KNOCK OUT 2.25 後楽園ホール:中島弘貴「K-1グループの若手を普通に叩き潰す」×小田尋久「フィジカルで倒す」|良太郎「試合は壮大な人体実験」×健太「熟成ワインのような試合を」
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KNOCK OUT 2024 vol.1(2月25日(日) 後楽園ホール)でKNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座防衛戦を予定していたクンタップ・チャロンチャイが、練習中の拳の負傷により欠場する。代わって津崎善郎が出場し、クンタップに挑戦予定だったMASATO BRAVELと暫定王者決定戦を行うことになった。
津崎善郎 vs. MASATO、そして中島弘貴 vs. 小田尋久、良太郎 vs. 健太の3試合6選手のインタビューがKNOCK OUTプロモーションから届いている。
KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)暫定王座決定戦 3分5R(延長1R)
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元M-1日本同級王者、元WPMF日本ウェルター級王者)
BLACK スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
中島弘貴(NEXT LEVEL渋谷/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)※LARA TOKYOから所属変更
小田尋久[じんく](TEAM3K)
RED スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/team AKATSUKI/元KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者、元REBELS-REDライト級王者)
健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、元NJKFウェルター級&スーパーウェルター級王者、元Krushスーパー・ウェルター級王者)
津崎善郎「急きょ巡ってきたチャンス。最後まで絶対に倒しにいきます」
―― 急きょ王座のチャンスが巡ってきましたが、この話を聞いたのは?
津崎 9日ですかね。金曜でした。
―― 試合の約2週間前といったところですね。すぐにOKしたんでしょうか?
津崎 そうですね。やらない理由はなかったですから。
―― MASATO選手とは昨年6月に対戦し、津崎選手が2RTKO勝ちしています。あの時の印象は?
津崎 あの時は、たまたま僕の攻撃が当たったから勝てただけで、MASATO選手はしっかりムエタイをしてくる選手だなと思いました。
―― 攻撃が当たったというのは、相性がよかった?
津崎 いや……1R半ぐらいしかやってないですし、ぶっちゃけ運がよかったなというところはあります。今回は相手も絶対に警戒もしてくるだろうし、同じ選手とは思わず、初対戦と思って戦おうと思っています。
―― では、1回勝っているからといって有利ということはない?
津崎 ないですね。昨年12月にカンボジアで試合をして、額を深く切られてTKO負けしたんですね。その傷がけっこう深くて、他の個所も負傷したりして、ケガは癒えたんですけど、練習はそんなにしっかりやってなかったんです。そこにこのお話が来たので、準備期間は少ないといえば少ないんですよ。だからもう少しほしかったなというのはあるんですけど、こんなチャンスをいただいて、そんなことも言ってられないので。僕も24戦やって、年齢も39歳になるので、ここはしっかりチャンスを掴みたいと思います。
―― どういう試合をしたいですか?
津崎 向こうも警戒してくるでしょうけど、それに合わせるということはせず、前回同様、ガンガン出て倒しにいきたいです。
―― 今回は暫定王座決定戦ということになりましたが、タイトルについての思いは?
津崎 僕はREBELSから3回タイトルのチャンスをいただいていて、これが4回目なんですよ。「ベルトを獲ります」とか「絶対勝ちます」とか、そういうのは当たり前なので、今さらそこに向けて何か言うというのもどうかという感じですね。今回は5Rなので、全ラウンド勝ちにいくのは当たり前なんですが、戦うのってキツいじゃないですか。準備期間が2週間ぐらいで減量もやっていて、正直、万全ではないんですよ。とは言っても、どんなにキツくても自分に負けず、絶対に相手を倒しにいくという気持ちについてはカンボジアで学んだところがあって。
―― というと?
津崎 相手のカンボジア人が、最後までずっと僕を殺しにくるんですよ。久しぶりにそんな相手と対戦したというか、REBELSで王座を争った吉田英司選手以来の感覚でした。それをカンボジアで感じたので、今回は本当にどんなにキツくても、最後まで倒しにいきたいと思います。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
津崎 僕も39歳で、試合数ももうすぐ30戦になります。けっこう長いことやってきて、集大成というか生き様というか、そういうものが見える試合にしたいと思っていますので、そこに注目してください。
―― 分かりました。ありがとうございました!
