ、武蔵の3人がリングに立った。
ホーストが「この二人と共にリングに立っていることは懐かしく、光栄に思う。今後もホーストカップは拡大していくと思う」と語ると、アーツも「こうして日本でムサシ、ホーストと同じリングに立てるのがうれしい」と笑顔でコメント。武蔵は「ホースト、アーツ、そして僕が育てだ選手がこのリングで戦います。すごい試合になることは間違いないので僕も楽しみです」と弟子たちへ期待を寄せた。
するとここで、今大会の主催を務めるアーネスト・ホーストジムJAPANの土居龍晴代表がマイクを持ち「ここに3人の偉大なレジェンドがいます。だけど我々にはもう一人、とても大事な仲間がいました。その選手の名前は、山本“KID”徳郁さんです」と、MMAのみならずK-1でも活躍し、今年9月に胃がんのため41歳の若さでこの世を去ったファイター・山本“KID”徳郁の名を挙げた。
KIDが旧知の間柄であったという土居代表は、かつてKIDがホーストカップにも来場していたこと、そして「このリングにKIDさんと自身の生徒を出したいという希望もうかがっていました」と逸話を語り、「彼自身、どのようにすれば格闘技界が盛り上がるかということをずっと考えていました。彼の意志を受け継ぎ育んで、我々は後進に伝えていきたいと思います」と決意を述べた。
その後会場では黙とうが行なわれ、レジェンド3人をはじめとするファイター、観客、関係者全員が亡きもう一人のレジェンドファイターへ祈りを捧げた。
第11試合メインイベント ISKA世界ムエタイSライト級タイトルマッチ3分5R
〇大石駿介(OISHI GYM/ISKA世界ムエタイSライト級王者・王者)
判定 3-0 48-47、49-46×2
×ウナイ・カロ[Unai Caro](スペイン/ISKAムエタイヨーロッパSライト級王者・挑戦者)
※大石が初防衛に成功
昨年9月にステファン・キャンデル(スペイン)を判定で下してISKA世界ムエタイスーパーライト級王座を獲得した大石が、地元・名古屋で初防衛戦に挑んだ。対する挑戦者はISKA同級のヨーロッパ王者のスペイン人ファイター、ウナイ・カロ。26戦23勝の戦績を誇るカロは前日会見では「今回は殺す気で来た。3RでKOする」とKO予告をしており、アグレッシブさが持ち味のファイター。
大石の名前がコールされると300人近い応援団から声援が飛ぶ。1R、カロが左ミドルキックで先制、さらに右ミドルと左右の蹴りで攻めていく。対する大石は右のローキック。カロはミドル、真っすぐのパンチを連打して突っ込んでいく。大石がローを打つとカロは蹴り足をつかんで右ストレート、すると大石もカロの蹴り足をつかんでさらにロー。
2R、変わらずミドルキックから入っていくカロ。時折ハイキックを出し、近づいてはヒジも振るっていくが大石はしっかり見てかわす。大石のローに合わせてカロは右ストレートやボディストレートを飛ばす。組みの展開で大石がヒジを出すとカロも縦ヒジで対抗。
3R、大石はカロのパンチをしっかりとガードして打ち終わりにローを叩き込む。左、右、前足、奥足とローキックを打ち分けてヒットさせていく大石。さらにボディも当たり始める。しかし組みではカロが優勢。何度も大石をこかす。
4Rになると大勢ははっきりと大石に傾きだす。カロのミドル、ストレートはガードし、逆に大石のロー、ボディは何発も入り、組んでの左ヒジも当たる。カロは気合の声を発してパンチを振るう。ラウンドが終わると大石はロープに乗りかかり応援団へ両手を挙げてアピール。
5R、最終ラウンドが始まると大石に観客席から大きな声援が飛ぶ。プレッシャーをかけるのは大石。リングの外を周るカロをじりじりと追いつめボディ、ロー。さらに大石が放った左右のフックがカロの顔をとらえ、鼻血が飛ぶ。最後まで大石が攻め続け試合が終了。
