DEEP☆KICK 1.6 テクスピア大阪:内藤凌太、-55kg級王者に。-57.5kg初代王座決定トーナメント準決勝は宮崎就斗×雄大、横野洋×泰良拓也に
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DEEP☆KICK 38
2019年1月6日(日) テクスピア大阪
DEEP☆KICK新春第1戦となる『DEEP☆KICK38』は第1試合から3試合連続KOで決まるなど激闘続出。鮮血で汚れたリングを拭うため、「ただいまリングの清掃中でございます。いましばらくお待ちください」という場内アナウンスに誰もが納得するほど興奮の坩堝と化した大会リポートをお届けする。いまDEEP☆KICKが面白い!
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(文:布施綱治 写真:石本文子 (235photo))
メインイベント DEEP☆KICK-55kg王座決定戦 3分×3R(EX1R)
○内藤凌太 (ストライキングジムAres/同級1位)
×拳剛 (誠剛館/同級2位)
判定2-1(29-28、29-30、29-28)
※内藤がDEEP☆KICK-55kg第4代王者に
鈴木真彦が王者返上を申し出たため、内藤凌太と拳剛による挑戦者決定トーナメント決勝戦が王座決定戦へとスライドされた。両者にとっては大きなチャンスだ。
凌太はシュートボクシング(以下SB)が誇る内藤三兄弟の長男。次男・大樹は元SB日本スーパーバンタム級王者で、昨年11月にはRISEで那須川天心にリベンジマッチを挑んだことでも知られている。
大樹に比べると、凌太の知名度は今ひとつ。昨年6月にはホームであるSBのリングで笠原友希とのSB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメント一回戦に臨んだが、判定負け。早々とタイトル争いから姿を消してしまったが、11月には地元愛知県で開催されたシュートボクシング岡崎大会で韓国人ファイターを相手に再起を果たしてDEEP☆KICKに乗り込んできた。
対する拳剛はABW(オール・ボックス・ワールド)フェザー級王者に君臨する関西キック界の雄。そのストイックな風貌は若かりし頃の小比類巻貴之にどことなく似ている。
1R、凌太は上体を左右に揺らしながら前に出てプレッシャーをかけていく。それに対して拳剛はステップを使いながら回り込み、ミドルキックを放っていく。
2Rはローキックのラリーから始まり、内藤のパンチVS拳剛のキックという攻防に。一進一退の攻防の中、残り30秒になると内藤は距離を詰めてロー。さらにワンツーをスマッシュヒットさせて印象点をたぐり寄せる。
3R、拳剛はアウトボクシングしながらワンツーでリズムを作り、凌太が出てくるとカウンターの右ヒザを合わせた。結局、お互い決め手がないまま試合終了のゴング。その瞬間両者とも右手を上げたが、ジャッジは2-1のスピリットデシジョンで凌太の勝利を支持した。試合全体を通して、前に出ていた姿勢が評価されたか。
初戴冠が確定した瞬間、凌太は号泣。マイクを握ると、顔をクシャクシャにしながら「自分は本当に自分に自信がなかったけど、一生懸命にやってきたおかげでここで夢がひとつになりました」と述べた。
とはいえ、次第に落ち着いてきたのか、主催者と大観衆に、ふたつのアピールをすることも忘れなかった。
「でも、ここがゴールではない。もっと高い位置に行きたい。このベルトの価値を高めるためにも、他団体のチャンピオンとやっていきたい。なので、7月の10周年記念大会で他団体の強い相手とやらせてください」
もうひとつは前王者・鈴木との新旧王者対決をアピールした。
「僕は鈴木真彦選手から王座を獲ることを目標にやってきました。鈴木選手はRISEのチャンピオンになったけど、僕がDEEP☆KICKのベルトの価値を高めるので、その時には鈴木選手とやらせてください」
内藤三兄弟の中で凌太は最も気が優しいといわれている。次男が最初に表舞台に出てしまったせいで時には「兄貴のくせに」という心ない声を耳にすることもあったが、努力に努力を重ね、ついに頂きを極めた。今年は大樹の巻き返し、三男・啓人の飛躍とともに、凌太の覚醒も楽しみになってきた。
セミファイナル4 DEEP☆KICK-57.5kg初代王座決定トーナメント1回戦 Bブロック 3分×3R(EX1R)
×上杉文博 (究道会館)
○泰良拓也 (パウンド・フォー・パウンド)
TKO 2R 2分45秒
※泰良が4.7準決勝Bブロックに進出
DEEP☆KICK-57 .5 ㎏初代王座決定トーナメント1回戦Bブロックでは上杉文博VS泰良拓也という好カードが組まれた。過去の実績から下馬評では「上杉が一枚上」という声が大きかったが、勝利の女神は泰良に微笑んだ。