MASATO BRAVELY「カード変更で、タイトル獲得に加えてリベンジも達成します!」
―― まずは昨年11月のクンタップ戦を振り返ると?
MASATO 『KNOCK OUT』で2連敗して背水の陣だったんですけど、意外とクンタップ選手とはファイトスタイルが噛み合って、試合的にはやりやすかったですね。オープンフィンガーグローブ(OFG)だしタイ人なので首相撲とかは相手に有利なのかと思ってたんですけど、試合中、首相撲の時も「意外といけるな」と感じました。
―― OFGでの試合だったことは、どれぐらい影響したと思いますか?
MASATO パンチがガードを抜けたので、そういう点ではOFGがこちらに有利に働いた部分はあったと思います。
―― そのクンタップ選手とのダイレクト・リマッチで王座に挑戦する予定でしたが、クンタップ選手が負傷欠場で津崎善郎選手との暫定王座決定戦に変更されました。カード変更を聞いた時はどう思いましたか?
MASATO 試合の約2週間前で、クンタップ選手に焦点を合わせて練習していたので、「ウソだろ?」って感じでした。まあでも、気持ちを切り替えて臨もうと思ってます。
―― 津崎選手には昨年6月にTKO負けしています。その時の印象は?
MASATO 言い訳がましくなってしまうんですけど、あの時は体調を崩していて、コンディションが本当に最悪でした。でも「絶対に勝てる」と思って臨んでいたので、不発に終わった感があって、自分でも試合後はずっとモヤモヤしていました。
―― だとすると、前回の試合が今回に影響する部分は?
MASATO 前回で相手の動きはだいたい分かりましたし、今回は2回目なので、対策などはしやすいかなと思います。クンタップ戦とは試合内容もかなり変わってくると思うので、対策も練り直してる感じなんですが、津崎選手としても2週間前からの調整になるので、逆に「受けてくれてありがとうございます」という感じなんですよね。そこは何も言い訳できないなとは思ってます。
―― 一度勝った相手とのリマッチのはずが、一度負けた相手との対戦に変わったことになるわけで、なかなか珍しい事態だとは思うんですが。
MASATO そうですね(笑)。ポジティブに考えれば、勝てばリベンジも達成できてベルトも獲得できるということで、一度で二度おいしいのかなと思います。もし僕がクンタップ選手に勝ってチャンピオンになってたら、津崎選手は「俺を差し置いて」と思ったでしょうけど、今回僕が津崎選手に勝ってチャンピオンになれば、みんな納得する順番になるとかなと。
―― では津崎戦はどういう試合にしたいですか?
MASATO 前回はヒジで切られて負けているので、もちろんヒジに気をつけるというのはあるんですけど、今回は最初からこちらが主導権を握っていければと思っています。前回出せなかった自分の実力を見せて、津崎選手の出鼻をくじければと。そして、前回の初勝利が判定だったので、今回は必ずKOで勝ちたいと思っています。
―― ところで、MASATO選手は現役の研修医で「闘うドクター」とも呼ばれています。試合の翌日も勤務だとか?
MASATO そうですね。基本的には翌日も普通に勤務が入っていて、前回も一夜明け会見に出席できませんでした。有給を使えば出席できたんですが、今の勤務先の病院には本当に応援してもらっているので、ここで有休を使うのもなと思って。ダメージで入院とかじゃない限り、翌日も働くのは基本かなと思っています。
―― 勝った翌日の勤務ってどういう心境でしたか?
MASATO 勝っても負けても、試合当日はアドレナリンが出ているので、一睡もできないんですよ。でも、当直業務の翌日も普通に寝ないまま勤務なので、それと変わらないですね。今回も、試合翌日はそのまま勤務の予定です。
―― タイトルマッチという部分については?
