RIZIN LANDMARK 10.2 東京（試合後コメント）：朝倉未来「今まで寝技を出さなかっただけ。急に強くなったからではない」、萩原京平「自分の練習不足と実力不足」｜春日井“寒天”たけし「現役を引退します」、今成正和「65歳ぐらいまで」

　10月2日の「RIZIN LANDMARK vol.1」の試合後、出場全8選手がマスコミのインタビューに応じた。試合レポート記事とは別に、この記事では選手のコメントだけお届けする。（写真：(C)RIZIN FF）

RIZIN LANDMARK 10.2 東京（全試合レポ）：朝倉未来、萩原京平をグラウンドで圧倒し判定勝ち。鈴木博昭・今成正和・渡部修斗は1Rで快勝

朝倉未来「今まで寝技を出さなかっただけ。急に強くなったからではない」、萩原京平「自分の練習不足と実力不足」

第4試合　メインイベント　MMA　68kg契約　5分3R
○朝倉未来（トライフォース赤坂／元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者）
×萩原京平（SMOKER GYM）
判定3-0 (柴田=朝倉/松宮=朝倉/大藪=朝倉)

　3R寝技主体の攻めで判定勝ちした未来は「一本を取りたかったんですけど、対応が上手くなっていたというか、柔術の先生が教えているんでね。一本を取らせない力が上がっていましたね」「蹴りは重かったです」と萩原を評しつつ「テイクダウンは取れると思っていて、立つのがもうちょっと上手いのかなと思っていました。立たれて打撃の展開になってテイクダウンに行ってってのが続いたら、精神的にも体力的にもキツくなっていたでしょうね」と話した。寝技主体の攻めがテーマだったのかと聞かれると「今まで寝技を出さなかっただけで、ある程度できるんで。萩原選手の弱いところがそこで、そこを選ばざるをえなかっただけで、寝技が急に強くなったからとかではないです」と答えた。

　試合後のマイクでは未来は「斎藤（裕）選手とクレベル（・コイケ）選手にやり返すため、キツい練習をして毎日過ごしてきました。年末とかでもいいですけど、対戦を受けてくれるとうれしいです」と発言した。コイケが10月24日のRIZIN.31での斎藤の王座挑戦を、体重調整と足の負傷を理由に回避したことを、RIZINの榊原信行CEOが批判し、契約を継続しない考えを示している。今回の試合後のインタビューで未来はコイケと戦いたい気持ちがあるか聞かれ「もちろんありますね。リベンジしたいですね」とコメントし、コイケの継続参戦を望んだ。
　王者・斎藤は10月24日の防衛戦を予定。ベルトへの思いについて未来は「RIZINをもっと盛り上げたいんですけど、そうなると俺が巻かないともっと盛り上がらないと思っていて。俺が一番似合うと思っているんで。今までも俺が引っ張って来た自負と、リベンジしたい思いも含めてです」と改めてコメントした。

　敗れた萩原は「シンプルに僕が弱かったですね。相手のほうが強かったです」と第一声。1Rのテイクダウンからの脱出については「元々テイクダウンを取られたらバックを取らせて動かすのが作戦やったんですけど、そこからの展開が作れず、向こうのほうが上手でした」と話し、その後寝技で攻め込まれたことについては「思ったよりも相手のテイクダウンからのトップコントロールが上手かったです」と話した。「カーフキックは向こうの足が流れていたんで、このまま蹴って行こうと思ったんですけど、ペースを作る前に仕掛けた向こうが強かったです」ともコメント。殴り合いに応じてくれなかった悔しさはあったか？という質問に対しては「そういう展開のほうが盛り上がったとは思いますけど、相手の弱いところで戦うのがMMAやと思うので、その弱点を試合までに克服できなかった自分の練習不足と実力不足かなと思います」と答えた。今後については「この負けは絶対やり返さないといかん負けなんで、そこに辿り着くまで死に物狂いで練習し、試合をバンバンやって、最短ルートで朝倉未来に辿り着きたいです」と話した。

鈴木博昭、MMA初戦で「答え合わせができました」。奥田啓介「これは勝ちへの途中」

第3試合　MMA　ライト級（71kg）　5分3R
○鈴木博昭（BELLWOOD FIGHT TEAM/ボンサイ柔術／元シュートボクシング世界スーパーライト級（65kg）王者）
×奥田啓介（フリー）
1R 1’42” TKO (レフェリーストップ：左膝蹴り→グラウンドパンチ)

