INNOVATION 12.27 新宿フェイス:葵拳士郎×山浦俊一、花岡竜×Rising力、橋本悟×小磯哲史 インタビュー|ツイキャスで生中継
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
池袋の名門ジムでキックボクシングを始めよう!一般/上級/キッズ/シニア/レディースクラス
INNOVATION「CHAMPIONS CARNIVAL 2020」(12月27日(日)新宿フェイス)の主要カードとなる、WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級タイトルマッチ・葵拳士郎(王者)vs. 山浦俊一(挑戦者)、51kg契約・花岡竜 vs. Rising力、64kg契約・橋本悟 vs. 小磯哲史の6選手のインタビューが、INNOVATIONから届いた。なお、大会の模様がTwitCasting(ツイキャス)で生中継されることも発表された。1部2部別料金で各3,300円(第1部/第2部)。
◆第1部
第10試合 WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
葵拳士郎(マイウェイジム/王者、元INNOVATION王者)
山浦俊一(新興ムエタイジム/1位、NJKF王者)
◆第2部
第7試合 51kg契約 3分5R
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
Rising力(Rising己道会/INNOVATIONフライ級3位)
第6試合 64kg契約 3分3R
橋本 悟(橋本道場/INNOVATION&MuayThaiOpenスーパーライト級王者)
小磯哲史(テッサイジム/J-NETWORKライト級王者)
葵拳士郎インタビュー
——今年8月23日、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下略:INNOVATION)主催興行「Join Forces-16」のメインイベントとして予定されていながら流れてしまったタイトルマッチが再設定されていよいよゴングを待っております。
8月の試合は、10日前の中止でしたから「やっと」の気持ちです。
——コンセントレーション(集中力)に影響は?
コロナですから仕方ないですし、むしろ「基本土台をしっかりと強化することができた」とプラスに捉えています。強敵ですが、勝率は上がったんじゃないかなって。
——強敵と評する山浦俊一選手の分析評価は?
僕は、対戦相手のVTRをほとんど見ないタイプなので口に出せる程のものはありません。動画を見て相手の出方を決めつけることで固定概念ができてしまうことが嫌なので。ざっくり1回か2回見て、大まかな癖が認識できればいいかなと。結果、首相撲とパンチが上手いことは間違いないですし、僕にはそれで十分です。
——相手を舐めているではなく?
NJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)の看板背負って乗り込んでくる1位ですから、軽視できるわけがありません。
——やはり、メインで団体対抗戦の王者対決ともなれば、葵選手もより一層気合いが入っておられるのでは?
それがですね、そうでもないんですよ(笑)。これも決して舐めているわけではありません。もちろん、会長や理事長に組んでいただいた試合ですから負けるわけにはいきません。絶対に勝ちます。ただ……。
——ただ?
自分がチャンピオンで山浦選手が挑戦者という立場ではありながら、僕は「ベルトを護る」のではなく「もう1度獲りにいく」、つまりは防衛戦ではなく王座決定戦の気持ちで臨みたいなと。
——王者ではなく挑戦者でありたいと?
そういう“気持ち”こそが自分の持ち味だと心得てます。
——今回の試合、どんなところに注目していただきたいでしょう?
まさに“気持ち”です。僕は下がりません。下がったら負けだと思っています。
——確かに闘志ほとばしる葵選手の試合は熱気に溢れていますが、一昨年(2018年)7月1日、INNOVATIONスーパーフェザー級タイトルマッチで当時1位の元山祐樹選手を挑戦者に迎えた一戦は、大変なクロスゲームとなりながら第5ラウンド、試合終了間近にバックハンドブローを鮮やかに決めての勝利だっただけに、鮮やかな大技の一発を持たれている印象です。
あれは運が良かったです。たまたまで。
——勝負を決めた確信の一発が“たまたま”とは、ご謙遜が過ぎませんか?
試合の動画は見返しましたけど、タイミングが良かっただけで元山選手にはダメージはあまりなかったでしょうし、セコンドが「効いてないよ」と抗議されていた気持ちもわかります。リングに上がるからには、勝利はもちろんKO狙いだって大前提ですが、そんな中、ギリギリのせめぎ合いで引き寄せた一発でした。僕としては、あの試合、そのバックハンドブローよりも自分が最も大切にする“気持ち”が見せられたのではないかとの自負があります。これまでの試合でKO勝ちは少ないし、泥試合ばかりですが、“気持ち”一点では誰にも負けません。
——なるほど。ここでそんな葵選手の経歴を教えてください。幼少から空手道を習われて、68度もの優勝歴があられるとのこと。
でもですね、元々、格闘技は嫌いだったんです。
——プロ歴10年のベテラン二冠王が意外です。
平和主義で、争い事も痛いのもイヤでして(笑)。
——それが何故ここまで?
空手は兄たちが通っていたので無理やりでしたし、試合も出させられていながら5歳から小3まで勝ったことがほとんどなくって落ち込むばかり。
——そこから開眼が?
小4で「勝てるわけがない」と言われていた強豪相手にバックハンドブローで技ありを取って勝ち、大会MVPまでいいただいたのは自信となりました。
——そんな転機となるポイントでまたもバックハンドブロー。やはり特別な技ではないでしょうか?
かもしれません(笑)。そこからは、トンネルを抜けたように楽しく闘うことができるようになりました。そうそう、その試合は、新実戦空手道の大会で、従来のフルコンタクト空手からMMAなど5種類のルールで試合をするものでした。
——それは初耳です。
空手も極真のようなフルコンから硬式空手、グローブ空手、独自の新実戦空手道ルールまで4種類がありました。そんな5部門を1日で行い、前述のMVPをいただいた時は、5分の3競技を制覇することができました。空手は、200から300戦くらいやったか。
——そして、アマキックは18戦16勝の好成績。エリートの他なりません。
それがプロで3、4年前、引き分けを挟んで8連敗を経験していますから、そんなことはないんです。その地獄を抜け出して2戦目にINNOVATIONのベルトを巻くことができて、更にはWBCムエタイ日本王座も獲得できて、ここまで来れたのはラッキーだなって。
——いえ、「継続は力なり」の典型ではないでしょうか?