判定は3-0で大石。地元の声援を力に、王者が貫録を見せて初防衛を果たした。試合後マイクを持った大石は「初の防衛戦で緊張して試合内容もほとんど覚えてないけれど、防衛することができました。300人近い応援団が駆けつけてくれて、本当に感謝しています。これからも格闘技界を盛り上げていきますので、ホーストカップに出場した全選手の応援をお願いします」とホーストカップを背負うメインイベンターらしいコメントで大会を占めた。
第10試合セミファイナル EXルール66.5kg契約 3分3R ※「EXルール」は肘有り・首相撲制限無し
〇タップロン・ハーデスワークアウトジム(ハーデスワークアウトジム/元WMC世界フェザー級王者)
判定3-0 ※30-28、29-28×2
×大和侑也(大和ジム/元WBCムエタイ日本統一&NJKFウェルター級王者)
5月に真樹親太郎に判定勝利して以来、7カ月ぶりのホーストカップ参戦となる大和侑也。今回の相手は、広島在住のタイ人でこれまで鈴木博昭、水落洋祐ら名だたる強豪に勝利しているタップロン。94戦を誇るムエタイの猛者を相手に、大和は番狂わせを狙う。
1R、お互いにローキックを飛ばすが、タップロンは大和のローをしっかりとカット。 ボディストレートを当てた大和にタップロンはミドル、ハイキックを打ち込んでいく。大和がボディから右フックのコンビネーション、さらに右ストレートを当てると、タップロンも大和のローに合わせて右を当てる。
2R、大和のローにタップロンがミドルを返す。互いにローキックを中心に攻めるが、より当たっているのはタップロンのロー。大和は組んで倒そうとするがタップロンは腰が強く倒れない。
3Rもローの打ち合い。タップロンがワンツーからミドルを入れると大和が下がる。すぐに大和がワンツーを当て返すがタップロンはニヤリと笑み。このラウンドもタップロンのローが幾度もヒット。大和はパンチや組みで攻めるも今一つタップロンを崩すには至らない。試合が終わるとタップロンは両手を挙げてアピール。判定は3-0でタップロン。安定した実力を見せ大和を退けた。
第9試合 HOOST CUP選抜 VS LEGEND DNA 82kg契約 3分3R(延長1R)
〇サンティーノ・ヴェルビーク[Santino Verbeek](ホースト選抜/SOKUDO-GYM)
×ジュリオ・モリ(ブラジリアンタイ/S-BATTELヘビー級王者)
KO 1R1分23秒 ※右ストレート
レジェンドDNA vs ホーストカップ選抜、最後となる4戦目はホーストのもとで練習を積み55戦42勝の戦績を誇るサンティーノ・ヴェルビークと、中京地区を拠点に戦う日系ブラジリアン、ジュリオ・モリとの一戦。ここまで3連勝のホーストカップ選抜が全勝で対抗戦を締めくくるか、それともアーネスト・ホーストの秘密兵器が最後の砦となるのか。
1R、まずジャブを当てたのはモリ、さらにローキックを飛ばすとヴェルビークもローを返す。ローを軸に組み立てようとするモリにヴェルビークは右ストレート。ドン、とパンチが当たる度に重い音が響き、一発一発の破壊力が窺える。そしてモリが左右のフックを飛ばしたところにヴェルビークはショートの右ストレート一閃。モリはこの一発で腰から崩れ落ち立つことができず。レジェンドDNAを受け継ぐヴェルビークがKO勝ちで、国内選抜へ一矢報いた。
第8試合 HOOST CUP選抜 VS LEGEND DNA 70kg契約 3分3R(延長1R)
〇チューチャイ・ハーデスワークアウトジム(ハーデスワークアウトジム/HOOST CUP日本EXミドル級王者)
×イリアス・ボカユア[Ilias Boukyoua](アーツ選抜/ピーター・アーツGYM)
判定3-0 ※30-29×2、29-28
レジェンドDNA vs ホーストカップ選抜の対抗戦、ピーター・アーツの弟子として出場するイリアス・ボカユアは184㎝の長身から繰り出す伸びのあるストレートとヒザを武器とする22歳の選手。これを迎え撃つチューチャイは元ルンピニーのトップランカーで157戦を誇る大ベテラン。37歳のチューチャイがキャリアの違いを見せるか、それとも若きアーツの愛弟子が師匠譲りのKO激を見せるのか。
