DEEP☆KICK 9.23 テクスピア大阪:-60kg級王者・谷岡祐樹がKO勝ち。百花がミネルヴァ・アトム級王座防衛、楓が同ライトフライ級王者に
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DEEP☆KICK 37
2018年9月23日(日)テクスピア大阪
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会 (文:布施綱治 写真:石本文子 (235photo))
タイトルマッチあり、日韓国際戦あり、アップセット(番狂わせ)あり−−−。9月23日、テクスピア大阪で行われた『DEEP☆KICK37』は年度最終戦に相応しく一介の地方大会とは思えないほど充実したイベントになった。実力伯仲というべき組み合わせが目立った本戦9試合中5試合がKO決着という結果も今大会の熱を裏付ける。
メインイベント DEEP☆KICK-60kg 3分3R
○谷岡祐樹 (パラエストラ加古川/同級王者)
×キム・ジュヨン (X-PERT GYM/韓国)
TKO 2R 1分55秒
メインイベントにはDEEP☆KICK-60㎏級王者の谷岡祐樹が登場し、ノンタイトル戦でキム・ジュヨンを迎え撃った。
谷岡は、今年4月に行われたトーナメント決勝で佐藤亮をパンチの連打で追い込んでチャンピオンとなった関西の激闘男。今回は戴冠後第一戦となったが、試合前には「しっかりと倒して(来年早々にも組まれる予定の)初防衛戦に臨みたい」と抱負を語っていた。
一方のジュヨンは韓国のメジャー大会『Angel’s Fighting』 のフェザー級 32人トーナメントで準優勝するなど、母国では目立った活躍を見せている期待のルーキーだ。そんなジュヨンに対して、谷岡は1Rから執拗にローキックとボディフックで削っていく。ジュヨンも時折左を返すが、劣勢は否めない。
2Rになると谷岡はローやボディフックに加えヒザ蹴りも繰り出す。1分過ぎ、こらえきれなくなったジュヨンはついに前のめりに先制のダウンを許してしまう。こうなると、完全に谷岡のペース。なんとか立ち上がってきたジュヨンにとどめの左を打ち込んでキャンバスに深々と沈めた。
試合後、谷岡は「今日は自分の階級の試合が多くて気になっていました。(王者としては)初めてのメインで緊張したけど、次はタイトルマッチになると思う。(まだ挑戦者が誰かはわからないけど)熱い殴り合いをしましょう」とマイクアピールした。
すると、この日谷岡と王座を争った-60㎏級1位の佐藤亮をKOで下した同級2位の中村寛がリングサイドに現れ、挑戦を直談判した。
「お互いフルパワーでできるとしたら、絶対いいタイトルマッチになる。ただ、確実に僕がベルトをもらいます」
このやりとりを聞いていた主催者側はすぐ来年の1月大会か4月大会で両者によるタイトルマッチを行うことを決定し、即座にアナウンスした。鉄は熱いうちに打て。熱戦の余韻が覚めやらぬ雰囲気の中で、次の目玉カードが決まる。DEEP☆KICKは興行を「点」ではなく「線」として捉えている。
主催者である林裕人代表は谷岡の成長に目を細めた。
「谷岡選手はチャンピオンらしく韓国の刺客をしっかり倒してくれた。今までだったら『パンチで倒してやろう』という気持ちが強すぎる面があったけど、今回はローキックで相手を削り、テクニックでねじ伏せた。チャンピオンになったことで、王者の風格が出てきたんじゃないですかね」
セミファイナル2 ミネルヴァ・アトム級タイトルマッチ 3分3R
○百花 (魁塾/王者)
×佐藤レイナ (teamAKATSUKI /挑戦者・同級1位)
判定3-0(30-27/30-27/30-28)
※百花が初防衛に成功