何回も「もうやめよう」とは思いました。
——それでも続けられたのは?
まだ自分に伸びシロがあると信じているから。限界までは、まだ辿り着いていない。
——少年時代は「格闘技が嫌い」とまで言われながら、余程のキックボクシングジャンキーに思えます。
今だって好きなわけではないんですよ(笑)。
——それでも、会社勤めとハードトレーニングを並行してもう10年もプロであり続けチャンピオンとなられている。
勝った時の優越感が忘れられないからでしょうか。応援してくれた家族や友人、皆が笑っているって雰囲気がたまらなくって。
——今回の試合も味わい深いものとなりそうです。
今のトップファイターは、とんでもなく巧いです。那須川天心選手や武尊選手のような試合を僕はすることができません。けど、逆に彼らにできない闘いを魅せる自信は確かにあります。
リングネーム:葵 拳士郎
フリガナ:アオイ・ケンシロウ
所属:マイウェイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1993年10月1日(27歳)
出身地;山梨県富士吉田市
身長:170cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2010年9月20日
戦績:34戦17勝(3KO)13敗4分
ステータス:WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者、元INNOVATIONスーパーフェザー級王者
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100006099363995
Twittre:https://twitter.com/kicktare
Instagram:https://www.instagram.com/kenshiro_aoi/
所属ジム公式サイト:http://www.mywaygym.com
山浦俊一インタビュー
——今回のインタビューにあたり山浦選手の経歴を調べさせていただいたところ、那須川天心選手や石井一成選手など今を時めくトップファイターたちがひしめいていた伝説的なアマチュア黄金時代(※1)で彼らと並んで活躍されていたあの山浦兄弟だと知り、不勉強恐縮ながら驚きました。
弟の翔(※2)は、今、選手をやめてしまったんですけど、天心選手や武居由樹選手とは何回も対戦していましたね。
——強豪兄弟として有名でした。
福田海斗選手や平本蓮選手とかえらいメンバー揃いでしたからね。
——その主流に乗っていただけに相当の経歴です。
国際ジュニア(国際キックボクシング・文化振興協会認定タイトル)の初代チャンピオンの同期が志朗選手や伊藤紗弥選手ですし、思い返せば光栄なことです。
——そんなスターたちが大活躍しはじめた数年前、山浦選手のお名前が聞こえなかったのは?
空白の5年間です。17歳から22歳まで試合も練習もできませんでした。
——……アスリートとして最も重要な時期と思われる時期に5年も?
色々ありましたが、現在所属する新興ムエタイジム、坂上顕二会長(NJKF理事長兼任)にお世話になり、2017年10月1日の大輔戦(判定勝ち)で復帰して、昨年(2019年9月22日)、同じ大輔選手の持つNJKFスーパーフェザー級王座に挑戦して(判定勝ちで)ベルトを巻くことができました。
——5年間の停滞からの復活、感激もひとしおだったのでは?
そうですね。やめたくてやめたのではなかったので、悔しさが凄かっただけに。
——そんな波乱の半生ドラマをダイジェストでお聞かせください。お生まれと家族構成は?
四人兄弟の長男で、翔が次男、その下に妹が二人です。神奈川県海老名市で生まれ育ちました。
——キックボクシング、格闘技は幼少時から?
いえ、小六からなので早くはないです。弟と共にヤンチャ過ぎて、父から「そんなに力が余っているなら」と谷山ジムに叩き込まれたのが始まりです。
——それまで格闘技とは縁がなかった?
“闘う”ことが好きだったので、K-1とかテレビで見ていました。そこ頃から魔裟斗やヘビー級ではなく「ブアカーオの蹴りすげえ!」といった感じでしたから、後にムエタイを学ぶ根っこはあったのかもしれません。
——谷山ジムといえば、一流のタイ人トレーナーが常駐し、城戸康裕選手や駿太選手などスター選手を輩出し続ける名門です。
城戸さんや駿太さん、俊樹さん(谷山俊樹)などには可愛がられました。特にノップ先生(ノッパデッソーン/※3)にはムエタイのいろはを教わりました。
——首相撲の技巧に定評のある山浦選手ですが、その頃からムエタイには傾倒されていた?
ノップ先生のおられたバンコクのチューワッタナジムに住み込み練習したり、東京のムエタイジムにも寄宿したり、それこそ中学校に行くのもそっちのけでムエタイづくめの十代中頃でした。
——アマチュア大会で数々の栄冠を勝ち取りながらプロへの希望は?
中学生時分から「プロでやっていく!」とは決めていました。特にその頃、お世話になっていたB-FAMILY NEOのユウスケさん(ユウ・ウォーワンチャイ/大田原友亮)が史上最年少でチャンピオン(UKFインターナショナルフライ級王座)になったこととか刺激になって、中3の11月にプロデビューしました。
——そこからトントン拍子に選手として階段を昇って行った?
青春を懸けていましたからそれなりに。
——思い出の試合は?
2011年7月31日のエッガラート戦ですね。初代WINDY Super Fightバンタム級王座決定戦、TKOで負けてしまったのですが、あれはいまだに悔しいです。その3週間前に沖縄で邦博選手との試合も印象深いです。当時、自分が4戦4勝で向こうが8戦8勝で無敗対決でした。あれは延長判定負けながら本戦で勝ったと思ったのも含めて。
——そんなムエタイの青春がいきなり中断してしまったのは?
なんということもない誤解から発生した諍いが原因ですが、これはもう解決しましたし、詳しく話す必要はないでしょう。
——その中断の間に練習は?
一切せずに仕事に集中しました。それから結婚して、二人の娘も授かって、とても充実した生活をしていました。
——それが突然の復活を果たすのは?
