K-1 10.5 エディオンアリーナ大阪:無差別級アジア予選で勝ち残るのは?山口翔大「今回は旧K-1と新生K-1の対抗戦」×ジマーマン「第二の故郷日本に戻れてうれしい」、谷川聖哉「1日9食取って100kg前後をキープする」、K-Jee「バンナに勝って“番長”の称号を奪う」
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K-1 WORLD GP 2024(10月5日(土)エディオンアリーナ大阪 第1競技場)での「K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選」に出場する、山口翔大、エロール・ジマーマン、谷川聖哉、K-JeeのインタビューがK-1 GROUPから届いた。
第18試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナ・Xトリームチーム/K-1 GP 1995 2002 準優勝)
K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/元K-1&Krushクルーザー級(90kg)王者)
第17試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
エロール・ジマーマン(キュラソー/ヘマーズジム/K-1欧州GP2008優勝)
山口翔大(GENESIS/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコン空手道選手権2018・19重量級優勝)※TEAM3Kから所属変更
第16試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/元K-1クルーザー級(90kg)王者)
クラウディオ・イストラテ (イタリア/コンバットジム/K-1 30周年記念無差別級トーナメント2023準優勝)
第15試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1無差別級トーナメント2022準優勝)
クォン・ジャンウォン(韓国/チョンハク・ムエタイジム/元MAX FCヘビー級王者)
山口翔大、K-1レジェンドと対決へ!「“エロジマン”だか“のど自慢”だか知らんけど、新生K-1なめんなよ」
山口は、空手で数々のタイトルを獲得し、22年9月にKrushへ参戦して木村太地から判定勝ち。12月にK-1のリングで佐野勇海をKOすると、23年4月にKrushでANIMAL☆KOJIから判定勝利を収めた。12月には星龍之介をKOで下し、24年7月のホーストカップで入田和樹から判定勝ちを収めて負けなしの7連勝となっている。
――今回、K-1決勝トーナメントへ向けてのアジア予選となります。空手でチャンピオンとなりK-1の舞台で戦っていますが、ご自身では次の章という感じなのでしょうか。
「自分の中ではゴールを決めていなくて、すべて通過点だと思っています。なので、今はキック・K-1編に入っている感じですね」
――空手はパンチでの顔面攻撃はないですが、K-1はあります。そこの違いは感じますか?
「顔面有り無しはあまり関係ないと思っていまして、試合時間ですね。空手は本戦3分で勝負がつくことはありますが、K-1だと基本は3分3ラウンドなので1ラウンドにダウンを奪われても続きます。K-1ルールだと負けていても挽回できますし、逆もしかりですね。そこに違いを感じているだけなので、普段は空手の稽古も同じようにやっています」
――K-1用の練習だけではなく空手もやっていると。
「ほとんど空手ですね。ビッグミット打ちで追い込んだり、それがベースです」
――空手出身の選手だと与座優貴選手が、バンデージを巻かないで試合をするとアジャストしやすいと明かしていました。
「僕も、それはありますね。ガチガチに拳や手首を固めてしまうと手がパンパンになってしまうので、グローブが落ちない程度に弛めに調整してもらっています。手首が自由になってくるとスナップを利かせてパンチを打てるのと、あとはブロッキングも固めていない方が使いやすいですね」
――会見でも話していましたが、K-1WGPへの思い入れがあるようですね。
「自分は5歳から空手をやっていましたが、ずっと稽古なのでテレビも何も見れなくて。でも父親がプロ野球だと阪神タイガースと格闘技が大好きなので、稽古が終わって家に戻ってくると野球は終わって見れなかったんですけど、K-1の大会をテレビで見たり観戦に連れて行ってもらった記憶があります」
――どんな大会か覚えていますか?
