バス・ルッテン　インタビュウ

『日本で戦いたいのは山々だけど、今年いっぱいは絶望的さぁ』

　衝撃的なニュースをお伝えしなければならない。
　フランクのベルト返上、ヒーゾの傷心どころの騒ぎではない。
　バス・ルッテンが練習中に全治半年の怪我を負ってと戦線離脱することになったというのだ。腕二頭筋の断裂で、本来なら手術を要する大怪我だというのだが、彼には手術に踏み切れない理由があるという。
　バス・ルッテンも今年で３５歳。この年齢での半年間のキャリアの空白が意味するものは、限りなく大きい。これまでも常人離れした体力で、不可能を可能にしてきたバス。一時はＵＦＣを背負う逸材として強力にＳＥＧのプッシュを受けたルッテンだが、すでにミドル戦線はティトを軸をとした再編成に向けて進行しはじめた。フランク→ルッテン→ティト、日替わりランチのように変わるオクタゴンのヒーロー達。その急激な時間軸の流れもまた、ＵＦＣの迷走状態を象徴しているように思えてならない。
　バス個人にフォーカスしても、今回の怪我はやはり余りに大きい。
　あの鬼神のようなスーパーストライカーもついに、キャリアの幕を下ろす日が来たのだろうか。
　それとも不死鳥のように、再びあのルッテンジャンプをオクタゴンで再現することができるのだろうか？
　人生最大の剣が峰に立った、さまよえるオランダ人戦士の最新の声をお届けしよう。［→GO］

（INTERVIEW／藤間敦子　TEXT／矢作祐輔　CAMERA／井田英登）

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