ホーストカップ 12.27 名古屋国際会議場:大石駿介、マキ・チャーチャイとドロー。小川翔、健太に判定勝ち
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グループエスカラデーPRESENTS HOOST CUP KINGS NAGOYA 8 ~ナゴヤチャンピオンカーニバル~
2020年12月27日(日)名古屋国際会議場 イベントホール
記事提供:アーネストホーストジムJAPAN
※EXルールは肘有りの通常キックルール。それ以外は肘無し・つかんでからの攻撃は1回のキックルール
NIGHT FIGHT
例年外国人選手を招聘してきた今大会だが、今回は新型コロナの影響により国内在住選手のみの出場で開催。会場でも感染対策を徹底して大会が運営された。
オープニングセレモニーでは土居龍晴代表による挨拶の他、アーネスト・ホーストによる日本語のビデオメッセージがスクリーンに映され「コロナの問題は世界でも大きな問題ですが、私たちはコロナの問題とファイトします。お願いします。オス!」とコロナと戦う決意が語られた。
第6試合 トリプルメインイベント ISKA認定試合 ISKAムエタイルール 63.5kg契約 3分5R
△大石駿介(OISHI GYM/ISKAムエタイ世界スーパーライト級王者)
△マキ・チャーチャイ(タイ/真樹ジムAICHI/元ルンピニー認定スーパーバンタム級3位)
判定0-1 (46-48/47-47/47-47)
今大会もHOOST CUP名古屋大会のメインを締めるのは、地元名古屋の大石駿介。強烈なパンチを武器に、2018年から3大会連続でメインイベントで外国人選手と対戦し勝利を挙げてきた。今やHOOST CUPを背負う存在となった大石に立ち向かうのは、同じく名古屋を拠点とする在日タイ人選手で、ムエタイの殿堂ルンピニースタジアムの元ランカー、マキ・チャーチャイ。
本来は大石の保持するISKA王座を懸けた試合を組むはずだったが、コロナの影響もありマッチメイクが難航。ISKAとの協議の結果、認定試合を行うこととなり対戦相手に手を挙げたチャーチャイとの一戦が決定した。
1R、いきなり手を伸ばし組んで行くチャーチャイ、声を上げながらボディへヒザを打っていく。距離を測るように軽い前蹴りを飛ばすチャーチャイ。大石はそこにジャブ、ストレートを合わせる。チャーチャイの蹴り足を大石がキャッチしてこかす場面も。大石はじりじりとプレッシャーをかけてロー、右ストレートを飛ばす。
2R、ミドル、ハイと蹴り中心のチャーチャイに大石はボディ、アッパーとパンチも織り交ぜて返す。チャーチャイの蹴りがローブローとなり一時中断。口頭で注意が与えられる。再開後、チャーチャイが首相撲から右ヒジを当てると大石は顔をしかめる。ブレイクとなるもチャーチャイはさらに組み付きロープ際でテンカオ、ヒジを乱れ打ち。すると左ヒジが顔面にヒットし大石がダウン。立ち上がった後、下がる大石をチャーチャイは詰めてなおもヒザ、ヒジ。大石は詰められながらも左ボディ、右ストレートで応戦する。
3R、左ボディを当てる大石、しかしチャーチャイは効いてないというように首を振りヒジを返す。大石のボディが音を立てて何度も当たるがチャーチャイの前進は止まらない。大石も首相撲ではヒザを返すが常に押し込むのはチャーチャイ。右フック左ボディの大石にチャーチャイはニヤリと笑う。大石はハイキックや縦ヒジで前に出るがチャーチャイもミドルを返す。
4R、右フックから左ボディの大石、チャーチャイは首相撲からヒザ、そして離れ際にヒジ、徹底してボディ狙いの大石は、パンチでロープに詰めるもチャーチャイは決定打を許さない。チャーチャイは前蹴りも大石はそれをキャッチしてストレート。ラウンドが終わると笑顔のチャーチャイは応援団に両手を挙げて勝利をアピール。
最終5ラウンドも大石がロープに詰めて強烈なボディを当てる、チャーチャイはやや流しに入ったか組み付きを多用、ガッチリと腕をロックして追撃を許さない。組みにくるチャーチャイを振りほどこうとする大石。縦ヒジや跳びヒザも見せる。終盤、右ストレートを狙う大石だがチャーチャイは上手く距離を取り当てさせない。決定打を許さないまま試合終了となった。判定はジャッジ一人がチャーチャイにつけたが残り二人はドロー。まさかのダウンを奪われた大石だったが後半挽回して何とか王者の面目を保った。終始笑顔だったチャーチャイの明るさもあってか、試合は真剣勝負ながら楽しさもある雰囲気に。試合後、両者は笑顔で抱き合った。
