DEEP☆KICK 10.27 大阪 176BOX(レポ):-63kg王座決定トーナメントは吉岡龍輝が竹内皇貴を、龍翔が三宅祐弥をKOし決勝進出
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DEEP☆KICK ZERO 16 & 17
2024年10月27日(日)大阪・176BOX
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(文・三野龍生/写真・石本文子)
DEEP☆KICK ZERO 17
10月27日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第2部『DEEP☆KICK ZERO 17』が行われた。アマチュアファイトではTOP☆RUN関西一般王座戦が行われ山中如楽・赤嶺拓也・山中楽斗の3名がベルトを腰に巻くと、プロ本戦では第1部「DEEP☆KICK ZERO 16」に引き続ぎこちらも6試合中3試合がKO決着、特にセミファイナルではKING弥百希・メインイベントでは吉岡龍輝が威力抜群のパンチでド派手なKO劇の連続を披露、確かなレベルの高さを見せつけた。今回の勝利を機にランキング入りを果たすニューカマーも多いだろう、年内開催は残すところ12月8日にテクスピア大阪で行われる「DEEP☆KICK 72」の1つのみ、2025年に向けてランキング変動にも注目だ。
メインイベント
DEEP☆KICK-63kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
×竹内皇貴(チームドラゴン)
○吉岡龍輝(及川道場)
TKO 1R2分25秒 レフェリーストップ
※吉岡龍輝がトーナメント決勝に進出
第1部「DEEP☆KICK ZERO 16」に続きメインイベントを飾るのは、DEEP☆KICK-63kg第6代王者を決める王座決定トーナメントの準決勝。同級4位の竹内皇貴(チームドラゴン)とRISEライト級6位の吉岡龍輝(及川道場)が激突、竹内は過去に2度DEEP☆KICKトーナメントに出場し自慢の膝を武器に2度共に王座戦に辿り着いているがあと1歩が届かない、3度目の正直となるか。吉岡はプロ戦績8戦5勝3敗2KOを誇り空手をバックボーンにStand Up King of Rookie 2022 -63kg級優勝のタイトルを持つ実力者、DEEP☆KICKには今回が初参戦、同門の先輩である滉大(及川道場)同様にDEEP☆KICKのベルトを腰に巻けるか。
メインイベントへの期待が高まっていく中、試合は1R早々から急展開を迎える。1R、前手を触りながらじっくりとした構えでローにハイと静かに機を伺う竹内に吉岡はサウスポーに構えジャブにロー、ワンツーとキレのある動きを見せる。そして早くも転機が訪れる、竹内が膝で踏み込んだところに吉岡の左ストレートがクリーンヒット、ダメージは明らか、足がふらつく竹内に吉岡はワンツーにストレートとパンチでラッシュをかけていきスタンディングダウンを奪う。電光石火のダウン奪取、竹内も再開後に膝にストレートと返していくが吉岡の勢いは止まらない、左ハイに三日月蹴りなどの蹴りを放ちながら距離を詰めるとワンツーに鋭いストレートを再びヒットさせていく。竹内は左ストレートが見えていないか、度々ヒットを許していくと2分経過時には吉岡の右フックからの左ストレートで2度目のダウンを奪われる。立ち上がるもダメージが見える竹内、再開後すぐに飛び膝蹴りを放つなど執念を見せたが吉岡はワンツーにパンチラッシュとまとめ3度目のダウンを奪取し試合終了、1R2分25秒、圧巻のパンチ技術を見せつけた吉岡がトーナメント決勝に進出を決めた。
喜びの顔というよりあくまで冷静な表情で観客たちに拳を突き出しアピールをする吉岡。すると第1部にてこちらもKO勝利で決勝進出を決めた龍翔(BLACK☆Jr)がリング上に登壇。マイクを持ち「僕より早く倒して決勝に上がってきたので、これは面白い勝負になるかなと思います」と放つと吉岡は「試合を見てもらったら分かると思うんですけど、このトーナメント出場選手の中で僕が頭一つ抜けてるので、12月も楽しみにしといてください」と余裕のコメントを残した。