娘たちです。まだ小さなうちに「かっこいいお父さんを見せておきたいな」と。
——そして、見事、NJKFチャンピオンとなったわけですね。
そうなんですが、あのタイトルマッチは大阪で娘たちは観戦していないので、目の前でチャンピオンベルトを巻いて一緒にリング上で写真を撮るという夢はまだこれからです。
——それはまさに今回のWBCムエタイ日本王座へ挑戦する今回実現可能ではないですか?
はい、ですからモチベーションは満点です!
——そんな意気込み高い試合、王者の葵拳士郎選手の印象は?
試合動画を1度しか見ない方針なので、どんなタイプかなど細かい研究はしていません。「右構えで蹴りが走るなあ」くらいなものです。それが次のリングで変化するとも限りませんし、ムエタイ式で実際の試合最中に分析します。
——その上でどんな勝利をされますか?
無謀に打ち合ってKO勝ちを狙うようなことはしません。完封勝ちが理想です。首相撲からのヒジ打ちやヒザ蹴りを駆使したムエタイならではの持ち味を活かして、チャンピオンの心を折りたいなと。
——定番のKO宣言などはされない?
相手の動きを完全に封じた上で結果KOやTKOになることはあるでしょう。けれど、一番大切なのは、相手の心が折れるほどの技術的圧倒です。
——そんな圧勝をされた日には、来年、山浦選手の飛躍が楽しみとなりそうです。
コロナは最大限に気をつけなくてはなりませんが、来年早々に次の話もありますから、まずはここでベルトを増やして娘たちに自慢しつつ、もっともっと凄いお父さんになってみせますので、皆さんもお楽しみに!
※1 アマチュア黄金時代 90年代後半生まれで現在トップクラスのキックボクサーは、アマチュアジュニア時代、藤原杯、M-1、WINDYなどのムエタイ系(首相撲ありルール)で那須川天心、石井一成、福田海斗、平本蓮などがしのぎを削り、凄まじいレベルの攻防を繰り広げていた。そのハイレベルは、史上最高と断言できる。
※2 翔 山浦俊一の実弟、山浦翔は、アマ時代、前述のアマ黄金時代、第一線で活躍し、那須川天心と幾度も対戦し、武居由樹には勝ち越している強豪だった。元NJKF スーパーバンタム級 4位。現在はリタイア。
※3 ノッパデッソーン ラジャダムナンスタジアム二階級制覇王者でムエタイ重量級を代表する名選手、ノッパデッソーン・チューワッタナは、指導者として長らく日本に滞在し、トレーナーのみならずレフェリーなどで現在も活躍中。
リングネーム:山浦 俊一
フリガナ:ヤマウラ・トシカズ
所属:新興ムエタイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1995年10月5日(25歳)
出身地;神奈川県海老名市
出身地:165cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2010年11月7日
戦績:23戦13勝(2KO)8敗2分
ステータス:NJKFスーパーフェザー級王者、WBCムエタイ日本スーパーフェザー級1位、
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100010570716083
Twittre:https://twitter.com/411toshio
Instagram: https://www.instagram.com/toshikazu_14/
所属ジム公式サイト:http://www.smg-japan.net/
花岡竜インタビュー
——今年8月23日、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下略:INNOVATION)主催興行「Join Forces-16」のメインイベント、INNOVATIONフライ級王座認定試合でムエタイ経験豊富な押川大也選手をフルマーク採点(5回戦でダウンなく判定50-45勝利)されるほどの圧勝で、若干16歳(当時)、高校2年生のプロ初戴冠の快挙を成しましたが、本来の予定では、今回の対戦相手、Rising力選手との決定戦でした。
とても楽しみにしていた試合だったので3週間前にキャンセルとなった時は残念でなりませんでしたが、ここで実現できて良かったです。
——楽しみな点は?
僕は、前試合(2020年10月29日、HIROYUKI戦)、判定ドローでしたけど、力選手は7戦7勝の完全無敗。8月の試合前は、僕が4戦4勝でしたから“無敗対決”を制してベルトを巻きたかったなという気持ちはあります。
——ご謙遜されますが、花岡選手も引分は挟めど現在無敗(6戦6勝1分)です。
いやあ、かろうじて負けなかったってだけで。
——稀にみる高度なテクニック合戦となったHIROYUKI戦を振り返ってください。
やはり「上には上がいるな」と。ベテランならではの巧さを勉強させていただきました。
——花岡選手寄りの視点で見ると、通常体重が55kg以下でフライ級(50.8kg)どころかライトフライ級(48.98kg)あたりが適正ではないかと思われますし、そこで日本バンタム級王者(新日本キックボクシング協会)でフライ級と併せて二階級制覇王者のHIROYUKI戦は、スーパーフライ級(52.16kg)契約だったとはいえ、リング上、かなりの体格差が見て取れました。強すぎてフライ級で相手が見つからない花岡選手ならではの苦悩もあるのでは?
試合を受けたからには、そんなこと何の言い訳にもなりません。HIROYUKI選手との試合は、とても学ぶところが多く収穫になったし、判定は採点具合にも助けられたと思っています。
——ジャッジ集計は1-1(30-29、28-29、29-29/28-29は花岡支持)と三者三様でした。
僅差の判定だけにジャッジの見解が分かれるところですが、僕につけてくれた場合、ムエタイ的な採点をしてくれたなと。パンチで攻勢を取られたのは僕なので、ファイター有利の日本的な判定だと向こうにつくでしょう。結果、ドローに納得はしていますし、ラッキーでもあったと思っています。
——「タイでムエタイなら青コーナー、日本でキックボクシングなら赤コーナー」といった判定の割れ方はままあることです。
けど、これからはそんな微妙な試合はしません。誰が見ても明確な勝ちを!
——それは、次戦の圧勝宣言?
判定で完勝は最低限です。狙うは、衝撃的な一発ノックアウト勝ちです!
——頼もしいながら、典型的なテクニシャン、花岡選手のこれまでの試合では見られなかった勝ち方です。
だからこそ、狙います!
