ホーストカップ 7.23 名古屋国際会議場(レポ):松田龍聖、スーパーフライ級王座奪取後初戦はタイ人選手に勝利。山田航暉もタイ人に勝利し松田の王座挑戦熱望、松田は「いつでもかかってきてください」
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2023年7月23日(日)愛知・名古屋国際会議場 イベントホール
記事提供:アーネストホーストジムJAPAN(試合紹介:布施鋼治)
※通常ルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックボクシングルール。EXルールは肘有り・キャッチ&アタック制限無し
松田龍聖、スーパーフライ級王座奪取後初戦はタイ人選手に勝利
第12試合 トリプルメインイベント 53kg契約 3分3R(延長1R)
○松田龍聖[りゅうき](大原道場/HOOST CUP日本スーパーフライ級王者)
×ニーロー・ソーブンメリット[Niroj Sor.Boonmeerit](タイ/元タイ・ソンクラー県ライトフライ級王者)
判定3-0 (29-28/30-28/29-28)
デビュー以来無敗の快進撃を続け、今年3月の京都大会ではHOOST CUPでは長らく無敵だった王者・滉大を撃破し日本スーパーフライ級王座を奪取した“西の龍聖”こと松田龍聖。それから4カ月、今夜は記念すべき戴冠後の第1戦を迎える。
「長年王座を守り続けていた滉大選手に勝てるなんてすごすぎると周囲に驚かれました。勝因?スピードのある王者を上回るスピードをつける練習をしてきたからだと思います」
以前からホープとして期待されていた松田だが、昨年12月の名古屋大会で元ルンピニーのランカーだったタナデーを2Rに右フックで撃破したことをきっかけに一躍脚光を浴びるようになった。今夜はタナデー戦に続いてのタイ人を相手にした国際戦となるが抜かりはない。
「ニーローはガツガツ前に出て打ち合ってくる印象がある。ムエタイファイターに負けない蹴りを練習してきたので、蹴り技に注目してほしい」
もっともニーローはムエタイと国際式ボクシングではタイでも最大手となるペッティンディプロモーション推薦の選手で、タイ国ソンクラー県ではライトフライ級王座を奪取したこともある実力派。王者として次なるステップに進みたい松田にとっては格好のハードルだ。
「HOOST CUP王者としてRISEスーパーフライ級王者の大﨑一貴選手を倒して世界の舞台に打って出たい」
かつてHOOST CUPでは滉大が一貴と孔稀の大﨑兄弟と熾烈な勝負を繰り広げた記録が残っている。果たして西の龍聖は持ち前の足腰の強さと動体視力を活かしたうえで、強豪ムエタイ戦士という高い壁を鮮やかに飛び越えることができるか。17歳の可能性は無限大だ。
序盤からタナデーを倒した場面を彷彿させるように、スピードと手数で押し切る松田。ニーローはがっちりガードして、大きなクリーンヒットは許さないが、松田のスピードにやりくさをみせている。松田のコンビネーションでニーローのアゴをはねあげさせるが、ニーローも気が強くミドルを負けじと返す。ワンキャッチからの攻撃などムニーローのムエタイならではのインサイドワークも、松田は冷静に捌く。1R終盤、刈るようなニーローの右ハイキックが松田を襲うが、松田はローキックのカウンターでこかせダメージを逃れる。
2R以降も松田がときおりラッシュを仕掛けたたみかけるが、ニーローはしっかりガードしのいで時折カウンターパンチを合わせる。あいかわらずクリーンヒットと手数で圧倒する松田だが、終盤、ニーローも反撃し激しい攻防が続いたところでタイムアップ。3-0フルマークの判定で松田の勝利となる。不慣れなルールにかかわらず対応力を見せたニーローの今後にも期待大である。
山田航暉もタイ人に勝利し松田の王座挑戦熱望、松田は「いつでもかかってきてください」
第10試合 セミファイナル EXルール 54kg契約 3分3R(延長1R)
○山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
×シンラタム・ファイタームエタイ(タイ/ペッティンディープロモーション)
4R 判定2-0 (10-9/10-9/10-10)
3R 判定ドロー
元WMC日本スーパーフライ級王者の山田航暉が強豪ムエタイ戦士を迎え撃つ。地元での打倒ムエタイにキング・ムエの切り込み隊長は自信満々だ。「シンラタムは長身でヒジとヒザが強いけど、1~2Rで自分がKO勝ちすると思います。1R目は様子見みたいになったらそこで倒すかも」
今年2月のNO KICK NO LIFEバンタム級賞金トーナメントでは一回戦で唯一KO勝ち。その勢いで5月の準決勝では花岡竜と対峙したが、飛びヒザ蹴りの前にKO負けを喫した。しかしショックからは既に立ち直っている。