第5試合 トリプルメインイベント HOOST CUP日本ライト級(60kg)王座決定戦 3分3R(最大延長2R)
○マキ・ピンサヤーム(真樹ジムAICHI/元ルンピニー2冠王・元MA日本フェザー級王者)
×久井淳平(多田ジム/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
判定3-0 (30-26/30-26/30-25)
※ピンサヤームが王者に
2カ月前に激闘を繰り広げたばかりの両者がタイトルを懸けて再戦。前王者、中嶋平八の長期間の怪我によるタイトル返上に伴い、実現した今回の一戦。マキ・ピンサヤームはムエタイの殿堂ルンピニーで2階級制覇を達成し、日本では数々の選手を破ってきた“日本人キラー”としても知られる。
久井淳平はJAPAN KICK INNOVATIONスーパーフェザー級王者を持ち、10月大会でピンサヤームと対戦した際は圧倒的不利な下馬評ながら、ジャブやふくらはぎを蹴るカーフキックなどでピンサヤームを苦しめ、判定で敗れながら大きな印象を残した。
ヒジありだった前回のEXルールとは異なり、今回はヒジなしで、クリンチからの攻撃も一回のみのワンキャッチ・ワンアタックルール。ベルトを懸けての再戦は、果たしてどのような展開となるのか。
1R、互いにゆったりとしたリズムから久井は前蹴り、ロー。ピンサヤームはじっくりと見ながら、強いミドル、ハイ、ストレートを飛ばす。ピンサヤームはローからボディ、フックを当てる、久井は得意のカーフキックを飛ばしつつ、ボディストレートも当てる。
2R、久井は右ボディや左ストレートを強振。対するピンサヤームは右ロー。久井はスイッチを繰り返しながら左右のストレートやカーフキックを当てるが、ピンサヤームはプレッシャーを強めて久井をロープに詰めインロー、さらに右フック、左ストレートとパンチもヒットさせる。
3R、互いにインローから、近い距離でフックの打ち合いになる。するとピンサヤームの左フックで久井がダウン。立ち上がった久井にピンサヤームは右ハイ、さらに右フックでぐらつかせて連打を浴びせる。久井もなんとか踏ん張りミドルを放つがピンサヤームは蹴り足をつかんで右ストレートで2度目のダウンを奪う。再び久井が立つとピンサヤームはもう無理に攻め込まない。久井は組みになると簡単に振りほどかれ体に力が入っていない様子。逆転を狙い打ち合いに出た久井にピンサヤームはパンチ、ハイキックを返す。試合は判定となり、2度のダウンを奪ったピンサヤームが大差で勝利。“日本人キラー”の実力を見せつけHOOST CUPのベルトを手にした。
第4試合 トリプルメインイベント HOOST CUP日本スーパーライト級(63kg)タイトルマッチ 3分3R(最大延長2R)
○小川 翔(OISHI GYM/王者、WBCムエタイ日本統一ライト級王者)
×健太(E.S.G/挑戦者、WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
判定3-0 (30-29/30-28/30-27)
※小川が防衛
国内中量級屈指の好カードが実現。日本スーパーライト級のベルトを懸けて戦う両者はどちらも鋼の肉体を持つ強豪だ。王者・小川は2018年5月大会で麻原将平を破りベルトを獲得。強烈なローキックと、打たれても揺るがない体幹の強さとタフさで国内トップ選手と渡り合ってきた。
対する健太はボディビルダーのような筋肉がトレードマーク。ハイペースで試合をこなし、94戦のキャリアを誇るベテランだ。これまでNJKFウェルター級王者、WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、Krush70Kg王者を獲得し、HOOST CUPでは4冠王、ダニロ・ザノリニに勝利している実力者。
王者・小川は地元でのタイトルマッチで難敵・健太相手にベルトを守れるか。
1R、インローで先制は小川。健太もワンツーから右ローを当てる。インローに合わせて右を振る健太に小川も右を返す。健太は蹴りをキャッチしてボディへパンチ。小川のローをカットしつつ、ヒザを内側にひねるようにして受ける場面も。だが小川は構わずローを蹴り続ける。インローを受けて健太の内ももは早くも赤く腫れあがっている。
2R、小川の蹴りに合わせて健太は左フック、左ボディ。小川はガードを固めてフック、そして健太の打ち終わりにロー、強いミドルを放つ。健太はジャブを突き、アッパーなども混ぜ様々なパターンで攻めていく。健太のボディ、左フックが快音を響かせるが小川は効いたそぶりをみせず前に出ると、健太の軸足を刈るように蹴って転倒させる。