試合後、吉岡は「前々からSNSでも言ってましたが今回の4人の中で僕が一番華があると思うので、1RKOでそれを証明できたかなと思います、もちろん竹内選手も2度もタイトルマッチ経験があり圧力のあるベテラン選手なので舐めることなく敬意を持って得意な左ストレートで倒しに行きました」と語った。同門には”神の左”と言われる強力な左ストレートをもつ第2代RISEフライ級王者の数島大陸(及川道場)がおり、それについては「大陸のストレートは”神の左”とか言われてますけど、僕の左は大陸のとは違って一発でスパンと切り落とすような、なんでしょう、”魔の左”ですかね」と数島とは一味違う、強力な自慢の武器であると語った。
DEEP☆KICK初参戦も絶大なインパクトを残し決勝進出を決めた吉岡、決勝戦でも”魔の左”で龍翔をリングに這わせるのか、期待してほしい。
セミファイナル
DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R
○KING弥百希(ROYAL KINGS)
×藤本羽(フォー・オール・ボクシングコミュニティ)
TKO 2R1分4秒 レフェリーストップ
セミファイナルで開催されたのはDEEP☆KICK-70kg契約のワンマッチ、現在プロ戦績2戦2勝1KOで昨年・今年の2年で実に4本ものベルト戴冠を達成しているROYAL KINGS所属の新鋭・KING弥百希(ROYAL KINGS)が今回がプロ2戦目となる藤本羽(フォー・オール・ボクシングコミュニティ)を迎え撃った。
試合は1R、サウスポーに構え軽いステップで動きながらジャブにワンツー・フックと繰り出す弥百希、藤本は弥百希の入り際を狙いながらローに膝・ミドルからストレートと蹴り主体で返していく印象。特に膝が印象的だ、弥百希の踏み込みに合わせ膝を合わせていく、対する弥百希も中間距離では右インローに前蹴りを出しながら重い右フックにストレートで果敢に踏み込む、1Rはイーブンか。
続く2R、勝負は一気に動く。開始早々から伸びのあるローにミドルと放つ藤本に弥百希は左ストレートを連続でヒットさせ逆コーナーまで一気に藤本を下がらせていきコーナー際でラッシュをかける。ダメージはそこまでか、藤本は押されながらも冷静にパンチに膝と返しコーナーを脱出する。そしてここから仕切り直しと思われた後、弥百希の左ストレートが再び藤本を捉える。今度は明らかにダメージが見える、倒れはしないも下がる藤本に弥百希はここぞとばかりに猛ラッシュ、ストレートにフックと威力抜群のパンチを振るっていき藤本もたまらずに倒れこみダウン。ダメージは甚大、立ち上がろうとするもバランスを崩した藤本を見てレフェリーは続行不可能を宣告、2R1分4秒、弥百希が無傷のプロ3勝目を勝ち取った。
試合後、弥百希はマイクを握ると「この3戦で僕の人間としての戦いの強さを見せれたと思うので、ROYAL KINGSの先輩たちみたいに、僕もベルトに絡んだ試合をしたいです」と林裕人実行委員長に直談判した。果たして只今絶好調のROYAL KINGS期待の新鋭がベルト挑戦に漕ぎつけることは出来るのか、次戦にも注目だ。
第4試合 DEEP☆KICK-48kg契約 2分3R
△上田樹那(山口道場)
△Sero(NJKF健心塾)
判定 1-1(30-29、29-29、29-30)
今大会唯一の女子ワンマッチ、上田樹那(山口道場)とSero(NJKF健心塾)が激突する。もともと今試合は上田vsAyaka(NJKF健心塾)で決定していたのだが試合開催2週間前にAyakaが怪我により出場困難となり、同門であるSeroが急遽出場といった経緯があった。
試合は1R、細かくステップを踏みながら左ミドルにローと蹴り主体で攻める上田に鋭い左フックにストレートを軸にパンチ主体で攻めるSeroといった展開となる。中で上田は着実に左右のローを当てていき、Seroは離れ際にストレートを数度あてるなど互いにヒットを許しあう一進一退の攻防に。続く2Rも同様の展開になると、Seroは圧を強め打ち合いの距離にもっていく。上田もこれに応戦し左右のフック、そしてローと打ち合いの最中でもローをきっちり当てていく冷静さを見せる。Seroも左ミドルを加えながら自慢のパンチを思う存分に振るっていき高いアグレッシブさを見せる、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-19、20-20でイーブン、1名が20-19で上田を支持する。