　シュートボクシングの元世界王者・鈴木は初のMMAでの手応えについて「元々MMAストライキングを想定してやっていて、キックボクサーっぽく無かったと思うので、辿り着いたのかな、ここに、って感じです」「より答え合わせができました」と堂々とコメント。フィニッシュにつなげた奥田のタックルに合わせての膝蹴りについても「考えてやったら遅いので、自分の脳みそが勝手に判断してくれればいいって感じの試合でした」と話し、長年培った技術に基づいた自然な動きだったことを強調した。近年はホベルト・サトシ・ソウザらボンサイ柔術勢との技術交流を積極的に行い、サトシらの打撃面での参謀としてRIZINファンにも知られる存在になっていた鈴木。テイクダウンディフェンスについては「サトシのおかげです。ずっと一緒に練習して、彼の言う通りに聞いていればいいので」とコメント。今後については「のし上がりますよ。大晦日、オファー来ないかなって感じです」「どんなオファーでも受けてやるよって感じです」と話した。

　敗れた奥田は試合の感想を聞かれると「レフェリー勝手に止めただけでしょ？3カウントも叩いてない。ふざけんな。まだまだできた」とプロレスラーらしい第一声。だが続けて「でも今日は怪物君、鈴木選手のほうが強かった。3週間準備して、オーバーハンドからのタックルを狙っていたんですけど、なかなか厳しかったです。（最後は）何があったかも覚えていないんで。滅茶苦茶悔しいですね」と話し、素直に敗戦を認めた。とはいえ「これは負けじゃないでしょ。勝ちへの途中やと思ってるからね」と前向きに話した。

春日井“寒天”たけし「現役を引退します」、今成正和「65歳ぐらいまで」

第2試合　MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
○今成正和（今成柔術／元DEEPバンタム級＆フェザー級王者、元Cage Rage世界フェザー級王者）
×春日井“寒天”たけし（志村道場／HEAT MMAバンタム級王者・元ストロー級王者、パンクラス・バンタム級2位）
1R 2’50” アームロック

　“足関十段”の異名が浸透している今成だが、アームロックでのフィニッシュについて「腕もできるんですよ」と話して笑顔。6月のバンタム級日本GP一回戦で敗退したことを踏まえ、変えた部分を聞かれると「練習で気を付けた部分はもちろんあるんですけど、気持ちじゃないですかね。技術というか、気合、やってやるっていう。前回よりあったと思います。何でもいいから取ろうと思っていました」話した。MMAでは2年半ぶりの勝利。まだまだ行けると思ったか？と聞かれると「この勝利がなくてもまだまだ行けると思っていますけどね」と話し、何歳まで戦いたいか？と聞かれると「とりあえず65歳ぐらいまで。あと20年ぐらいですね」と答えた。

　春日井は今成に極められた右腕を三角巾で吊って登場。バンタム級日本GPの扇久保博正戦に続きRIZIN 2連敗となったことで「大きな舞台で2回とも負けてしまって申し訳ないです。UFCをずっと目指していて、実力が無くあきらめ、日本で一番デカいRIZINに立ちたい夢に切り替え、その夢がかなって出させてもらい、もっと活躍して志村道場と地元の岐阜県恵那市山岡町と名産の素晴らしい寒天を全国区にしたかったんですけど、僕はここまでの選手でした。今までありがとうございました。現役を引退します」と表明。「ジムを移籍して、志村館長がいなかったらここまで続けられなかったので、大晦日に戦って恩返ししたかったんですけど、ここまで頑張れたのは誇りにしたいです。応援してくれた皆さん、ありがとうございました」と涙を浮かべながら語った。試合展開については「グラウンドでパウンドを打つ作戦でしたが、思った以上に（今成の関節技までの）作りが強力でした。十字、三角、オモプラッタは上手いのはわかっていて想定はしていましたが、ここまで極め力が強力だとは思っていませんでした」と話した。

渡部修斗、ダースチョークは「マジカルチョーク3ぐらいです」。内藤頌貴、体重差・緊急出場も「後悔は無い」

第1試合　MMA　バンタム級（61kg）　5分3R
○渡部修斗（ストライプル新百合ヶ丘／元Fighting NEXUSバンタム級王者）
×内藤頌貴［のぶたか］（パラエストラ松戸／修斗フライ級世界6位）
1R 1’33” ダースチョーク

　渡部は試合後のマイクで今回のダースチョークを「これがマジカルチョークです」と話したが、「チョークついていれば全部。マジカルチョーク3ぐらいです」と笑顔で説明。RIZIN 2戦1勝1敗のリオ五輪レスリング銀メダリスト・太田忍への対戦要求については「レスリングをやっていた身として、今勝てるとかじゃなく、オリンピックで戦った選手の凄さを知っているので触れたいです」と話した。

　完敗の内藤は「消えてなくなりたいです」と第一声。今回は1階級上での戦いとなったが「パワー差を感じる前に終わってしまいました。実質、実力差があったのでしょう」と語り、大会まで10日を切っての試合決定の影響については「短かったですけど、調整はできていましたし、試合が決まると気持ちが引き締まるので、充実した日々でした。後悔は無いです」と終始潔くコメントした。

RIZIN LANDMARK 10.2 東京（全試合レポ）：朝倉未来、萩原京平をグラウンドで圧倒し判定勝ち。鈴木博昭・今成正和・渡部修斗は1Rで快勝