(レポ&写真) [修斗] 9.8 後楽園:マモル、1Rで快勝。山下反則勝ち
サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦 Supported by Crymson" 2006年9月8日(金) 東京・後楽園ホール 認定:インターナショナル修斗コミッション
レポート:本庄功志 写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
◆ サムライTVにて中継! 9月10日(日)18:00〜20:00ほか
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第11試合 メインイベント 57kg契約 5分2R ○マモル(シューティングジム横浜/バンタム級世界王者) ×エリカス・ススロヴァス(リトアニア/アウドラ・MMAブシドーチーム) 1R 2'14" TKO (レフェリーストップ:右ミドルキック→パンチ連打)
ススロヴァスは弱冠19歳というだけあり顔は幼い。年の差10歳の戦いは、やはり大人なマモルが相手を子供扱い。ススロヴァスがいきなり組み付いてくるものの、マモルは驚くことも無く冷静に突き放す。スタンドでのススロヴァスのパンチはマモルの圧力の影響もあってか大振り気味。これでは王者を倒せないと思うや、マモルの右ミドルがクリーンヒットし、一発で相手がうずくまる。その後ボディを絡めたパンチの連打で試合を終わらせ、マモルがチャンピオンとして格の違いを見せ付けた。
◆マモル「ほっとしました。まあ正直役不足でしたけど、いい経験になりました。(試合は)いきなり組んできたのは想定の範囲内ですね。いたずらに怪我させない為にも、早く終わらせました。若い選手は初めてで、最初バーッと来ると思ったんですけど来なくて。自分は様子見ながら力を使わずパンチで行こうかなと。ヒザも出したかったんですけどね。(ミドルの感触は?)いつも通り蹴ったら、いいところに入って『あっ、終わったな』と思いました。それなりにメインの仕事はできたかなと。 怪我もなく、ダメージもなければどんどん試合をしていきたいです。修斗内の防衛記録を作りたいですね。最終的にはボクシングの具志堅さんの13回の記録を上回って、14回防衛するという風に志は大きく、総合格闘技のパウンドフォーパウンドと呼ばれるようになりたいです。 10月(パシフィコ横浜大会)も出るんですけど、タイトルマッチをやるのかっていうのは相手決まってないんでどうなんですかね?(BJが今日良い勝ち方をしたが?)まあ一回やってますけど、前回ドローだったので観ている人は決着を楽しみにしてるんじゃないですかね」
第10試合 セミファイナル ライトヘビー級 5分3R ○山下志功(パラエストラ札幌/世界王者) ×グラヴィダス・スマイリス(リトアニア/ローニナス・リトアニア・ブシドーチーム/欧州3位) 2R 3'21" 反則失格 (再三のロープつかみ) ※グラヴィダスはロープをつかむ反則により1Rに減点1、2Rに減点2。その後もロープをつかんだため、失格が宣告された。 序盤山下が組んでテイクダウンを取りにいくも、スマイリスがロープをつかみグラウンドの展開に持ち込めない。ならばと引き込んでからリバーサルして上になるも、上手く相手に立たれてしまう。スタンドなるとスマイリスの打撃で山下はいいようにやられて出血してしまい、ドクターチェックが入る。再開されるも度々パンチをもらってしまい、不安なまま1R終了となる。 2Rに入り山下は、距離を潰し組んで果敢にテイクダウンを狙う。しかしスマイリスがことごとくロープをつかんで逃れようとし、レフェリーは失格を宣告。なんとも後味の悪い内容になってしまった。
