“関節技の鬼”74歳の藤原喜明氏が前田日明氏と共に技術セミナー「この歳になっても『今日も一歩前進した』と思いながら生きている(藤原氏)」
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株式会社サイゾー主催「藤原喜明サブミッションテクニックセミナー&トーク with 前田日明」が8月19日、東京都渋谷区で行われた。
藤原・前田の両氏はアントニオ猪木氏の率いた新日本プロレスリング草創期の70年代に入団し、共に格闘技色の強いプロレスを追及。80年代のUWFで行動を共にし、UWF解散後も前田氏率いるリングスに参戦するなど親交は続いた。セミナーでは両氏の共通の師匠でもあるカール・ゴッチ氏直伝の技術を披露し、トークではゴッチ氏や猪木氏とのエピソード等の思い出話に花が咲いた。
今回の藤原氏のイベントには約40人が参加。80年代のUWF、90年代に前田氏が立ち上げたリングスに青春時代に熱狂した、現在40~50歳代の層が中心で、男性9割、女性1割程度の比率だった。藤原氏が拍手を浴びながら会場に登場し、軽く挨拶すると、1分足らずで早速、関節技の実演に突入。20歳以上若い参加者たちを軽快にコントロールし、流れるようにアームロック系の技や足関節技を次々と仕掛け、“関節技の鬼”健在を示す。
「今、74歳だけど、若いころは3倍ぐらい速かったよ」と笑顔で話す藤原氏。かつて師匠ゴッチ氏に「得意技は?」と尋ねると「コンディションだ」と答えたという。どんなに技を覚えても、いざ仕掛けようとするときにスタミナ、パワーが残っていなければ、技が使えない。その教えを今も忠実に守っていることを示すような動きで、参加者たちを驚かせた。
1時間の技術セミナーの後、トークタイムでは、70年代に新日本プロレスに参戦した、ブラジルの元祖バーリトゥーダー・イワン・ゴメスの日本での最初の練習相手を務めた際のエピソード、90年代に最強と言われたブラジリアン柔術家・ヒクソン・グレイシーの印象、柔道などの他競技についての考えも藤原氏が語った。個別の出来事や感じたことを話しつつも、藤原氏が基本思考として強調したのは、自分で考えること、そして実際に自分の体を動かすことの大事さだ。
「柔術だってキャッチレスリングだって、いいものは何でもいい。柔道でもレスリングでもそう。勉強して『俺だったらこうする』って考えて、自分のスタイルを作っていくんだ」
「理屈じゃなく体で何十時間もやって覚える。何万回何億回と考えて練習する」
「今日教えたことは全体の何千分の1だけど、これをずっとやるうちに、こうすればあれもできるって繰り返し、何千倍にもふくらむんだよ」
真面目に戦いの哲学を語りつつ、度々下ネタに脱線し、聞き手の片田直久氏を困らせていたが、これも藤原氏の74歳でも衰えぬ元気さとサービス精神の現れ。約40分のトークはあっという間と思えるほどの充実ぶりで終了した。「この歳になっても『今日も一歩前進した』と思いながら生きている」という藤原氏。今でもリングに上がり続けており、まだまだ強さの探求は終わらない。
イベントタイトルは「with 前田日明」ではあったが、前田氏も藤原氏と同じように直接技術を指導。主に相手への体重の乗せ方を参加者に伝授した。前田氏は「押さえ方が7割。極め方は3割でいい」と強調。「技はいつでも極められるんですよ。その前に押さえ方がわかっていない選手が多い」「俺らの頃なんて関節技やる前に押さえっこの練習を延々とやっていましたから」と、新日本時代に培ったレスリングの現代に通じる重要性を説明した。