1999年11月に開催されて以来、常に総合格闘技界の変革の中心であり続けたUFCに、今再びピンチが訪れている。これまでも、ヴァイオレンス性への批判や、TVの撤退といった多くのピンチが起こり、その度にUFCは次回の開催が危ぶまれるような状況に陥ってきた。いわば、UFCの歴史は常に崖っぷちでのぎりぎりの戦いであったとも言える。

 そして、今年初めての大会であるUFC24ではこれまでのそうした危機とはまた性格を異にした、新たなる危機が浮上してきた。もうすでにみなさんも御存じかと思うが、この大会ではメインイベントが行われなかったのだ。メインに出場予定であったケビン・ランデルマンがなんと試合直前のバックステージで転倒し、失神するという事態が発生したからだ。これ自体は、偶発的なアクシデントであり、それ自体がUFCの存続危機を言い立てるような事態ではないとも言える。

 これまでも、ワンデイトーナメントの出場者が怪我で負傷し、メインイベントが消失するという事件は存在したからだ。しかし、今回、メインイベントが無くなったあとの大会というものを見たときに、興行としての薄さ、出場選手層のパワーダウンと言うものが、露骨に現れてきたのだ。これではかつて多くのスターを排出したUFCとは言え無い。どこかのマイナーなNHB大会のようなラインナップではないか。

 いわば、大会としての体力、そして求心性がまるで失われていると言うことを、ケビンの休場が図らずも浮き彫りにしてしまったのである。

 この様な事態はなぜ出現し、今後UFCはどうなっていくのか?
 現地取材で拾った選手達の声を通して、今UFCが置かれているピンチについて考えてみた。

UFC24現地収録 選手インタビュー集
(リード文までは会員以外の方にもご覧いただけます)
マーク・コールマン(ロングインタビュー)
僕にはワイフと二人の娘がいる
ペドロ・ヒーゾ
僕はマシーンじゃない。今はとにかく休みたい
ティト・オーティス
フランク? もう戦いは終わったよ。今は奴は戦う相手じゃない
フランク・シャムロック
映画の中でだったら誰とでも闘うよ
バス・ルッテン
日本で戦いたいのは山々だけど、今年いっぱいは絶望的さぁ

3.10 UFC24 現地取材レポート&写真
チャンピオンが試合放棄?嘘だろ、ランデルマン!
UFC史上初のメインイベント中止に場内騒然

4.14 UFC-J 大会レポート&写真
6. 安生洋二 vs ムリーロ・ブスタマンチ
5. ティト・オーティス vs ヴァンダレイ・シウバ
4. 菊田早苗 vs ユージン・ジャクソン
3. 本間聡 vs ロン・ウォーターマン
2. 美濃輪育久 vs ジョー・スリック
1. 大石幸史 vs ラバン・クラーク


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