◆山下「申し訳ないです。消えてなくなりたいです。倒して早い段階で極めに行こうと思ってたんですけど、相手が上手く倒れなくて焦りました。(ベルトを取って初めての試合だったが?)プレッシャーは特になかったですね。(もらったパンチは?)自分頑丈なんで効きはしなかったですけど、痛かったです。今回は寝技で早く決めてやろうと思ってうたんですけど、うまくいかなかったですね。 (相手のロープつかみについて)最初気付かず、なんで倒れないんだろうと思ってて焦ったんですけど、僕の寝技を警戒してくれてたのかなと。反則を何回も繰り返して試合が終わるなんて思っていなくて、また注意して離されて試合再開っていうのが続いたら嫌だなと思ってました。今回ライトヘビーのレベルが高い事を証明して、盛り上げたかったんですけど、上手く強いところが出せなくて悔しいです」
第9試合 バンタム級 5分3R
○BJ(AACC/世界3位)
×下川雄生(K'z FACTORY/世界6位)
2R 4'00" 一本 (チョークスリーパーホールド)
2005年の新人王トーナメントで優勝し、今年5月にはいきなり世界ランカーに勝利し勢いに乗っている下川。しかし今回の対戦相手はランクも経験も上のBJ。下川がバンタム級下克上を果たすのか、またはBJが返り討ちにするのか今後のバンタム級を占う重要な一戦だと言える。
やはり勢いのある選手は試合でもその“流れ”をすぐさま爆発させることができる。下川が左ストレートから一気に距離を詰めると、テイクダウンを奪いマウント、バックと瞬時に有利なポジションを取る。下川の健闘に会場は大いに沸く。
しかしBJはそのまま立つと、反対のコーナーまで歩いていく余裕ぶりを見せる。下川は構わずコーナーに寄りかかりがむしゃらにパンチ。だがBJの顔は終始冷静で、下川の足のフックが緩んでくると上手く正面を向き、さし返して上になるとラウンド終了。
2R、BJが投げて上になると、相手の動きに合わせてバックを奪取。そこからじりじりと首にプレッシャーをかけ、アゴが上がってきた下川の首を絞めBJがトップランカーとしての洗礼を浴びせた。
◆BJ「最初は踏み込んだところを上手くさされてしまい、情けないところを見せました。ちょっと一発やらせてみて、2004年と2005年の新人王の格の違いを見せようかなと。前回チャンピオンとドローだったので、ここで勝たないとマモルさんにも悪いしトップランカーの人達にも申し訳ないですから。
(スリーパーは)じわじわと入ってきてました。相手のアゴがだんだん上がってきていたので。でもタップしない感じがしたので、殺す感じで思いっきり絞めてやりました。まあこの結果で上のランカーの人、トップの人とやるのは恐いんだなと思ってもらえれば。もちろん下川選手を弱いとは思っていないです。経験の差、練習量の違いじゃないですかね。自分はとりあえず早くチャンピオンになりたいので、早く1位の阿部(マサトシ)選手とやるチャンスをもらって、王者に挑戦する権利を勝ち取りたいですね」
第8試合 バンタム級 5分3R
○漆谷康宏(和術慧舟會RJW/世界4位)
×高橋大児(秋本道場JUNGLE JUNCTION/世界10位)
判定3-0 (鈴木30-26/菅野30-26/若林30-26)
※1R高橋に左ハイキックでダウン1
試合当日に30歳の誕生日を迎えた漆谷。「誕生日おめでとー!」と一部のファンから祝福の声が聞こえる。漆谷はキックの試合経験があり、それもあってか打撃では高橋を一枚も二枚も上回る。序盤漆谷が左ハイで高橋からダウンを奪うも、深入りせずアウトボクシングを展開。また、ローで下に意識を散らしてハイと蹴り分け、高橋はガードはするものの手一杯といった様子だ。2、3Rと両者手数は少ないものの、常に先手は漆谷で高橋のパンチもフットワークでかわし決定打一つももらわず。飛びヒザも交え攻める漆谷だったが、相手のガードは堅く、判定にまでいくもののフルマークで完勝した。
◆漆谷「詰めきれなかったです。でも回を重ねるごとに進歩していますね。1、2Rはテイクダウンされても相手のスタミナを奪う為立っていこうと思っていました。3Rは倒されてもいいやという感じです。キックの経験は生かされているので、基本スタンドでいきたいので。バースデーにKOできなくて残念です。タイトルに絡めなくてつまらないですけど、上の人を一人づつ潰して行こうと思っています」
第7試合 ウェルター級 5分3R
○天突頑丈(PUREBRED大宮/環太平洋7位)