3R、変わらずローの小川に、健太は3発、4発とパンチのコンビネーション。小川の右ストレートで健太の顔が跳ね上がる場面も。近い距離で押し合うようにしながら打ち合う場面が増える。ウィービングしながら細かく連打を放つ健太に対し、小川は一発一発を強打、さらにローへつなぐ。互いに手数が一切減らないままゴング。両者とも両手を挙げてアピールした。判定は3-0で小川。健太のテクニックをローキックと強靭なフィジカルで押し切り王座防衛を果たした。
マイクを持った小川は「何とか防衛することができました。でも本当に健太選手は強くて、どんどん前に来てやりづらい感じだったので微妙な試合になってしまったんですけど、会長たちと健太選手の対策を一緒にやって来たので自信を持って戦うことができました」とコメント。
そして試合後、かつて小川に敗れベルトを失った初代王者・麻原将平がリングへ。小川の防衛成功を祝いつつ、「次の防衛戦の相手、是非自分も候補に入れてください、押忍」と挑戦者に名乗りを上げた。
第3試合 セミファイナル EXルール 63.5kg契約 3分3R(延長1R)
○真吾YAMATO(大和ジム/NJKFスーパーライト級1位)
×増井侑輝(真樹ジムAICHI/シュートボクシング日本ライト級3位)
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
第2試合 EXルール 55kg契約 3分3R
○HΛL(OISHI GYM)
×甲斐元太郎(理心塾/NJKFスーパーバンタム級6位)
2R 3’00” TKO (右フック)
第1試合 55kg契約 3分3R
×浅岡竜大(BFA SEED)
○大久保峻(修徳會)
判定2-0 (30-29/30-29/29-29)
DAY FIGHT
第6試合 トリプルメインイベント HOOST CUP日本EXミドル級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(最大延長2R)
○匡志YAMATO(大和ジム/王者、NJKFウェルター級王者)※初防衛戦
×小原俊之(キング・ムエ/挑戦者、J-NETWORKミドル級3位)
判定2-0 (29-28/29-28/29-29)
※匡志YAMATOは計量で500gオーバー。減点1、グローブハンデ(匡志10オンス、小原8オンス)の状態でスタート。
昼夜興行、昼の部のトリを飾るのはヒジありで行われるEXルールのミドル級王座戦。王者の匡志YAMATOはNJKFスーパーウェルター級王者でもあり、昨年12月大会でチューチャイ・ハーデスワークアウトジムを下してHOOST CUPのベルトを手にし二冠王となった。
対する小原俊之は国内ムエタイジムのエリート集団、福田海斗を介する「キング・ムエ」所属。183㎝の長身から繰り出されるヒザ、ヒジを武器にし、前戦では11月のREBELSで第5回Air KBZミャンマーラウェイ75kg級世界王者の渡慶次幸平を相手にヒジでTKO勝利を挙げている。
両選手は5年前の新人時代に「HOOST CUP KINGS NAGOYA」にて対戦し、小原が判定2-0で勝利。王者となった匡志はリベンジと防衛を、小原は再び勝利してベルト獲得を狙う。
1R、オーソドックスの匡志とサウスポーの小原。匡志がインローから入りミドルを蹴ると、小原は匡志のミドルをキャッチしてミドルを返す。左ミドル中心に試合を組み立てる小原に、匡志はその打ち終わりにローを返す。詰めるのは匡志、縦ヒジ、右ストレートを飛ばす。
2R、小原はミドル、匡志はローの蹴り合い。首相撲の離れ際に左の縦ヒジは小原、さらに左ストレートも飛ばし、距離が詰まると縦ヒジを狙う。匡志もジャブからロー、左ストレートを当てる。
3R、ゴングと共にすぐ前へ出る両者。小原の左ミドルに合わせてワンツーの匡志。首相撲の展開が多くなり、互いに太ももへヒザ。匡志がプレッシャーを掛けワンツー、左フックを当てるも小原はミドルを返し、縦ヒジで飛び込む。ガムシャラに前へ出る匡志に小原は押されながらも前蹴り、左ストレートを返す。判定は2-0で匡志。勝利したものの王者・匡志の体重オーバーにより王座は空位に。マイクを渡された匡志は謝罪の言葉を述べ「また1から這い上がっていきます」と勝ちながら再起を誓った。
第5試合 トリプルメインイベント EXルール 68kg契約 3分3R(延長1R)
○洋輔YAMATO(大和ジム/NJKFウェルター級王者)
×蛇鬼将矢(テツジム/NKBウェルター級王者)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)