3R、このラウンド制した者が勝者となるだけに両者は開始早々から果敢に打ち出る。Seroが左右のフックにストレートとヒットさせれば、上田もストレートに左右のローでSeroの足が流れていく。互いに疲れが見えるも決して止まらずに打ち合い、正に女の意地をぶつけあった両者。その激闘は最終ゴングまで続くも結果は1-1で痛み分けのドローとなった。まだまだ技術に気合も成長し続ける女子キックボクサー達、DEEP☆KICKでも女子ベルト新設を望む声もあるが果たして。
第3試合 DEEP☆KICKヘビー級 3分3R
○武中秀武(魁塾 中川道場)
×RYOMA(NJKF健心塾)
TKO 1R49秒 セコンドのタオル投入
DEEP☆KICKにおいて久方ぶりのヘビー級の1戦が開催。互いに1戦1勝1KOでありそのKOも1RKOという両者、武中秀武(魁塾 中川道場)とRYOMA(NJKF健心塾)のプロ2戦目同士が激突する。昨日に行われた前日計量では武中が109.05kg、RYOMAは90.20kgでクリアしておりその差はなんと約20Kg、正に無差別級であるヘビー級だからこそ成し得るマッチメイクだ。
ヘビー級の試合となればやはりド派手な打ち合いを期待したい、だがそうもいかない事があるのが現実だ。しかし当試合はそんな期待を大きく上回る試合となる。リング中央に揃い見合う両者、互いに身長190cm近くあることもありリングが小さくみえる、そして始まった第1R、互いに見合いながら距離を縮めると早速互いに左右のフックにローで近距離で打ち合い客席からも歓声が沸く。中間距離になるとRYOMAは鋭いローにミドルを放ち距離が近づくと再びの打ち合いに、最中、RYOMAの右ストレートで武中が少し効いた様子を見せると今度は武中がお返し右ストレートをヒットさせ今度はRYOMAが大きく後ろに下がらされる。まるで怪獣同士のぶつかり合いを見てるようだ、客席からはこの日最大と言えるほどの歓声が沸いていたがその多くは驚きの声であった。そして怪獣同士の一戦は瞬く間に終了となる。前述の通り下がらされたRYOMAにダメージが見えると武中はどんどんとパンチで前に打ち出る、そしてRYOMAが右フックを放ったところに武中の右ストレートがカウンターでクリーンヒットするとRYOMAはスイッチが切れたように崩れ落ちた。ダメージは想像に難くない、動けないRYOMAを見たセコンドがタオルを投入し試合終了、1R49秒、早々のKO決着ながらも今大会ベストバウトと言ってもいい大迫力の打ち合いとなった試合を武中が制した。
これでプロ2戦2勝2KOとなるもなんと武中はこれでキックボクシングは引退と話し、そして次はボクシングで世界ヘビー級ランカーになると宣言した。少々もったいない気もするがそれでも武中の決意は固いだろう、この先、ボクシングヘビー級で武中秀武が台頭してくることを楽しみにしたい。
第2試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R
×香川刻(Blaze)
○仁保彩晴(LEGEND GYM)
判定 0-3(18-20、17-20、18-20)
※香川刻が偶発的なローブローを被弾、続行不可能と判断されたため2R2分47秒時点での判定
DEEP☆KICK-55kg契約のワンマッチ、前戦にて嬉しいプロ初勝利を飾り今回がプロ3戦目となる香川刻(Blaze)と4月にプロデビューを飾るもTKO負け、次こそはと意気込む仁保彩晴(LEGEND GYM)が対戦。
1R、互いに速いステップからロー・カーフと絡めながらストレートにジャブ・フックで攻め合う。目まぐるしく攻防は立ちかわっていき香川がストレートから膝にローとヒットさせると仁保はストレートにフックと合わせると後半にはカーフを連続でヒットさせ香川の足を流させる。
続く2R、前ラウンドに引き続き香川がパンチをまとめるか仁保がカーフを合わせるかと期待されるも開始早々に香川がローブローを被弾し試合がストップする。再開後、リングを周りながら左ミドルにストレートと膝で繰り出す香川に仁保はじわじわ圧をかけストレート、カーフと放っていく。中で仁保はロープ際で香川をパンチラッシュで詰めていくと香川はロープにもたれるような形となりダウンが宣告、仁保がファーストダウンを奪取する。しかしダメージはないか、再開後、取り返すといわんばかりに今度は香川がストレートにフックと連続で当てていき仁保をコーナーに追い詰めるなど攻勢を見せる。すると流れで再び香川はローブローを被弾、回復を待ったが規定時間内での回復が見込まれないと判断され、試合終了が宣告。大会規定によりタイムの止まった2R2分47秒時点での判定となり、ダウンポイントが活き3-0で仁保が判定勝利を収めた。初勝利なだけに嬉しくないわけではないだろうが、仁保も次はスッキリとした勝利を掴みたい所だろう。