——相手は、ハードパンチャーで最軽量級としては相当の高KO率(7戦7勝3KO)を誇り、強豪、タネ♡ヨシホ選手を1ラウンドKOして西日本王者となった力選手でありながら?
はい!(満面の笑み)
——お言葉ですが、それを狙うのであれば「秘策があるのでお楽しみに」程度にしておくのが普通で、相手サイドも当然読むインタビューで言っていいことではないのではないでしょうか?
それでもKOします!(キッパリ)
——しかも一発で?
リキ選手がどう警戒しようと避けられない忘れた頃に飛び出す衝撃的なヤツです!(ニコニコ)
——俄然、試合が楽しみになってきました。改めて、力選手の分析を教えてください。
アグレッシブで前進が止まないパンチャー。右ストレートには、相当の威力を感じます。正直、恐いパンチです。
——されど衝撃的一発KO?
はい!(キラキラ)
——しつこくてすみませんでした。もし、無敗の強敵相手にその予告が叶ったのなら、更に注目度が上がることでしょう。すると、痛し痒し、ただでもフライ級で相手が見つからない苦悩が深まりそうです。
いえいえ、世界は広いですし、ムエタイが相手となると無限の深さがあると思いますので。
——また、相手に困るということでは、体重差のある試合もそうですが、肘打ちなし、首相撲禁止、もしくは制限ありの、例えばRISEなどの選択は?
肘打ちあり、首相撲無制限、3分5回戦、フライ級の純キックボクシングルールこそ僕のホームですが、師範が決めた試合は、どんなルールでも、ラウンド数でも、体重でもやります!
——師弟の強い信頼関係が伺えます。
師範が受けた試合は、いただいた課題をやり切れば必ず勝てるというご判断があってのことなので安心して練習しまくるだけです!
——圧倒的なアマ入賞歴から“平成最後の怪物”と喧伝される花岡選手ですが、平安時代でも戦国時代、明治時代、昭和であってもオールタイムグッドボーイな良い子っぷりが出来過ぎです。
ふふふっ!(満面の笑み)
——そんな花岡選手は、高校生活半ば、将来、キックボクシング以外に何か志望は?
消防士になりたいです!
——それはピッタリの気がします。
だからこそ、高校卒業(2022年3月)までに確たる結果を出して、消防士になれたら、最初の数年はキックはお休みをいただくかもしれませんが、折を見て再開できれば最高だなと。確か現役消防士のままリングに上がっていた方もいたと聞いています。
——90年代のいぶし銀チャンピオン、井上哲さんや今は退職されている小西拓槙選手など複数おられます。
キックボクサーの青春はボウボウに燃え上がらせて、沢山の人に試合を楽しんでいただいた上で、仕事では火事を消して、ガンガン人命救助に努めたいです! その為にも力選手、倒します!(ニコニコニコ!)
リングネーム:花岡 竜
フリガナ:ハナオカ・リュウ
所属:橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2003年11月30日(17歳)
出身地;東京都八王子市
身長:160cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2019年5月19日
戦績:6戦5勝(2KO)1分
ステータス:INNOVATIONフライ級王者、アマチュア28冠王
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100016825036859
Twittre:https://twitter.com/Ryuhanaoka1130
Instagram:https://www.instagram.com/h_ryu1130/
所属ジム公式サイト:https://www.hashimoto-dojo.com/
Rising力インタビュー
——7戦7勝無敗、昨秋(2019年9月22日)、日本軽量級の雄、タネ♡ヨシキを1ラウンドKOで倒し西日本フライ級王者となったRising力選手ですが、その実績のわりに中央に名前が轟いてはいない気がします。
それだけに今回の花岡戦は、大チャンスだと思っています!
——無数の名選手を輩出し続ける名門・橋本道場のエリート17歳、アマ28冠王からの現INNOVATION王者が相手なのですから、それも当然です。
業界的にも自分が勝つと思っている人はほとんどいないでしょう。まわりからだって同じようなニュアンスを言われることもあります。けど、この感じ、悪くないです。
——と言われますと?
ヨシキ戦と同じで。
——詳しくお願いします。
やる前にヨシキ戦でも格は段違いでした。けど、僕は試合が決まったはじめから負ける気がまったくしなかったし、相手への恐れもなかったんです。初回KOは出来過ぎのようで、自分的には当たり前。喜びはあっても驚きはありませんでした。そして、それは今回、花岡選手に対しても同じなんです。
——名古屋や大阪など西日本で小規模興行内での試合がほとんどだっただけに知名度の薄さは仕方ありませんが、ここで戦績や高いKO率だけでなく、こんなに豪胆なファイターがINNOVATION本興行に乗り込んでこられることにワクワクしてきました。
はい、期待してください!
——力選手の来歴をお聞かせください。出身と家族構成は?
愛知県春日井市で生まれ育ちました。今、父は母と小規模の工務店を営んでいて、弟と二人兄弟です。
——幼少時、どんな子供だったでしょう?
大人しくて、保育園でも泣いてばかりでした。だから、そこを鍛えようと地元・己道会の空手教室に4才で叩き込まれて。
——そこで格闘技に目覚めた?
いえ、イヤイヤもいいところで、弟も一緒に引きずられるようにして連れていかれていました(笑)。
——そうしているうちに段々と目覚めが?
ですね。K-1を見出して憧れて、小5でキックボクシングを始めました。
——ご所属の道場でキックボクシング部門に移られたと?
当時、うちにはジュニアキックがなかったので、先生に頼み込んで特別に許していただきました。
——それこそK-1戦士を目指すような勢いで?
プロでチャンピオンにというより“強くなる”ことが主眼ですが、同じ県内の高校生だった野入正明選手の当時の活躍など見てK-1甲子園には出てみたいなと目標にもしていました。
——その夢は後々?
残念ながら身体が大きくならずに最軽量級にもかからずに断念しました(笑)。
——アマ試合歴は、いつからどのくらい?