「結果としては惨敗だったけど、闘ってみた間隔ではあのレベルとも全然(普通に)闘っていける。そこまで差はなかったように思う」
その花岡戦で得た教訓は試合中に焦らないということ。実力未知数のシンラタムを相手に、山田はその教訓を活かして勝利を収めることができるか。
序盤から積極的に攻撃を仕掛ける山田だが、シンラタムも、リーチを生かした前蹴りで突き放し、ミドル、右肘を強振し、序盤からダメージを奪いにくる。なんとか中に入って攻撃を当てたい山田だが、伸びのあるシンラタムの危険な右ストレートがおびやかす。
2Rに入り、ローキックとボディー攻撃に切り替えた山田の攻撃に、ニーローの攻撃がやや鈍り始め、3R本戦判定はドロー、延長ラウンドへ。
相変わらずリーチを生かした攻撃でおびやかすシンラタムだが、徐々に山田が、パンチ、ローをクリンヒットさせはじめ、後半押し切った山田の勝利となった。
山田は試合後のマイクで、現HOOST CUP日本スーパーフライ級王者の松田龍聖のタイトル挑戦をアピールした。
[編集部追記]山田は「今、チャンピオンクラスとしか対戦をしていないですが、ベルトを持っていないので、そろそろベルトが欲しいので、ホーストカップ53kgの松田龍聖選手、対戦よろしくお願いします」と話した。
山田の2試合後、ニーローに勝利した松田はベルトを肩にかけながらマイクを持ち「なんかさっきの試合で、山田選手が僕と戦いたいと言っていたんですけど、僕は逃げも隠れもしません。いつでもかかってきてください。以上です」と回答し、山田との防衛戦を承諾している。
福岡から参戦の松島勲也、地元愛知・匡志YAMATOとの延長戦制す
第13試合 トリプルメインイベント EXルール 72kg契約 3分3R(延長1R)
×匡志[まさし]YAMATO(大和ジム/WBCムエタイ日本スーパーウェルター級王者、元NJKF同級王者、元HOOST CUP日本EXミドル級王者)
○松島勲也[いざや](MSJキックボクシングジム/IMCインターナショナル・ミドル級王者、元J-NETWORKミドル級王者、KOSスーパーウェルター級王者)
4R 判定1-2 (10-9/9-10/9-10)
3R 判定1-0
生まれ育った九州を拠点に活動し、父親が現役の宣教師ということから“闘うクリスチャン”の異名を持つ松島勲也がBOM推薦選手としてHOOST CUPに初見参。中京地区一の老舗・大和ジムのプレーイングマネージャーとして活動する匡志YAMATOと拳を交わす。
「キック熱がある選手たちはほとんどみな上京して大きなジムに移籍する。でも、僕は地元福岡から、育ててもらったジムからもっと上のステージで強い選手を倒してやろうという意気込みでいる。地方の選手たちにもっとスポットライトが当たるように、自分が先陣を切って闘いたい」
現在は1引き分けを挟んで連勝中だが、「雨降って地固まる」という諺通り、松島は浮かれることはなく逆に気を引き締めている。
「自分のスタイルがブレて勝敗に影響していたけど、ぼくの闘い方はこうだと再認識できたので練習はいい調子で取り組めています」
対する匡志はジム代表に就任以来多忙を極め選手としては結果を残せていなかったが、今年になって仕切り直すことができたという。
「昨年はジム経営と自分の練習時間の確保などいろいろ悩んでいました。今年5月にタイへ1カ月ほど滞在して練習していました。ラジャダムナンでも試合をしました」
松島とは「他団体の同階級の王者なので、いずれ闘うことになる」という予感を抱いていた。
「パンチに自信があり、トータルでも強い印象がある。倒しにきてほしい。僕には自信しかない。KO勝ちは狙っていません。『どうやったら匡志に勝てるんだ?』と思わせるような試合をしたい」
泥臭くても勝つ。匡志の執念は勝利の女神に届くのか。
序盤から両者のゲームプランの違いは歴然。プレッシャーやフェイントをかけながら強打を振るう松島に対し、距離をとって、ロー、ミドルとヒットさせる匡志YAMATO。序盤、強烈なローキックをヒットさせ印象付ける匡志だが、松島も説得力のある左ボディーの強打をたびたびヒットさせる。隙間から、左フック、ストレートをヒットさせやや匡志有利かと思われた本戦3Rは、1-0のドローにより延長ラウンドへ。
延長ラウンドも闘い方を崩さず、距離をとってロー、左ミドルをヒットさせる匡志に、強打を振るう松島。縦ヒジを狙う匡志だがクリーンヒットせず。 ヒット数で勝ったかに見える匡志だが、アグレッシブネスと後半の印象点で、延長判定は2-1のスプリットで松島に軍杯が上がる。復帰戦勝利を逃した匡志だが、どちらに転んでも良い内容だった試合だけに今後にも期待。
ミヤギン、ジャイロ楠をローで沈める。楠の王座懸け再戦へ
第11試合 トリプルメインイベント ヘビー級 3分3R(延長1R)