「K-1の大阪での大会でしたが、あまり内容は覚えていないんですけど、勝った選手が戻ってくる花道に近い席でした。3回くらい観戦して誰の試合とかは記憶にないですが、フランシスコ・フィリォ選手やグラウべ・フェイトーザ選手、もちろんアンディ・フグ選手も好きでした。僕が空手をやっていたこともありますが、極真のマークが入っていたりとか、空手着での入場もありましたので、好きになりました」
――極真カラテに特別な想いがあるんですね。
「はい。自分が極真カラテをやらなかったのは、憧れは倒して超えるものだと思っていたからです」
――なるほど、それはK-1に対しても同じ思いがあると。
「自分が所属していた白蓮会館は、尊敬する南豪宏師範が“最強の侵略者”と呼ばれて活躍されていました。自分は南師範の直弟子として、自分の中では勝手に続編を紡いでいる感じです。白蓮会館は、他流試合に乗り込む侵略の歴史と、自流大会の王座を死守してきた二つの歴史の側面があります。今回は、旧K-1と新生K-1の対抗戦だと思っています」
――つねに挑戦者が美学なのですね。山口選手の体重はクルーザー級くらいだと思いますが、なぜ無差別級の試合を受けたのですか?
「空手時代は体重無差別級ですし、Krushの宮田(充)プロデューサーから出てほしいと言われれば、そこは“押忍”の世界なので」
――迷いはなかった?
「今年の夏頃に話をいただいて、正直迷いました。僕はクルーザー級で無敗のままチャンピオンになることを目標にしていたので、それが無差別級になると未知数になります。でも最初にクルーザー級とって、無差別級にと思っていましたが逆になってもいいかなと思っています」
――無差別級へのチャレンジですね。
「僕は無差別級だと、新極真会の第12回世界大会に挑戦させていただいて結果を残せなかったので、その時のリベンジだと思っています。競技こそ違いますが、対世界で考えると」
――そんなテーマもあるんですね。練習は空手の稽古が中心ですか。
「それと3Kジムに練習へ行かせていただいていますので、そこでレベルを上げています」
――アジア予選に出場する日本人3選手を中心に合同稽古を行いましたが、あれは空手時代の日本代表という感覚と同じですか?
「谷川聖哉選手からの呼び掛けで実現しましたが、空手とは少し違いますね。空手だと合宿とかで同じ釜の飯を食って対戦相手の研究を一緒にしたりとかありましたが、スパーリングが中心でした」
――アジア予選を勝つと決勝トーナメント進出が決まります。そこへの思いも聞かせてください。
「12月の決勝トーナメントは、決勝戦で日本人対決をすることが理想だと思っています。ヘビー級WGPは来年海外でやるかもしれないという噂も聞いていますので、それは日本人が勝てないからだと思うんです。でも日本人が決勝で争えば展開も変わってくると思いますし、それこそ僕と同じようにヘビー級の試合を空手をやっている子どもたちが見れば、そこを目指してくれるかもしれない。そのためにもアジア予選を勝ち抜いて、日本人3選手が揃って決勝へ進みたいです」
――今回の相手はエロール・ジマーマン選手に決まりましたが、相手の印象を教えてください。
「10代の頃、テイシェイラ選手やグラウべ選手がジマーマン選手に負けている姿をテレビで見たことを覚えています」
――“エロジマン”と呼ばれています。
「エロジマンだか、のど自慢だか知りませんけど、新生K-1をなめんなよと思っています」
――最後に地元・大阪で試合をすることについて意気込みをお願いします。
「大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)といえば、西の空手の聖地。山口翔大と言えば、ここやと思うので、この場所で負けることはないですね」
――K-1だと大阪は過去2回、すべて勝利していますね。
「それもそうですし、JFKO全日本大会、白蓮会館の全日本大会、極真連合会の全日本大会、正道会館の全日本大会、すべて節目となる大きい大会で優勝しています。ここで負けることはないです」
K-1レジェンド“エロジマン”が山口翔大戦でKO宣言!「彼は1分も立っていられない」
ジマーマンは対戦相手の腕の骨や頭蓋骨を骨折させたことから、“ボーンクラッシャー”のニックネームがつくも、日本では本名を短くして“エロジマン”の愛称で親しまれてきた。旧K-1の2008年では極真王者のエヴェルトン・テイシェイラから勝利。12年にはGLORY王者のリコ・ヴァーホーベンを左フックでKO。14年ぶりにK-1へ参戦した24年6月の「K-1 FIGHTING NETWORK ROMANIA 2024」ではギリシャのマイク・カラマスケタスを1RKOで破り、その強さを証明した。
――日本でK-1の大会に出場するのは、14年ぶりです。戻ってくる気持ちはどうですか?