タイトルマッチは、先日関西では団体やプロモーションの枠にとらわれずに積極的に組んでいくことがアナウンスされたミネルヴァのアトム級王座防衛戦と空位のライトフライ級王座決定戦が行われた。
大きな成長の跡を見せてくれたのは、佐藤レイナを挑戦者に迎えアトム級王座の防衛戦に臨んだ百花だった。両者は昨年7月2日のNJKF WESTで組まれたミネルヴァ アトム級挑戦者決定戦で初めて拳を交わし、百花が判定で勝利を収めている。それから1年2カ月、佐藤にとっては待望のリベンジマッチだったが、成長の度合いは百花の方が上だった。
中でもボクシングの技術は格段に進歩が見られた。相手が前に出てきたり、下がったところにタイミングよく打つ。あるいは自ら動いてチャンスと見るや適正打を放つ。3名の従兄弟がアマチュアボクシング界で活躍しているのに刺激を受けてか、最近はボクシングジムへも出稽古に行っているというからその成果がさっそく出た格好だ。
1Rはワンツーで佐藤をグラつかせ、2Rには右の連打やボディフックでジャッジに好印象を与えた。3Rもそのまま百花のペースで試合は進み、危なげなくV1に成功した。
試合後、百花は「私は気持ちが弱いけど、支えてくれる人がいるからこそ頑張ることができました」とマイクアピール。さっそくビッグマッチのオファーも舞い込んできているというから今後の展開に注目したい。
セミファイナル1 ミネルヴァ・ライトフライ級王座決定戦 3分3R
○楓 (LEGEND GYM/ミネルヴァ・ライトフライ級3位)
×美保 (KFG URAWA/ミネルヴァ・アトム級2位)
TKO 2R 0分57秒
※楓がミネルヴァ・ライトフライ級新王者に
一方、ケガにより白築杏奈が返上したことで空位となったライトフライ級王座決定戦はデビューしてから無敗の楓が美保を2RTKOで撃破。新王者に就いた。最後は美保が左足を負傷(のちに骨折と判明)。レフェリーストップという裁定が下ったが、1Rから楓は首相撲で回して大きなスリップダウンを奪うなど圧倒していた。新王者はマイクも堂々としたものだった。
「気合を入れてトレーニングしてきました。これで満足せず上を目指したい。自分の力はこんなもんじゃない。もっと応援してください」
第7試合 DEEP☆KICK-60kg 3分3R
×佐藤 亮 (健心塾/同級1位)
○中村 寛 (BKジム/同級2位)
TKO 2R 1分01秒
第6試合 DEEP☆KICK-60kg 3分3R
×金剛 駿(Kick-Style/同級3位)
○ライヤマン(ナックルズGYM)
判定0-3(27-30/27-30/27-30)
第5試合 DEEP☆KICK-55kg 3分3R
×梅井泰成(NJKF京都野口ジム/同級3位)
○鷹介(TeamHawk/同級6位)
TKO 1R 3分00秒
中盤戦に組まれた梅井泰成VS鷹介、金剛駿VSライヤマン、佐藤亮VS中村寛はアップセットの連続だった。3試合ともランキングが下位の青コーナー側の選手が勝ち名乗りを受けたのだ。
鷹介はタイミングのいい右ハイで先制のダウンを奪うや、痛烈な右ストレートでDEEP☆KICKで無敗の梅井に引導を渡した。KING OF STRIKERSやDreamGateのタイトルホルダーでもあるライヤマンは1Rから奥足を狙った左ローで金剛の右足にじわりじわりとダメージを蓄積させる。2Rからはボディフックやヒザ蹴りでボディも弱らせ、文句なしの判定勝ちを収めた。-60㎏級3位の金剛を倒したことによりランキング入りが確実視されるライヤマンは谷岡対中村の勝者への挑戦を狙うのか。
第4試合 DEEP☆KICK-60kg 3分3R
×成尾拓輝 (究道会館)
○イ・ボムギュ (アンサン闘魂ジム/韓国)
KO 3R 2分08秒