小5の年末、BRIDGE(名古屋のアマキック大会)からです。50から60試合くらいはしました。
——思い出の試合は?
一昨年(2018年)6月17日、RISEの幕張メッセ、那須川天心選手がメインの大きな会場で「KAMINARIMON×新空手・アマチュア最強決定戦」の新空手代表(2018年新空手K-2選抜トーナメント-57.5kg級優勝)としてTEAM TEPPENの須田翔貴選手(2018年KAMINARIMONアマチュア最強決定トーナメント-57.5kg級優勝)との試合です。会場もイベント規模も大きくて。
——ん、共に57.5kg級のアマ王者ということですが、試合階級は?
57.5kgです。
——現在、フライ級(50.8kg)の力選手の体重とかけ離れていませんか?
はい、当時、通常体重が53kgで、アマでも出場階級に近いものがなく上で戦うのは普通のことでした。
——すると試合結果は?
本戦(2ラウンド)がドローで延長1-2負けです。
——その体重差がありながらスプリットなら立派なものなのでは?
須田選手(RISEスーパーフライ級8位)もプロで53kg契約の試合をしているので左程大したことだとは思いません。
——そんな謙虚さにお人柄が伺えます。
ありがとうございます!
——ここで力選手を初めて見るファンにご自身を紹介してください。
パンチ主体で圧力をかけてガンガン前に出るファイターです。右ストレートに自信があります。一発でも倒せますが、連打やカウンターでもKOします。
——そうやってタネ選手もKOした?
僕は2018年9月にプロデビューしましたが、その頃、ヨシキ選手はポンポン勝って輝いていて、自分が試合をするなんて想像できないくらいでした。
——それがたった1年で勝利に至ると。
試合の話をいただいた時から「イケる」しか思いませんでした。
——繰り返しになりますが、今回の花岡戦の大勝負も同様に?
はい!
——そんな花岡選手の分析をお願いします。
技が多彩で速いですね。当たり前ですが良い選手です!
——……それでも?
倒して勝つのは自分です!
——業界から注目される花岡選手からKO勝利となれば、その先の展望も気になるところです。
再戦でもなんでもINNOVATIONのタイトルはいただきたいです。次いでWBCムエタイ日本王座も。それにRISEスーパーフライ級(53kg)も。
——若さと勢いに溢れるルーキー対決のメインイベント、非常に楽しみです。
そうだ、花岡選手……。
——花岡選手に何か?
前に動画インタビューか何かで見たんですけど、将来、消防士になりたいとか。
——今回の試合に向けたインタビューでもそれをお聞きしました。
実は、僕もなんです!
——ということは?
親近感があります(笑)。けど、KOで勝つのは自分です!
Rising力のプロフィール
リングネーム:Rising力
フリガナ:ライジング・リキ
所属:ライジング己道会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2000年1月4日(20歳)
出身地;愛知県春日井市
身長:165cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2018年9月30日
戦績:7戦7勝(3KO)
ステータス:INNOVATIONフライ級3位、西日本フライ級王者、2018年新空手K-2選抜トーナメント-57.5kg級優勝
Twittre:https://twitter.com/rikickk
Instagram:https://www.instagram.com/rikickk/
所属ジム公式サイト:http://rising-kodoukai.com
橋本悟インタビュー
——ハズレなしの激闘を連発する“大魔神”がホームであるINNOVATIONのリングに連続登場です。
前回(2020年8月23日、NJKFスーパーライト級王者、畠山隼人戦)がKO負けだから胸は張れませんが、意気込みは高いですよ!
——対するは、キックボクシングへの情念は無限大、TESSAI GYM会長でもある47歳の二冠王、小磯哲史選手です。
年齢や実績からしても「普通にやれば勝てる」と思われて当然の試合かもしれませんが、それで畠山選手にもやられたんで油断はないっす。
——畠山選手は、橋本戦の次、10月25日、新日本キックボクシング協会の後楽園ホール興行に乗り込み、メインイベントで看板チャンピオン、勝次(WKBA世界スーパーライト級王者)戦でダウンを奪取して勝利。金星ゲット連発で今やトップファイターとなりました。その大きなきっかけとなったのが橋本戦だったと思います。
初回は珍しく落ち着いて様子を見て、2ラウンド、ばーっといったら押せたんで「イケる」って感触を掴んだところ、その回終了のゴングと同時にいーパンチ喰らってバッタリってやられちゃってね……これで3連敗です。
——名勝負製造機としてオファーは引きも切らない橋本選手ですが、過去に相手は強豪ばかりだとはいえ5連敗(※1)の苦境があり、そこから甦っての今があります。
だからって連敗に慣れるもんじゃないっすよ。
——それは失礼しました。では、次の試合、確実に勝ちいく?
ガード固めて(得意の)ローキック蹴って手堅く勝利……ぶはははっ、できねーっ!
——「やらない」ではなく「できない」ですか?
それができれば俺が俺じゃなくなっちゃうし、とっくに辞めてるんじゃないっすか(笑)。
——過去に「つまらない試合で判定負けをするぐらいなら、バチバチに打ち合って勝っても負けてもKO、がいい(※2)」と言われたこともありました。
それは絶対に変わらない。けど、4連敗もできないっす。
——その為にどんな戦略を?
パンチを最初から飛ばすことなく、ロー蹴って、ミドルキックも交えて、ローが効いたらパンチで仕留めにいくと。あー、ガードの上からブチ壊すようなハイキックでもいいな。小磯選手の攻撃で気をつけなきゃなのは、インロー(キック)こつこつとカウンターパンチかな。
——いくら試合直前インタビューとはいえ、相手だって読むでしょうにそこまで言ってしまって大丈夫でしょうか?
