修斗 9.9 北九州芸術劇場：闘裸男メイン・セミ4選手インタビュー 田村ヒビキ「みんな小さくまとまらなくていい」

　プロ修斗「闘裸男23」（9月9日（日）北九州芸術劇場 中劇場）のメイン、セミに出場する4選手の直前インタビューが主催のTORAO NATION STATEから届いた。昨年大阪から福岡に移住した田村ヒビキは、地方の練習環境の厳しさ、沈静化している修斗ウェルター級について語りつつ、それでも現状打破していかないといけない決意を口にしている。

第9試合　メインイベント　ウェルター級　5分2R
田村ヒビキ（福岡/カルペディエム福岡／世界4位）
間宮晃仁（北海道/マルスジム）

第8試合　セミファイナル　ストロー級　5分2R
SHOTA（福岡/総合格闘技道場STEAM）
旭那　拳（沖縄/Theパラエストラ沖縄）

田村ヒビキ「せっかく修斗のリングに戻って来たのであればこれは動かさないと」

―――復帰戦となった昨年9月の闘裸男21では、強豪ウィル・チョープから膝十字で一本勝ちしました。試合後に何を思いましたか？
田村「九州に居を移して最初のMMAの試合でしたので、こちらに来てジム（カルペディエム福岡）が出来てから知り合った人達の前でキッチリいい勝ち方が出来たことにホッとしました、まずは。試合が終わってしばらくして思ったこととして、大阪に比べると選手層はまだまだなところがあって、自分の練習についてもどれだけ追い込めているのか疑問だったのですが、この土地で何処まで行けるのか、新しい目標のようなものが出来た試合でした。自分の事だけではなく、この土地の人たちが頑張ればこの先どこまでやって行けるのか、またやらなければいけないのかということを思いましたね。」

―――そして今年は日本人選手で、北海道の間宮晃仁選手との対戦となりました。
田村「印象としては気持ちが強い選手なのかなと思いました。」

―――またお話は昨年に戻ります。試合後のマイクではプロポーズもありまたが、タイトル戦や地方の状況についても話されてました。そこを詳しく聞かせてください。
田村「昨年はタイミングが合ってこちらで闘裸男に出させていただいて、勝ってランキングにも入りました。修斗以外の77.1（ウェルター級）という階級はすごく動いていますけど、自分が戦っていこうとしている修斗のこの階級が、全く動いていないということはいかがなものかと…。自分がせっかく修斗のリングに戻って来たのであればこれは動かさないと、僕自身もそうですけど今後続く選手の為にもここは僕が言わないとダメだなと思いました。
　九州だけでなくいわゆる地方は、柔術でもMMAでもトップ選手と言われる強い選手はいると思います。強い選手は都内だけでなく大阪や名古屋にもいます。それ以外の地方ではごく一部しかいないのが問題だと思っています。それは突出した才能のある人がいるだけであって、プロの強さで戦える人間が柔術もMMAにも、もっといないといけないと痛感しました。首都圏で戦えるレベルにするには指導者もそうですけど、大会の数とクオリティも大切です。もちろんそこには自分の努力が着いてくるものだと思います。」

―――確かに。こちらもマッチメイクに関してはいろいろ考えます。同じ地方同士の選手に偏りがちになりますから、試合を通じて選手の成長も考えないといけません。
田村「同じ県内や地方の選手同士のマッチメイクでは外は見れないです。せっかく凌を削っても狭いその中でしか測れない。やはり外を見て戦わないと。毎年この福岡大会だけ出たらそれでOKじゃなくて、若い選手はもっと強い選手とやりたくないのかなと僕は思います。みんな小さくまとまらなくていいですよ。」

―――そこも同感です。
田村「あとプロとして試合出来るのも当たり前と思わない方がいいです。プロはオファーもらって試合するわけで、戦う場所がなかったらプロじゃないですよね。」

―――私が言いたいこと言っていただいてありがとうございます(笑)最後に今大会のメインとして大会アピールをお願いします。
田村「自分としては次に繋げて行くための重要な試合だと位置付けているのですが、この目の前の試合をまずはキッチリ戦って勝ちたいと思います。僕がメインなので僕が目立てばそれでいい訳では無くて、大会を盛り上げるには選手一人一人が意識持ってやらなければいけないので、熱い試合をみんなでやりたいと思います。あと昨年に続き今回もチャリティー大会なので、選手はもちろんご来場の皆様もご協力をお願いします。」
　　
　　