異なる団体の現役チャンピオン同士の対決はHOOST CUPならではの一戦。洋輔YAMATOはこれまで何度もHOOST CUPに参戦し、今年10月の大阪大会で佐野克海との王座決定戦を制しNJKFウェルター級王座を獲得。
対するはHOOST CUP初参戦の蛇鬼将矢。こちらも10月に稲葉裕哉に勝利しNKBウェルター級王者になったばかり。パンチの蛇鬼将矢、蹴りの洋輔YAMATOという対照的なスタイルの両者。王者のプライドをかけた一戦はどちらに軍配が上がるのか。
1R、互いにローを何度も交錯させる。ブラジリアンキックや掛け蹴りなど変則的なキックを見せる蛇鬼。洋輔は右ローを何度も当てる、コツコツとローを積み重ねる洋輔がプレッシャーを掛けていく。
2R、ジャブとローで攻める洋輔、速いローの4連打に会場が沸く。蛇鬼は洋輔のローに右を合わせようとする。首相撲の展開になると右のヒジも見せる蛇鬼、洋輔のジャブが何度も顔面を捉え蛇鬼は鼻から出血する。
3R、互いにジャブも前に出るのは洋輔。劣勢の蛇鬼は逆転を狙い飛びヒザから前に出てロープに詰める。しかし洋輔は前に出てくる蛇鬼をさばきながらロー、パンチ当てる。さらに左右フックからボディのコンビネーション。蛇鬼はバックブローや大振りの右を放つが洋輔のボディから返しの右フックをもらい棒立ちとなる場面も。判定は3-0で洋輔。確かな技術を見せた洋輔が現役王者対決を制した。
第4試合 トリプルメインイベント HOOST CUP女子スーパーライト級(63kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○溝口孝湖(WATANABE-GYM/王者)
×超弁慶(ガムランナック/挑戦者、元J-GIRLSフェザー級暫定王者)
判定3-0 (30-29/30-27/30-27)
※溝口が初防衛
DAY FIGHTトリプルメインの火ぶたを切る一戦目は女子重量級対決。“尾張の重戦車”の異名を持ち、パワーが持ち味の溝口は昨年5月大会でアーネスト・ホーストの愛弟子であるマーレーン・オクックスを衝撃の失神KOで下して初代女子スーパーライト級王座を戴冠。11月28日には2冠を狙いシュートボクシングのタイトルマッチにも挑戦するも判定負け。そこからわずか1カ月で今度は自身の持つベルトを賭けた王座戦を迎える。
対するはMMA選手としてデビューしながらキックでもプロで活躍し、J-GIRLS暫定フェザー級王者にも輝いたベテラン・超弁慶。2010年から子育てのため一時期リングから遠ざかったが、現在はママさんファイターとして二足のわらじで奮闘する。
両者は2017年のHOOST CUPで対戦し溝口が判定勝利。超弁慶が再戦を熱望しリベンジマッチが実現した。
笑顔を見せる超弁慶に対し、溝口は気迫ただよう表情。
1R、前蹴りの溝口に右オーバーハンドは超弁慶。顔面前蹴りから左右のコンビネーションへつなぐ溝口に対し、超弁慶はガードを固めて突進し右フックも押し込むことが多くホールディングで注意1が与えられる。溝口は遠くから前蹴り、右ストレートを徹底し、近距離からはボディやテンカオも見せ多彩な攻撃で圧倒する。
2R、気合の声を発しながらパンチを振るっていく超弁慶。溝口はリーチを生かした右ストレート、ワンツーを当てるが、超弁慶はひるまず前へ出てくる。バックブローの溝口に、超弁慶も後ろ回し蹴りを見せる。
3R、溝口の右ストレートが何度も超弁慶の顔面を捉える。超弁慶はホールディングにより再び注意1。頭を下げて左を伸ばし右を思い切り振る超弁慶に溝口はアッパーも織り交ぜショートのコンビネーション。超弁慶は身長差のある溝口に倒れながら右ハイもこれは当たらず。互いに前へ出るためクリンチの展開が多くなる。最後はパンチの打ち合いとなり終了。判定は3-0で溝口。王者の貫禄を見せ超弁慶のリベンジを退けた。
第3試合 EXルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
×大輔(TRASH/元NJKFスーパーフェザー級王者)
○HIRO YAMATO(大和ジム/NJKFスーパーフェザー級1位)
1R 1’38” TKO (左ハイキック→右フック)
第2試合 67kg契約 3分3R
○滝口幸成(キング・ムエ)
×吉田理玖(練正館)
3R 1’39” TKO (ボディへの左膝蹴り)
第1試合 60kg契約 3分3R
×MASANARI(キック塾)
○中野龍一(練正館)
判定0-3 (29-30/28-30/27-30)