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(レポ&写真) [修斗] 11.12 後楽園:松根が初防衛。海外勢全勝

サステイン "クリムゾン・プレゼンツ プロフェッショナル修斗公式戦 WANNA SHOOTO 2004"
2004年11月12日(金) 東京・後楽園ホール
認定:インターナショナル修斗コミッション

  レポート:井原芳徳、若葉り子(山崎戦)
  写真:井原芳徳、小林秀貴(左写真、福本戦、高橋戦、リオン戦)
  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第10試合 メインイベント 世界フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
○松根良太(パレストラ松戸/王者)
×今泉堅太郎(SKアブソリュート/1位)
判定2-1 (横山30-29/菅野29-30/鈴木30-28)

※松根が初防衛

 スタンドでの間合いの状態から互いにパンチを振り出方を伺う展開が続いたが、1R中盤、松根の右フックがヒット。差し合いと間合いが繰り返されるうちに、松根がどんどん有利になっていき、パンチで追い掛けると今泉が背中を向けて逃げるという場面が繰り返される。
 2Rも同様の展開。今泉はセコンドの郷野聡寛を思わせる変則的なステップを踏んで松根を挑発するが、郷野のような強気は感じられず、どこか苦し紛れにやっているような雰囲気。結局以降も松根がコーナーに押し込んでは、離れて今泉が回って逃げるという展開が最後まで繰り返され試合終了。主導権を握り続けた松根が勝利し、王座防衛に成功した。

 とはいえ判定は2-1。何を見て菅野ジャッジが今泉の3R目にポイントを付けたのかは不明だが(3Rの松根が消極的だったという見方もできなくもない)、松根にしても何度もチャンスがありながらも今泉を追い詰めきれなかったのも確か。リング上で松根は「試合内容に満足していない人が多いと思うけど、僕は(防衛できたことに)満足しています」と率直に感想を述べた。その飾り気の無さも松根の一つの魅力ではある。しかし“修斗ジャンキー”と名乗るのなら、単に王座奪取・防衛して松根のファン・関係者だけを喜ばせるだけに留まらず、ルミナ・マッハ・宇野たち先輩シューターのように、修斗ファン全体を感動させるようなファイトをそろそろ見せて欲しいところだ。

第9試合 ウェルター級 5分3R
×杉江“アマゾン”大輔(ALIVE/世界7位)
○石田光洋(Team TOPS/世界10位)
判定0-3 (菅野29-30/浦28-30/鈴木28-30)


 試合前からアマゾンをにらみ付ける石田。しつこいタックルで上になるイメージが強いが、アマゾンの粘り腰が相手となるとそう簡単にはいかない。お互いテイクダウンを許さない緊張感あふれる試合展開が続く。1R残り1分、アマゾンの投げ狙いを潰し、石田がテイクダウンに成功するも、アマゾンも下から抱きつき防御。五分のまま迎えた2Rもスタンドでの相撲状態が続く。
 しかし中盤、石田の右フックがアマゾンのアゴにヒット。アマゾンは組み付いて防御するが、次第に劣勢になり、終盤には石田にタックルを決められ、サイドポジションを許してしまう。
 3Rも石田が序盤からローキックとボディブローで主導権を握り、タックルでテイクダウン。その後アマゾンもタックルで石田を倒しにかかるが、石田を場外に出してしまい、ブレイクがかかり不運な流れに。結局石田にも決定的な攻撃が見られなかったが、1R・2Rにポイントを稼ぎ、判定勝ちをおさめた。

第8試合 ウェルター級 5分3R
×福本よう一(和術慧舟會千葉支部)
○ジャスティン・ブルックマン(カナダ/シャオ・フランコ)
判定0-3 (横山27-30/浦27-30/鈴木27-30)


 先に上になったブルックマンは、マウントから片腕を枕にしてパンチを落とし攻勢。だがバックを奪いかけた瞬間に福本は脱出して上に。持ち上げて叩き付ける等派手な動きも見せ、反撃を仕掛ける。  
 だが2R、ブルックマンが強引に放ったパンチをもらうと劣勢に。強烈なパウンドを浴びる。3Rもブルックマンの勢いは衰えず、マウント、バックマウントで攻勢。最後福本は上になるも、攻め手に欠いたまま試合終了のゴングを聞いた。

第7試合 ウェルター級 5分3R
×八隅孝平(パレストラ東京/環太平洋8位)
○ヤニ・ラックス(スウェーデン/チーム・スカンジナビア/欧州2位)
2R 3'25" フロントスリーパーホールド


 1R、タックルでテイクダウンに成功した八隅。ギロチンに捕まるが、落ち着いて外して上になると、足関とパスガード狙いで攻勢。だがなかなかチャンスにつながらず、2Rも同じように上になると膠着。逆にラックスに下からアームロックを狙われスイープを許す。そして猪木アリ状態の後、スタンドに戻ると、八隅のタックルに合わせてラックスは1Rと同じギロチン。これがガッチリと極まり、八隅はギブアップした。ラックスは以前の来日時に比べて別人のように成長を遂げ、北欧修斗シーンの充実ぶりを印象づけた。

第6試合 ウェルター級 5分3R
×山崎 剛(チームGRABAKA)
○ダニーロ・シェアマン(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
判定0-3 (浦28-30/横山28-30/鈴木28-29)


