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(レポ&写真) [DREAM] 4.29 埼玉:青木、カルバン下す。カーン敗退

FEG "OLYMPIA DREAM.2 ミドル級グランプリ2008 開幕戦"
2008年4月29日(火/祝) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第1試合 ライト級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
×J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
青木真也(日本/パラエストラ東京)
判定0-3 (三宅=青木/足立=青木/礒野=青木)

 青木が序盤から引き込むと、カルバンはパウンドを打ちながらパスしてきたが、青木は下から足をつかんでアキレス腱固めへ。するとカルバンは青木の顔面を蹴り脱出し、パウンドの連打でチャンスを作る。
 しかしカルバンが良かったのはここまで。スタンドに戻ると、青木におんぶの状態でつかまり、チョークを狙われ続ける。ガードに戻して猪木アリ状態となるも、青木が下から蹴り続けブレイクを阻止し、1Rはそのまま終了する。
 2Rは青木の一方的な展開に。カルバンは左膝の周りをテーピングでガッチリと固めており、昨年からの負傷が完治していないことをうかがわせる。スタンドでも持ち前のラッシュは見られず、全てが後手に回っている印象だ。逆に青木はイケイケのファイトで、グラウンドに引き込むと、滑りにくいロングスパッツも活用しつつ、オモプラッタでカルバンをたびたび捕獲する。2Rの3度目のトライではガッチリと極まり、青木はさらに腕十字に移行。足のフックが甘くカルバンに逃げられたものの、残り時間は無く、青木の完勝を印象づける終盤だった。
 因縁の相手との対決を制し、涙目でマイクを握った青木は「次は正直何も考えられないけど、何があろうと、この2本の足で真っ直ぐに生きていきます」と話し、5/11のDREAM.3での永田克彦との二回戦に関しては出場の決定を保留した。怪我もあるといい、30日の病院での診断結果も考慮されるという。

第8試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
桜庭和志(日本/LAUGHTER 7)
×アンドリュース・ナカハラ(ブラジル/極真会館)
1R 8'29" フェイスロック

 総合初挑戦のナカハラだったが、桜庭のタックルをたびたび切り、適応能力の高さを見せつける。極真ブラジル勢が得意とする変則の右ハイも繰り出し、桜庭は間一髪でかわす。ようやくタックルで上をキープできた桜庭は、アキレス腱固めを仕掛ける。これは失敗したが、ナカハラの隙を突きサイドポジションへ。膝蹴りと鉄槌でプレッシャーをかけつつバックに回ると、チョークを狙いつつフェイスロックに切り替え一本を奪った。
 一回戦を突破した選手が並んだ閉会式でマイクを握った桜庭は「二回戦に進出した方、頑張ってください」と話し、戦前の言葉どおりトーナメントに関しては他人事という態度を貫いた。

第7試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
×デニス・カーン(カナダ/アメリカン・トップチーム)
ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ / レッドデビル・インターナショナル)
1R 3'10" 三角絞め

 開始すぐ、ムサシのローのカウンターで、カーンは左フック。スピーディーな打撃に場内がどよめく。そしてタックルで上になると、ハーフからアームロックを仕掛けてプレッシャーをかけつつサイドへ。何度か極まりそうになるが、ムサシはこらえ、カーンは固執せずガードに戻す。しかし結果的にこの判断が命取りに。腰を浮かして鉄槌を落とすと、ムサシは下から足を伸ばして三角絞めへ。これが見事極まりカーンはタップ。ムサシがトーナメント本命に躍り出た。二回戦に関しては、一回戦の残り一枠の出場候補にあがっている、同じオランダ人のメルヴィン・マヌーフとの対戦を希望した。

第6試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
田村潔司(日本/U-FILE CAMP.com)
×船木誠勝(日本/ARMS)
1R 0'57" KO (グラウンドパンチ)