間宮晃仁「胸を借りるつもりは全くありません。喰いに行くつもりでいます」

―――遥々北海道からの参戦となりました。しかも相手は世界ランキング6位の田村ヒビキ選手です。田村選手とこの闘裸男という大会にどのような印象を持たれていますか？
間宮「今まで何度かあった格闘技のブームというか盛り上がりが今また来ているように感じています。今までは地方にいて、実力があるに目立たない選手とかがいたと思うのですが、最近は北海道から東京の大会に出たり、その逆で東京から北海道に選手を呼ぶような地方にいても実力のある選手が目立つ場面が出来て、強い選手が上に上がれる環境が整って来たと思います。自分としては地方と都会の差は無くなって来ていると思っています。だから今回の福岡大会の闘裸男を都内の大会じゃないからとか、ナメてることは一切ないです。特に田村選手は世界ランカーですし、以前から名のある選手なので警戒しています。闘裸男さんのこともここ北海道にいても昔から聞いていました。」

―――実力のある選手は地方にいても上に上がれるということですが、練習環境について地方差はあると思いますか？
間宮「所属ジムにも選手はたくさんいるのですが、自分の階級に合った練習相手がなかなかいなくて、他ジムに行き来はしています。練習という点から見ればそういった差が少しはあると思います。セコンドで都内に行った時など数少ないチャンスですが、出稽古に行かせてもらってます。確かに練習環境で言えば地方差はあると思いますね。」

―――北海道におけるMMAの状況を教えてください。
間宮「格闘技の中でもMMAをやってるジムが圧倒的に少なくて、ボクシングジムから練習に来られたり柔術のジムから先生が技術を教えに来てくれたりしてます。総合格闘家は本当に少なくて、中でもプロライセンスを持っている選手はホントに僅かなんです。格闘技のどの競技にしても練習環境は良くないので、もう競技を超えてみんなで手を組んでやってる感じです。北海道一丸みたいな感じで、旭川や函館から札幌に集まってもらって練習しています。みんなライバルではあるんですが、都内や他地方に負けないようにみんなで手を組んでる感じが強いですね、北海道は。車だと函館で片道6時間、旭川で3時間くらいです。」

―――最後にこの試合に向けてアピールをお願いします。
間宮「北海道から出て行って試合となれば大体が格上の選手と戦うようになります。今回の福岡もアウェーで格上との試合になりますが、自分はいつもこの状況で格上にアウェーで勝って会場の応援を黙らせて来ました。格上で応援が無いことも重々承知です。それでも胸を借りるつもりは全くありません。言葉は悪いですが喰いに行くつもりでいます。」
　　
　　

SHOTA「新人王は鬼門です。今回はその壁を打破したいと思っています」

―――昨年から3勝1敗1分の戦績で、勝ちは全てサブミッションによる一本です。デビュー当初の勢いが戻ってきた感じがしますが、実感はありますか？
SHOTA「去年は4試合も出させていただいて試合勘が戻って来たというのと、あと試合を重ねてチョークが得意になって来た感じがしてます。それでこうやって勝ち星に繋げられているのかなと思っています。」

―――練習環境とかは変わりましたか？
SHOTA「環境は変わらないですね。いつものように大山さん（パーソナルスタイルス代表/アパッチ小次郎）のところで練習させてもらってます。以前は今のように試合数が多くなかったので、練習をサボる癖がついていたと思います。去年からはコンスタントに試合をさせていただいているので、練習をするという癖着けは出来ていると思います。」

―――練習環境は変わらないけど自分の中での意識が変わったということですね。
SHOTA「そうです。明日試合と言われても「ハイ」と言える心の準備は出来ている状態です。」

―――そこで今回の対戦相手は昨年の新人王でもある旭那拳です。どのような印象を持っていますか？
SHOTA「そうですね、立ち技よりも寝技のイメージが強いですね。寝技になった時にはしっかりベースを作るので、柔術をきっちり練習している印象があります。旭那選手は新人王なんですが、僕は過去に2人の新人王（内藤のび太、ニシダショー）と試合していて、KO負けと一本で負けているので新人王とは相性が悪いですね、新人王は鬼門です(笑)　今回はその壁を打破したいと思っています。」

―――今回その壁を破って勝てば次のステップが見えてくると思うのですが、目標としているものはありますか？今後の抱負も含めて聞かせてください。
SHOTA「今回は相手が新人王ということもあるので、勝って自分の勢いや自信に繋げてランカーとかとやらせてもらえるチャンスになればと思っています。今一番目の前にある目標がランカーになりたいということなので、それに向けて来年も頑張って行けたらと思っています。」

―――最後に今大会に向けてアピールをお願いします。
SHOTA「こうして毎年福岡で闘裸男を開催してもらっているので、自分としてもしっかりと九州のMMAを盛り上げて行きたいと思っています。あと毎年災害が重なってしまい、今年もチャリティーということなのでご来場のお客様にもご協力して頂けたらありがたいと思っています。試合に関しては、練習に付き合ってくれたみんなやマネージャーの大山さんにも恩返しをして行きたいと思っています。しっかり形を残して勝って、次のステップに行きたいと思います！」
　　
　　