ぐははっ、問題ないっす。そんなの向こうだって百も承知だろうし、打ち合い我慢して手堅くなんてできないっつてんじゃないっすかー(笑)。
——そんな豪放磊落さが試合内容と相まって魅力的な橋本選手ですが、名門・橋本道場の選手会長的頼れる兄貴感、さもありなんです。
うちに選手会長とか正式なポストなんかないっすけどねー。道場に入門したのは、(子供時代が長かった)ハルト(安本晴翔)やユウヤ(岩浪悠弥)が先だし、ケイスケ君(宮元啓介)のちょと後なんですよね。けど、俺だけ30代、最年長、そりゃあ勝手に選手会長にもさせられちゃうますよね。師範(橋本敏彦会長)が厳しいし、一見分からないかもですけど、人間的にメチャメチャな連中ばっかりの中で数少ない常識人ですし(笑)。
——自認する常識人?
そして落ちこぼれ。
——ベストバウト請負人が“落ちこぼれ”とは?
橋本道場をプロだけじゃなく子供のアマチュアからよく見てくださいよ。身内贔屓じゃない。尋常じゃない強さです。名門だから才能凄いのが集まってくるとかじゃない。強くなってしまう師範の指導が核としてあって、それに応えれば確実に結果が出せるんです。俺の23歳で入門はうちでは異例に遅いですけど、そこは関係なく、やらなければならないことができていない。それは、さっき話した戦略的にガードを固めて冷静に戦うことでもあり、KO命みたいに言うと男らしくってカッコよく思ってくれる人もいるかもですけど、それしかできないからそうするしかない。うん、落ちこぼれっす。
——橋本選手は、そこがだからこその魅力だと断言できます。それに自虐的でもありますが、ついでご自身のブログタイトルも「橋本悟のパンチドランカー一直線日記」です。どこか確信犯的でもあります。
はははっ、昨年早々から更新していませんけどね。そうそう。パンチドランカーに関しては、駿太さん(※3)とYouTubeでコラボさせていただいて色々楽しく語らせていただいています!
——試合の意気込み以上に「YouTube」の語彙に力が入っていました。
まだ登録者400名ちょいですし、再生回数も最高で2200回くらいで収益化もできていませんけど、ちょっとここには入れ込んでるんですよねー。
——今を時めくYouTuberの頂点、格闘家・朝倉未来のようになりたい?
いや、その路線じゃないっす。目指すは駿太さん。
——収入を得るなり知名度が欲しいだけではない?
そりゃ、あるにこしたことはないっすけど、それが目的ではないっす。けど、一度くらいバズってみたいし、アンチも歓迎です(笑)。
——そんな野心もありつつ、今後の橋本選手は何を目指しどこへ行く?
今更「目指せ世界一」でも「負けたら引退」でもないんですよ。激闘を褒められるのは結構だけど、身体を決定的に壊してまで続ける気もない。だけれど、負けてやめたくないし、ベルトの1本や2本、まだかっ攫ってやりたい。ここまで沢山の人に応援していただいていますし、そんな恩人たちには「次でやめます」とちゃんと伝えて、その試合で勝って完全燃焼が夢ではあります。その上で「橋本悟の試合は面白い」って皆が楽しんでくれることこそが大切だなって。
——含蓄ある言葉です。
小磯選手とは「これぞ人生劇場」って殴り合いができると思うんです。んで、自分らしくバカーンと倒してリング上の勝利者マイクで叫んでやりますよ。「YouTubeチャンネルのご登録、よろしくお願いします!」って(笑)。
※1 5連敗 黒田アキヒロ、宮越慶二郎、“DYNAMITE” 髙橋佑太、雷電HIROAKI、山口侑馬といった錚々たる面子ではある。その時の心境など以下のインタビュー記事に詳しく語っている。http://okayamakickboxing.blog.jp/archives/20974044.html
※2 勝っても負けても、KOがいい 参照:http://rebels.jp/detail.php?category=INTERVIEW&id=interview_20180211-01
※3 駿太さん 実績と思慮の深さと人徳で、一部、業界のリーダー的な慕われ方をしている駿太は、コツコツとYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC45Pz1FEXqHpE8i_9Ooa93g)を運営し、確たるファンを獲得している。
橋本悟のプロフィール
フリガナ:ハシモト・サトル
所属:橋本道場/Japan Kickboxing Innovation
生年月日:1986年3月18日(34歳)
出身地;東京都西多摩郡日の出町
身長:172cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2010年3月27日
戦績:41戦20勝(10KO)18敗3分
ステータス:MuayThaiOpenスーパーライト級王者、元INNOVATIONライト級王者
Facebook:https://www.facebook.com/satoru.hashimoto.549
Twitter:https://twitter.com/nekobusnoritai6
Instagram:https://www.instagram.com/satoru__66/
ブログ:https://ameblo.jp/nekobus-namennnayo/
YouTube:https://www.youtube.com/user/nekobusnoritai
所属ジム公式サイト:https://www.hashimoto-dojo.com/
小磯哲史インタビュー
——RIZINで白鳥大珠選手とダウンの奪い合いをしてみせたウザ強ヨシヤ選手や人柄丸出しの存在感で前座の人気者だった原島モルモット佑治選手などリングネームもさることながら独特な個性派集団「テッサイジム」を率いる小磯会長が自ら出陣、名うての強豪、橋本悟と対戦となれば見所満載ではないでしょうか?
今まで40歳半ばでタイトルマッチをやらせていただいて二本のベルトを巻くこともできましたけれど、悟選手となれば、ファイター人生最大のビッグネーム。もうワクワクしかありません!
——47歳でこのステージに立つ鉄人ぶりも見事ですが、プロキャリア20年以上の小磯選手をして生涯最大の相手とは。
駆け引きなしのハードヒッターとのどつきあいも楽しみですが、自分にとっては“橋本道場”ってブランドが魅力的で。
——90年代初頭、フルコンタクト空手からキックボクシングに至るまで無数の名王者を輩出し続けてきた橋本道場は、確かに押しも押されぬ大名門です。
自分のジムを立ち上げて、死に物狂いで運営して、これ一本(ジム経営のみ)で食っているキックボクシング者として、橋本道場の金看板は眩し過ぎです。そのエッセンスを直接味わえるのですから、こんな機会は二度とないかもしれません。
——試合をすること時代に感激するのは結構ですが、肝心の勝算は?