MASATO 個人的なことなんですけど……研修医の任期が2年なんですが、今いる埼玉県春日部の病院での勤務が今年の3月末までなんですね。こちらに来て復帰戦をしてから、関係者の方々にも本当に応援してもらっていたので、ここでタイトルマッチというのが僕にとっては本当にベストなタイミングなんですね。ここで勝ってベルトを巻いて、皆さんに恩返しというか、「やってやったぞ!」というのを見せてこの病院を去りたいという気持ちが今は一番強いですね。
―― 今回は病院関係者を含む応援もより大きそうですね。
MASATO はい。関東で復帰戦をして、アウェイのはずなのに応援してくれる人もどんどん増えていて、『KNOCK OUT』での4試合の中でも応援団も一番多く来てくれる予定です。そこは一番のモチベーションになっていますね。
―― 過去にも2本のベルトを獲得した経験がありますが、そこについては?
MASATO 気持ち的には、前2回のタイトルマッチよりも気持ち的には楽というか、プレッシャーもそこまでなくて、いい感じですね。僕がいる医療業界は、なかなか格闘技に対する理解が乏しいんですね。もちろん真逆のことをやっているから、仕方ない部分はあるんですけど(笑)。今回は暫定王座決定戦ですけど、チャンピオンになって注目を浴びるようになったら、医療業界での格闘技の第一人者かつ、格闘技業界での医療の第一人者になれるようになっていきたいなと思っています。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
MASATO 僕は基本的にキックと首相撲中心のスタイルですけど、今回はパンチもいろいろ練習していて、全ての武器を使った戦い方をしていきたいと思っているので、そこに注目してもらえたらと思います。どんな技でもKOできるように仕上げているので。
―― 分かりました。ありがとうございました!
中島弘貴「K-1グループの若手を“普通に”叩き潰します!」
―― 今回の試合から所属がNEXT LEVEL渋谷に変わっていますね。
中島 はい。昨年12月からこちらの所属になりました。ただNEXT LEVEL渋谷では6~7年前からよく出稽古にも行っていたので、そんなに練習環境が変わったというわけではないです。ただ、肩書きが変わって初戦なので、負けられないなという気持ちはあります。
―― そして4月の西川康平戦以来、10ヵ月ぶりのリングですね。
中島 前回の試合で負傷したので、少し空きましたね。ただ負傷個所以外のトレーニングはずっとやっていたので、体はこの間もずっと動かしていました。今は負傷個所もしっかり治って、去年の10月ぐらいからは練習も元通りできているので、大丈夫です。少し試合を休んで、いい気分転換になって気持ち的にもリスタートという感じですね。
―― 試合がなかった間、何か考えたこと、新たにやってみたこととかはありましたか?
中島 何だろう……あ、瞑想をしてましたね。
―― 瞑想! それはどこかに行ったりとか、何か特別なやり方とかで?
中島 いえ、別にそういうわけじゃないんですけど(笑)……もともと以前にやってたことがあって、またちょっとやってみようかなと思って。自分の気を整えるというか、集中することができたので、試合にも生きると思います。
―― そうなんですね。という状況で、今回の相手は小田尋久選手となりました。
中島 K-1グループの選手なので、やることがあるとは思っていませんでした。僕は相手は誰でもいいという感じだし、誰とやっても厳しい戦いになるのは同じだと思っているんですが、ただK-1グループの若手選手を迎え撃つ形なので、普通に叩き潰そうと思っています。
―― K-1グループの選手、その中でも若い選手という部分で、モチベーションに変化はありますか?
中島 僕も長くやってきて、本当に相手どうこうじゃなくなってきてるんですよね。どれだけ自分を整えられるかどうかという感じなので。
―― 小田選手の印象は?
中島 技術もしっかりしていて、いい選手だなと思います。たださっきも言った通り、相手どうこうではないので。
―― 今回はどういう試合をして、どう勝ちたいですか?
中島 KOはマストですね。KOが格闘技で最高のパフォーマンスだと思っているので、しっかりインパクトを残したいです。
―― 久しぶりな上に、今年一発目の試合になります。ここで勝って、どうしていきたいですか?
中島 とにかく白星を重ねていかないと何も言えないというか、1~2回勝ったところで発言権もないと思うので、まずは決まった試合に勝って、倒していきたいと思っています。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
中島 判定のいらない試合をするので、倒すところを見てほしいです。自分の試合でお客さんに何か感じてもらえたら最高ですね。
―― 分かりました。ありがとうございました!
