ピーター・アーツ氏がキック大会「LEGEND」旗揚げ。来年6月に首都圏でビッグイベント。ミルコ、バンナ、フィリォ、セフォーらK-1レジェンドも応援メッセージ
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
K-1 GP ’94 ’95 ’98優勝者のピーター・アーツ氏の主催する新しいキックボクシング大会「LEGEND(レジェンド)」の発表記者会見が12月13日、東京・大久保で行われた。
アーツ氏はオランダ出身の53歳。93年のK-1第1回大会から出場し、無差別級のK-1 GPで3度優勝し、94年と95年に2連覇を成し遂げ、その後も決勝トーナメントの常連として活躍した。20年1月のHEATで楠ジャイロにKO勝ちして以降、公式戦は行っていない。近年は日本の各大会のプレゼンターとして頻繁にリングに上がり、朝倉未来が主催するBreakingDownにも選手を送り込む等、日本での活動が増えている。1年前から品川に住み、オランダ等ヨーロッパと行き来しているといい、国内外のスポンサーやプロモーションとの交流が広がり、今回の新大会LEGENDのスタートにつながったようだ。
会見にはLEGENDのジェネラルプロデューサーに就任した大成敦氏も一緒に登壇した。大成氏は大阪出身・千葉在住の56歳。選手時代には新空手の全日本大会で準優勝等の実績があり、旧K-1ではルールディレクターを務め、海外でのONEやGLORYのレフェリーも度々務め、海外のプロモーターとも幅広く交流している。15年から開催されていたアマチュアキック大会「PETERT AERTS SPIRIT」(アマチュアキックボクシング協議会(AJAKC)の前身)を運営し、AJAKCの代表を務める。
会見冒頭にはミルコ・クロコップ、ジェロム・レ・バンナ、サム・グレコ、フランシスコ・フィリォ、フランソワ・ボタ、レイ・セフォーといった、旧K-1でアーツ氏としのぎを削ったライバルたち(敬称略)、そしてISKA、WKU、WKO、リングコンタクトといった海外のプロモーションの首脳による、アーツ氏への応援メッセージの映像が流された。
アーツ氏は最初に日本語で「キックボクシングは私の生きがいです」と話し始め、その後は英語で大会趣旨を説明した。アーツ氏は「キックの新団体を作るのが長年の夢でした。日本は第二の故郷です。お互いを尊重する日本の武道の精神が好きです。LEGENDでは伝説になるような選手を育てます。キックボクシングの試合が中心ですが、空手とムエタイの試合も組む予定です」と述べた。
LEGENDは来年2024年3月24日に新人やアマチュア主体の大会を初開催し、選手を選考し、6月には日本の選手が海外の強豪と戦うビッグイベントを予定し、いずれも首都圏で開催される。その後は8~9月に新人戦、11月にビッグイベントといったように、年2回のビッグイベントのペースを計画している。
ルールの詳細は検討中。大成氏は「世界にアピールするため、最大公約数を取ったところを考えたいですが(旧来の)キックボクシングの魅力も見てもらいたいです。今は3分3Rが主流ですが、5Rある元々の形態も素晴らしいものと思っています。色んな団体様と共存しながらやりますので(今のところ)キックボクシングという大まかなもので考えています」と説明した。
会見中にアーツ氏は来場していたフルコンタクト空手の強豪・福地勇人を登壇させ「LEGENDの試合に上がる予定です」と紹介したが、最後の記念撮影には登壇しなかった。アーツ氏の娘のモンタナ・アーツも登壇し、アーツ氏は「土曜のRISE(両国国技館大会のオープニングファイト)で試合をしますし、LEGENDでも試合をします」と紹介した。
今のところ出場が内定しているのは福地とモンタナのみ。年2回のビッグイベントには日本国内の他団体の選手を招へいする方針だが、大成氏は「複数の団体とお話とご挨拶をさせていただいております。具体的に決まっていませんので、団体の名前を出すのは控えますが 基本的にどこのプロモーションとも一緒にやりたいです」と話すに留まった。
モンタナも参戦したブルガリアのキック大会「SENSHI」とは「今のところ関係はありません」とアーツ氏。ビデオメッセージの無かったアーネスト・ホースト氏との関係については「数カ月前に話をしましたが新団体については話していません。忙しくて時間が無かったです」と話した。
ホースト氏と一緒にヨーロッパの選手を送り込んだBreakingDownとの関係について、アーツ氏は「全ての団体とオープンに交流します。朝倉選手の元にいい選手がいればぜひ参戦して欲しいです」としつつも「我々はお互いを尊重する武士道の精神を大事にしてます。エンターテインメント性の強いBreakingDownとは少し違う立場です」というアピールも忘れなかった。
まだ未知数の要素の多いLEGENDだが、アーツ氏は「将来は各国のチャンピオンを呼んで、K-1のようなトーナメントを組みたいです」「かつてのK-1のような大きな大会にしたいです」と構想を語った。放送について、大成氏は「いくつかの媒体とお話をしています」とのこと。当面はInstagramやYouTubeを通じて情報発信を行うという。