Krush 8.30 後楽園ホール(レポ):上野奏貴、西元也史を53秒KOしスーパー・フェザー級王者に。古宮晴、上野空大を2R KOしK-1ライト級王座挑戦熱望。フェザー級王座決定トーナメントは橋本雷汰と松本海翔が決勝進出
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Krush.191
2026年8月30日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
上野奏貴、西元也史を53秒KOしスーパー・フェザー級王者に
第9試合 メインイベント 第13代Krushスーパー・フェザー級(60kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
×西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○上野奏貴[かなた](kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1甲子園2023 -60kg優勝)
1R 0’53” KO (右ハイキック)
※上野が王者に
横山朋哉が5月、K-1スーパー・フェザー級王座を獲得し、Krush同級王座を返上したため、当初ワンマッチで行われる予定だった西本と上野奏貴の試合が、Krush王座決定戦となった。奏貴はセミに登場した空大の弟。兄の空大は2R KO負けしたが、鼻血をティッシュで塞いだ状態でセコンドにつく。上野兄弟の応援団が北海道から多数応援に詰めかけた中、弟の奏貴がしっかり結果を出すことに。
1R、奏貴が右のカーフキックを当てると、西元が前に出て、左フックを当てるが、すぐに奏貴は距離を取ると、左三日月蹴りを当ててボディに意識を向けさせてから、すぐに左ハイをクリーンヒットしてダウンを奪う。西元はダメージが大きく、奏貴が頭をかすめるような右ハイを当て、再びダウンを奪ったところで、すぐさま豊永レフェリーがストップした。
奏貴は北海道出身者としては初のKrush王者に。チャンピオンベルトを巻き、マイクを持った奏貴は「こんな綺麗に勝てると思わなかったんですけど、2週間前に眼窩底骨折、2か所してしまって」と明かし「手術して退院したのが試合まであと1週間ちょっとで、最初は見えなくて、試合ができるのかと思って、夜一人で泣いたり、練習中もどうしようと思ったんですけど、仲間と自分を信じってやりきればやりきれます」と続けた。
さらにリングサイドで泣きじゃくる兄の空大を見つめながら、奏貴は「兄は負けましたがこんなもんじゃないです。僕はいつもやられて全然敵わない兄です。2人で絶対にチャンピオンになって、K-1・Krushを盛り上げるので、空大、これからも一緒にやろう」と呼びかけた。さらにチームメイト、セコンドにもついた父の滋也師範にも感謝の言葉を述べた。
バックステージでのインタビューで奏貴は、眼窩底骨折は左目だった明かし「ちょうど2週間前の日曜の練習中に緊急搬送されて、その日に北海道に帰って病院行ったら『今日入院して、明日手術すれば良くなるしできる』と言われました。人工の骨のプレートを入れたんですけど、それを入れれば腫れも引くしできるって。1週間半前の水曜か木曜に退院しました。退院した時はまだ目が閉じた状態で、1週間ぐらいは距離が合わなかったです。本当に大丈夫かなと思ったんですけど医者の言うことを信じました。お父さんにも『医者を信じろ』と言われて『押忍』って(苦笑)。今も100%じゃないので、チームで話して、早い段階で決着つけるのが作戦でした」と病状を説明した。
ダウンを奪ったハイキックについて奏貴は「空手の時から得意で、狙っていたわけじゃなく、小さい時からやっているので、体が勝手に反応しました。左フックをもらって危ないなって思って、集中できて、行きました。三日月蹴りは作戦で、それが入ればハイキックという練習をしていました。詰められたら(弱い)という見られ方をしていたと思うんですけど、接近してきても倒せるのを証明できたと思います」と語っている。
宮田充Krushプロデューサーは「眼窩底骨折は僕らも当然知らなかったです。今日は大事が無かったんですけど、お父さんと明日以降相談してみます。システム的に(怪我の)申し出を義務付けるわけにもいかないし、さすがにもうダメなコンディションなら申し出るんでしょうけど、選手やジムは興行に穴をあけられないという思いもあるでしょうし…」と話し、こういったケースにどう対応すればいいか困惑していた。
古宮晴、上野空大を2R KOしK-1ライト級王座挑戦熱望