小田尋久「相手がベテランでもフィジカルとパワーで倒します!」
―― 今回はK-1グループから『KNOCK OUT』に初参戦ということになりました。オファーを聞いた時はどう思いましたか?
小田 相手がベテランで元Krushチャンピオンで、僕のジムの代表の近藤大成さんとも対戦経験があるということで、ここで勝てば次につながるというか、自分もKrushのチャンピオンに近づける試合やなと思って、オファーを受けました。
―― 『KNOCK OUT』についてはどういう印象がありましたか?
小田 ヒジありもあったりしますけど、Krushと似てて打撃のKOが多いという印象があって、盛り上がりもすごいなというイメージでしたね。
―― 11月にフランスでタイトルマッチをやって、その再起戦が今回という形ですよね。そこについては?
小田 正直、僕は大会の場所とか舞台よりは対戦相手の方が大事かなと思っていて、それで言ったら中島選手と当たるということは、僕がまだ期待されているというか、「ここはしっかり倒してこいよ」というK-1側からのメッセージみたいなものを感じたので、K-1グループでの試合じゃないからどうこうという意識はないです。
―― なるほど。ではその中島選手については、どういう印象ですか?
小田 試合が決まるまではそこまで意識して見たりはしてなかったですけど、決まってから大成さんと一緒に分析しながら試合を見ました。めちゃめちゃアグレッシブにパワーで押してくるイメージがあって、フィジカル面も強そうやし、パワーもありそうやし、ベテランなんで経験もあるし、そういう点では噛み合うんちゃうかなと思っています。
―― なるほど。
小田 スタイル的には似てると思うんですけど、戦績の数は全然違うので、対峙した時に、こちらが何か仕掛けてもすぐに対処してくるんじゃないかなと思います。
―― 経験では中島選手が上ですが、小田選手にはデビューから5連勝した勢いがあるかと思いますが。
小田 そうですね。5戦目まで勝ち続けて、前回のフランスでの試合でも、フィジカル面とかパワーでは外国人選手にも全然通用するなと思えて、力負け、フィジカル負けしないなという自信にもなったので、そういった部分で自分の強みを生かしたいなと思います。
―― では、勝ってこれたのもフィジカルやパワーの部分が大きい?
小田 はい、デビューから2~3戦は、正直試合中に頭が真っ白になったりしたこともあったんですけど、5戦目の山崎陽一戦(2023年8月)では、試合中に戦略をしっかり出せた部分もあったんで……まあ、完璧ではないですけど……そうやって戦略を実行しつつ自分のフィジカルやパワーを有効に使えたらいいなと思います。
―― 同じベテラン相手の山崎戦、そして初海外&初タイトルマッチとなったフランスでの試合と、経験という点でいい流れではあるんですね。
小田 そうですね、それも含めて、これまで6戦といってもいい経験をさせてもらってるなとは思います。だから中島選手との試合も、経験の差がそこまで出るとは思ってないです。海外選手にリベンジしたいという気持ちもあるので、ここで勝つのはもちろん、どういう内容で勝つのかというところも大事になってくるなと思います。
―― アウェイに乗り込むという気持ちは強いですか?
小田 アウェイというか、『KNOCK OUT』を見てるファンの人とか、いろんな人に知ってもらえるチャンスやなとは思いますね。「今のK-1グループの若手選手はなかなかレベルが高くて強いんやぞ」というのを見せられたらいいなと思います。まあ、小田尋久個人の強さを見せるというのが一番ですけど。
―― ところで、「X」のアカウント名に、「小田尋久(dumbbell尋久)」とあるのは?
小田 一時、リングネームを変えるかもという話があって、周りから「ダンベル」がいいんちゃうかという話になったんですよ(笑)。ジム内でも「マッスル」って呼ばれるぐらい筋トレも好きなので、そんな案が出て。結局改名の話もなくなったんですけど、そこだけ残してて。個人的には本名のままがよかったので、それでよかったです(笑)。
―― では肉体にも注目ですね。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
小田 試合は打撃戦になって噛み合うと思うので、70kgのパワーのある攻撃と、スピード感もある試合展開にしてKOを見せたいと思ってます。迫力のある試合をするので、そこに注目してください。
―― 分かりました。ありがとうございました!