 試合前には佐藤大輔ディレクター制作の、UWFの歴史を説明する長い紹介VTRが流される。おそらくTBSが持っている映像と思われるが、80年代末期のUWFの貴重な道場での練習風景や会場に来たファンの声、現在の前田日明氏の回顧の言葉も織り交ぜられる凝った作りだ。BGMは映画「地獄の黙示録」のテーマにも使われたドアーズの「THE END」。立木文彦ナレーターは「UWF、完結」というフレーズで締めくくる。
 試合はUWFスタイルでは無い今の総合格闘技でのキャリアの勝る田村が、センチメンタリズムを振り切り、情け容赦なく船木を仕留める展開に。
 開始すぐ、田村はリズム良くミドルとローを上下に連打。船木も鋭い前蹴りとローを放ち応戦する。すると船木の右フックをきっかけに接近戦でのパンチの打ち合いになるが、的確さでは田村。田村の右の連打で船木がぐらつき、田村が船木をテイクダウンすると、すぐさま上になり鉄槌を連打。すると船木は失神し、田村は島田レフェリーのほうを見てストップを促し、レフェリーが試合を止めた。
 試合時間わずか57秒。田村にうれしそうな様子は無く、複雑な心境が表情に出ていたが、「煽りVTRで昔を思い出した。1分弱でお互いの20年をぶつけ合った感じだった。複雑な気持ちだったけど、今はスッキリしている」とインタビュースペースで語った。

第5試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
ホナウド・ジャカレイ(ブラジル/ブラザ柔術)
×イアン・マーフィー(米国/フリー)
1R 3'37" チョークスリーパー

 開始早々、ジャカレイは飛び膝で奇襲したが、むしろ引き込みの材料といった雰囲気で、そのままマーフィーのタックルに任せて下に。すぐさまリバースすると、がぶりの状態で頭に膝を当てた後、サイドポジションから腕十字を狙う。これは防御されたが、バックマウントでマーフィーの体を伸ばしつつパウンドを連打した後、チョークを極めあっさりと勝利した。マーフィーは総合デビュー戦のため、ジャカレイがほぼ柔術だけで勝った内容となり、総合ファイターとしての真価が見えるのは2回戦からとなりそうだ。

第4試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
ゼルグ・“弁慶”・ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)
×マゴメド・スルタンアクメドフ(ロシア/クラブ・ヴォルク・ハン)
1R 1'40" 腕ひしぎ十字固め

 スルタンアクメドフは師匠のヴォルク・ハンの現役時代のテーマ曲で入場。開始早々のテイクダウンはすぐさまリバースされるが、下からギロチンや腕十字を狙う動きは柔術的だ。腕十字をきっかけにリバースに成功し上になるが、今度は弁慶が下からの腕十字で捕獲すると、スルタンアクメドフは立ち上がると逆に深く極まってしまいタップした。
 マイクを持った弁慶は「日本語がうまくなって日本語でアピールできるようになりたい。前の試合(昨年9月のHERO'S)でユン選手に腕十字をやられて、自分もやってみた」等と挨拶。親日派キャラは勝ち進むことで今後ますます浸透しそうだ。

第3試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
ユン・ドンシク(韓国/フリー)
×大山峻護(日本/フリー)
判定3-0 (三宅=ユン/足立=ユン/小林=ユン)

 1R序盤にテイクダウンに成功したユンは、ハーフ、サイド、マウントと着実に優位なポジションへ。ブリッジへのカウンターの腕十字は大山に読まれ脱出を許すが、ブレイク後もテイクダウンに成功するなど優位に試合を運ぶ。2Rもその流れは変わらず、序盤には右フックでダウン気味に吹き飛ばし、終盤は再びマウントを奪いパンチを連打し、文句無しの判定勝ちをおさめた。

第2試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
×ミノワマン(日本/フリー)
金 泰泳(日本/正道会館)
判定0-3 (礒野=金/小林=金/都鳥=金)

 ミノワマンは右フックを振ってからの弾丸タックルで何度かテイクダウンに成功するが、その先の攻め手に欠く。ハーフからの足関も金に読まれてしまう。スタンドでは金が右ローと左のテンカオを効かせ、2R終盤のミノワはフラフラに。金の完勝だった。

Last Update : 04/30 11:34

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