KNOCK OUT 3.13 後楽園ホール:スーパーライト級王座決定トーナメント準決勝・与座優貴×宮越慶二郎、鈴木千裕×久保政哉インタビュー|チケット完売
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KNOCK OUT ~The REBORN~(3月13日(土) 後楽園ホール)のKNOCK OUT-BLACK スーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝・与座優貴(橋本道場)vs. 宮越慶二郎(拳粋会宮越道場)、鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)vs. 久保政哉(Monolith)の4選手のインタビューが主催者から届いた。なお、チケットは全席種完売となっている。
与座優貴「宮越戦が自分の中での決勝戦。優勝して飛躍の年に!」
極真空手で実績を挙げてキックボクシングに転向してきた与座は、昨年唯一の黒星を喫した鈴木千裕も参戦するこのトーナメントを、どう駆け上がろうとしているのか。その覚悟とは?
――1月のカード発表会見では、今回の準決勝で対戦する宮越慶二郎選手に対してリスペクトの言葉が目立ちました。以前から対戦したいという気持ちがあったんですか?
与座 そういうわけではないんですけど、空手時代からキックボクシングもよく見ていて、名のある選手ということで当時から知っていたので、そういう選手と対戦が決まったのはうれしかったです。
――宮越選手の印象は?
与座 やっぱりステップワークが他の選手とは違っていて、そこが個性として戦いの中にあるので、そこが武器というか、相手にとってはやりづらいところになっているのかなと思います。でも、僕も空手をやっていた時はステップワークを使うのが一般的だったので、そこにやりづらさはそんなに感じてないです。
――自分としてはどう戦いたいですか?
与座 対策とか作戦は立てますけど、いつもと全く違う戦い方をするということはないので、あくまで自分の戦い、自分の武器をぶつけていくという感じで、普段とそこまで変わらないと思います。
――プロになって初めて、タイトル獲得のチャンスが巡ってきたわけですが。
与座 優勝すれば初めてのタイトルがKNOCK OUTということになるのは、自分自身うれしいです。KNOCK OUTは本物が集まるイメージの団体だと空手時代から思っていたので、そこのベルトを巻けるということはうれしいし、自分の選手としての価値も上がるのかなと思います。
――会見では決勝で戦いたい相手として、昨年2月の「無法島GRAND PRIX」1回戦でプロ初黒星をつけられた鈴木千裕選手の名前を挙げていました。リベンジしたいという気持ちも大きい?
与座 それもなくはないんですけど、今回、自分以外の参戦選手で一番強いと思っているのが宮越選手なので、自分の中では準決勝が決勝戦だと思ってるんです。だからここで勝てば優勝できると思っていて、なおかつ決勝が鈴木選手だったらさらにいいかなということです。もし久保選手が勝ったとしても、ゆくゆく鈴木選手とは戦う機会があると思ってますし、いずれは決着をつけなきゃいけないと思っています。
――空手で実績を残してキックボクシングでプロになって、ここまではいかがですか?
与座 うまくいかないことの方が多いですけど、それでも諦めず、遠回りすることになっても夢や目標を達成できればいいと思っているので、今のところはあくまで通過点というか。相手のレベルもだんだん上がってきましたし、これから本当に日本のトップどころと戦っていくことになると思うんですけど、そこを倒していったら今度は外国人選手とかとも対戦できると思っています。今は一つひとつの試合で自分の力をアピールして名前を売っていかないといけないし、今回のトーナメントはそのアピールにうってつけだと思っているので、しっかりと勝ちたいです。ここを獲ると獲らないとでは全然違うので、「勝てたらいいな」ではなく、「勝つ」という気持ちで、優勝することしか頭にないです。
――うまくいかないことというのはどのへんですか?