良太郎「赤いベルトはやっぱりほしい。そこにつながる試合を!」
―― 昨年9月のバズーカ巧樹戦以来、5ヵ月ぶりの試合になりました。
良太郎 ああ、もう5ヵ月も経ったんですね。もう5ヵ月ぶりなんだか1年ぶりなんだか分かんないな(笑)。前の試合もあんまり記憶にないし。
―― バズーカ戦は大激闘でしたが、そのせいで試合間隔が空いたわけでも……。
良太郎 いや、全然。単純に忙しすぎるんですよ。3月はすでにヤバくて、関わってる選手が9人ぐらい試合があるんですよ。毎週末が潰れるぐらいは当たり前だったんですけど、地方大会もあったりするし、海外の試合も入ったりして、もはやメチャクチャで(笑)。まあその中で、2月は比較的空くかな?と思ったところに声をかけてもらったんで。でも、その試合の2日前に他の選手の試合が入っちゃったんですよ。水抜きの中での試合はキツいなあ……(笑)。
―― そんな中でも、やれるなら試合はしたいわけですね。
良太郎 まあ、元気ですからね。試合すること自体は全然。
―― 今回は健太選手との対戦になりました。お互いキャリアが長い中で、接点がなかったのはちょっと意外というか。
良太郎 そうですね。健太選手と僕は体重の増減の仕方がちょっと違ったことなんかもあったからかもしれないですが。今回は「そろそろ来るんじゃねえの?」と思ってたらやっぱり、という感じでもありましたけど。
―― どういう印象ですか?
良太郎 何でもできますよね。ただ正直、試合動画とか1回も見てないんですけど。
―― そうなんですか?
良太郎 まあこれは僕だけでしょうけど、関わってる選手の対戦相手とかのこともあるから、何となーくですけど、いろんな選手のデータはほぼほぼ頭に入ってるんですよ。脳内の階級別フォルダに入ってる感じで。最近はMMAのフォルダも入ってきたので大変なんですけど(笑)。
―― では、どういう試合をしてどう勝ちたいですか?
良太郎 普通ならここで「倒します!」とか言うんでしょうけど……いつも通りですよ。その日を迎えるまでは妥協なく仕上げて、その上で当日、リングの上で体がどう動いてくれるかなという感じです。試合は「試す場」なので。
―― ただ、もちろん勝ちたいわけですよね?
良太郎 それはもちろん! 赤いベルトもまだほしいですしね。バズーカちゃんがこの前負けちゃったけど、もう1回ぐらいタイトルマッチやって、ベルトを巻きたいという思いはありますから。
―― では今回も、タイトルに近づけるような試合、勝ち方をしたいと。
良太郎 そうですね、今回も同じ65kgでの試合ですし。
―― では、どんな形で勝ったら満足ですか?
良太郎 別に満足することもないかな? 勝っても負けても明日は来ますからね。この前の試合だって、満足いったのかどうかなんて分かんないし。ただ、試合の中で普段の動きが少ーしでも出てくれれば満足というのはあるかな? 昔からもうそれだけです。普段通りのパフォーマンスが出せれば勝てると思うんですけど、それがなかなか難しいんで。
―― では、そこに相手がどうこうというのはあまり関係ない?
良太郎 そうですねえ。健太さんはほぼほぼ年も同じだし、お互いにずーっとこの舞台でやっていて、別に私怨もないですし。今回も、自分の性能を試せればという感じです。自分に関してはどうでもいいんですよ、壮大な人体実験だと思ってるんで。
―― 人体実験?
良太郎 ずっとそうですよ。減量方法も練習方法も自分の体で試して、それをいかにして下の選手たちに教えていくかという感じで。いつも言ってるんですけど、選手はね、絶対に選手だけやってた方がいいんですよ。僕みたいなポジションに来たら絶対にダメ。バンテージ一つでもいろんな国から素材を集めたり、ミット打ち一つでも世界中の選手の動画を見て研究し。選手たちの体重も管理して、対戦相手の研究もして。それが1年中ひっきりなしに続くので。
―― 聞けば聞くほど、よくその上で自分の試合もやってるなと思いますけどね(笑)。
良太郎 自分でもよくやってると思いますよ(笑)。でもまあ、いつも通り飄々とやってますよ。思い詰めたらうつになっちゃうからダメなんですよ。
―― いろんなことがよく分かりました(笑)。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
良太郎 チームの代表をやってトレーナーもやりながら選手をやっても、普通にここまでやれるんだよ、というところですかね。そういう部分を見てもらえればと思います。
―― 分かりました。ありがとうございました!