今の僕の100パーセントで当たれば、向こうが100パーセントでも上回れる自信があります。
——その根拠は?
自分なんて長くキックをやっていてもまだまだ呆れるくらい下手くそで、けど、その分、伸びしろだらけ。それがこの1年で加速して成長してる実感があるからです。
——新型コロナウィルスの災禍で試合がほとんどできなかったこの1年で?
だからこそ、かもしれません。風がこちらの追い風になっているのを感じます。それと何より“気持ち”ですね?
——それを詳しく。
タイトルマッチをやらせていただいた時は、とにかくベルトを巻きたくて「勝たなきゃ」って気持ちが最優先で、観客無視にポイントを獲りにいった部分があったと思います。それが今回、王座戦でもないワンマッチ、つまりは決闘。「どちらが先に倒すんだ?」って男と男の勝負ならいけるなと。
——強打者の橋本選手と正面激突する?
それはやってみないとわからない部分もあります。それにしてもお互い巧く立ち回ってテクニックに走れないタイプということではシンパシーがありますし、似ている部分も多いと思っているんです。
——橋本選手は、エリート揃いの橋本道場の中で雑草魂を持つ苦労人。相手はチャンピオンクラスばかりだとはいえ、現在、3連敗中。過去には5連敗も経験しています。そこからしてかなり激しくモチベーションを燃やしている様子が伺えます。
5連敗? 自分なんか28歳から38歳の10年間、引き分けが少しはあろうとまったく勝てなかったことがありました。てんでお笑い種。まだまだですね。
——そんな小磯選手の半生、大いに興味をそそられます。是非、この機会、幼少期から現在をお聞かせください。生まれ育ちは?
川崎です。
——格闘技好きでも有名な人気ヒップホップグループ、BAD HOPのリリック(歌詞)で「川崎区で有名になりたきゃ、人殺すかラッパーになるかだ」とある、あの川崎?
はははっ、高校は9割ヤンキーみたいなとこでしたけど、僕はそっち系皆無です。
——逆に品行方正?
小っちゃな頃は、人見知りでイジメられたりもしていました。けど、負けず嫌いは昔からで、4才のある日、爆発したらイジメっ子に勝っちゃって、以降、小2でバイキン呼ばわりされて爆発、みたいなことを繰り返して学生自分はガキ大将ではありました。
——それでもヤンキーにはならなかった?
バンド始めて、そっちが本気本命。メタリカとか演る長髪ヘビメタで校内じゃ浮いてましたね。
——スポーツ歴や格闘技の携わりは?
サッカーや野球をやったりしてましたけど、どれも深くはなくて、格闘技は、とにかくマイク・タイソンに憧れて、友人と「プロレスラーとタイソンが戦ったら?」なんて想像論議で白熱してましたね。ずっと空手をやりたかったんだけど、親が許してくれなくて。
——ガキ大将に格闘技を身に着けさせるのは、ご両親も心配だった?
●●●●に刃物みたいな(笑)。けど、やりたい気持ちはずっとどっかに持ち続けてました。
——それが叶うのは?
夜間大学に行きながらバンドに夢中のままの22歳、下北(バンド活動のメッカ)で山木ジムを見つけて嬉しくなって。
——そこからキックボクシングライフに突入?
いやあ、いきなりプロを目指すテンションなんかじゃなくって、タバコふかしてバンドライフが優先、ずばり堕落生活の真っ只中。川崎から週一程度のジム通いでキックは娯楽のひとつでした。
——それが本気になるのは?
さぼりがちの適当練習生だから試合をしたくても会長から「まだまだオメーなんかにできねーよ!」って言われながらMA(マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟)の山梨アマ大会に出させてもらって、そっから勝ったり負けたりしつつ、26歳でプロになって、そうしているうちに本気度が徐々に上がっていった感じで。
——そこから20年以上、結果、キックが人生の大半を占めるに至るのは尋常ではありません。
プロ2勝2敗から負けが込んできて「クソっ、このままで終われるか!」って意地が先に立って、仕事が忙しくても変わっても結婚しても「次の一戦、勝てれば」と気が付けば10年負けっぱなし。その間、山木ジムから侍塾、小鉄組、ジャンジラジムって所属も変わって、2012年に独立して我がテッサイジムを創設して、今、こうしていると。
——20年以上をダイジェスト過ぎです。
山木ジムで兄貴分としてついていった井上哲さん(元MA日本ライト級&スーパーライト級王者)の流れから牛越晋会長のジャンジラジムに移り、会長が若くして急逝したのをきっかけに世田谷区豪徳寺で良い物件に出会えて。ジムを背負うことでキックボクサー人生もがらりと変わりました。ジムをはじめて無職になって、けど子供が生まれて。だから息子とジムは同い年なんです。
——ジムと息子さんのご関係は微笑ましいですが、家族が増えると同時に仕事を辞めてまでジムを始める無鉄砲さにロックを感じます。ところで、出身母体、山木ジムは、ムエタイへの造詣が深い大家ですが、ジム名のテッサイ(タイ語で左ミドルキック)は、ムエタイへのこだわり故の命名?
いえ、語感と言うかインスピレーションです。自分はオーソドックスでパンチ主体でもあり、特に左ミドルが強いでもありません(笑)。
——自分のジムを持ち運営する中で選手活動をより盛り上げて戴冠するといった流れは、ReBORN経堂のテープジュン・サイチャーン選手(齊藤淳会長)など稀少ながら人間力を感じさせるタイプです。
リボーンさんとサイチャーン会長ほどではないかもしれませんが、うちも選手育成とフィットネス会員へのサービスのバランスに気を使いつつなんとかやっています。
——ミクスドアップというか、ジム会長と選手が相乗効果になっていることは、理想であってもなかなかできることではありません。
けど、出口を見失った迷路みたいになってませんか?(笑) お陰様で20代、30代が負け越しだったのに、40台で勝ち越してきて、勝率五分が見えてきたような気もするのでますます。そして、一体、いつやめればいいのやら?