旭那拳「今の実力や位置がわかりました。圧倒的な試合をお見せします！」

―――前回の試合（サステイン主催4月23日新宿フェイス大会）はデビュー3戦目にして世界ランカーである木内崇雅（和術慧舟會GODS）との試合でしたが、惜しくも敗れてしまいました。自身としてこの敗戦から得られたものや、反省点などあれば教えてください。
旭那「相手との寝技に対して大きな差があったと思います。試合が終わって一番に思いました。グラップリングを再度見直して練習に取り組んでいます。バックチョークで負けましたが、その体勢からのエスケイプとか課題を決めています。自分の弱いところを確認が出来ましたから。いきなり世界ランカーとやらせてもらえてすごく感謝しています。自分の今の実力、や位置がわかるということは大きなことだと思います。」

―――福岡大会の対戦相手、SHOTA選手の印象を聞かせてください。
旭那「同じ大会に出場したことがあって試合は見たことがあります。いま勢いのある選手ですね。チョークを得意としている選手です。あと打撃はローキックですが、そのどちらかに偏っているとかではなくてオールラウンダーに近いという印象ですね。」

―――今大会のことからはお話が少し離れますが、11月に地元沖縄でプロ修斗公式戦が開催されます。どんな大会になりそうですか？　沖縄の雰囲気を聞かせてください。
旭那「もちろんパラエストラ沖縄から多数の選手が出場する予定です。当然ですがいつもうちの選手は県外で試合をしています。でも今回は地元なのでみんな友達や知人、家族を呼べるのでいつも以上にすごく気合が入っています。パラエストラ沖縄の選手をまとめているのは松根さんの一番弟子でもある仲宗根武蔵さんで、武蔵さんを筆頭にみんな一丸となって頑張っています。松根さんはいつも全体を見ていて、みんなを生活面も含めてサポートしてくれています。今回の沖縄大会は武蔵さんがメインを張ってくれると思っています。」

―――では今大会に向けて旭那選手からアピールをお願いします。
旭那「北九州市はSHOTA選手のホームですから会場での応援は多いと思います。自分は沖縄にいて応援してくれるみんなや道場の仲間に、前回の試合で出来なかった勝利を報告出来るように集中しています。沖縄の選手は強いと思ってもらえる様な、圧倒的な試合をお見せします！」

対戦カード

第9試合　メインイベント　ウェルター級　5分2R
田村ヒビキ（福岡/カルペディエム福岡／世界4位）
間宮晃仁（北海道/マルスジム）

第8試合　セミファイナル　ストロー級　5分2R
SHOTA（福岡/総合格闘技道場STEAM）
旭那　拳（沖縄/Theパラエストラ沖縄／2017年同級新人王）

第7試合　バンタム級　5分2R
ピットブルタカシ（福岡/666FIXXER）
エダ塾長こうすけ（京都/MIBURO）

第6試合　フェザー級　5分2R
出田貴大（福岡/G-face）※パラエストラ北九州から所属変更
有川大介（鹿児島/パラエストラ小岩）

第5試合　フェザー級　5分2R
結城大樹（福岡/マスタ－ジャパン福岡）
前口緑一色（岐阜/NASCERDOSOL）

第4試合　バンタム級　5分2R
山口　翔（福岡/TEAMバナナ）
玉城優介（沖縄/Theパラエストラ沖縄）

第3試合　フェザー級　5分2R
小田光二（山口/マスタ－ジャパン山口宇部）※小田寛一 改め
土肥“聖帝”潤（京都/MIBURO）

第2試合　ウェルター級　5分2R
加藤正憲（宮崎/総合格闘技近田道場）
福田　亮（山口/有永道場 Team Resolve）

第1試合　フェザー級　5分2R
野瀬翔平（福岡/マスタ－ジャパン福岡）
久保村ヨシTERU（長野/飛翔塾コンドル）

概要

大会名　平成30年7月豪雨災害復興支援チャリティー　プロフェッショナル修斗公式戦福岡大会「闘裸男23」
日時　2017年9月9日（日）開場/14：00/　開始15：00
会場　北九州芸術劇場 中劇場　http://q-geki.jp/access/　JR小倉駅（南口）より徒歩10分。JR西小倉駅より徒歩3分。
チケット料金　SRS席￥10000　RS席￥8000　S席￥6000　A席￥5000　※3歳以上はチケットが必要となります。　※大会当日は全席種500円増し
チケット販売　チケットぴあ
お問い合わせ　TORAO NATION STATE 087-887-5348　TNS岡山事務局 0868-24-8037　http://toraonation.com/