健太「熟成ワインのような味のある試合をお楽しみあれ!」
―― 健太選手が『KNOCK OUT』初期の中心選手の一人だったことを知っているファンももう少ないですよね。
健太 何だって?(笑) でもまあ、確かにそうですよね。第1回大会に出たのが2017年2月で、最後に出たのが2019年2月なので……そこからでも5年経ってますからね。時が経つのは早いなあ~(笑)。
―― 今の『KNOCK OUT』には心直選手を通じての関わりもありましたが、どんな印象を持っていましたか?
健太 若い選手がすごく活躍してるなあと思いますね。自分が年取っただけかもしれないですけど(笑)。華やかでイベント性が高くて、いいイベントだと思いますね。
―― その『KNOCK OUT』に、現体制となってからは初参戦となりました。
健太 今言われたように、僕が出ていたことも知らない人がほとんどになった頃に、初参戦みたいな気持ちで出場して、自分を知らなかった層に健太の魅力を伝えられたらと思ってます。
―― そして、今回は良太郎選手です。若い選手も台頭している中で、ベテラン対決となりました。
健太 オッサン対決ですよ(笑)。僕が36歳、良太郎選手が35歳。もうね、そこをテーマにするしかないですよ。若い選手が多いリングで、オッサン対決の魅力、逆に若い人にはできない泥試合を見せてやりますよ。確かに、若い選手のようなスピードとか勢いはないかもしれない。でも30半ばになっても、一つの勝利に向けて頑張ってるわけですよ。「何でそんなに頑張るの?」っていうね、そういう泥臭い2人の激突ですよね。ハイスピード、ハイテクニックの戦いだけが魅力的なわけじゃないと思ってるんで。そんな試合もあってもいいかなと思ってます。
―― なるほど。良太郎選手についてはどういう印象ですか?
健太 見た目はおっかなくて、ヤカラ系の印象ですよね。でも見た目とは裏腹にムエタイスタイルで、気持ちが強い選手なんだなと思います。さらに指導者として誠心誠意キックに向き合ってるなというのが伝わってきて、その点では尊敬しかないですね。
―― 健太選手はどういう試合をしようと思っていますか?
健太 いつも通りなんですけど、何が何でも負けない、そういう気持ちで戦おうと思います。もしかしたら、泥臭い2人の戦いに見ている人も心を打たれるかもしれない。そういう戦いですね。
―― しかも健太選手は、今もものすごい勢いで試合をしていますよね。
健太 また増えてきてますね。次が116戦目ですか。「そんなに続けて試合して大丈夫なの?」って言われるんですけど、日常の中で常にトレーニングをしていることで、バランスを保っているので。試合をするために、ジムでトレーニングしてミット打ちして走って筋トレして……ということを繰り返して、さらに普段から健康的な食生活を心がけることによって、全てのバランスが保たれているわけです。「試合こそが我が人生」ですね。
―― 大きなケガをしないからこそ、そんなにやれるわけですしね。
健太 もちろん! 実はあちこちケガしているのを隠してて……というわけでもないですからね。
―― ただ、SNSを見るとお酒はかなり飲むんですよね?