 1R、山崎がローとパンチで牽制しながらシャアマンの周りを反時計回りに回転する。対するシャアマンも打撃を突破口に組み付くと、山崎をコーナーに押し込み左のヒザをアバラに叩き込み、強引に投げる。山崎が下から仕掛けるがパンチを降らせると強引に山崎を抱え上げてスタンドに戻し、ロープ際に押し込むとヒザを連打〜強引に投げる。下になった山崎もシャアマンの左腕を絡め取るがシャアマンがパワーで持ち上げてバックマウントを奪いパンチを落とす中でゴング。
 2R、山崎のミドルキック、右カウンターが冴える。焦ったシャアマンは強引に組み付いてテイクダウンすると、中腰状態から重たいパンチを容赦なく落としていく。山崎も三角を狙いなんとかチャンスを見出そうとするがパンチの豪雨の中でゴング。
 3R、山崎の左右のローに強引を浴びつつも強引に突っ込むと、ロープで跳ね返った山崎の背中をすかさず制するシャアマン。チョークを狙うシャアマンに対して、思い切り体重を前にかけ、前転しながらシャアマンを落とすと、ついに上をとった山崎。シャアマンは山崎の手首を下から捉えてガードをするが、逆に山崎はその手首を取って固めようとする。最後まで1本を狙って粘り強く攻める山崎に対して、多少イラついた様子のシャアマンだったが、ゴングを聞くと自らの勝利を確信したガッツポーズ。判定3-0でブラジルの新人が初来日戦を勝利で飾った。
 かなり荒削りではあるものの、粘り腰とグラウンドでのしつこい打撃というノヴァウニオンらしい戦いぶりを見せた。


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第5試合 バンタム級 5分2R
○高橋大児(秋本道場JUNGLE JUNCTION)
×HIRO(総合格闘技STF)
判定3-0 (浦20-18/菅野20-18/鈴木20-19)


 1R、高橋がテイクダウンで2度上になるも、今一つ攻めあぐねる展開。1度目のテイクダウンではこう着状態となり、レフェリーがブレイクをかける。
 2Rも同じ展開で試合が進む。3分過ぎ、高橋がサイドにまわり、ニーインザベリーからマウント。肩固めを狙う中でゴング。テイクダウン〜上をキープした高橋が判定3-0で勝利した。

第4試合 フェザー級 5分2R
×小塚誠司(PUREBRED大宮)
○大沢ケンジ(WKシュターズスクール)
判定0-3 (浦18-20/横山19-20/鈴木18-20)


 1Rはキックボクシングで比較的静かな展開だが、大沢がやや優勢。2R中盤、大沢が左膝2発で追い詰めテイクダウン。その後大沢は鼻血を出してしまったが、主導権をキープし判定勝ちした。

第3試合 新人王決定トーナメント・ライト級決勝 5分2R
○リオン武(シューティングジム横浜)
×碓氷早矢手(和術慧舟會RJW)
2R 4'58" TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)

※リオンがライト級新人王に

 リオンが右ハイ、右インローで攻め込み、スリップしたところ、すかさず組み付いて投げを見せる碓氷。しつこくグラウンドに持ち込もうとする碓氷に対して、リオンは打撃のコンビネーションで挑む。終了間際、リオンの右ハイがクリーンヒット。碓氷はゴングと同時にダウンする。
 2R、碓氷も打撃で応戦。右、左を着実に打ち込み、リオンをコーナーに押し込むと細かいインローでリオンの足を弱らせる。お互い火花が散るような打撃戦を繰り広げる中で、またも終了間際、リオンの右ストレートが碓氷の顔面をとらえ、碓氷はダウン。熱戦を制し、新人王となったリオンは、「次は中原太陽選手とやりたい」とマイクアピールした。

第2試合 新人王決定トーナメント・ウェルター級決勝 5分2R
×内村世己(パレストラ東京)
○遠藤雄介(木口ワークアウトスタジオ)
1R 1'42" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

※遠藤がウェルター級新人王に

 内村のタックルを遠藤がガブると、ハーフガードからパンチと鉄槌を落とす。最初はそれほどダメージが無いように見えたが、次第に効力を発揮し、内村は失神。だがレフェリーの死角で内村は失神したため、失神した後も数秒殴り続ける危険な状態となってしまい、試合後数分間リング上で内村はうなだれていた。
 修斗以外の日本の総合格闘技では、レフェリー以外にもサブレフェリーがリング下を動き回って反則や選手のコンディションをチェックしている。修斗もそろそろその集団レフェリングのシステムを採用する時期に差し掛かっているのではと感じた。

第1試合 新人王決定トーナメント・バンタム級決勝 5分2R
△BJ(AACC)
△赤木敏倫(格闘技道場コブラ会)
判定1-0 (菅野18-18/鈴木17-17/浦19-18)

※判定ポイントで勝ったBJがバンタム級新人王に

 トリッキーな動きから組み付くと、すぐにバック、サイドと移行しBJの腕を絞り上げる赤木。1分過ぎで早くもキャッチが入る。だがBJは体の柔らかさを活かし数分間耐え抜き脱出。今度は両者の足の極め合いに。最後はBJが上からのパンチ連打で反撃。赤木は鼻血を出し苦しそう。一転不利な展開に。
 2RもBJペース。テイクダウンすると上からパンチの連打を軸に、バックからチョークを狙う。ほどけると今度はバックサイドに移行し更にパンチ。ラスト1分、完全にロデオスタイルになって赤木を痛めつける。赤木はグロッキー状態だが鈴木レフェリーは止めず、そのまま試合時間いっぱいまで続行。ダメージでは明らかに赤木の負けだったが、1Rの赤木のアームロックが評価されドロー。わずか1ポイントの僅差ながらBJが新人王の座についた。

Last Update : 11/26 13:44

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