第8試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○古宮 晴[はる](team VASILEUS/元DEEP☆KICK -63kg王者、K-1甲子園2021 -65kg優勝)
×上野空大[くうと](kickboxing gym SHINYUUKI+)
2R 1’07” KO (右ストレート)
上野空大・奏貴の兄弟は今大会を「上野兄弟祭り」にすると意気込んでいたが、その野望を古宮が打ち砕くことに。
1R、古宮が序盤からパンチ主体で攻めて右ストレートを随所でヒット。中盤、上野も左の顔面前蹴りを当てるなど挽回したが、終了間際、古宮が右ストレートをクリーンヒットしてダウンを奪う。10-8で古宮が取る。
すると2R、古宮が前に出て、上野の右のパンチのカウンターで右フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。上野は立ったがダメージが大きく、古宮がボディと顔面にパンチを当て続けてから、再び右ストレートでダウンを奪ったところで、梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った古宮は「めっちゃ怖かったんですけど、僕も強くなれたんで感謝しています。僕がライト級で一番強いと思っています。里見選手にもサムエル選手にも勝てると思っているんで、タイトルマッチ、僕どうですか。お願いします」とアピールした。Krushのライト級王座は古宮の同門の先輩の大岩龍矢が持っているため、2週間後の9月12日のK-1でK-1同級王座の初防衛戦を行う里見柚己と、かつて古宮が判定で勝っている挑戦者・永澤サムエル聖光の名前を出した。宮田プロデューサーは「K-1だと世界の選手もいるので、そのまま挑戦ということは無いと思う」としつつも「インパクトは残した」と古宮を評価し、今後の上位戦線での起用に前向きだった。
フェザー級王座決定トーナメントは橋本雷汰と松本海翔が決勝進出
第7試合 第10代Krushフェザー級王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)
○橋本雷汰(ALONZA ABLAZE/K-1甲子園2022 -60kg王者)
×齊藤龍之介(ドージョー☆シャカリキ)
1R 1’13” KO (左ストレート)
石田龍大が5月、K-1フェザー級王座を獲得し、Krush同級王座を返上したため、4選手による王座決定トーナメントが開幕し、準決勝2試合が行われた。
1R、橋本がサウスポーで構え、プレッシャーをかけると、ガードを固めて下がる左ストレートを当て、さらに左ストレートを当ててダウンを奪う。齊藤はダメージが大きく、橋本が再び左ストレートでダウンを奪うと、レフェリーがストップした。
第6試合 第10代Krushフェザー級王座決定トーナメント・準決勝 3分3R(延長1R)
×倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangフェザー級王者)
○松本海翔[はると](TAD)
判定0-2 (西村28-29/豊永28-28/中野28-30)
1R、サウスポーの松本に対し、倉田が右のインローを効かせ、終盤には右ストレートをクリーンヒットしてのけぞらせると、パンチや膝のラッシュで追い詰める。記者採点は倉田。
2R、松本が1Rも当てていた奥足狙いの左ローのヒットを増やすと、中盤、倉田の右インローのタイミングで、前手での右ストレートを当ててダウンを奪う。その後も松本が左奥ローを効かせ、主導権を維持する。8-10で松本が取る。
3R、挽回を狙う倉田は圧力を強め、右インローを当てつつ、右ストレートも随所で当て、やや優位に進めるが、追い詰めきれず終わる。記者採点は倉田。合計28-28でイーブン。ジャッジは1者がイーブンとし、なぜか28-30のジャッジもいて、バラついたが、2者が松本を支持し、松本が判定勝ちした。
準決勝2試合終了後、決勝に進んだ両選手がそろい踏みした。橋本雷汰は「最近、パッとした試合ができていなかったんですけど、強くなったでしょ。決勝の相手、さんざん言ってきて、あんなにしょうもない試合をしてたんで、次は1Rで終わらせます」と松本を挑発した。松本は「さんざん言われているんで、言っとけって感じなんで。今日はダメでしたけど、今日は勝ちに行く試合をしただけで、決勝はしっかり派手に倒します」と言い返し、両者にらみ合いを繰り広げた。
第5試合 64kg契約 3分3R(延長1R)
×北井智大(チームドラゴン)
○猪瀬尚希(K-1ジム総本部チームペガサス)
1R 1’30” KO (左フック)