×八隅孝平(パラエストラ東京)
1R 2'46" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
八隅のセコンドには中井祐樹、青木真也、北岡悟とバラエティに富んだメンバーが付く。しかし試合は天突の圧勝だった。序盤は八隅が上になるも、天突が突き放してスタンドに戻し、すぐさまグラウンドで上になる。得意の形になり、左のパウンドを放つと一発で八隅が効いた様子を見せる。その後1発、2発とパウンドをクリーンヒットさせると八隅の顔が大きく揺れ勝負あり。すぐさま試合は止められ、天突が何もさせずパウンド殺を果たした。
第6試合 ライト級 5分2R
○田村彰敏(津田沼道場/環太平洋9位)
×粕谷さかえ(K'zファクトリー)
1R 2'16" 一本 (腕ひしぎ十字固め)
田村が右ミドルで牽制し、パンチを放ったところに柏谷がタックルでテイクダウン。しかし、下から田村が腕十字をキャッチ。粘る柏谷だったが、体が回転し腕を伸ばされると力尽きタップした。
第5試合 ライト級 5分2R
○孫 煌進(スクランブル渋谷)
×村山英慈(シューティングジム八景)
判定3-0 (若林19-16/鈴木19-16/菅野19-16)
※1R 村山に左フック、左ハイキックでダウン3
1Rに孫が左フック、左ハイ、左フックと三度のダウンを奪うも倒しきれず2Rへ。村山はテイクダウンして上になるも、押さえが甘く逃げられてしまう。孫はスタンドでKOしにいこうという姿勢は見られるも、回復してきた村山に1R同様のクリーンヒットは見られず。しかし判定では文句なしに孫が勝利した。
第4試合 バンタム級 5分2R
○正城ユウキ(クロスワンジム湘南)
×岡田剛史(TKエスペランサ)
判定3-0 (鈴木20-19/若林20-18/横山20-18)
正城のローをもらううち、岡田はスタンドで棒立ちなり、バランスを崩してしまう。岡田は引き込んだり、飛びつき腕十字を狙ってグラウンドに持ち込みたいものの、正城は付き合わずイノキアリ状態から蹴りを見舞っていく。グラウンドの展開になると岡田はすぐ仕掛けに入り光るものを見せるものの、正城は冷静に対処しスタンド打撃でプレッシャーをかけ、相手のスタミナを奪い主導権を維持し勝利した。
第3試合 ウェルター級(新人王決定トーナメント2回戦) 5分2R
○佐々木信治(BURST)
×アローイ石橋(パラエストラ札幌)
1R 2'52" 一本 (三角絞め)
アローイは黒のロングスパッツに黄色いパンツを合わせ、なんとも奇抜な組み合わせの格好。佐々木がパンチで突進すると、それに合わせアローイが回し蹴り。しかしバランスを崩し佐々木がグラウンドで上になる。すぐさまアローイがリバーサルするも、佐々木が下からじわじわと足を上げていき三角絞めを極め、難なく勝利を収めた。
第2試合 フェザー級(新人王決定トーナメント準決勝) 5分2R
×Atsushi13号(パラエストラ東京)
○松本輝之(シューティングジム大阪)
判定0-3 (17-20/17-20/17-20)
※1R Atsushiに左フックによるダウン1
松本が1R中盤にパンチの打ち合いから左フックでダウンを奪う。またコーナーに詰めてはヒザを放ちスタンドでは松本有利。スタンドの打撃で負があるAtsushiはグラウンドに持ち込みたいものの、松本の腰が重く思うようにいかない。結局スタンドでペースを握っていた松本の判定勝ち。
第1試合 ライトヘビー級(新人王決定トーナメント準決勝) 5分2R
○武田光博(パラエストラ函館)
×古川“ジュウザ”誠史(相補体術)
2R 2'37" 一本 (チキンウィングアームロック)
武田がテイクダウンで終始上になるも、古川が下から腕十字、三角と仕掛けていきなかなか強いパウンドが打てない。武田は2Rにテイクダウンを奪われるも、コーナーを上手く使いリバーサルすると、相手の腕を絞り上げアームロックを極めた。
Last Update : 09/11 19:55
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