第1試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R
△小路督也(BLOW GYM)
△仁(LEGEND GYM)
判定 0-0(28-28、28-28、28-28)
今回がプロデビューとなる小路督也(BLOW GYM)と9月に1RTKO勝利を奪い2か月連続でDEEP☆KICKに参戦となった今回がプロ2戦目となる仁(LEGEND GYM)の1戦。試合は1R、早々からカーフ連打で仁がじわじわ圧をつめていくと左フックで早速ファーストダウンを奪う。その後も自慢のパンチとカーフでどんどん前に出る仁、小路はやや下げられるも回復が見えるとストレートにフック・ローと着実にショートのパンチを細かく返していく。といってもダウンを奪った仁がこのまま優勢に進めるかと思いきや1R後半からはスタミナ切れかやや仁の手数が減った印象。そして2R、それは顕著に表れた。フックにカーフと威力は見えるがやはり手数が少ない、逆に小路は調子を上げていき左フックにストレート、ローにボディ、パンチ連打と圧倒的にヒットを稼ぎラウンド終盤にはダウン寸前まで仁を追い詰める、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に18-19で仁を支持。
最終ラウンド、仁は開始直後から左右のフック連打で前に出ると小路もこれに応じ互いに早々に打ち合いの展開となる。互いにここでダウンを獲りたかったところだが取るには至らず、そして2R同様に小路がパンチをまとめていく展開となる。ラウンド終盤、スタミナ切れも相まって倒れる寸前に見える仁、しかし小路もスタミナ切れと見える。それでも逆転に向け何とかダウンを獲りたい小路だがここで仁にローブローを当ててしまい、試合が一時中断する。再開後、残り30秒は互いにややスタミナも回復したか息を吹き返し左右のフックで打ち合うが倒すに至らず試合終了、結果は3者共に28-28でドロー。互いに次への課題が見えた1戦となった。
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
オープニングイベント、アマチュアファイトではNEXT☆LEVEL提供試合としてTOP☆RUN関西一般の王座決定戦2試合にタイトルマッチ1試合と計3つの王座戦が執り行われた。中でもOP第3試合-55kg王座決定戦で対戦した永野太稀(修和館) vs 山中如楽(及川道場)の1戦は延長にもつれ込む激戦となる。延長ラウンドでは疲れの見える永野に山中はストレートに首相撲と着実に印象を残し結果3-0で延長ラウンドを制した山中が判定勝利を収めた。他の2戦でも-65kgでは赤嶺拓也(拳心會館)がパンチ・蹴り・首相撲とどの局面にも対応できる実力を見せ判定勝利、-60kgでは現王者であり-55kgを制した山中如楽の兄・山中楽斗(及川道場)が安定した実力で初防衛を果たした。一般TOP☆RUNベルト戴冠を機にプロキックボクサーへの挑戦を決意する選手も多いだけに、この3選手がプロのリングに上がる日をまた心待ちにしたい。
OP第5試合 TOP☆RUN関西一般-60kgタイトルマッチ 1分30秒3R
○山中楽斗(及川道場)/王者
×西垣柊哉(パラエストラ森ノ宮)/挑戦者
判定 3-0(30-27、30-28、30-27)
※山中楽斗がTOP☆RUN関西一般-60kg初の王座防衛に成功
OP第4試合 TOP☆RUN関西一般-65kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×菊池太一(心武館)
○赤嶺拓也(拳心會館)
判定 0-3(29-30、28-29、29-30)
※赤嶺拓也がTOP☆RUN関西一般-65kg第15代新王者に
OP第3試合 TOP☆RUN関西一般-55kg王座決定戦 1分30秒3R 延長1R
×永野太稀(修和館)