健太 ホントはよくないんですけどね(笑)。でも、人生にはQOL(クォリティ・オブ・ライフ=生活の質)も必要ですから。要はお酒以外のところを徹底すれば問題ないんですよ。「俺は飲むからもういいや」と諦めるんじゃなくて、飲むからこそ、他の部分を徹底的に節制する感じです。
―― でもけっこうな量のような……。
健太 飲む時はね(笑)。あと、僕はワインしか飲まないんで。もうワインに目覚めて4~5年になるんですけど、人生って何があるか分からないですよね。この年でワインに目覚めるなんて。ワインもフレッシュな魅力のものもありますし、長期熟成して、時間をかけておいしさが引き出されるものもありますからね。キックボクシングだって、荒削りな若手が無鉄砲にやり合うのが好きな人もいれば、僕らみたいに熟練の攻防を気に入ってくれる人もいるわけですよ。そこは、ワインもキックボクシングも嗜好の問題ですから。
―― 健太選手と良太郎選手は、熟成した魅力を見せると。
健太 そうですね。タンニンばっしばしの若いワインがお好みの方もいるでしょうけど、僕らみたいなのにもきっと魅力があるんですよ。ほぼほぼ同世代の僕らが泥臭い試合を展開して、そこに一人でも心打たれる人がいてくれればという、そんな試合をしますよ。
―― 健太選手は最近特にいろんな団体に出ているので、「主戦場」ってないじゃないですか。その中で、例えば『KNOCK OUT』のタイトルなんかは意識したりしてるんでしょうか?
健太 僕はとにかく、戦い続けたいんです。それで今は「さすらいの格闘家」になった感じもあるんですけどね。今年1月には中国のウルムチで試合して、地獄みたいな思いもしてきましたけど(笑)。戦いのエクスタシーを求めて世界中を駆け巡るさすらいの格闘家、健太ということで。
―― それはカッコいいんですけど(笑)、では『KNOCK OUT』に継続して出るつもりはない?
健太 いやいや、そこはタイミングですよ。久しぶりにベルトも巻きたいですしね。最後に……いや、最後じゃないか(笑)。先のことは分からないですから、そこは巡り合わせですね。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
健太 今回はREDルールなので、僕のヒジに注目してください。それと意地ですね。「意地とヒジ」。見てくれ俺のヒジ、からの意地。
―― お後がよろしいようで(笑)。ありがとうございました!
対戦カード
BLACK フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
龍聖(Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)
川上 叶[きょう](龍生塾/シュートボクシング日本フェザー級1位・元王者、元同バンタム級王者)
BLACK 59kg契約 3分3R(延長1R)
久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5kg)王者・元REDスーパーフェザー級(60kg)王者)
チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP/武林新一代フェザー級トーナメント2021優勝)
RED スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKAムエタイ&WBCムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者、WKF・BOSCH TOUR・SUPER 8インターナショナル同級王者、WKF南米&アルゼンチン同級王者)
デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/M-1 JAPANスーパーウェルター級王者)
KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)暫定王座決定戦 3分5R(延長1R)
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元M-1日本同級王者、元WPMF日本ウェルター級王者)
RED スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/team AKATSUKI/元KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者、元REBELS-REDライト級王者)
健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、元NJKFウェルター級&スーパーウェルター級王者、元Krushスーパー・ウェルター級王者)
BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
大谷翔司(スクランブル渋谷/元INNOVATIONライト級王者)
キム・ウスン[Kim Woo Seung](韓国/仁川ムビジム/2023年K-COMBATアジアトーナメント優勝)
BLACK スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
中島弘貴(NEXT LEVEL渋谷/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)※LARA TOKYOから所属変更
小田尋久[じんく](TEAM3K)
BLACK ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
渡部太基(TEAM TEPPEN/元Krush&WPMF日本ウェルター級王者)
漁鬼(SHINE沖縄/TENKAICHI&BEASTウェルター級王者)
RED スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
優翔[ゆうと](team NOVA)
新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
柿﨑 瑠(クロスポイント大泉)
タネ♡ヨシキ(直心会)
BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
羽黒慈夢(クロスポイント大泉)
小森玲哉(ONE’S GOAL)
BLACK バンタム級(53.5kg) 3分3R(延長1R)
川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)
柚子貴[ゆずき](京都野口GYM)
※BLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。REDルールは肘有りキックルール
概要
大会名 PURE BIOKEYZ presents KNOCK OUT 2024 vol.1
日時 2024年2月25日(日) 開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・未定 開始・17:30
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席 20,000円(完売) RS席 10,000円(完売) S席 8,000円 A席 6,000円 小中学生 1,000円(当日のみ) ※当日券16時より販売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料 ※小中学生券の詳細はKNOCK OUT公式HP参照
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ イープラス チケットぴあ ローソンチケット 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/