「本当に幸運で名誉なことだと感じているよ。再び日本のファンに会えるのを待ちきれないよ。日本の大会はいつも素晴らしいし、ファイターを本当に大切にしてくれる。再びK-1チームに戻れることが嬉しい! 俺は旧世代の最後の一人で、K-1に出場した時はすごく若かったので、また招待してもらえたことに感謝しているよ」
――日本での特別な思い出はありますか?
「いつもすごかったね。朝起きて朝食に行くと、ロビーに30人から40人くらいがサインや写真、握手を求めて待っているんだよ。本当に驚くよ。朝早く起きてまで自分に会いに来てくれて、握手したり、サインをもらうために待っていてくれる。そして彼らは、いつも礼儀正しくて優しい。オランダとは本当に違う。だから、そういう素敵な人たちが大好きなんだ。彼らはこのスポーツを本当に愛していて、映画スターのように扱ってくれる。本当にすべてが尊敬の念に満ちていて、素晴らしい思い出しかない」
――日本に戻ったら、最初にしたいことは?
「歩き回りたいね。以前は大阪にも行ったことがあるんだけど、あまり多くの場所は知らない。でも、もし東京に行くなら、なんという通りだったかな……、パーティーエリアがあるんだよな」
――六本木ですかね?
「そう、ロッポンギ!外国人は、みんな最初に訪れるのはそこだよ。チームでそこに行った思い出が、たくさんあるよ。あとは東京のエレクトリックシティ(秋葉原)にも行った。本当に日本は、素晴らしいところだ。たくさんのものがあって、そういうところを見るのが大好きだ。今回はちょっと観光客みたいに、大阪を探検してみようと思っているよ」
――今回、14年ぶりの日本のK-1で、山口翔大選手と対戦します。
「正直に言うと、彼のことはよく分からない。元々、俺は相手の試合を見ないしね。コーチのニッキー・へマーズが彼を研究して、どう戦えばいいかプログラムを作ってくれている。彼を心から信頼しているので、彼が言うことをそのまま実行するだけだ。リングに入って、全力を尽くして、相手をノックアウトする」
――前回の試合は、6月のK-1ルーマニア大会にワンマッチで出場しました。
「相手が少し弱くて、途中で試合を諦めた。もっとやりたかったんだけど、相手がそのチャンスを与えてくれなかったね。まあ、俺のキックに耐えられる人はあまりいないから、仕方がない。でも、KOできなかったことは残念だ。俺は少しだけMMAもやっているけど、試合をする時は相手を倒すことだけを考えている。それが唯一の目的であり、観客に提供するもの。ポイントで勝ちたいとは思わないし、判定に委ねるつもりもない。だから常にKOを狙い、相手を倒すことを目指している。人々はそれを望んでいるからこそ、チケットを買って見に来る。俺は爆発的なファイターなので、それを見せてやるよ」
――相手の研究はしないとのことですが、逆に相手が警戒すべき点は何だと思いますか?
「すべてだ。なぜなら俺は、危険なファイターだからだ。足、拳どこも危険だ。彼はすべてに気をつける必要がある。彼は1分も立っていられないよ」
――これまで、相手の研究をしてこなかったのでしょうか。
「ピーター・アーツと戦うことになっても、彼の試合を見なかった。なぜなら、誰かと戦うとき、前回の試合と同じように戦うことは決してないからだ。トレーナーでコーチのニッキー・へマーズがいるからね。彼は、昔ラモン・デッカーのコーチだったコー・ハーマーズの親族で、相手を研究し相手の得意なところや弱点を見つけ、それに基づいてトレーニングプログラムを作成してくれる。そのトレーニングをした俺は、リングに入り、ゴングが鳴ったら、コーチの指示をよく聞いて実行するだけだ」
――昔と今では、ファイトスタイルに違いがありますか?