与座 もっと強いし、もっとやれるし、もっと有名にならなきゃいけない。「なりたい」というよりは、「ならなきゃいけない」んです。それぐらいの覚悟で空手から転向したんですけど、思い描いていた自分と現状を比べると全く物足りないですね。でも不可能なことではないと思っているので、見ててくださいとは思ってます。その思いも含めた今回のトーナメントなので、本当にやってやろうという気持ちですね。
――橋本道場からはチャンピオンがたくさん出ていて、今も様々なリングで活躍する選手たちがいます。かなり刺激になりますよね。
与座 それはもちろんですね。道場の先輩や仲間が勝てばうれしいし、同じように負ければ悔しい気持ちもあるわけで、自分にしても「俺ももっとやれるのになあ」という気持ちも当然あるので、仲間ですけどライバルだと思っていて、みんなに負けたくないですね。
――橋本敏彦師範からはどんなことを言われていますか?
与座 「自分の目標とかやりたい相手、立ちたい舞台とか、そういったものに近づくには、口で言うより試合で見せて、実力で勝っていくしかないよ」ということは言われています。
――与座選手自身からも、「キャラとかで有名になりたいわけじゃない」という言葉がありました。
与座 はい。格闘技って、本当に強いヤツが有名になるべきだと思うし、勝った人間が輝くべきだと思うので。華はもちろんあった方がいいと思いますけど、過激な発言とかよりは強さで有名になっていきたいという思いはありますね。
――今回のトーナメントは、それを示す絶好の舞台ですね。
与座 格闘技ファンに広く知られている宮越選手に内容を伴って勝つことができれば、自然と評価も上がるでしょうし、本当に今度の準決勝が決勝戦と思っています。今年は飛躍の年にしようと思っているので、ここをしっかり勝ちたいですね。
――最後に、今回の試合で何よりも見てほしい点は?
与座 格闘技にかける思いですね。これから、今いるトップ選手たちに並んで追い越すと決めているので、今の時点での自分を見て、その思いを感じてほしいと思います。
――分かりました。ありがとうございました!
宮越慶二郎「想像を超える動きを見せて勝ちます!」
宮越はこのトーナメントに参加している4選手の中では実績・キャリアともに最も上。与座や鈴木千裕など若い選手にかつての自分を重ねる。その上で優勝を期す彼の心境を聞いた。
――昨年2月、シュートボクシングでの町田光戦以来の試合ですよね。1年空いたのは何か理由があったんでしょうか。
宮越 主にコロナの影響と、ジムの経営の方でも忙しくて、そういうところで試合まで意識ができなかったというのはありました。ただ、練習はむしろ自粛期間の方が集中してできたので、コンディションとかは大丈夫です。
――その1年ぶりの舞台がKNOCK OUTの王座決定トーナメントということになりました。
宮越 正直、1年も試合してなかったことと、RIZIN出場をアピールしていたんですけど難しそうということで、そろそろ路線変更しないとダメだなということで、どこに行こうかなということでいろいろ選択肢は考えていたんですよ。正直、他団体に連絡しようかなと思っていた矢先に、山口元気代表からご連絡をいただきまして。代表にはREBELS時代に大変お世話になっていたこともあって、このタイミングでオファーがあるというのも何かの縁かなと思って、受けさせていただきました。
――準決勝の相手が与座裕貴選手になりました。印象は?
宮越 まず、技術のある選手だなと思いました。若いけど荒削りという感じではなく、技術で戦うファイターなんだなと。
――極真空手の世界大会優勝という実績を持った選手ですが、そこから来る強さは感じますか?
宮越 特別、空手からの強さというのは感じないですね。むしろムエタイっぽい攻め方をするので。空手の実績から想像するのとは違ったスタイルで、それもまた面白いんじゃないかと思います。蹴り一発の強さとかはあるんでしょうけど、ムエタイらしいコカしとか小技も効いてて、面白い選手ですよね。
――それに対してどう戦うつもりですか?