かつて「常勝軍団」とも呼ばれ、Krush・新生K-1の主力ジムとして武尊・卜部兄弟ら多数の王者を輩出したチームドラゴンの選手が、約10年ぶりにKrushに参戦する。チームドラゴンの前田憲作代表は、14年の新生K-1旗揚げ時のプロデューサーだったが、16年9月に突如退任し、チームドラゴンの選手の大半はK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに移籍した。チームドラゴンに残った数名のプロ選手の一人が北井智大だった。北井も16年6月に原一仁にKO勝ちして以来10年ぶりのKrush出場となる。対する猪瀬が所属するK-1ジム総本部チームペガサスは、チームドラゴン出身の梶原龍児氏が代表を務める。猪瀬は今年1月にプロデビューし2戦2勝(2KO)の20歳。
試合は猪瀬の完勝に。1R、序盤のパンチの攻防で、猪瀬が右ストレートを当てると、北井がひるみ、猪瀬がパンチラッシュで右フックを当ててダウンを奪う。北井は打ち合いで右フックを返す場面もあるが、猪瀬が北井をロープに詰め、パンチを当て続けて追い詰め、左ボディ、左フックの連打で倒すと、レフェリーがストップした。
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/元KNOCK OUT-RED&ムエタイオープン・スーパーフライ級王者)
×寛心[ひろと](士魂村上塾)
判定3-0 (岡田30-29/西村30-28/梅木30-29)
1R、白幡がサウスポーで構えて距離を取り、左ミドルを随所で当て、ハイにもつなげ、主導権を握る。とはいえ寛心にはっきりダメージを与えるほどではなく、ジャッジの評価は分かれそうだ。記者採点は白幡。
2R、白幡は左ミドルを当てつつ、左テンカオのヒットも増やし、1Rよりも差を印象付ける。記者採点は白幡。
3R、白幡は変わらず左ミドル、テンカオをヒット。顔面へのストレートも当てるが、ダウンは奪えず終了。記者採点は白幡。合計30-27で白幡。ジャッジはミドル・膝の評価が低かったが、3Rを確実に取った白幡が判定勝ちした。
第3試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
○大久保世璃(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/K-1甲子園2024 -55kg優勝)
×金太郎(team Bonds)
判定3-0 (箱崎30-29/西村30-29/梅木30-29)
大久保は19歳、金太郎は17歳のフレッシュな顔合わせ。1R、大久保が左ミドル、三日月蹴りを効かせつつ、前手の左フックも随所でヒット。終盤は右のストレートとミドルも当て、優位に進める。
2R、大久保は左テンカオのヒットを増やし、終盤には右カーフを効かせ、主導権を維持する。金太郎も耐えて攻撃を返す場面もあるが、流れを変えられない。
3R、大久保が右のオーバーハンドフック、左テンカオ等を的確に当て、優位をキープし判定勝ちした。
第2試合 女子アトム級(45kg) 3分3R(延長1R)
○高梨knuckle美穂(K-1ジム五反田チームキングス/元Krush女子アトム級王者)
×大西日和(SHINE SPORTS CLUB/KPKBインターナショナル女子アトム級王者、元KPKB女子アトム級王者)
判定3-0 (箱崎30-28/豊永30-28/三浦30-27)
高梨は1年7か月ぶりの試合。1R、高梨はほとんどステップせず立ち、サウスポーの大西に対し、序盤から右ストレートを的確に当てて先手を取る。中盤以降、ヒットは減るが、左前蹴りも返し、大西も目立つ攻撃が返せない。記者採点は高梨。
2Rも高梨が随所で右ストレート、左前蹴りをヒット。大西は鼻血を出す。記者採点は高梨。
3R、大西も前に出て随所で左ストレート、左ミドルを当てるが、高梨はひるまず右ストレートを返す場面を作り、反撃を封じて終える。記者採点はイーブン。合計30-28で高梨。ジャッジ3者も高梨を支持し、高梨が判定勝ちした。
第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×伊藤 渚(K-1ジム川口ブルードラゴン)
○安 晟太[やす じょうた](サクシードジム team EXCEED/K-1カレッジ2021 -60kg優勝)
判定0-2 (豊永29-29/西村29-30/梅木29-30)
プレリミナリーファイト フェザー級(57.5kg) 3分3R
○岩上行統[ゆきと(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
×齊藤 律(Y’s glow)
判定3-0 (30-27/30-26/30-26)





















