ONE 11.19(昼)シンガポール(レポ):ロッタン、ラシリを圧倒し4度目の防衛。クリスチャン・リー、アバゾフとの消耗戦制し2階級制覇
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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ONE Championship「ONE on Prime Video (ONE FIGHT NIGHT) 4: Abbasov vs. Lee」
2022年11月19日 (土) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship
ロッタン、ラシリを圧倒し4度目の防衛
第8試合 コーメインイベント ONEムエタイ・フライ級チャンピオンシップ 3分5R
○ロッタン・ジットムアンノン(王者)
×ジョセフ・ラシリ(挑戦者、ムエタイ・ストロー級王者)
判定3-0 (50-43/50-43/50-43)
※ロッタンが4度目の防衛
11月1日の武尊のK-1独立発表後、ロッタンはSNS上で対戦要求し、武尊も呼応。両者の対戦を望む機運が高まる中、ロッタンが防衛戦に臨んだ。今回は2階級のONEムエタイ王者対決。ラシリのほうが長身だが、本来1階級下のため、線の細さは隠せない。
試合はロッタンのワンマンショーに。1R、ロッタンが序盤から左ボディから右ストレートの連打をクリーンヒット。すり足でプレッシャーをかけ続け、ラシリのパンチをかわし、もらってもアゴを叩いて挑発し、早速持ち味を発揮。観客を楽しませる。
2R、ロッタンは左ボディを効かせラシリを後退させると、追いかけながら左肘もヒット。ラシリは腰が落ち尻もちをつきかけるが、ギリギリで立ち上がる。その後も圧をかけ続けパンチを随所で当てラシリを圧倒する。
3R、ロッタンはサウスポー主体で時折スイッチもしつつ、終始圧をかけ、左ミドル、ボディと顔面へのパンチを的確に当て続ける。下がり続けるラシリを時折挑発し、観客を沸かせる。
4Rもロッタンペース。オーソドックス主体でプレッシャーをかけ続け、終盤には左ボディを強打してラシリを苦しめると、追いかけ続けてから顔面へのワンツーを当ててダウンを奪う。
5Rもロッタンが前に出続け、中盤にラシリがバックハンドブローを当てれば、手を振って挑発しながら左ボディをヒット。終盤にはサウスポーでガードを下げて後退して誘ってから、左右のパンチを連打しまたもダウンを奪う。最後は笑いながら前に出てパンチも時折まとめ終了。ロッタンが7ポイントの差をつけ判定勝ちした。
なお、ONEは米国アマゾンプライム中継シリーズの2回目(10月1日大会)から、同シリーズの判定決着の試合のみだが、ジャッジペーパーをプレスリリースで発表するようになった。
クリスチャン・リー、アバゾフとの消耗戦制し2階級制覇
第9試合 メインイベント ONE MMAウェルター級チャンピオンシップ(186.25ポンド契約) 5分5R
×キャムラン・アバゾフ(元ウェルター級王者)
○クリスチャン・リー(ライト級王者)
4R 4’20” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※リーが王者に
※アバゾフが計量で185ポンドのウェルター級リミットを1.25ポンド(567g)オーバーしウェルター級王座はく奪された。計量をクリアしたリーが勝った場合のみ王者として認定される。186.25ポンド契約で試合実施。アバゾフはファイトマネーの20%をリーに譲渡する
1R、リー中盤、両脇を差して抱えて倒すが、アバゾフは寝た状態を継続せずすぐに立つ。しかし計量オーバーのアバゾフは、この立つ動きで既に体力を使った様子で、リーは左右のストレートを当て、打撃でも苦しめる。ところが中盤過ぎ、リーが前に出て来ると、アバゾフが左右のストレートの連打でダウンを奪い形勢逆転。パンチラッシュでリーを追い詰める。だがアバゾフも力が入りきらず、リーは終盤、アバゾフを押し込むと、抱えて倒してマウントを奪い、またも逆転した状態で終える。1R終了時点で両者とも3Rほど戦ったような消耗具合だ。
2R、リーは序盤からテイクダウンを奪いマウントを奪い、早速主導権。だがアバゾフはブリッジで脱出する。リーは変わらず前に出るものの、疲れているためパンチもテイクダウンも力が入らず、有効な攻めにつなげられなくなってしまう。