宮越 当然、僕の動きを想定して対策してきてるとは思うんですけど、僕の動きは見よう見まねで対策できるものではないと思っているし、その想像を超えるような動きをしたいなと思ってます。
――与座選手のキック戦績はこれが11戦目。対する宮越選手は40戦を超えています。このキャリアの差はトーナメントの中でどう生きてくると思いますか?
宮越 気づいたら僕もベテランなんですよね(笑)。僕も若い頃は先輩選手をぶっ倒すという気持ちで戦って上がってきたので、与座選手なんかも僕を蹴落として上に行ってやろうという気持ちは当然あると思います。蹴落とされる立場になったわけですけど(笑)、正直まだ早いなというか、「オマエらはまだ勝てないんだぞ」というところを見せたいなと思ってます。
――自分のキャリアの中で、世代交代的な気持ちで戦った試合というと思い浮かぶのはどれですか?
宮越 水落洋祐戦(2013年、WBCムエタイ日本タイトルマッチ。判定勝利で王座奪取)とかは、ギラギラした気持ちが強かったように思いますね。それから同じ年の翔センチャイジム戦(判定勝利)とか。自分より有名な選手、キャリアのある選手に勝たないと上っていけない世界じゃないですか。「ここで勝たないと前に進めない」と思っていたので、死ぬ気でやってましたね。
――今は逆に、そういう気持ちの相手が向かってくるわけですよね。
宮越 そうなんですよね。それが楽しみな部分もあるし、でももちろん「そうはいかない」という気持ちです。僕もまだ上を目指していて、ここで負けては上に行けないというのは同じですからね。
――今回の試合で、特にここを見てほしいという点は?
宮越 アグレッシブさですね。コロナでみんないろいろ制限されて、思ったこともなかなかできないという状況の中で、僕ら演者が「こんな世の中をぶっ壊してやる」ということをしっかりと体で表現して、みんなのストレスの分までぶっ飛ばしてやるというのが、今回のテーマですね。僕自身も1年ぶりのリングで、ここまで溜めてきたものを爆発させたいですし。
――カード発表会見では、決勝で戦いたい相手に鈴木千裕選手を挙げていましたね。
宮越 そうですね。今、勢いがあって乗っている彼と当たる方が面白いんじゃないかと思います。
――そうなった上で優勝すると、与座選手、鈴木選手と、まさに若い芽を潰しまくるということになりますね。
宮越 確かに(笑)。それを果たして、リング上で「オマエら、まだまだ甘いんだよ!」って言いたいです(笑)。
――彼らとは違う、今の宮越選手の強さの源とは何でしょう?
宮越 今はジムの会員さんとかも抱えているし、応援してくれる方の数も以前とは比べものにならないぐらい多くなっているので、その人たちにいいところを見せたい、勝った姿を見てもらいたいという気持ちは強いですね。僕自身も、現役でいる限りは常にチャレンジしていきたいと思っているので、年齢を理由にしたくないというのもありますし。
――あと今回、BLACKルールのトーナメントになります。これまでのキャリアでヒジなしの試合は少ないですよね?
宮越 そうですね、何試合かしかないです。ヒジなしは海外でやったこともありますけど、65kgでヒジなしというのはこれが初めてですね。ただ僕はけっこう順応できる方なので、問題はないと思ってます。
――試合当日、ここを見てくれ!という点はどこですか?
宮越 僕と言えばステップなので、僕だけ早送りしてるかのように見えるステップワークと動きに注目してほしいですね。若い頃の映像を見て、「こんな動きしてたんだな」というのを再確認する一方で、無駄な動きもあったのでそういう部分は省いて、緩急をつけた動きを意識しています。動かない時は動かず、動く時には一気に動くということですね。
――ズバリ優勝する自信は?
宮越 もちろんありますよ!(笑) 優勝してからのビジョンもあるので、ここでまけていられないなというのもありますよね。逆にここで負けちゃったら、この先何を目標にすれば分からなくなっちゃうので(笑)。
久保政哉「相手が誰でも同じ。最後まで自分を信じ切れれば優勝できます」
GLORYを主戦場として海外で活動してきたが、コロナの影響も相まって昨年からKNOCK OUTに参戦しているベテラン・久保の、王座が懸かったこの戦いに懸ける思いとは?