1R、長いリーチを活かして右ストレートを打ち込んでいくボカユア。チューチャイは落ち着いて受け距離を取る。ローも混ぜつつストレートで攻めるボカユア。チューチャイはその打ち終わりにパンチを返す。中盤以降チューチャイが早くも攻撃を見切ったか、ボカユアのパンチが当たらなくなる。
2R、チューチャイが左ミドル。ボカユアはその蹴り足を掴んでパンチを打つがチューチャイも片足の状態でパンチを打ち返す。ボカユアは積極的に前へ出てワンツーを飛ばすがチューチャイは余裕をもってかわし、逆にカウンターの左フックを当てる。
3Rもチューチャイのペース。ボカユアのパンチをノーガードでかわし、打ち終わりには左を合わせる。完全に距離を制したチューチャイは左を当てるが、ボカユアはアゴを引いてこれを受け、にやりと笑う余裕も。決定打がないまま試合は終了。老獪なテクニックでペースを握ったチューチャイがフルマークで判定勝利を収めた
第7試合 HOOST CUP選抜 VS LEGEND DNA 64kg契約 3分3R(延長1R)
〇ヴィトー・トファネリ(ブラジリアンタイ/FIGHT DRAGON70Kg王者)
×麻原将平(武蔵選抜/PFP/元HOOST CUP日本Sライト級王者)
KO 2R2分53秒 ※胴回し回転蹴り
武蔵のDNAを受け継ぐ選手として登場するのは、RISEやK-1などで戦ってきた経験を持つ麻原将平。迎え撃つホーストカップ選抜は、空手をバックボーンとするヴィトー・トファネリ。回転系のダイナミックな蹴り技を得意とし、昨年5月の名古屋大会では後ろ回し蹴りで失神KO勝利を収めている。
空手の道着を来て入場のトファネリ。会場からは応援団の大声援が飛ぶ。1R、ローを蹴るトファネリに麻原はジャブを中心に攻める。トファネリのローキックが破裂音を立ててヒットするが麻原もジャブから左フックのコンビネーションを当てていく。
2R、トファネリのローに合わせてボディの麻原。トファネリはパンチをガードしながらローを返していく。トファネリのローが入り、麻原の足が時折流れるように、しかしここで麻原が左フックを当てトファネリがダウン。すぐに立ち上がったトファネリに麻原は冷静にガードの隙間へジャブ刺す。麻原の左が的確に当たり、優勢に進む中、トファネリがパンチから倒れこむように胴回し回転蹴り!これが見事にアゴを捉え、麻原は棒のように硬直し前のめりにダウン。レフェリーがすぐに試合を止め、トファネリが昨年5月大会と同じ衝撃の失神KOで逆転勝ちを手にした。
第6試合 HOOST CUP選抜 VS LEGEND DNA 64kg契約 3分3R
〇溝口孝湖(WATANABE GYM)
×マーレーン・オクックス[Marleen Okx](ホースト選抜/SOKUDO-GYM)
判定2-0 ※30-29×2、30-30
レジェンドDNA vs ホーストカップ選抜の対抗戦。その幕開けを飾るのはレジェンドのホーストが自信を持って送り出す女子選手・マーレーン・オクックス。迎え撃つ国内選抜はアグレッシブなファイトで“尾張の重戦車”と異名を取る溝口。
試合開始前、オクックスはホーストとガッチリハグ。1R、ゴング早々に溝口が前蹴り。オクックスも右ストレートを返す。ローからボディへつなぐ溝口に対しワンツーのオクックス。近距離での打ち合いの中、溝口の右フックがヒット。しかしオクックスもひるまず右フックを当て返す。密着しての攻防が多くなり、オクックスにホールディングで注意1が与えられる。
2R、溝口はボディを中心に攻める。オクックスはバックブローを出すもこれは不発。互いに積極的に前へ出てパンチを打つが、組み付きが多くなる。そしてストップ後に攻撃したとしてオクックスに再び注意1。
3R、セコンドのホーストが大声で指示を飛ばす中、左右フックでオクックスが前に出る。密着した状態から左右のボディ。溝口は前蹴り、フックで攻めるが距離が近すぎるため決定打が出ない。ホールディングでオクックスに警告が与えられるも、最後まで互いに前へ出て終了。判定は、ジャッジ一人がドローも残る2人は溝口を支持。尾張の重戦車・溝口がホーストの愛弟子を下して対抗戦一勝目を挙げた。