3R、打撃戦が続くが、お互い有効打が乏しい状態。中盤、リーは押し込んでテイクダウンを狙うが、アバゾフは耐える。離れて打撃戦に戻るが、お互い口が開き肩で息をし、動きが緩慢で、ガードを上げるのもしんどそうだ。
4Rも同様にお互い疲れているため攻めあぐねるが、中盤、リーの右ストレートのヒットが増えると、アバゾフが金網を背負うシチュエーションが増える。そしてリーが右のカーフキックを当てると、アバゾフはフラつき、表情が曇り限界に達した様子に。リーも消耗していてなかなか追撃ができないが、最後は右の前蹴りをボディに当ててから、タックルで倒すと、マウントを奪い、肘とパウンドを連打したところで、ハーブ・ディーン・レフェリーがストップ。リーが消耗戦を制し、なんとか2階級制覇を果たした。
第7試合 MMA バンタム級 5分3R
○ビビアーノ・フェルナンデス(3位、元王者)
×マーク・ステファン・ロマン(5位)
判定3-0
※計量で145ポンドのバンタム級リミットをフェルナンデスは6.5ポンド(2.95kg)、ロマンは8.25ポンド(3.742kg)オーバー。153.25ポンド契約で試合を実施
フィリピンの新鋭・ロマンはBrave CFバンタム級王座を4度防衛し、昨年12月にONEに初登場しユサップ・サーデュラエフに1R TKO勝ちし、今年3月に佐藤将光に判定勝ちし2連勝。ビビアーノは3月大会のバンタム級タイトルマッチでジョン・リネカーに2RKO負けし王座陥落して以来の試合。この時が約2年半ぶりの試合で、同月末には42歳になったこともあり、今回もコンディションが心配された。さらに今回はビビアーノもロマンも計量で失敗する、異例の試合となる。
1R、ロマンがサウスポーで構えながらプレッシャーをかけ続け、左のストレート、ミドル等の打撃を積極的に出して主導権を握る。中盤にはすぐスタンドに戻るが、ロマンがタックルでテイクダウンに成功する。ビビアーノはなかなか手が出ず、終盤にタックルを仕掛けるが、ロマンに切られ金網に押し込まれてしまう。ビビアーノは体の厚み自体は以前と変わらないが、動きが鈍くなっている感は否めない。
2R、ビビアーノは開始すぐ、ロマンの蹴り足をすくいつつ右ストレートを当てて倒し先手を取る。するとロマンに押し込まれるが、ロマンのタックルを潰しながらバックに回る。世界で頂点に立ったブラジリアン柔術の引き出しを活かすが、完全に足を回してバックを取るとこはできず、体力で勝るロマンはひねって向き直す。ビビアーノは下から腕十字を狙うが、ロマンは振りほどいて脱出する。中盤以降、ロマンがトップキープし、パウンドを時折当てて主導権を維持する。
3R、ビビアーノは挽回を狙って前に出るが、ロマンは距離を取りつつ、じわじわ左のミドル、ハイ、ローとヒットを増やし、中盤にはタックルを仕掛け、抱え上げて倒して場内を沸かせると、バックに回って金網際で押さえ込む。終盤、ロマンは上から押さえ、パウンドを当て続け終了。ロマンが元王者を圧倒して判定勝ちした。体重超過の影響は考慮しないといけないが、王座挑戦に一歩近づいたのは確かだ。
第6試合 ムエタイ ウェルター級 3分3R
○コスモ・アレクサンドレ
×ジュアン・セルバンテス
2R 1’23” KO
第5試合 MMA バンタム級 5分3R
○キム・ジェウォン
×ケビン・ベリンゴン
1R 2’33” TKO
【リードカード】
第4試合 ムエタイ バンタム級 3分3R
○ジョナサン・ハガティー(フライ級4位)
×ウラジーミル・クズミン
判定2-0 (29-28/29-28/29-29)
※ハガティーが計量で145ポンドのバンタム級リミットを3ポンド(1.36kg)オーバー 。148ポンド契約で試合実施。ハガティーはファイトマネーの20%をクズミンに譲渡する
第3試合 MMA ウェルター級 5分3R
○ルスラン・エミベック・ウフール
×イシ・フィティケフ
判定2-1
第2試合 グラップリング 女子アトム級 10分一本勝負
○ダニエル・ケリー
×マリア・モルチャノバ
2’15” 裸絞め
第1試合 ムエタイ ライト級 3分3R
○リアム・ノーラン
×エディ・アバソロ
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)