――今回、王座決定トーナメントにエントリーが決まった時には、率直にどう思われましたか?
久保 メンバーを見てもいい選手ばっかりで、その中に選ばれたというのは光栄だと思います。
――カード発表会見では、「昨年、与座優貴選手に負けている自分には出る資格がない」という発言もありましたが。
久保 実際、選ばれるとは思ってなかったので、資格がないという部分は勝って見返すしかないのかなと思ってます。
――準決勝の相手は鈴木千裕選手ですね。
久保 新生KNOCK OUTの看板選手の一人なのかなと思っています。勢いもあってお客さん受けもしていて、ちょっと天然なところも愛嬌があってかわいらしいなと思って、いい印象で見てますね。
――鈴木選手はこのところ、さらにいい勝ち方を続けていますが。
久保 今は勢いで押し切れちゃう相手としかやってないのかなと。押し切れない相手とはけっこう苦戦してると思うんですよ。チャンピオンクラスとはそんなにぶつかってないというのがあるから、ここで僕とぶつかった時に、その勢いで呑み込むのは無理なんじゃないかなと思ってます。
――ということは、自身の経験やテクニックを生かした戦いで勝つと。
久保 基本的に誰が相手でも、自分の戦い方をする練習をしてきているので、それを出し切れれば僕が勝っちゃうと思うし、まあ絶対はないので呑み込まれるかもしれないですけど、持ってるものを魅せていければいいなとは思ってます。
――これまでの対戦相手で、似たタイプの相手というのは?
久保 一昨年末にGLORYで対戦したメン・ガオフェンという中国人選手の攻撃は、僕の人生で一番効かされました。僕は効いても我慢できる方なんですけど、その試合では地面が上から落ちてきたぐらいに目が回っちゃって。何とか耐え抜いたんですけど、あの選手とはちょっと似てるのかなと思いますね。ただパンチのタイプ的には違うとも思うので、「こうなる展開もあるぞ」ということで心構えはしています。
――最終的にはどう勝ちたいですか?
久保 一番いいのはKOだと思うんですけど、自分の決めたプランを実行して、そこで勝っていきたいです。自分の戦い方を貫き通すというのが一つの目標ですね。それができれば勝てると思うので。
――今回のトーナメントは久保選手と鈴木選手、宮越慶二郎選手と与座選手ということで、それぞれのブロックが「ベテランvs新鋭」という図式になっています。そこは意識しますか?
久保 いや、特に何とも思ってないです。特に今のキック界は、若い世代、10戦以内の選手たちがキャリアの差をあまり感じさせないというか、みんなふてぶてしくチャンピオンクラスに勝って、上の選手が淘汰されていってますよね。だから「俺の方が戦績がある」「俺の方が場数を踏んでる」と言ったところで、あまり関係ないんじゃないかなと思います。
――では決勝で当たりたい相手というと……。
久保 宮越選手とはやってみたいですね。実績もあるし、実力も今回のメンバーの中では一番あるんじゃないかと思うので。ただ、もともと一つ下の階級だったということが気にはなるんですけど。でもそれを感じさせないぐらい強いんじゃないかと思うので、やってみたいです。
――与座選手との再戦は望んでないんでしょうか?
久保 そこにはあまり執着はないです。でも僕がチャンピオンになれば、このトーナメントのメンバーとは絶対やることになるはずなので、急ぐ必要はないのかなと。決勝が与座戦でもいいんですけど、宮越選手とはやったことがないので、今回は宮越選手とやって、その後に与座君とやってもいいのかなと。
――2試合勝てばチャンピオンです。ここで優勝すれば、「看板選手の一人」ということになります。そうなったらKNOCK OUTに腰を落ち着けるということになりますか?