「あまり変わったことはないね。一つだけ変わったことがあるとすれば、8年か9年前にリコ・ヴァーホーヴェンとのチャンピオンシップで戦った際に大怪我をした。再び歩くことができるまでに、時間がかかったよ。それで唯一変わったことは、少し足が遅くなったことくらいかな。でも、時間とともに、試合を重ねるたびに成長し、より賢く、強く、速くなった。今では、昔の自分に戻ったようにさえ感じている」
――そんなことがあったのですね。
「あと、最後の試合から体重を約10kgほど減らした。以前は125~123kgくらいあったけど、今は112~113kgくらいだ。ハードワークしてきたので、用心した方がいい」
――対戦相手の山口選手は、「新世代をなめるな」と言っていますが、若い世代のファイターに対して言いたいことは?
「彼は若いし、自分を信じている。それは非常に良いことだ。俺も、若い頃は先輩たちに嚙みついてきたからな、気持ちは分かるよ。でも、俺は自分が誰であるかを知っている。俺に光が当たれば、誰も止められない。止められるのは、神様だけだ。だから彼には最善を尽くしてほしいね。俺をガッカリさせないでくれよ」
――今回の試合に勝ったら、12月に日本での決勝トーナメントがあります。1日に3試合戦うトーナメント形式になりますが、どう感じていますか?
「何も変わらないよ。ただ1日で3回戦わなければならないだけだ。俺は、これが大好きだからやっているし、素晴らしい挑戦だ。K-1は復活していて、これからたくさんの素晴らしいことをやっていくだろう。そして、K-1をさらなる高みへと導きたい。K-1は世界中の最高のファイターたちが集まるリアルファイトネットワーク。政治やその他のことは関係なく、ただ戦って自分のスキルを見せるだけ。空手でも、ボクシングでも、キックボクシングでも、MMAでも、すべてのファイターが集まり、自分のスタイルを見せる。それがK-1の素晴らしさで、再びその一員になれることを嬉しく思っているよ」
――日本のファンへのメッセージはありますか。
「ありがとう、日本。エロジマンが帰ってくるぜ。みんなが本当に恋しいよ。素晴らしいファイトスタイルを見せるので、楽しみに待っていてくれよ。大好きな第二の故郷、日本に戻ることができて本当に嬉しい。これから素晴らしいショーがたくさんある。最後に、俺が戦っているときはトイレに行くなよ。飲み物も買うな。食べ物を手に持っていると、驚いて吹っ飛んでしまうぞ! 日本、そして世界、“ボーンクラッシャー”エロジマンが帰ってきたぞ!」
谷川聖哉、必勝決意のアジア予選「先輩方が築いたK-1ジャパンを終わらせない」
谷川聖哉は、空手で輝かしい実績を残し22年8月に元K-1クルーザー級王者K-Jeeから勝利。23年3月はステファン・ラテスクにKO負け。7月はAKIRA Jrから判定勝利を収め、再起戦を飾った。12月はリュウ・ツァーにKO負けし、24年3月に階級をミドル級に落としてKrush初代ミドル級決定トーナメントに出場するもブハリ亜輝留に判定負け。今回は再び階級を上げる。
対戦相手のクォン・ジャンウォンは、総合格闘家の秋山成勲がK-1 KOREAから送り込んできた、体重128kgの韓国ヘビー級の怪物。一撃で倒しにいくスタイルではなくムエタイにも精通し、ローからミドルキック、そしてパンチからヒザ蹴りと流れるようなコンビネーションを得意とするテクニシャンタイプだ。24年3月の安藤優介戦では、右のパンチを合わせて1RKO勝ちを収めた。
――今年8月のRUI戦は、バックブロー一撃で会心のKOとなりました。振り返ってみて、いかがでしたか?