○山中如楽(及川道場)
判定 0-1(29-29、29-30、29-29)
延長 0-3(9-10、9-10、9-10)
※山中如楽がTOP☆RUN関西一般-55kg第8代新王者に
OP第2試合 -55kg契約 1分30秒2R
○和田祐翔(一心会)
×朴竜佑(VALIENTE)
判定 2-1(20-19、19-20、20-19)
OP第1試合 -55kg契約 1分2R
○富久天真(一心会)
×竹内直紀(ハトの穴)
判定 2-1(20-19、19-20、20-19)
DEEP☆KICK ZERO 16
10月27日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第1部『DEEP☆KICK ZERO 16』が行われた。大会はアマチュアファイトから関西選手vs九州選手の対抗戦で熱い盛り上がりを見せるとプロ本戦では6試合中3試合がKO決着、中でもセミでは津留純平・メインでは龍翔が共にカーフキックでTKO勝利を勝ち取った。また今大会ではFUEGOより特別KO賞としてサイコロを振り出た目×1万円分のFUEGOで使える商品券のプレゼントというエンターテインメント性溢れるも催しも開催され、最後まで変わらず大盛況のままに大会を終えた。また第2部との合間には9月22日に還暦を迎えたDEEP☆KICK実行委員会 林裕人実行委員長へのサプライズセレモニーが行われ、DEEP☆KICKの確かな盛り上がりとスタッフの温かさにも触れられた大会となった。
メインイベント
DEEP☆KICK-63kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
○龍翔(BLACK☆Jr)
×三宅祐弥(HackerGYM)
TKO 2R2分34秒 レフェリーストップ
※龍翔がトーナメント決勝に進出
6月にDEEP☆KICK-63kg第6代王者を戴冠した古宮晴(昇龍會)が返上したベルトを懸けたDEEP☆KICK-63kg第7代王者決定トーナメント準決勝の1戦、RISEを主戦場に戦いBLACK☆Jr TATSUTOGYMの代表を務める龍翔(BLACK☆Jr)とK-1ファイターでありこちらはHackerGYMの代表を務める三宅祐弥(HackerGYM)というジム代表同士の対決が行われた。今回、2年半ぶりのリングとなる龍翔とKrushにて試合には出続けるも中々2024年は波に乗れない三宅、両者はスパーリングパートナーとして練習を共にした時期もあり手の内はお互いに知り尽くしてるであろう、果たして。
1R、開始早々から龍翔はカーフキックを度々ヒットさせながら細かいパンチを放っていく。対する三宅はジャブに左インロー・ミドルと返すも龍翔のカーフのヒットが目立っている印象だ。中盤にはジャブを突きながらハイキック・三日月蹴りに膝とパターンを増やしてきた龍翔に三宅はやや押され気味か、何よりは都度放たれる龍翔のカーフがやはり印象的、1Rは龍翔が優勢の印象だ。
続く2R、三宅はガードを堅めながら圧をかけ1Rより近い距離に詰めていくとジャブにローをヒットさせていく。龍翔はこのラウンドでもカーフを当てながら飛び膝蹴りにジャブ・フック・ツー・膝と多彩に技を繰り出す。三宅はそこからストレートにフックと繋げていきたいが龍翔の立ち回りに苦戦しているか。最中、蓄積されたダメージがとうとう限界を迎えたか、龍翔のカーフキックがヒットすると三宅は足に力が入らずゆっくり倒れダウンが宣告される。苦悶の表情を浮かべるも気合を入れ直し立ち上がった三宅、しかしこうなると龍翔はもう押せ押せの勢いだ、カーフにフェイントからのハイキック、そしてパンチの連打で三宅に圧をかけていくと再び三宅は倒れこみ2度目のダウンを奪われる。これも立ち上がり続行を望む三宅だったが龍翔は最後もカーフキックで三宅を崩れさすとレフェリーは続行不可能と判断し試合終了、龍翔が2R2分34秒、2年半ぶりの復帰戦を2RTKO勝利で飾り、一足先に王座決定トーナメント決勝への進出を決めた。
試合後、龍翔は「三宅選手とは試合が決まる2週間前まで一緒に練習してて、お世話になっている先輩だったのでどうしても負けたくなかった。2年ぶりで力んだ部分もありましたが、三宅選手とやるって決まってからカーフで行くっていうのは決めてたので作戦通り倒せてよかったです」と語ると2年ぶりの復帰戦となったことについては「実はちょうど5年前の今日にプロデビュー戦をしてて、2年ぶりの復帰戦で緊張というよりワクワクが勝ってたのでリラックスして戦えました」と語った。