久保 そうですね。GLORYとの契約は残ってはいるんですけど、現実にはGLORYの65kg級が事実上廃止というか、チャンピオンでさえ他団体で契約を消化してくれと言われているような状況で、いつまで再開を待つのかという問題になりますよね。僕のこれからのキャリアもそんなに長いわけではないので。だから基本的にはKNOCK OUTさんに腰を落ち着けられればと思ってます。
――チャンピオンになったら、KNOCK OUTを引っ張っていくというつもりもある?
久保 いい試合をして目立っていけば、自ずと引っ張る形になると思うので、「俺がやってやる」というよりは、いい試合をして勝ち続けようというモチベーションだけですね。
――今回から「Monolith」という所属名になりました。今までとの違いは?
久保 今まで通り「フリー」でもよかったんですけど、「フリー」だと応援してくれてる人たちも乗りにくいところがあるのかなと思って。一つ拠点があるような感じを持たせておけば「Monolith」という単位で応援してもらえると思うので、自分の気持ちの面でもチーム名をつけてやった方がいいということで、こうしました。
――練習環境とか活動の実態には変化はないんですよね?
久保 はい。基本的にPHOENIXでお世話になっていて、たまに違うジムに出稽古に行っています。スパーリングなどで声がかかったらそこにお邪魔して、という感じですね。
――「Monolith」をチームとして、将来的に他の選手を迎え入れたり、新たな選手を育てたりという気持ちは?
久保 全然ないですね。僕は毎回セコンドも自分で手配していて、その時に集まった人たちがチームという感じなんです。だから他の選手が「Monolithで一緒に練習したいです」と言ってくれたとしても、僕は「いえ、いいです」ってお断りすると思います(笑)。他の選手に教えようとも思ってないし、教えられるとも思ってないので、一緒のチームでやろうというのはあまり思わないですね。
――では今回、「Monolithの名前を売る」というようなモチベーションが特にあるというわけではない?
久保 うーん……どうですかね。結局、自分が結果を出していれば全部ついてくることなので。「Monolithって何なんだろう?」とか興味を持ってもらうにも自分が結果を出さないといけないですからね。ただ、有名にしたいというような気持ちは持ってないです。お世話になってるPHOENIXとかに対しては、試合に勝って「ここで技術を教わってるんだよ」というアピールができればとは思ってますけどね。
――今回の試合で、「何よりも見てほしい点」は?
久保 僕はガッツを見せる試合をしたいと思ってるんです。試合中の気持ちが見えるような試合がしたいので、その部分を見てほしいです。技術とかはお客さんには伝わらないことの方が多いので、気持ちの面でお客さんが乗ってくれればいいなと思います。
――ズバリ、トーナメントに優勝する自信は?
久保 もちろんあります。優勝するかどうかは僕次第ですね。仮に相手が違う選手だったとしても、全く関係ないです。僕が自分の戦い方をできるかどうかが毎回の試合のテーマなので。みんな口を揃えて、「いつも通りやれば絶対勝てる」って言ってくれるんですよ。それが実行できないことは、勝ち負けより悔しいんですよ。自分がやりたいことができた時の方が意味があるというか。なのでそれができれば優勝するのは当たり前で、優勝は勝手に後からついてくると思ってます。
――これまでの試合で、それが実行できなかった時の理由というのは?
久保 完全に僕のメンタル面ですね。別に試合が好きというわけでもないし、相手のことをぶっ倒してやろうと思うわけでもないので、試合中に自分を信じ切れなかったりして、不安になることもあるんですよ。練習はしてきても、試合の中でちょっと揺らいじゃうと不安に襲われたりして、試合を諦めちゃうんですね。最後まで諦めないで、自分を信じて戦い続けた時はいい試合になってるんですけど、それができない時の方が多いから、周りが悔しがってくれるので。
――ではガッツを見せる試合を最後までできれば……。
久保 勝てます。技術とか体の強さでは誰にも負けないものがあると思うんですけど、心技体の「心」の部分が一番欠けてるところなので。そこを見せられたら、お客さんも「すげえじゃん」と思ってくれるはずなので、最後までやり切りたいと思います。
鈴木千裕「若い世代で時代を作らないと。KNOCK OUTを背負う覚悟を見せます」
鈴木は昨年後半から3連続KO勝ちをマークしており、主役争いにも積極的に声を上げている彼が、この王座決定トーナメントに期する覚悟とは? その熱い言葉を聞け!
