QUINTET 4.7 アリーナ立川立飛:10th Planet、DEEP JEWELSと湯浅麗歌子柔術チーム下し女子トーナメント制す
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QUINTET FIGHT NIGHT 3 in TOKYO – Female Open Team Championship 2019 –
2019年4月7日(日) 東京・アリーナ立川立飛
レポート&写真:井原芳徳
桜庭和志プロデュースによるチーム対抗グラップリング大会「QUINTET」。昨年4月11日の両国国技館大会でスタートして1年経過し、初の女子大会が行われた。
ルールは記事最後のQUINTETルール概要参照。主な特徴は、打撃技無し・絞め技と関節技のみのグラップリングルールによる、5対5のチーム同士による勝ち抜き戦。4チームが参加し、1日で一回戦と決勝が行われる。試合場はレスリングマット。1試合8分一本勝負(7kg以上の体重差のある場合は4分。通常の男子では20kg差)。今回のチームの総体重は280kgで大会前日に計量が行われた。
グラップリング競技やブラジリアン柔術に馴染みの薄いMMAファンを意識し、一本決着を促すルールとなっており、膠着を誘発するクローズドガードは禁止。柔術のような判定やポジショニング等のポイント差による決着は無く、引き分けの場合は両者が退場し次の選手が登場する。なお、1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない。
Female Open Team Championship 2019
1st Match(一回戦)
○TEAM 10th Planet(リズ・カムーシュ、グレース・ガンドラム、エルヴィラ・カルピネン、ライラ・スマジャ-クルス、ファビアナ・ジョージ)
×TEAM DEEP JEWELS(KINGレイナ、青野ひかる、奈部ゆかり、前澤智、富松恵美)
(1) △カムーシュ(時間切れ)レイナ△
柔道出身で投げを狙うレイナに対し、終盤、カムーシェは投げに合わせてすり抜けると、背中を向けたレイナのバックマウントを取り、裸絞めを狙い続ける。レイナは防御して最後は上になるが、反撃の糸口はつかめず時間切れとなった。
(2) △ガンドラム(時間切れ)青野△
ガンドラムが下から腕十字などを狙い続け、終盤には変形のチョークも狙い、青野を圧倒したが、時間切れとなった。
(3) ○カルピネン(0’25” アンクルロック)奈部×
開始すぐにカルピネンが座った状態から奈部の足をつかんでアンクルロックを極めタップを奪取。スキル差を印象づけた。
(4) ○カルピネン(3’26” 腕ひしぎ十字固め)前澤×
試合時間は4分。カルピネンが下からの腕十字、三角絞めで追い詰め続け、最後は腕十字でタップを奪取。前澤はジムのある地元・立川での試合だったが完敗に終わった。
(5) ○カルピネン(3’58” 裸絞め)富松×
カルビネンがガードポジションからバックマウントに移行すると、裸絞めを狙い続け、柔術黒帯の富松からタップを奪取。カルピネンが3人抜きでチームに勝利をもたらした。
2nd Match(一回戦)
○TEAM BJJ KUNOICHI(杉内由紀、澤田明子、湯浅麗歌子、市川奈々美、越後伊織)
×TEAM Sun Chlorella(池本美憂、杉本恵、長野美香、サラ・マクマン、山本美憂)
(1) ○杉内(0’58” 腕ひしぎ十字固め)池本×
杉内が開始間もなくなら下になり、三角を狙った後、腕十字を極め完勝した。
(2) ○杉内(0’41” 腕ひしぎ十字固め)杉本×
杉内が1試合目同様に下から腕十字を極め完勝した。
(3) ○杉内(0’49” 腕ひしぎ三角固め)長野×
この試合も杉内が下から仕掛け、三角絞めで追い詰めつつ、最後は腕を極めてタップを奪った。
(4) ×杉内(0’35” ノーアームギロチン)マクマン○
試合時間は4分。体格で勝るマクマンが、立った状態から杉本の首をつかみ、そのままノーアームギロチンで絞め上げタップを奪った。
(5) ×澤田(1’20” 肩固め)マクマン○
試合時間4分。この試合も体格で勝るマクマンが片足タックルで倒してからサイドをあっさり奪うと、ハーフから裸絞めに近い形で肩固めを極めてタップを奪った。
(6) ○湯浅(1’57” 腕ひしぎ十字固め)マクマン×
試合時間4分。マクマンが体格差を活かし、上になるが、湯浅も下から腕十字を狙い続けてマクマンの攻撃を封じる。マクマンは消極的として指導を受け、ブレイクがかかり、バックから再開すると、湯浅がバックマウントを奪う。マクマンは振り落とそうとするが、湯浅は落ちそうになりながら腕十字を極めてタップを奪った。
(7) ○湯浅(6’18” 腕ひしぎ十字固め)山本×
湯浅が腕十字を主体に、執拗に関節技、絞め技を狙い続け、美憂を圧倒。美憂も動き続けて防御し見せ場を作り続けたが、最後は湯浅がガッチリと腕十字を極めタップアウト。チームのエース対決を制し、決勝にコマを進めた。