久方ぶりの試合出場となるも確かな実力を見せつけた龍翔、勢いそのままに12月8日「DEEP☆KICK 72」で行われる王座決定戦でベルト戴冠を決め完全復活を果たすことは出来るのか。次戦の王座決定戦を楽しみにしてほしい。
セミファイナル
DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R
○津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)
×聡一郎(道化倶楽部)
TKO 2R54秒 レフェリーストップ
セミファイナルで開催されたのはDEEP☆KICK-60kg契約のワンマッチ、赤コーナーには4月より始まった同級挑戦者決定トーナメントに参戦するも準決勝でその後タイトルマッチをも制し王者となったGUMP(TEAM TEPPEN)に判定負けを喫し今回が復帰戦となる同級4位の津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)。対するはDEEP☆KICK初参戦の聡一郎(道化倶楽部)、互いにDEEP☆KICKで戴冠歴のある山口兄弟(山口裕人(道化倶楽部)・山口侑馬(道化倶楽部))率いる道化倶楽部所属選手でプロ戦績は11戦6勝5敗6KO、勝ち=KO勝利という戦績に見た目からも分かる通り剛腕で次々と選手を屠ってきた倒し屋だ。互いにKO率が高く、KO決着必須と予想されたこの戦いは正に予想通り、2RTKOで幕をおろすこととなる。
試合は1R、互いにロー・カーフで前足を削り合うと聡一郎は津留をロープ際に詰め豪快な左右のフック連打を放つ、その勢いたるや会場からもどよめきが起こる。しかし津留は冷静、踏み込んでくる聡一郎に前蹴りにジャブを合わせながらカーフキックを合わせていく。中盤にはカーフで聡一郎の足が崩れるシーンも。津留はそこからカーフの本数を増やし圧をかけていくと左フックに膝と立て続けにヒット、セコンドからも効いたぞ!と檄が飛ぶ。すると今度は聡一郎、威力抜群の左右のフックを振るいながらでどんどんと前に踏み込んでいく、まだまだここからという気合が見えるも足のダメージは甚大、カーフキックで足が流れる聡一郎に津留はカーフを4連続で叩き込むと聡一郎は倒れこみファーストダウンを奪う。立ち上がる聡一郎だが今度は津留の右膝がクリーンヒットし続けざまに2度目のダウンを喫す。立ち上がった聡一郎に津留は猛攻をしかけるも聡一郎のパンチは死んでいない、残り時間が僅かだったこともあり津留もあと1ダウンが奪いきれず第1Rが終了。
続く2R、聡一郎としてはここで挽回を狙いたいが津留は開始早々からカーフの連打をどんどんと蹴り込んでいく。それでも根性を見せる聡一郎、フックを軸に逆転の一撃を狙っていくが津留は冷静にパンチをまとめながらカーフを当てていき、最後もカーフキックでダウンを奪取するとレフェリーが続行不可能を宣告、津留が2R54秒TKO勝利を奪った。
これでプロ戦績8戦6勝2敗4KOとなった津留、来る次節トーナメントに向けてアピールもバッチリだろう。次こそはベルトに辿り着くことが出来るか、津留の次戦に注目だ。
第4試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R
×長谷川英翔(誠剛館)
○棚澤大空(TEAM TEPPEN)
判定 0-3(28-30、28-30、28-30)
DEEP☆KICK-53kg契約のワンマッチ、ABWバンタム級王者で過去には同級王座決定戦にも出場経験のある同級4位の長谷川英翔(誠剛館)に4月にプロデビューすると2戦2勝2KOと全勝全KOを誇っている棚澤大空(TEAM TEPPEN)が挑む。
1R、長谷川は距離を取りながら左インローに左ハイキックと繰り出しリーチを活かした落ち着いた立ち回りを見せる。棚澤はローを当てながらパンチに繋げていきたいが距離が遠いか、互いに蹴り中心の展開となる。そこからスイッチしながら蹴りを放ちワンツーで踏み込む長谷川、入ってきたところに素早いパンチ連打を合わせる棚澤となるが互いに中間距離でけん制し合う展開が続く、1Rはイーブンだろう。