1R開始早々、上杉はワンツーから右クロスを狙うなど積極的に詰めていく。それに対して泰良は落ち着いて対処し、カウンターのチャンスをうかがう。そんな攻防が続く中、上杉は右眉周辺をカット。いきなり流血戦を余儀なくされてしまう。
1分30分過ぎ、すぐにドクターチェックが入る。まさかのカットに焦ったのか、上杉はさらにプレスを強めるが、泰良の容赦ないカウンターによって今度は鼻からも出血。上半身を朱に染めると早くも2回目のドクターチェックが入る。
結局、試合は2Rに突入したが、上杉の出血は止まらない。3度目のドクターチェックが入ったあと、上杉は「次は止められる」と判断したのだろう。距離を詰めて勝負を仕掛けるが、最後は2R2分45秒レフェリーに試合を止められた。
元ホーストカップ王者を下した泰良は饒舌だった。
「関西のフェザー級頂上対決だと思っていたので、自分が№1だと証明することができてうれしい。向こうは突っこんでくるのでジャブとカウンターの左フックを練習していました。流血は予想外。準決勝は横野選手もしっかり対処して勝ち上がり、決勝ではたぶん上がってくると思う宮崎選手を倒したい」
所属するパウンド・フォー・パウンドでコーチを務める武蔵の実弟・TOMO氏からは気持ちの弱さを指摘されることもあった泰良。2019年は勝負の年か。
セミファイナル3 DEEP☆KICK-57.5kg初代王座決定トーナメント1回戦 Bブロック 3分×3R(EX1R)
○横野 洋(アンカージム)
×殿 (NJKF心将塾)
TKO 2R 2分10秒
※横野が4.7準決勝Bブロックに進出
もうひとつのBブロック一回戦では、横野洋VSと殿(との)というサウスポー同士の一戦が組まれた。1Rはシーソーゲーム。横野が左のテンカオとローを中心に攻めれば、ボクシングがベースの殿はボディフックを中心に試合を組み立てていく。
続く2R、横野は余裕の微笑を浮かべながら、遠い自分の間合いをキープ。チャンスと見るや、一気に間合いを詰め連打で追い込む。そして左ローの連打で殿をグラつかせた。 とどめを刺したのはカウンターのテンカオ。キャンバスに倒れ込んだ殿は四つんばいの体勢のままKO負けを喫した。会心のKO勝利に二枚目の横野は相好を崩した。「ローを蹴ってヒザで倒すという作戦を立てていたので、作戦通りに勝てた。(裕樹会長譲りの)ローをこんなにたくさん蹴ったのは初めて。こんなに効くんやとビックリしました」
アンカージムの秘密兵器はトーナメントのダークホースとなるか。
セミファイナル2 DEEP☆KICK-57.5kg初代王座決定トーナメント1回戦 Aブロック 3分×3R(EX1R)
○雄大 (TeamFreeStyle)
×勇哉 (WarriorOsaka)
判定3-0(29-28、29-28、30-27)
※雄大が4.7準決勝Aブロックに進出
DEEP☆KICK-57.5 ㎏初代王座決定トーナメント1回戦Aブロックでは雄大VS勇哉が組まれた。雄大はJ-NETWORKフェザー級でランキング入りしている童顔のスナイパー。対する勇哉はやる気満々の18歳で、セコンドには出稽古で手を合わせることが多い魁塾の憂也も就いた。
1Rから両者ともスピーディーな攻防を見せる中、雄大はワンツーで先制のダウンを奪う。その後も左のリードパンチで機先を制しながら、右フックやテンカオをぶち込む。対する勇哉も右のアッパーやフックで試合の流れを変えようとするが、そこまでには至らない。続く2R、勇哉は右クロスで雄大の表情を変え、試合の流れを奪い返す。そして3R、必死に追い上げる勇哉に対して雄大も応え乱打戦に。終わってみれば、雄大が3-0で判定勝ちを収めたが、スコア以上の激闘だった。雄大は勝因に一発の破壊力の差をあげた。「体は僕の方が大きかった。あとはスタミナの差ですかね」
準決勝では周囲が優勝候補筆頭にあげる宮崎就斗と対戦するが、雄大に臆するところはない。「強い相手だけど、勝ったらRISEに呼んでもらえる。おいしいですよ」
ビッグアップセットを起こせるか。
セミファイナル1 DEEP☆KICK-57.5kg初代王座決定トーナメント1回戦 Aブロック 3分×3R(EX1R)
×イ・スンヒョン (X-PERT GYM/韓国)
○宮崎就斗 (TARGET)
判定0-3(28-30、28-30、29-30)
※宮崎が4.7準決勝Aブロックに進出
事実上の決勝戦ともいわれるカードがAブロック一回戦で組まれた。イ・スンヒョンVS宮崎就斗がそれだ。スンヒョンは昨年7月のDEEP☆KICKで行われた日韓対抗戦で韓国側では唯一白星を上げた選手だ。
対する宮崎就斗は昨年6月に開催されたRoad to RIZINキックトーナメントで藤田大和を撃破して名を上げた遅咲きの星。巷では「どちらが勝ってもおかしくない」という声が多かったが、勝ち名乗りを上げたのは宮崎の方だった。