「狙い通りというか、仮想外国人としてはいい相手かなと思っていました。丁寧に攻撃して隙をつくという作戦で、何も攻撃をもらわずにノーダメージで勝てたことは収穫でした。正直、もう少し時間がかかるかなと思っていましたが、早い回で終わった良かったです」
――では、バックブローは狙い通りだったと。
「はい。バックブローや回転系の技は練習していますので、それを試合で出すことができました。これまで後ろ蹴りや後ろ廻し蹴りを出していましたが、バックブローはなかなか使う機会がなくて」
――空手ではバックブローという技はありませんが、K-1で試合をするようになってから練習していたと。
「たしかにバックブローは空手にありませんが、回転系の技は同じような身体の動きになるので、とくに問題はなかったですね。それこそ75kgに階級を落とした時に、よく練習していた技でした」
――そうだったんですね。ミドル級に階級を落として戦ったことは無駄になってなかったんですね。
「自分の身体と向き合う時間もできて、あの負けが無駄にならないようにしようと思っていました」
――今回のアジア予選が決まっている中でRUI選手との試合がありましたので、集中力の欠如やケガをする可能性もありました。
「なかなか難しい状況で、相手もいい気持ちはしなかったと思います。SNSでも『意味が分からない』という意見も見かけましたし。それを引っくり返すのは派手なKOだと思っていましたが、それができて良かったです」
――今回、アジア予選に出場する日本人3選手で合同練習を行いましたが、谷川選手からの発案だったようですね。
「ええ。やはり日本人3選手が12月の決勝トーナメントに勝ち上がらないと無差別級は盛り上がらないと思いますので、ここは一致団結してやる時かなと」
――なかなかライバル同士で練習する機会はないですからね。
「ありがたい限りです。でも自分は、これから先も無差別級でやっていくことを決めていますので、相手は日本人ではなく外国人にしたいと思っています」
――そうでしたか。谷川選手は旧K-1の母体となっていた正道会館出身なので、“正統後継者”と呼ばれていますね。そうしたことは意識していますか?
「はい、僕は大阪の正道会館総本部の最後の寮生なんです。K-1ジャパンの先輩方を知っていますし、見えない圧力がかかっていると思います。石井館長からも“K-1は正道会館のものだ”と言われていますので、そこの意識やプライドはありますね」
――K-1で活躍した武蔵さんとかに指導を受けたことは?
「あります。武蔵先輩と一緒に練習をさせていただいたことはありました。もちろん、中迫(剛)先輩や富平(辰文)先輩とも面識はあります」
――それは正統継承者ですね。
「ただ当時と今では状況は違いますので、ここで僕が活躍してもう一度強いK-1の日本人として認めてもらいたい思いは強く持っています」
――K-1への憧れから正道会館の門を叩いたと。
「はい。あの強かった先輩方が築いたK-1ジャパンを終わらせないように、しっかりとアジア予選を勝ち抜いて12月の決勝トーナメントで結果を残したいと思っています」
――今回の対戦相手は、韓国のクォン・ジャンウォン選手に決まりました。練習のテーマとかはありますか?
「集中力と点の攻撃を意識しています。ヘビー級は一発のダメージが命取りになってしまうので、集中力を切らさずに足を使ってピンポイントで当てていくのが理想です。そこは先輩から教わってきた技術があるので、それで勝ちたいと思います」
――K-1の源流となった正道会館出身、それだけでも見る側に気持ちが入ってしまいます。
「今回のアジア予選に出る選手も含めて、自分が一番、勝ちたいという思いが強いです」
――気になる体重は、今どのくらいですか?
「1日9食とって、97kgくらいですね。100kg前後をキープしようと思っています」
――1日9食? サプリメント入れてですか?
「いえ、リアルフードです。新しいフィジカルトレーナーの方と一緒に、75kgのスピードを活かしつつ体重を増やしている感じです。スタミナの不安もないです。130kgの相手の圧力はハンパじゃないので、そこでどうなるかはやってみないと分からないですけど」
――入場曲は、故アンディ・フグさんが試合で使用していたQueenの名曲『We Will Rock You』ですからね。
「トレードマークとなった半袖の道着も意識しています。昔から大ファンでした」
――アンディさんのどこが好きだったんですか?