続く2R、徐々に展開が変わる。互いに1Rより近い距離でけん制し合いながらローを打ち合うと、長谷川はストレートに膝で距離を詰めていく。対する棚澤も左右の鋭いフックを中心に圧をかけていくと流れでハイキックをクリーンヒットさせる。その後、距離を取り直したい長谷川だったが棚澤は強くプレスをかけていき自分の距離を保ち続けボディにストレート・フックと速いパンチの連打を放っていく。長谷川も左フックに膝とヒットさせていくが優勢は棚澤だ、2R終了時点でのオープンスコアは3名ともに19-20で棚澤を支持。
3R、逆転を狙いたい長谷川は開始早々から距離を詰めワンツーに膝・飛び膝と放つと、棚澤は冷静にブロックしながらローにフックと着実に返し再び圧をかけていく。中盤には互いにパンチを中心に打ち合っていくも残り時間が1分を切ったころ再び棚澤のハイキックにパンチ連打が立て続けに長谷川にヒット、倒れずにパンチを放つ長谷川だがダメージは明らかだ。棚澤は止まらずにパンチの連打を長谷川にヒットさせていく、長谷川も最後まで倒れず手を止めなかったがここでも優勢は棚澤だろう、結果ジャッジ3者共に28-30で棚澤を支持し、棚澤が判定勝利を収めた。
これで3戦3勝2KO、何より同級4位の長谷川を倒したことで上位ランキング入りもまず間違いないだろう。この勢いのままにTEAM TEPPENの新鋭がDEEP☆KICKベルトへの道を切り開けるか。
第3試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R
×小林大樹(龍生塾)
○水野夢斗(TEAM TEPPEN)
判定 0-3(28-30、28-30、28-30)
SBを主戦場に戦いプロ戦績7戦4勝2敗1分3KOを誇る小林大樹(龍生塾)と今年4月にプロデビューしプロ2戦2勝1敗と負けなしの水野夢斗(TEAM TEPPEN)のDEEP☆KICK-51kg契約の1戦。試合は1R、互いにサウスポースタイルに構えると水野は軽やかで速いステップワークを武器に左右の蹴りにジャブ・ストレートと合わせていく。小林はローを当てながら右フックにパンチの連打で前に打ち出るも水野はそれをいなしていく。後半、水野をロープ際に詰めた小林はパンチの打ち合いにもっていくと水野も応戦、互いにヒットさせるも倒すには至らず第1R終了。
続く2R、開始からじわじわ圧をかけながらストレートにフックと繰り出す小林に水野は下がりながらもストレートにローと返していく。序盤は互いに打ち合う距離にあり小林の攻勢も目立ったが、徐々に水野は自分の距離感をキープしながら顔面前蹴りにミドル、ジャブに膝と着実にヒットを奪っていった印象だ、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-20、1名が18-20で3者共に水野を支持。
3R、2Rに続き自分の距離で試合を進める水野はワンツー・ローに飛び膝蹴りと繰り出していく。小林もワンツーにフックとパンチで展開を変えたいが空振りが目立つか、その後も水野はハイキックにカウンターのストレート、回し蹴りと完全に試合のペースを握る。小林は最後まで圧を緩めずパンチを振るっていったが水野を捉えるには至らず試合終了、結果3者共に28-30で水野を支持、試合を完全にコントロールした水野が判定勝利を収めた。これで第4試合で勝利した棚澤と共に無敗でプロ3勝目を勝ち取った水野、棚澤と共にDEEP☆KICKでTEAM TEPPEN旋風を巻き起こすか。
第2試合 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R
○加古稟虎(NJKFteamBonds)
×松本慶二(TEAM TEPPEN)
KO 3R1分52秒
プロ2戦目同士の対決も16歳の加古稟虎(NJKFteamBonds)と31歳の松本慶二(TEAM TEPPEN)という年齢は倍近い両者の対戦。試合は1R、190cm近い身長の加古はカーフに前蹴り・ジャブと走らせる。対する松本はインローを放ちながらじわじわと圧をかけていき威力のありそうなストレートに左右のボディにフックと放っていく。続く2R、試合は一気に激化する。より圧を強めて前に出る松本は威力ある左右のフックをどんどん放つ、加古もカーフに膝と合わせながらジャブ・ストレートを着実にヒットさせる。最中、松本は加古をコーナーに詰めると左右のフックにストレートの連打を繰り出していき加古を追い詰めると、今度はそこに加古がカウンターのストレートから3連発のストレートで松本を逆コーナーに追いやり今度は加古がラッシュをかけていく。ゴング間際には互いに打ち合う中で加古のボディフックが連続でヒットし松本が腹を抑える場面もありゴング後は会場からどよめきが起こるほどに壮絶な第2ラウンドとなった。2R終了時点でのオープンスコアは1名が20-20でイーブン、1名が20-19、1名が20-18で2名が加古を支持。