もうひとつの日韓対抗戦──成尾拓輝対イ・ボムギュはイが3Rに痛烈なカウンターのヒザ蹴りで戦慄の逆転KO勝ちを収めた。
成尾はセンスを感じさせる16歳。関西のアマチュアキック界では確固たる地位を築きつつあるNEXT☆LEVELなどで実績を積み、今回がプロデビュー戦。この日もハンドスピードの速い右や相手のストレートに合わせてのミドルなどキラリと光るものを見せてくれたが、3Rになると失速。最後はとどめの一撃を食らい、壮絶なKO負けを喫してしまった。
前回の日韓対抗戦は3勝1敗と日本が大きく勝ち越したが、今回は1勝1敗と全くのイーブン。2019年も強い韓国との対抗戦路線は続くのか。DEEP☆KICKに噛ませ犬はいらない。
出場選手と観客席の熱さは東京に負けない。ちょっと気の早い話になるが、来年DEEP☆KICKは関西地区にキックボクシングをさらに根付かせようと、年5回の興行開催を計画する一方で、東京にもダイヤモンドの原石と呼ぶに相応しい選手たちを積極的に送り込もうとしている。
第3試合 64kg契約 3分3R
○木村颯太 (NJKF拳心會舘/-63kg6位)
×覚司 (NJKF誠輪ジム)
判定3-0(30-28/30-28/30-27)
第2試合 54kg契約 3分3R
○勇馬 (山口道場/-53kg7位)
×麻太郎 (NJKF健心塾)
判定3-0(30-28/30-28/29-28)
エキシビションマッチ ミネルヴァルール 2分2R
– ボンバー西村 (契明ジム)
– 聖愛 (魁塾)
勝敗なし
第1試合 ミネルヴァ 55kg契約 2分3R
○ボンバー西村 (契明ジム)
×Queenマオ (格闘技スタジオSTYLE)
不戦勝
〈オープニングファイト〉
アマチュアミネルヴァ 55kg契約 1分3R
×Toody Naomi (月心会)
○下茅晴美 (NJKF拳心會舘)
判定0-3(29-30/28-30/27-30)
〈オープニングイベント〉
【TOP☆RUN 〜NEXT☆LEVEL関西タイトルマッチ〜】
第7試合 TOP☆RUN 55kg級タイトルマッチ 2分3R
×嶋 颯太 (月心会チーム侍/王者)
○溝口 司 (多田ジム/挑戦者)
判定0-2(28-30/28-29/29-29)
※溝口が55kg級第14代王者に
第6試合 TOP☆RUN 50kg級タイトルマッチ 2分3R
×小森真琴 (NJKF誠輪ジム/王者)
○上田咲也 (月心会チーム侍/挑戦者)
TKO 2R 1分37秒
※上田が50kg級第17代王者に
第5試合 TOP☆RUN 45kg級タイトルマッチ 2分3R
○山口 瑠 (NJKF拳心會舘/王者)
×松本愛斗 (月心会 チーム侍/挑戦者)
判定3-0(30-28/30-28/30-27)
※山口が初防衛に成功
第4試合 TOP☆RUN 40kg級タイトルマッチ 2分3R
○林 裕人 (NJKF拳心會舘/王者)
×志水琳乃介 (魁塾 中川道場/挑戦者)
判定2-0(30-29/30-29/29-29)
※林が初防衛に成功
第3試合 TOP☆RUN Girls50kg級タイトルマッチ 2分3R
×久保双葉 (月心会チーム侍/王者)
○小掘ましろ (月心会チーム侍/挑戦者)
判定0-3(28-30/28-30/29-30)
※小掘がGirls50kg級第5代王者に
第2試合 TOP☆RUN 35kg級王座決定戦 2分3R延長1分1R
○杉浦 輝 (NJKF拳心會舘)
×中野泰誠 (大原道場)
判定3-0(30-29/30-29/30-28)
※杉浦が35kg級第15代王者に
第1試合 TOP☆RUN 30kg級王座決定戦 2分3R延長1分1R
×細見樹斗 (ロイヤルキングス)
○辻畑元気 (RKS昇龍會)
判定1-2(29-30/29-28/29-30)
※辻畑が30kg級第17代王者に