――昨年後半は9月、11月、12月と3連続KO。特に11月、12月は1RKOで決めて、いい流れで来ているのでは?
鈴木 そう思っていたんですけど、最近になって全部崩されたんですよ。
――というと?
鈴木 詳しくは言えないんですけど、ある人たちと練習していて、そこで「強いヤツっていうのは、自分以外にもメチャクチャいるんだな」というのを改めて痛感させられる出来事があったんです。前回、自分は勝てたんですけど、そのことを経て「まだまだこんなところで喜んでる場合じゃねえな」と思って。気持ち的にはまだまだこれから、むしろテングになってた心が折られたところです。
――そんなに衝撃的な体験をしてるんですね。
鈴木 そうですね。同じ人間なのにこんなに強い人たちがいるんだなという選手と練習できているので、俺はまだまだ自分のことを強いなんて言ってられないなと。
――そういう状況で王座決定トーナメントが決まったわけですが、エントリーされたことについては?
鈴木 トーナメントに呼んでいただけたので、もちろんチャンピオンになるのは絶対条件ですよね。自分たち20代の選手たちが新しい時代を作っていくためにも、それこそこのトーナメントに出場するベテランの選手たちよりも、自分と与座選手のどちらかが上に行かないといけないと思っています。だからこのトーナメントは、自分の中ではベテランを越えていくための試練ですね。
――準決勝の相手、久保政哉選手については?
鈴木 ベテランでテクニックもすごくあって、「世界の久保」と言われてるぐらいの方なので、自分にとっては本当にターニングポイントというか、ここで勝つと負けるとでは全然違うと思うので、僕の意地を見せる試合をしたいです。KNOCK OUTを背負っていく覚悟を見せる試合をします。
――どういう部分に強さ、うまさを感じますか?
鈴木 誰もが言う左ミドルですね。とにかく速いしタイミングも分かんないし、蹴りのスキルがすっごく高いので、どう攻略するかが自分の課題です。試合までに一歩でも実力差を埋められるようにと頑張ってます。
――その手応えはどうですか?
鈴木 そうですね、今までとは全然変わってるというのを信じてやってるので、今までの自分は死んだと思いたいです。新しい、進化した“クレイジー・ブラック・ダイヤモンド”鈴木千裕を見せます!
――そうなると、与座選手とともに若い選手がベテランを倒して、決勝で対戦するのが理想ということですか?
鈴木 若い世代が時代を作るのが理想なんですけど、決勝戦は正直、誰でもいいです。やっぱり65kgで一番強い人がベルトを持って、チャンピオンとしての責任を背負うことになるので、与座選手と宮越選手、どちらよりも優れていなければいけないじゃないですか。そういった意味では、どちらでもいいですね。
――そこで勝てばチャンピオンということになります。改めて、ベルトへの思いを聞かせていただけますか?
鈴木 ベルトへの思いは、実は今はあんまりなくて、「この4人の中で一番優れたい」と思うようになってますね。結局はそれがベルトに直結しちゃうんですけど。「ベルトがほしいからこのトーナメントに勝つ」ではなくて、「他の3人よりも強いことを証明したい」と思えたので、それを実際に見せるのがこのトーナメントでの目標です。
――それができれば、結果的にベルトが手に入っているということですね。
鈴木 そうですね。だから今は、ベルトはついてくるものだと思っています。
――それにも関係してきますが、このところKNOCK OUTの「エース争い」「主役争い」が活発化しているのには、鈴木選手の試合ぶりや発言が大きく影響している部分があると思います。その中にいて、ご自分としてはどうですか?