3R、逆転を狙い左右のフックを振るいながら前に出る松本に加古は飛び膝・アッパーを挟みながらボディフックに前蹴りでボディを狙っていく。中で、加古の左フックが松本にクリーンヒット、たたらを踏んで後ろに下がっていく松本に加古はボディにフックの連打で詰めていくと最後はダメージの見える松本に前蹴りを突き刺し、松本はロープにもたれる形でダウン、10カウント内に続行の意思を示すことが出来ず、3R1分52秒、加古がKO勝利でプロ2勝2KO目を勝ち取った。
第1試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R
○木下亜輝斗(FASCINATE FIGHT TEAM)
×根本日向(TEAM LIGHT)
判定 2-0(30-28、29-29、30-28)
プロ4戦目であり約1年ぶりの試合となる木下亜輝斗(FASCINATE FIGHT TEAM)と今回がプロデビュー戦となる根本日向(TEAM LIGHT)の1戦。最軽量級だけあって互いに速い、1Rから互いにローを合わせながらジャブにフックツー・アッパーと鋭く踏み込む根本と伸びのあるジャブにストレートとヒットさせる木下となる。2Rも同様に速い踏み込みでパンチを振るう根本にフックにストレート・ハイキックと返す木下となるが互いにこれといった1発はないか、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19で木下を、1名が19-20で根元を支持と判定が割れる。
3R、左右の蹴りを放ちながらワンツーをヒットさせる木下、根本もフックにストレートで踏み込むがやや狙いすぎて手数が減った印象。中で木下のストレートが度々ヒットしていく、根本もギアを上げ圧をかけるが木下はストレートにフックを確実に当てていく。結果、3Rの木下の攻勢が支持され判定2-0で木下が復帰戦判定勝利を飾った。
〈オープニングイベント〉
NEXT☆LEVEL提供試合
オープニングイベント、アマチュアファイトでは関西vs九州アマチュア対抗戦が4試合が開催。中でも大将戦に位置するOP第4試合の亀田十羽(TeamFIST) vs 船倉健新(K-LIFE KICKBOXING GYM)の1戦では互いに鋭いパンチにミドル・首相撲で攻め合う。亀田がワンツーにハイキックと放てば船倉はパンチのラッシュに膝で返すと一進一退の攻防を見せ結果は1-0(亀田)でイーブン、決着はつかなかったものの関西・九州のアマチュアキックボクサーのレベルの高さが伺える1戦であった。
OP第4試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-55kg契約 1分30秒2R
△亀田十羽(TeamFIST)
△船倉健新(K-LIFE KICKBOXING GYM)
判定 1-0(19-19、20-19、19-19)
OP第3試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-45kg契約 1分30秒2R
○葛原大海(LEGEND GYM)
×吉田勝大(K-1ジム福岡)
判定 2-0(20-19、19-19、20-19)
OP第2試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-35kg契約 1分30秒2R
○上野晃勢(魁塾 中川道場)
×丸尾勇心(TEAM BEYOND)
判定 2-0(20-19、19-19、20-19)
OP第1試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-32kg契約 1分30秒2R
×犬村友護(LoTgym)
○堀川颯大(TEAM BEYOND)
判定 0-3(18-20、18-20、18-20)