「決して大きな身長ではないですけど、自分よりも大きい選手を倒してきて。カカト落としとか、フグトルネードとかの必殺技で。じつは、アンディさんの息子も“セイヤ”という僕と同じ名前で、しかも同い年なんです」
――アンディさんの息子と同じ名前で同い年!
「お会いしたことはないんですけど。あと僕、1996年に生まれているんですけど、その年はアンディさんがK-1で初優勝しているんです。すごく縁があるなと」
――天国からアンディさんも応援していますね。
「ここで負けるわけにはいきません!」
“K-1番長”バンナと対戦、K-Jeeが大胆宣言!「俺が勝ったら“番長”の肩書もらう」
K-Jeeは、20年11月に王者カリミアンの持つタイトルに挑みKO勝利で第2代王座に。21年3月は初防衛戦でカリミアンのバックブローで逆転KO負け。22年4月のK-1無差別級トーナメントでは一回戦でマハムード・サッタリにKO負け。8月は無差別級トーナメント準優勝・谷川聖哉とのクルーザー級日本人頂上対決に臨むも判定で敗れ、2連敗。23年7月はステファン・ラテスク、9月は元極真世界王者・上田幹雄にKO負け。24年3月はイタリアでマティア・ファラオニに判定負けし、浮上したいところだ。
バンナは、「K-1番長」「ハイパー・バトルサイボーグ」と呼ばれ、旧K-1時代にはピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、マイク・ベルナルド、アンディ・フグらとライバル争いをしてきたK-1レジェンド。1995年にK-1初参戦で、いきなりWGP準優勝。00年には極真空手世界王者のフランシスコ・フィリォを左ストレート一撃でマットへ沈め、「千年に一度のKO」と評価。02年にはK-1 WGPで準優勝し、「無冠の帝王」と呼ばれることもあった。旧K-1消滅後はMMAとの二刀流で試合を行うこともあり、直近では24年6月にキックルールで金枝勇気を右フック2RKOで下し、健在ぶりを証明した。
――最近、家を買ったとSNSで見ましたが、環境の変化とかあったのでしょうか?
「いや、とくにないですけど、家を買いたいな、BBQ(バーベキュー)をやりたいなと思いまして」
――ご結婚はされているのでしょうか?
「されていないです(笑)。まず家を買ってから、相手を探そうかなと思っています。まあ、いつかおったらいいかなと」
――ちなみにBBQは誰とやるのでしょうか。
「誰とやりましょうかね(笑)。ご近所さんとでもやりますよ」
――では、BBQ相手を募集中ということで。
「何だったら、バンナとでもやりますかね(笑)」
――アジア予選の相手は、K-1レジェンドのジェロム・レ・バンナ選手に決まりました。まさか、という感じだったのでしょうか?
「オファーが来たときは、驚きましたね。でも、どうなんですかね?まだ強いんですかね」
――今年6月にKO勝ちをしていますし、コンスタントに試合をしているため51歳でも実力は落ちていないと思います。
「自分が勝ったら、“K-1番長”の称号を彼から奪いたいですね!」
――バンナ選手は“K-1番長”と呼ばれているので、それが欲しいと。K-Jee選手は“番長”になりたいんですか?
「いやー、そういうキャラじゃないかもしれないけど、なんか響きがいいじゃないですか、“K-1番長”って」
――“K-1番長”のイメージは、ヘビー級だとシナ・カリミアン選手じゃないですかね。
「いや、あいつはテロリストですよ。なんか、試合で無茶苦茶やるじゃないですか。あれ、なんかおかしいですよね(笑)」
――バンナ選手に勝ったら“K-1番長”を譲れと主張するかわりに、自分が負けたら何を与えますか?
「いやー、僕は何もないですよ(笑)」
――家があるじゃないですか!