1Rから前回にも増して強いプレスをかけてくるスンヒョンに対して、宮崎はテンカオとローキックで対抗する。スンヒョンはローをカットしないので、宮崎のセコンドからは「効いている」という声が飛んだ。それでも、なんて頑丈な選手なのだろう。スンヒョンは鉄火面のままだ。
2R、スンヒョンは反撃を開始。パンチの連打をクリーンヒットさせ、相手の足を止める。ダメージを受けた宮崎はクリンチで凌ぐしかなかったが、ラウンド終盤にはテンカオで逆襲に成功し、不敵な笑みを浮かべた。
そして3R、宮崎がミドルやテンカオで前に出ると、スンヒョンはスリップダウンを喫するなど防戦一方に。その後、宮崎は怒濤のローの連打でこの韓国人ファイターの動きを完全に止め、勝利を決定づけた。
試合後、宮崎は2Rにパンチをもらったのは油断だったと勝負を振り返る。「一瞬ヒヤッとしたけど、負けられないという思いの方が強かった。準決勝(VS雄大)こそしっかり倒したい。このトーナメントは僕が優勝しなければならないと思っています」
これまでここぞという大一番を落とすことが多かった遅れてきた男は、大阪で初戴冠を達成できるか。
第7試合 DEEP☆KICK-60kg 3分×3R
○佐藤 亮 (NJKF健心塾)
×キム・ミンファン (X-PERT GYM/韓国)
判定3-0(30-28、30-28、30-27)
第7試合では佐藤亮VSキム・ミンファンの国際戦が組まれた。勝負のクライマックスは第2R。佐藤がカウンターのヒザ蹴りを連打すると、ミンファンは失速。3Rには度重なるホールディングで注意を受けてしまう。その後ボディフックで佐藤の腹を効かせるが、試合の流れをひっくり返すまでには至らず。佐藤が3-0で勝利を収めた。この一戦に進退をかけていたというミンファンはこのまま引退。トレーナーの道を進むことになりそうだ。
試合の途中では4月7日の次回大会で王者・谷岡祐樹に中村寛が挑戦するDEEP☆KICK-60㎏級タイトルマッチの開催が発表された。
「緒戦者は結構な殴り屋。どちらかが倒れると思うけど、僕が倒して勝つ」(谷岡)
「さらって勝ってベルトを巻きます」(中村)
同大会では宮崎VS雄大、横野VS泰良の-57.5㎏初代王座決定トーナメント準決勝も組まれた。7月28日の10周年記念興行でくまれた決勝戦に進むのは誰なのか。
第6試合 DEEP☆KICK-55kg 3分×3R
○鷹介 (魁塾)
×厳基 (月心会チーム侍)
判定2-0(29-29、30-29、29-28)
第5試合 51kg契約 3分×3R
×KING TSUBASA (ROYAL KINGS)
○黒田斗真 (隆拳塾)
判定0-2(29-30、29-29、28-30)
第4試合 DEEP☆KICK-53kg 3分×3R
○野田 蒼 (月心会チーム侍)
×翔太YAMATO (NJKF大和ジム)
判定3-0(30-28、30-28、30-29)
第3試合 DEEP☆KICK-60kg 3分×3R
×元 義明 (NJKF誠輪ジム)
○海月 (D.O.T)
TKO 1R 2分25秒
第2試合 DEEP☆KICK-60kg 3分×3R
×岩KING (NJKF心将塾)
○岩郷泰成 (MAD CRIB GYM)
TKO 2R 2分38秒
第1試合 61kg契約 3分×3R
○成尾拓輝 (究道会館)
×蓮YAMATO (NJKF大和ジム)
TKO 1R 0分34秒
〈オープニングファイト〉
OP第7試合 NEXT☆LEVEL 67kg契約 2分×2R
○柴田凛太郎 (モンスタージャパン)
×永井卓海 (NJKF誠輪ジム)
判定2-0(20-19、20-19、19-19)
OP第6試合 NEXT☆LEVEL 55kg契約 2分×2R
×三好翔太郎 (猛志會)
○梅永海世 (NJKF理心塾)
判定0-2(19-20、19-20、19-19)
OP第5試合 NEXT☆LEVEL 60kg契約 2分×2R
○松崎亮磨 (T.B.NATION)
×小泉 涼 (魁塾京都)
判定3-0(三者とも20-18)
OP第4試合 アマチュアミネルヴァ 50kg契約 1分×3R
×伊勢桜花 (武心會)
○重村希海 (真門伊藤道場)
判定0-3(28-30、28-30、29-30)
OP第3試合 NEXT☆LEVEL 51kg契約 2分×2R
○吉村一航 (真門teamsol)
×後藤由知 (相補体術)
判定3-0(三者とも20-18)
OP第2試合 NEXT☆LEVEL 32kg契約 2分×2R
○細見樹斗 (ROYAL KINGS)
×上窪 星 (NJKF闘拳塾)
判定3-0(三者とも20-19)
OP第1試合 NEXT☆LEVEL 37kg契約 2分×2R
○大野心寿 (モンスタージャパン)
×岡林 昊 (直心会)
判定3-0(20-19、20-19、20-18)