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Report

seido第3回ウェイト制オープントーナメント 全日本空手道選手権大会
主催・正道会館
2001年9月2日(日)大阪府立体育会館

【軽重量級】

優勝 沢田秀男(東大阪)
準優勝 外岡真徳(総本部)
三位 子安慎悟(東京本部) 福永規男(中部)

<準々決勝>
▼子安慎悟(東京本部)(判定5ー0)内藤さと志(士道館)
子安が相手の攻撃を見切って、自分のペースで試合を進めた。
▼外岡真徳(総本部)(再延長5ー0)松本勇三(秀武館)
他流派との対戦。外岡は昨年の中量級の優勝者の意地として負けられない。(判定0ー0 延長2ー0)
▼福永規男(中部)(判定5ー0)中尾信明(広島)
福永が相手の嫌な所へと効かせていった。
▼沢田秀男(東大阪)(判定5ー0)鈴木修司(東京本部)
沢田の気合い全開。ベテランを相手に突き、中段の蹴りを効かせ、前へと出ていく組み手。

<準決勝>
▼外岡真徳(総本部)(試し割り 12−16)子安慎悟(東京本部)
昨年の中量級、軽重量級の優勝者同士の対戦。とにかく、技がきれいで動きに無駄がない。子安の突きから下段へのコンビネーション。外岡のフットワーク、攻めに入る時のスピード。思わず「うまい」と声が漏れる。本戦は互いに技を見切り、ダメージも少ない。気持ちとして攻めに出る外岡が有利か。(判定0ー0)
 延長に入り、子安が「警戒していた」という外岡の左上段蹴りが出てくる。対する子安はパンチから下段の蹴り、捕まる前に離れる。右左に構えをかえる外岡の蹴りは読みづらい。(延長0ー0)


 再延長に入ってもスピードは落ちない二人。子安の蹴りに合わせ軸足を刈る外岡。バランスがいいはずの子安が足を刈られてくずれる場面が出てくる。冷静に子安の攻めを見て左上段を狙う外岡。だが、決定的な場面はなかった。(再延長0ー1)
 両者のプライドは試し割りにもつれこむ。試し割りの瓦の枚数は両者の申告で決まる。まず、子安が20枚を申告。外岡は25枚を。それを受けて子安が30枚と申告。ここは外岡も30枚を申告。結果は、4枚差で外岡の勝利。子安の二連覇はならなかった。

▼福永規男(中部)(判定0ー5)沢田秀男(東大阪)
 子安が敗れたのを見た事で、より気合いの入った二人。タイプとしてどちらもガンガンいきたい方であり、負けん気の強さもあり、ひく気持ちは無い。若い沢田の攻撃を「こい」とばかりに受け止める福永。中段の蹴りをふりわけアウトローへつなぐ沢田。ボディの打ち合いになるとどちらもひかない。どちらも全力でぶつかり、力をだした満足感が見えた。しかし、判定は、確実に相手に技を効かせていた沢田のものだった。

<決勝>
▼外岡真徳(総本部)(試し割り13−16)沢田秀男(東大阪)
 今回の重軽量級の決勝は、ベスト4の誰が上がってきてもおかしく無いと思った。また、準々決勝での戦いぶりも4人とも調子よく甲乙つけがたいものだった。外岡が子安との技術戦を勝ち抜き、沢田が一試合目から変わらぬ勢いで福永を敗り勝ち上がってきた。両者とも大阪の選手であり、共に練習する事も多い同士の決勝となった。互いに手の内がわかるのかやりにくそう。外岡がステップワークと体の入れ替えを上手く使い、自分に有利な距離を取っていく。沢田の攻めを見切って逆に相手の得意のアウトローを返していく外岡。沢田の軸足をかって倒そうとするが沢田は倒れない。(判定0ー0)
 沢田がバックステップを使う外岡を追いかけるが、単発になる。近い間合いに入ろうとする外岡を中段の蹴りで近付けない沢田。外岡の攻めをかわす沢田の目は「倒してやる」と言わんばかり。対する外岡は、表情をあまり変えずに攻めていく。(延長0ー0)

 再延長に入ると接近戦が多くなり沢田は突きを効かせての下段の蹴りをねらい、外岡はヒザ蹴りと上段の左を出していくが決定的では無い。両者組んでの突きの出し合いも互いにダメージを与えるものにはなっていなかった。(再延長0ー1)
 外岡は2回目の瓦割となった。今までの試合での疲労も大きいに違い無い。両者の申告枚数は同じ25枚。結果は3枚の差。今日、一番の勢いを味方につけた沢田が、昨年の結果をバネに優勝を果たした。

 沢田は、大会の一週間前にこう語っていた。

−−全日本にむけてどうですか?
「倒しにいきますよ。判定とかじゃなくて、倒しにいきますよ」
−−打倒子安選手、ですか?
「そうですね(笑)。K-1でも、どこでも行っててください。」
−−空手は俺に任せろと
「そうですね。(子安選手と)当たるとしたら、決勝しかないんで、倒して、優勝します。勝つ事しか考えてないんで」

 そして、試合後。

−−今日の結果は?
「嬉しいです。満足してます。やっと、軌道に乗ってきたっていうか、自分のスタイルで組み手ができた。」
−−スタイル?
「飛ばずに、フットワークでなく。固めてはいるけど、いつでも蹴れる体制にして」
−−外岡選手は?
「やりにくかった。行ったろうかなという気持ちと、行かしてくれないもどかしさがあって。こっちの思いどおりにさせてくれない。上手いです。」
−−子安選手とはやりたかった?
「いえ、優勝したかっただけだから。」
−−優勝して今度は追われる立場になりましたが?
「いえ、優勝はしたけど、追う立場の気持ちです」


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レポート:仲村直  写真:井田英登

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