「家? 絶対に嫌です。なら番長はいらないです(笑)」
――旧K-1のヘビー級GPは、どんなイメージがありますか?
「自分はサッカーをやっていて、ずっとプロのサッカー選手になりたかったので、存在は知っていましたが、特別に意識したことはなかったですね。憧れて凄いなとは思っていましたが、リアルに自分がというのはなかったです。19歳で格闘技を始めてからは、気持ちが入っていきましたけど」
――自分がK-1の伝統的なヘビー級トーナメントに出ることは、あまり意識していなかったですか。
「そうですね、不思議な感じはありますね。ただ、GLORYとか世界のヘビー級の試合を見ているとパワー差を感じますので、どこまでやれるのかなとは思います」
――たしかにヘビー級は体重無差別なので、幅が無限大ですよね。ちなみにK-Jee選手は体重はどのくらいあるんですか?
「普段は98kgあって、練習していくと95、96kgくらいになります。でも試合前になるとストレスも出てきて、92、93kgくらいまで自然と落ちてしまいます。なるべく落ちないように食事をとりますが、どうしても限界がありますからね」
――体重が重い相手でも気にならない?
「気にしても仕方がないという感じですね。クルーザー級でもいいけど、どちらにしてもやるしかないので。自分のワガママで、どうにかなるものでもないんで」
――ヘビー級の日本人は外国人と比べるとパワー負けしてしまう傾向がありますので、スピードや技術でカバーすることになりますね。
「僕は、全体のボトムアップを考えているので、サーキットを中心にしたトレーニングを取り入れています。でも追い込み過ぎると次の日のパフォーマンスに影響するので、できるだけ短時間で効率良くやってケアに時間を使っています」
――合同稽古ではアジア予選に出場の日本人3選手に加え、AKIRA.jr選手なども加わるスパーリングをしましたが、やはり違いますか?
「どうしても地元だと大きい選手がいないので、軽い選手とのスパーリングだと速くて攻撃ができないんですよね。かつてのライバルとのスパーリングですけど、そんなことを言っている場合ではないので、とても勉強になっています」
――やはり違いますか。
「重い人とのスパーリングは大切ですね。自分はライバルという意識はあまりないんで、そこは他の階級とは違い緩いですよ」
――決勝トーナメントへ向けて、どんな意気込みがありますか?
「世界予選トーナメントを見ましたけど、絶対に勝てない相手ではないなと思いました。優勝への可能性をかけて、しっかりと準備をしたい。そのためにもアジア予選を勝ち抜いて、決勝へ進みたいですね」
対戦カード
第18試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナ・Xトリームチーム/K-1 GP 1995 2002 準優勝)
K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/元K-1&Krushクルーザー級(90kg)王者)
第17試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
エロール・ジマーマン(キュラソー/ヘマーズジム/K-1欧州GP2008優勝)
山口翔大(GENESIS/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコン空手道選手権2018・19重量級優勝)※TEAM3Kから所属変更
第16試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/元K-1クルーザー級(90kg)王者)
クラウディオ・イストラテ (イタリア/コンバットジム/K-1 30周年記念無差別級トーナメント2023準優勝)
第15試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1無差別級トーナメント2022準優勝)
クォン・ジャンウォン(韓国/チョンハク・ムエタイジム/元MAX FCヘビー級王者)
第14試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/マイクスジム/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント優勝、元GLORYライト級(70kg)2位、MAX FIGHTライト級(70kg)王者)
小田尋久[じんく](TEAM3K/Krushスーパー・ウェルター級王者)
第13試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/Mike’s Gym/元Krushスーパー・ウェルター級王者)
デング・シウバ[シルバ](ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント3位、SFT COMBAT -70kg級王者)
第12試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
和島大海(月心会チーム侍/元K-1スーパー・ウェルター級王者)
キム・ジュンファ[Kim Joon Hwa](韓国/安養サムサンジム/MAX FCミドル級(75kg)&ウェルター級(70kg)王者)
第11試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
ダリル・フェルドンク(オランダ/ファイトチーム・リンガー/元Enfusionライト級(70kg王者)
ゾーラ・アカピャン(アルメニア/グリディンジム/FEA WGPライト級王者、RCC Fair Fightウェルター級王者)