×ジャイロ楠(ブラジル/チームジャイロ/HOOST CUPヘビー級王者、元J-NETWORK王者)
○ミヤギン(Team BONDS)
2R 2’48” TKO (3ダウン:右ローキック)
昨年12月の名古屋大会でマウンテンRYOGOから1Rにパンチの連打で立て続ける3度ダウンを奪いヘビー級王者となったジャイロ楠。その勢いで今年5月には東京で開催されたKICKBOXING WORLDCUPでアーネスト・ホースト推薦のブライアン・ドゥエスの右ローキックの前にKO負けを喫し、戴冠後の初戦で白星を飾ることができなかった。
「やっぱり国内のヘビー級のローと比べたら、破壊力が全然違っていました。足のディフェンスの練習がちょっと足りなかった。その反省を活かし、ディフェンスの練習はもうやっています」
今夜は再起第1戦となるが、青コーナーから登場するミヤギンはまだ知名度こそないものの強敵だ。昨年7月HOOST CUP名古屋大会ではマツダ・ホネルを1R KOに葬った。直近と試合となる今年5月のMAX吉田戦も1RKOで勝ち名乗りを受けている。
「もともと(兵庫県姫路市にある)TEAM BONDSに筋トレ目的で入会。練習しているうちにキックのアマチュア大会に出場するようになりました。やっているうちにプロでも試合がしたいと思い、プロのリングを目指すようになりました」
しかも、過去の6勝のうち4勝は1RKOで仕留めている。それだけパンチ力には自信を持つが、ボクシング出身のジャイロは「パンチ力は自分の方が強い。経験も自分の方が豊富。ミヤギンはちょっと強いと思うけど、地元の名古屋で負けたくない。得意の右ボディか左フックで倒すよ」と宣言する。
どちらが勝つにせよ、危険な匂いしかしない。KO決着必至のヘビー級戦だ。
ジャイロ楠は、左膝にサポーターを巻いた状態でリングイン、ミヤギンにはなみなみならぬ決意の表情がみられる。
開始早々、強打を振りかざすジャイロ、冷静にフットワークとボディーワークでかわすミヤギン。当たれば首がもげそうなジャイロの強打の空振りに会場がどよめく。
2Rに入り、集中力をとぎらせず見切ったミヤギンが強打を返す場面も見られ、タイミングが合い始めたローキックもヒット。たまらずダウンするジャイロ。立ち上がるが3回目のダウンでレフェリーがSTOPし、ミヤギンのKO勝利となった。
また、ジャイロが保持するHOOST CUP日本ヘビー級タイトルをかけたダイレクトリマッチが決定した。
第8試合 EXルール 61kg契約 3分3R(延長1R)
○RISING大輝(RISING己道会/INNOVATIONスーパーフェザー級4位)
×宮本雅大(ハーデスワークアウトジム)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
※3R、宮本にパンチ連打でダウン1あり
第7試合 EX特別ルール(肘無し) 51.5kg契約 3分3R(延長1R)
×西田光汰(西田キックボクシングジム/NJKFフライ級7位)
○芝宏二郎(ジムファイターズ)
2R 1’30” TKO (3ダウン)
第6試合 72kg契約 3分3R
○康輝(キング・ムエ)
×松下 烈(薩摩ジム)
判定3-0 (30-27/30-28/30-26)
※2R松下に右ストレートでダウン1あり
第5試合 60kg契約 3分3R
×ノラシン・スペチアーレジム(タイ/OISHI GYM/元ルンピニー認定ライトフライ級&フライ級王者、元ラジャダムナン認定ライトフライ級王者)※伊藤勇大(OISHI GYM)から変更
○上村康太(真正会)
2R 1’38” KO (バックスピンキック)
第4試合 53kg契約 3分3R
×羽田翔太(キックスターズジャパン)
○岡田直巳(キング・ムエ)
3R 0’51” TKO (左フック)
※羽田に1R、2Rカーフキックでダウン2あり
第3試合 60kg契約 3分3R
○中野龍一(朋武館)
×八田 塁(PFP)
2R 2’27” TKO (3ダウン)
第2試合 60kg契約 3分3R
○豪(GRATINESS)
×後藤匠希(GET OVER)
3R 0’32” TKO (左フック)
第1試合 51.5kg契約 3分3R
×サガエ・マテウス(ブラジリアン・タイ)
○雄飛(チームドラゴン)
判定0-3 (26-29/26-29/26-29)
オープニングファイト・プロ第2試合 85kg契約 3分3R
×澁木勇紀(GRATINESS)
○ギルメ・オリベイラ(ブラジル/ブラジリアンタイ)
判定0-3 (28-29/28-30/28-29)
※2R、澁木にハイキックでダウン1あり
オープニングファイト・プロ第1試合 61kg契約 3分3R
○信井鷹志(大原道場)
×ジョン・ハーヴェイ(CIKIジム)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)