NJKF 11.5 札幌コンカリーニョ(レポ):GRABS主催大会で撫子、斎藤千種に3連勝しミネルヴァ・ピン級王座初防衛
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ニュージャパンキックボクシング連盟「GRABS祭り」
2023年11月5日(日) 北海道・札幌 コンカリーニョ
記事提供:GRABS KICKBOXING STUDIO(文・布施鋼治、写真・長尾迪)
メインイベント(第4試合)
ミネルヴァ ピン級タイトルマッチ3分3R
○撫子 (GRABS) ミネルヴァ同級王者
〔判定 3-0 ※29-28 30-29(×2名)〕撫子は初防衛に成功
×斎藤千種 (白山道場) ミネルヴァ 同級4位
「初めての(所属ジムの)自主興行だし、コンセプトはお祭り。メインに相応しい、会場全体を一緒に盛り上げるような試合にしたい」
試合の数週間前、地元札幌で行なわれる防衛戦について聞くと、撫子はやる気満々だった。強化している部分を聞くと、「パンチ」と即座に答えた。「前回の試合(今年9月10日、BOUTで実現した風羽戦)ではそのパンチをうまく当てることができなかった。今回は自分のパンチがうまく当たるポジションを意識しながら闘いたい」
その言葉通り、撫子はパンチを中心に組み立てた試合運びで、1Rから試合の主導権を握る。撫子の左フックで挑戦者・齋藤千種のアゴが上がる場面もあった。
撫子と斎藤は過去に二度対戦し、いずれも撫子が勝利を収めている。しかしながら油断は微塵もなかった。過去に撫子は藤原乃愛に1勝1分と白星なしで臨んだ3度目のタイトルマッチで判定勝ちを収め、NJKFミネルヴァ認定ピン級王座を奪取しているからだ。
案の定、過去の対戦から斎藤は相手の癖や傾向を十分に得ていたのだろう。斉藤は相手が攻撃した直後のスキを狙うなど、十分に対策したうえで挑戦していることがよくわかった。
それでも、総合力では撫子の方が一枚も二枚も上回っていた。パンチに加え、ミネルヴァルールでは認められた組んでからのヒザ蹴りを武器に挑戦者をじわじわと窮地に追い込んでいく。最終回(3R)、斎藤はハイキックで一発逆転を狙うが、撫子の勢いを止めることはできなかった。
判定は3-0で撫子。女子では最軽量級の試合とは思えぬ力強さと「チャンスがあれば倒す」という気概が超満員の観客に十分すぎるほど伝わっていたので、試合が終わってすぐに席を立つ者はほとんどいなかった。
地元での王座初防衛に成功した王者はピン級よりひとつ下の階級の開設と国際戦のマッチメークをマイクアピールした。撫子は来年以降もGRABS祭りの定期開催を希望している。
セミファイナル(第3試合)70kg契約3分3R
×白岩昭人 (GRABS)
[判定 0-3 ※27-29(×2名) 28-29 1R、白岩に二度のダウンあり]
○大谷真弘 (BRAVE F・C)
TETSURO引退後、GRABS中量級期待の白岩昭人がセミファイナルに登場し、群馬県にあるBRAVE F・C所属の大谷真弘と激突した。試合前からホームのメリットを最大限に活かすように場内は白岩コールに包まれるが、1R開始早々大谷は右フックで先制のダウンを奪う。
その後白岩は持ち直し、ジャブやローキックで逆転の糸口を掴もうとするが、動きの固さは否めない。2分過ぎ、大谷の右で2度目のダウンを奪われてしまう。絶対絶命のピンチを迎えた白岩は2Rになると右ストレートをクリーンヒットさせるなど攻勢に出る。2Rが終了した時点のオープンスコアは三者とも19-17で大谷。3R、白岩はヒザ蹴りやハイキックで必死に追い上げるが、決定打には至らない。
結局最後は守りに徹した大谷の防御を打ち崩せぬまま試合終了のゴングが打ち鳴らされた。アウェイの雰囲気の中、大谷は価値ある勝利をもぎとった。
第1試合 女子65kg契約2分2R
○HITACHI (GRABS)
[判定 3-0 ※20-18(三者とも)]
×RIKI (VERSUS)
“GRABSの重戦車”の異名を持つHITACHIが念願のプロデビューを迎えた。押しても引いてもビクともしない体幹の強さはTOMONORI会長をして「まるで日立の冷蔵庫! 」という高い評価を受け、このリングネームでリングに上がることになった。対するRIKIは鳥取県在住の中学生で、HITACHI同様今回がプロデビュー戦だ。しかしながら両者のフィジカルの差は歴然 1RからHITACHIは青いワンピース仕様のコスチュームを揺らしながら組んでからのヒザや右フックで攻勢に出る。2Rになっても、HITACHIの勢いは止まらない。組んでからのヒザ蹴りでRIKIのスタミナを削りまくり、終わってみれば20-18のスコアで完勝した。
日本国内で女子スーパーライト級の選手層はまだまだ薄い。課題もあるが、女子重量級のパイオニアとしてこのまま突っ走れるか。
第2試合 TETSURO引退セレモニー・エキシビジョンマッチ 2分1R
TETSURO (GRABS)
[勝敗なし]
パッカシットWSR (WRS札幌/タイ)
北海道在住の男子キックボクサーとして史上初のNJKF王者(ウェルター級)となったTETSUROがパッカシット・ウィラサクレックを相手に引退エキシビションを行なった。両者は7年前に一度本戦で拳を交わしており、パッカシットが右ヒジでTKO勝利を収めている。エキシとはいえTETSUROにとっては試合内容で雪辱する絶好のチャンス。そんなTETSUROの背中を押すように、試合開始のゴングが鳴ると観客席からは力強いTETSUROコールも湧き起こった。
とはいえ、パッカシットもプロ。思い切り攻撃を仕掛け試合内容をシリアスなものにすることでTETSUROの気持ちに応えた。
エキシ後、マイクを握ったTETSUROは「僕がGRABSに来てから10年ほど経つけど、その頃はいまみたいに選手もたくさんいなかった。世界王者にまでなったTOMONORI会長に教えてもらえれば日本王者になれると信じていたけど、本当にになることができた」としみじみとキャリアを振り返った。
TETSUROにとっては最高の引退セレモニーになったのではないか。
オープニング第4試合 セレクションマッチ 53kg契約2分2R
○修斗 (GRABS)
[判定 2-0 20-19(二名) 19-19]
×冨田春人 (SEED)
オープニング第3試合 セレクションマッチ58kg契約2分2R
○伊達(GRABS)
[判定 3-0 ※20-19(三者とも)]
×小泉貴士(CKBC)
オープニング第2試合 セレクションマッチ60kg契約 2分2R
○千葉“クッキー”功揮(GRABS)
[2-1 ※20-19(2名) 19-20]
×野呂雅大(SEED)
オープニング第1試合 セレクションマッチ68kg契約 2分2R
璃久(GRABS)
[試合中止]
山村享平(チームコンバット小樽)