~ 休憩 ~
第10試合 女子フライ級(52kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
☆SAHO☆(闘神塾/K-1女子フライ級王者、S1女子世界&日本バンタム級王者、WMC日本スーパーバンタム級王者、元ミネルヴァ同級王者)
エリヴァン・バルト[Erivan Barut](トルコ/デルシム・キックボクス/WAKO-PRO世界女子スーパーフライ級(50kg)王者)
第9試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
林 健太(FRYSKY GYM/Tmile Gym/元K-1ライト級王者、元Bigbangスーパーライト級王者)
近藤拳成(TEAM3K/AJKNスーパーライト級王者、K-1甲子園2016 -65kg優勝)
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
斗麗[とうま](WIZARDキックボクシングジム)
兼田将暉(RKS顕修塾/RKSフェザー級王者・元同スーパーフェザー級王者、元HEATライト級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
椿原龍矢(月心会チーム侍/元K-1フェザー級王者、K-1甲子園2017 -55kg優勝)
玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushフェザー級王者、元NJKFバンタム級王者)
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
銀次(VAINQUEUR GYM/KPKBインターナショナル・フェザー級王者、元TENKAICHIフェザー級王者、元大和KICK -57.5kg王者)
松本海翔[はると](TAD)
~ 休憩 ~
第5試合 95kg契約 3分3R(延長1R)
AKIRA Jr(フィリピン/Team Aj/RKSクルーザー級王者、元蹴拳スーパーミドル級王者)
滝上正太(聖空会館/ACCELヘビー級王者)
第4試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
篠原悠人(DURGA/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者、K-1甲子園2015 -65kg優勝)
古宮 晴[はる](昇龍會/元DEEP☆KICK -63kg王者、K-1甲子園2021 -65kg優勝)
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
髙橋直輝(若獅子会館/元Krushスーパー・フェザー級王者、元ACCELバンタム級王者)
松本涼雅(月心会チーム侍)
第2試合 51kg契約 3分3R(延長1R)
大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム/Krushフライ級(51kg)王者)
東虎之介(都城大叶ジム/PRINCE REVOLUTION -52kg級王者)
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
村田健悟(ALONZA ABLAZE)
プレリミナリーファイト第5試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
吉川 諒(VAINQUEUR GYM/KPKBスーパーライト級王者)
大利賢佑(team ALL-WIN)
プレリミナリーファイト第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
龍翔[りゅうしょう](EX ARES/ジャパンカップキックボクシング・スーパーバンタム級王者)
稜賀(二刃会)
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
原田翔貴[とき](拳心會館)
健真[たつま](BLACK☆Jr/DEEP☆KICK -60kg 3位)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
堀井海飛[かいと](空手道柔拳)
岩KING(心将塾)
プレリミナリーファイト第1試合 51kg契約 3分3R
湯桶[ゆおけ]勇成(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)
新井真惺[まさと](team M m/K-1甲子園2023 -55kg優勝)
概要
大会名 K-1 WORLD GP 2024
日時 2024年10月5日(土) 開場・11:00 プレリミナリーファイト開始・11:30 本戦開始・13:00
会場 エディオンアリーナ大阪 第1競技場 [HP]
中継 ABEMAプレミアム(960円/月)、 GAORA(生放送/1,320円/月)
チケット料金 ロイヤル 70,000円 アリーナSRS 50,000円 アリーナRS 30,000円 アリーナS 15,000円 スタンドS 15,000円 アリーナA 10,000円 スタンドA 10,000円 アリーナB 6,000円 スタンドB 6,000円 ※当日500円増し ※小学生からチケットが必要
チケット販売 チケットぴあ イープラス ローソンチケット K-1.SHOP グッドルーザー K-1ジム各店舗 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/contact/