——そういわれる割に橋本選手との試合を受諾するあたり何とも言えない反骨心も感じます。
ロックだ、パンクだ、ありますけど、ワクワクを忘れないでいればアラフィフだろうが強くなっちゃうんですよ。悟選手との勝負、皆さんにもご堪能いただければ。まぁ、自分が一番楽しみなんですけどね!(笑)
リングネーム:小磯 哲史
フリガナ:コイソ・テツシ
所属:テッサイジム
生年月日:1973年8月8日(47歳)
出身地;神奈川県川崎市
身長:173cm
戦型:オーソドックス
プロデビュー:2000年(26歳)
戦績:46戦16勝(6KO)25敗5分
ステータス:J-NETWORKライト級王者、蹴拳スーパーフェザー級王者
Facebook:https://www.facebook.com/tora.tessaigym
Twitter:https://twitter.com/tessaigym
Instagram:https://www.instagram.com/tessai_gym/
所属ジム公式サイト:http://tessaigym.sakura.ne.jp/
第2部 対戦カード
第7試合 51kg契約 3分5R
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
Rising力(Rising己道会/INNOVATIONフライ級3位)
第6試合 64kg契約 3分3R
橋本 悟(橋本道場/INNOVATION&MuayThaiOpenスーパーライト級王者)
小磯哲史(テッサイジム/J-NETWORKライト級王者)
第5試合 67kg契約 3分3R
与座優貴(橋本道場/INNOVATIONウェルター級2位、極真会館2017全世界ウェイト制軽量級優勝)
喜入 衆(NEXT LEVEL渋谷/元LPNJ(ルンピニー日本)ウェルター級王者、元J-NETWORKスーパーライト級王者)
第4試合 INNOVATIONスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝戦 3分3R(延長1R)
Rising大輝(Rising己道会/INNOVATION 8位)
市村大斗(多田ジム/INNOVATION 9位)
第3試合 ウェルター級 3分3R
マサキ(多田ジム/INNOVATION 10位)
大島優作(RIKIX)
第2試合 58kg契約(肘無し) 3分3R
新田宗一郎(クロスポイント吉祥寺)
都築憲一郎(エムトーンジム)
第1試合 56kg契約(肘無し) 2分3R
井熊友也(クロスポイント吉祥寺)
神助(エムトーンジム)
オープニング第3試合 SMASHERS -55kg級トーナメント決勝戦 2分3R
森川 絆(マスターズピット)
白谷征也(FJ KICK ASS)
オープニング第2試合 SMASHERS -50kg級トーナメント決勝戦 2分3R
若原 快(マスターズピット)
藤井 昴(治政館江戸川道場)
オープニング第1試合 SMASHERS -45kg級トーナメント決勝戦 2分3R
川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)
伊佐野大和(K-1 Gym Wolf)
第1部 対戦カード
第10試合 WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R
葵拳士郎(マイウェイジム/王者、元INNOVATION王者)
山浦俊一(新興ムエタイジム/1位、NJKF王者)
第9試合 スーパーフェザー級 3分3R
櫻井 健(Hardworker/INNOVATION 1位)
藤野伸哉(RIKIX)
第8試合 フェザー級 3分3R
千羽裕樹(スクランブル渋谷/INNOVATION 4位)
井上竜太(Hardworker/INNOVATION 5位)
第7試合 スーパーライト級 3分3R
宮下修平(マイウェイジム/INNOVATION 9位)
岩橋伸太郎(エスジム)
第6試合 バンタム級 3分3R
スダ456(BRING IT ONパラエストラAKK)
志賀将大(エスジム)
第5試合 ライト級 3分3R
渡辺雄太(マイウェイジム)
大介(クロスポイント吉祥寺)※井樋大輔 改め
第4試合 フライ級(肘無し) 3分3R
白幡太陽(橋本道場)
酒寄珠璃(ドージョー☆シャカリキ)
第3試合 ヘビー級(肘無し) 3分3R
渡辺 颯(マイウェイジム)
三上大智(ボスジムジャパン)
第2試合 53.5kg契約(肘無し) 3分3R
吉田竜也(クロスポイント吉祥寺)
齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)
第1試合 女子52.5kg契約(肘無し・顔面膝蹴り無し) 2分3R
NAO・YK(YKジム)
塚本さあや(ドージョー☆シャカリキ)
オープニング第4試合 SMASHERS -40kg級トーナメント決勝戦 2分3R
森下璃亜琉(橋本道場)
大久保世璃(K-1 Gym Wolf)
オープニング第3試合 SMASHERS -35kg級トーナメント決勝戦 2分3R
曽我好健(治政館江戸川道場)
小野琥大(治政館江戸川道場)
オープニング第2試合 SMASHERS -30kg級トーナメント決勝戦 2分3R
鍋山翔吾(橋本道場)
髙橋龍真(リバーサルジム久喜WINGS)
オープニング第1試合 SMASHERS -25kg級トーナメント決勝戦 2分3R
阿部 龍(橋本道場)
小高篤輝(拳伸ジム)
概要
大会名 JAPAN KICKBOXING INNOVATION:CHAMPIONS CARNIVAL 2020
日時 2020年12月27日(日)第1部/開場・11:00 開始・12:00 第2部/開場・16:00 開始・17:00
会場 新宿フェイス
中継 TwitCasting(ツイキャス)各3,300円(第1部/第2部)
チケット料金 RS席 12,000円 S席 8,000円 A席 6,000円 自由席 5,000円 ※第1部・第2部別チケット。いずれも完売
チケット販売 チケットぴあ 参加各ジム・各選手
お問い合わせ INNOVATION興行本部 043-247-0112 http://kick-innovation.com/