第5試合 53kg契約 3分3R
△滉大(及川道場/DEEP☆KICK53Kg王者)
△國本真義(MEIBUKAI/元S-BATTELバンタム級王者)
ドロー ※29-29×2、30-30
来年に新設されるホーストカップスーパーフライ級王座決定戦の査定試合となる一戦。勝者にがタイトルマッチへとコマを進める。
互いにベルトを巻いた経験を持つ者らしく、1Rからスピードとテクニックのある攻防が展開される。國本がローキックを当てれば滉大もストレートを当て、互いに一歩も引かず、コンビネーションにコンビネーションを打ち返していく。3Rには互いに足を止めて打ち合う場面も決定打は出ないまま終了。判定はジャッジ3名ともドロー。タイトルマッチへの切符の行方は決まらないままとなった。
第4試合 ヘビー級3分3R
〇山下力也(道真会館/MA日本ヘビー級1位)
×谷川聖哉(真正会/’17真正会全日本ウェイト制重量級王者)
判定 3-0
ヘビー級の一戦は空手家同士の対決。前日会見では共にKO予告をしているだけに迫力のある試合が期待される。1R 、ストレートからミドルへとつなぐ谷川の攻撃を落ち着いて受けながら山下はパンチを狙う。打ち合いの中山下の左ストレートが顔面を捉え谷川がダウン。2Rも打ち合いになると山下の左が当たるが、谷川は組み付いて近距離からのパンチを狙う。フルコンタクト空手の選手らしく押し合うような展開が多くなるが、ホールディングのため谷川に減点1。3Rはスタミナが切れたか山下の動きが落ち、谷川が前へ出るが逆転はならず。ダウンを取った山下がフルマークで空手家対決を制した。
第3試合 63kg契約 3分3R
〇真吾YAMATO(大和ジム)
×MASATO(STRIKES GYM)
判定3-0 ※30-28×2、30-29
第2試合 60kg契約 3分3R
△ヘンリー・セハス(ブラジリアンタイ)
△池上孝二(及川道場)
ドロー ※30-29(セハス)、29-29、30-30
第1試合 65kg契約 3分3R
〇洋輔YAMATO(大和ジム)
×大岩優太(ブラジリアンタイ)
判定3-0 ※30-28×2、30-27
OP OYAZI KICK提供試合 第2試合 ヘビー級1分30秒2R
〇上田則男(熱情グループ)
×井川修身(ライジング己道会)
判定2-0 ※20-19×2、19-19
OP OYAZI KICK提供試合 第1試合 58kg契約 1分30秒2R
〇ケンサキイカ土井(NKBテツジム)
×マニ―“CONCRETE”アチャオ(NKB真門ジム)
判定3-0 ※20-19×3
オープニングファイト第5試合 57kg契約 3分3R
〇新美貴士(名古屋JKファクトリー)
×鷹人(HIDE GYM)
KO 1R 1分43秒 ※パンチ連打
オープニングファイト第4試合 61kg契約 3分3R
〇RISING大輝(ライジング己道会)
×山口将(STRIKES GYM)
判定3-0 ※30-27×3
オープニングファイト第3試合 60kg契約 3分3R
〇竹本亮吾(OISHIーGYM)
×五十嵐風琉(NJKF西田ジム)
KO 2R1分15秒 ※ヒザ蹴り
オープニングファイト第2試合 52kg契約 3分3R
〇RISING力(ライジング己道会)
×勇馬(山口道場)
判定3-0 ※30-27、29-27、29-28
オープニングファイト第1試合 ミネルヴァ提供試合 54.5kg契約 2分3R
△M原加奈(OISHI-GYM)
△TOODY直美(月心会)
ドロー ※30-28(M原)、30-29(TOODY)、30-30
オープニングファイトアマチュア第2試合 63kg契約 2分2R(延長1R)
〇木村拓美(中島道場)
×西脇雄祐(KRK)
延長判定2-1
オープニングファイトアマチュア第1試合 61kg契約 2分2R
〇印藤彰宏(西田キックボクシングジム)
×布施歩陸(レイドバック)
判定3-0