鈴木 やっぱり格闘技なので、僕は実力でエースになりたいんですよね。KNOCK OUTの看板を背負うために、パフォーマンス・エースじゃなくて、実力でエースになりたいんです。パフォーマンスや発言ももちろん大事なんですけど、それは二の次で、実力を重視したエースになりたいと思っています。
――そこに近づいているという手応えはありますか?
鈴木 いやあ、まだまだですね。いっちょ前に語るにはまだまだですけど、勝っていけば勝手にそれは証明されていくと思うので、焦らずに一つひとつ結果を残していきたいと思っています。
――ところで先日の2・28後楽園大会で、REBELSがいったん封印ということになりました。その会場にもいらっしゃいましたが、あの日は何を感じましたか?
鈴木 素直に感じたのは、先輩方が作ってこられた10年間の歴史でしたね。先輩たち一人一人が合わさった、みんなの力で成り立ってたんだなっていう。だからこそ、僕は山口会長のエキシビションの時にはコーナーに行かなかったんですよ。少なくともそこに立つのは僕じゃなくて、REBELSを初期から盛り上げている小笠原裕典先輩、瑛作先輩が行くのがベストだなと思ったので。僕はこれからKNOCK OUTの中心になれるように頑張ろうと思いました。先輩たちじゃなくて、ここからは若い自分たちがKNOCK OUTを「立ち技最強」と言われるまでにひっぱっていかないといけないと、改めて感じましたね。
――若い世代全体で。
鈴木 はい。自分一人が「盛り上げよう!」って言ってるだけじゃ意味ないんで。20代の選手たちがどういう心持ちでやってるかは分からないですけど、少なくとも自分は世代を作ろうと思ってやっているので、同志が集まれば勝手に盛り上がっていくのかなと思ってます。
――その旗頭として認められるような試合を見せたいと。
鈴木 はい、ガンガンやらないといけないですね。“キック・スポーツ”はやりたくないんですよ。ポイントを取って逃げても勝ちになるような試合はしたくないんです。倒すか倒されるかの駆け引きをやりたいので、そういう試合ができる看板選手になります。トーナメントも慢心せずに練習して、あとは試合を待つだけです。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第8試合 メインイベント KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/ISKA K-1ルール世界バンタム級王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者)
KING強介(京都野口ジム/Team fight bull/元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)※Team fight bullから所属変更
第7試合 セミファイナル REDルール フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
安本晴翔(橋本道場/REBELS-REDフェザー級王者)
ペットシラー[Phetsila]・FURUMURA-GYM(タイ/FURUMURA-GYM/元プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者、TOYOTA HI-LUX REVOスーパーバンタム級トーナメント2016優勝)
第6試合 BLACKルール フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
大脇 武(GET OVER/DBS&RKAフェザー級王者、WBCムエタイ日本7位)
第5試合 REDルール スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/元ルンピニージャパン・バンタム級王者)
古村 光(FURUMURA-GYM)
第4試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
松倉信太郎(TRY HARD GYM/WOMF世界スーパーミドル級王者)
渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)
第3試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
吉野友規(STURGIS新宿ジム)
田村 聖(拳心館/元NKBミドル級王者、NKB PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント’19~’20優勝)
第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
与座優貴(橋本道場)
宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/元WBCムエタイ・インターナショナル・同日本・NJKFライト級王者)
第1試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
久保政哉(Monolith)※フリーから所属表記変更
概要
大会名 KNOCK OUT ~The REBORN~
日時 2021年3月13日(土) 開場・16:45 開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(3,300円~/PPV) サムライTV(1,980円/月額)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※チケット完売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 チケットぴあ KNOCK OUT OFFICIAL SHOP 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 promotion@knockout.co.jp https://knockout.co.jp/