Final Match(決勝)
○TEAM 10th Planet(ライラ・スマジャ-クルス、ファビアナ・ジョージ、エルヴィラ・カルピネン、グレース・ガンドラム、リズ・カムーシュ)
×TEAM BJJ KUNOICHI(越後伊織、市川奈々美、杉内由紀、湯浅麗歌子、澤田明子)
(1) △クルス(時間切れ)越後△
クルスが執拗に関節技を狙い続ける展開で、終盤、クルスが腕十字を極めかけるが、越後が耐えきり時間切れに持ち込んだ。
(2) △ジョージ(時間切れ)市川△
市川がアナコンダチョークを狙い続けるが、ジョージは脱出する。終盤にも市川が肩固めの形を作るが、極められず時間切れとなった。
(3) △カルピネン(時間切れ)杉内△
一回戦で3人抜きした同士の戦い。試合時間は4分。軽い杉内が下から足関や腕十字を狙うが、カルピネンは防御しハーフとマウントの中間で固める。執拗に肩固めを狙うが、杉内がカルピネンの足をつかんでパスガードを許さず、時間いっぱいまで耐えた。
(4) △ガンドラム(時間切れ)湯浅△
湯浅が開始早々下からの三角絞めでチャンスを作るが、ガンドラムは脱出する。上下が目まぐるしく変わり、場内は盛り上がる。湯浅が主導権を握り続けるが、ガンドラムも動き続けて対応し、時間切れに持ち込んだ。
(5) ○カムーシュ(旗判定)澤田×
4連続時間切れで大将同士の戦いへ。試合時間は4分。体格で勝るカムーシュが序盤からマウント、ハーフで肩固めを狙い続ける。膠着すると、残り25秒で両者指導でブレイクがかかり、最後もカムーシュが上になり、足関を狙って終了。両者の指導数、チーム同士の指導数も同じのため、審判の旗判定により、優位な展開の続いたカムーシェが勝利となり、10th Planetの勝利に。男子同様、10th Planetが女子でも高い技術力をアピールする大会となった。
シングルマッチ
70kg契約 8分
○世羅智茂(CARPE DIEM)
×渡部修斗(ストライプル新百合ヶ丘)
6’28” 三角絞め
77kg契約 8分
○出花崇太郎[キャプテン☆アフリカ](総合格闘技道場コブラ会)
×ホブソン・タンノ(ブラジル/INFIGHT JAPAN)
7’28” 腕ひしぎ十字固め
エキシビションマッチ
―桜庭和志
―美木 航
勝敗無し
(エキシの前には前回2月大会で優勝したCARPE DIEMを代表し、ハイサム・リダが桜庭に表彰された)
QUINTETルール概要
◆試合場
12メートル四方のレスリングマット。場内場外のエリアは設けず、試合場から転落しそうな場合は審判の判断により試合を中断し、安全な位置から両者同じ態勢のまま試合を再開する。
◆「勝ち抜き」システム
勝者は対戦チームの次の相手と闘う。引き分けは両者退場。大将が負けたチームが負け。
◆チーム5人の総体重(前日計量)
Regular Weight 430kg以内、Light Weight 360kg以内、Female Regular Weight 280kg以内
◆勝敗の決着
サブミッション、失神、失格(指導3回)、レフェリーストップ。
試合時間内に上記の決着が付かない場合は引き分け
判定(大将同士の試合のみ)「指導」の数の少ない方が勝利。数が同じ場合はチーム全体の「指導」の数が少ない方が勝利。それも同じ場合は大将同士の試合の優劣を審判の旗判定により決定。
※シングルマッチで試合時間内に決着が付かなかった場合は「指導」の数の少ない方が勝利。数が同じ場合は審判の旗判定により勝敗を決する。
◆試合時間
8分一本勝負
4分一本勝負(Regular Weightは体重差が20kg以上、Light Weightは体重差が10kg以上、Female Regular Weightは体重差が7kg以上ある場合)
◆主な禁止行為(重大な反則=失格負け)
ヒールフック
スラム及びスパイキング(頭部に直接ダメージを与えるような攻撃)
かに挟みによるテイクダウン(スタンド)
ジャンピングクローズドガード
意図的なあらゆる種類の外傷的打撃(パンチ、肘、膝、頭突き、キックなど)
◆主な違反行為(軽微な反則=指導)
膠着を誘発するクローズドガード
ポジションをキープするだけで攻撃の意図が見られない場合
スタンドでテイクダウンを狙わずディフェンシブに動き回る行為
故意に対戦相手を試合場から転落させようとする行為
故意に試合場から逃避する行為
対戦相手を掴んでいない状態で座る行為
主審及び2名の副審全員が消極的と判断した場合
審判の指示に従わなかった場合
※「指導」を受けた選手は試合場中央で四つ這いになり、対戦相手はバック、サイド、サイドバックの3つからポジションを選択し、審判の合図により試合を再開する
※両者「指導」の場合は試合場中央でスタンドの状態から試合を再開する
※違反行為により、相手に相当のダメージを与えたと審判が判断した場合は、1回で「失格負け」になる場合がある
◆1dayトーナメントシステム
1回戦を勝ち上がったチームは、決勝戦では1回戦で戦わなかった選手から優先的にオーダーを組まなくてはならない。