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(レポ&写真) [HERO'S] 9.17 横アリ:カルバン2連覇。KID辛勝

HERO'S実行委員会
"OLYMPIA HERO'S 2007 〜 ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦 〜"

2007年9月17日(月/祝) 神奈川・横浜アリーナ  
観衆:12,310人(満員/主催者発表)

  レポート&写真:井原芳徳
  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】



[HERO'Sミドル級(70kg)世界王者決定トーナメント]

第1試合 リザーブファイト 5分2R(延長1R)
○宮田和幸(日本/フリー)
×ハービー・ハラ(イギリス/シュプリーム・マーシャルアーツ)
1R 1'13" 腕ひしぎ十字固め


 開始早々、ストライカーのハラが右ミドルを当て、組み付いた宮田をギロチンで捕まえたが、宮田は落ち着いて外すとパスガード。上四方に回った後に腕十字を極め快勝した。

第2試合 準決勝戦 5分2R(延長1R)
×宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
○アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
判定0-3 (松本=ジダ/豊永=ジダ/岡林=ジダ)


 1R、しばらくスタンドでの間合いが続いた後、ジダが右フック、飛び膝でチャンス。パンチラッシュで宇野は口から出血する。ドクターチェック後、宇野がタックルを狙うが、ジダの逃げ足は早い。一度タックルに入るも、ジダに防御されてしまう。
 2Rも宇野がタックル狙いの展開。いったんジダに返され上を許すも、宇野が上を取り返すと場内は大歓声に包まれる。しかしジダはスタンドに戻すと、またも右のパンチラッシュで優勢。再びドクターチェックが入った後、時間は残り約30秒。再開後、宇野はタックルとパスガードの速攻で底力を発揮するも、惜しくもタイムアップ。優勝の夢は早くも絶たれた。

第3試合 準決勝戦 5分2R(延長1R)
○J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/'06トーナメント優勝)
×ビトー・“シャオリン”・ヒベイル(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
1R 0'35" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 タックルの相打ちで、差し合いの状態になると、ロープに詰めたのはシャオリンだったが、パワーで勝るカルバンは強引に押し倒すと、すぐさまパウンドラッシュ。ただこれだけのシンプルな攻めで元修斗世界王者を料理してしまった。

第10試合 決勝戦 5分3R
×アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
○J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/'06トーナメント優勝)
1R 4'48" 腕ひしぎ十字固め

※カルバンが2連覇

 スタンド打撃で優勢だったのはジダ。打ち合いで右フックをクリーンヒットさせるが、カルバンは持ちこたえ、それでもパンチで応戦。さらにジダの大降りの右フックを誘うと、カウンターでタックルを仕掛け、テイクダウンに成功する。
 こうなるとトータルバランスの良いカルバンの独擅場。ハーフガードからパウンドを当てながらプレッシャーをかけ続ける。ラウンド終盤には肩固めを仕掛けつつパスガードに成功し、そのままマウントに。ジダのブリッジを誘うと、カウンターで腕十字を極め見事1Rで仕留めた。
 カルバンは「怪我もあり、日本出発前に左のスネに菌が入ったのか腫れてしまいそれを取ることになり、少し心配があった」というが、それを感じさせない盤石の2連覇。果たして、HERO'Sのリングに彼の相手になる選手は今後現れるのだろうか?

[スーパーファイト]

第9試合 63kg契約 5分3R
×ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
○山本“KID”徳郁(日本/KILLER BEE/HERO'Sミドル級トーナメント'05優勝)
判定0-3 (松本29-30/和田29-30/豊永29-30)


 開始30秒、右ローから突っ込んできたビビアーノをKIDが抱えて倒すと、ビビアーノは下から腕十字の速攻。KIDは振り落とすがビビアーノはすぐさまタックルでリバースしてみせ、早くも柔術世界王者の強さを見せつける。
 だがロープ際の攻防のためドントムーブで中央に戻された際、勝手なポジションで再開しようとしたビビアーノが、言葉の違いもあって、梅木良則レフェリーの指示に従わず、ポジショニングで揉め続け、再開まで時間がかかる。
 結局両者離れてスタンドに戻るが、ビビアーノの組み付きを警戒してか?KIDはなかなか得意の打撃を出せず。ビビアーノはタックルで上になると、すぐさまサイドを取り、逆サイドに回って腕十字を仕掛ける。しかし右足のロックが不十分なため、KIDは体を回転させて防御。場内は悲鳴と歓声に包まれる。
 その後もビビアーノの下からの攻めが続くも、KIDは外してほぼトップポジションの位置に戻る。だがビビアーノがロープにもつれていたためドントムーブ。すると再びレフェリーとビビアーノがポジションを巡り紛糾。KIDとの意思疎通もうまくいかず、他のレフェリーも巻き込んで、ポジションを巡り2分近く議論が続く事態となってしまう。

 結局同じポジションが「再現不可能」と審判団がみなしスタンドからの再開。ビビアーノは試合後「あそこで極める自信があったのに。何を言っているのかわからなかった」と話していた。元のポジションを自発的に再現しようとしないビビアーノの態度にも問題はあるが、レフェリーはもっと毅然とした態度で選手に指示すべきだろう。
 試合経過時間はここまでで2分半。結局その後は、ビビアーノが引き込み、KIDが立ち上がってブレイクがかかり、両者スタンドでフェイントを掛けお見合いになるという展開の繰り返し。互いに攻めが単調になってしまうが、3RにはKIDがスタンドでローキック、グラウンドでパウンドを数発ずつ当てたことが評価された模様で、KIDの判定勝ちとなった。
 マイクを持ったKIDは、内容への悔しさを隠さず、「KOできずすみません。寝技に自信がついたんで、次、寝技でもKOします」と話した。


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第8試合 85kg契約 1R10分・2R5分(延長5分)
○桜庭和志(日本/チーム桜畑)
×柴田勝頼(日本/ARMS)
1R 6'20" 腕ひしぎ十字固め


 テレビ放映はされなかったが、桜庭は愛聴曲・BOΦWYの「NO.NEWYORK」のカラオケ映像を作成し、入場前に会場に流し、観客の笑いを取る。試合前にはヒクソン・グレイシーが両選手に花束を贈呈したが、柴田のセコンドの船木誠勝とヒクソンが握手している時、気合い十分の柴田は花束を客席に投げ入れる。
 スタンドで桜庭は左ロー等を的確に当てた後、得意のタックルでテイクダウン。柴田は下からパンチを連打し抵抗するが、威力は無く、桜庭がパスガードに成功する。サイドから掌底とパウンドを交互に当てた後、じっくり腕十字を狙い続け、最後はきっちり一本を奪った。
 マイクを持った桜庭は「次、船木さん、試合よろしくお願いします」と、船木からの対戦要求を正式に承諾。さらに「お兄さん、そろそろ僕らも歳なんで、試合お願いします」とヒクソンにも対戦を要求した。

◆ヒクソンが挨拶
 第7試合終了後の休憩明け、ケビン・ケーシーのセコンドとして来日したヒクソン・グレイシーがリングイン。「リングに上がるとファイターとしての血が騒ぐ。次上がる時はセコンドでも挨拶のためでもなく、私の戦う精神を存分に発揮するために上がりたい。いつまでも戦い続けることはできないけど、もう1試合戦う力は存分にある。その日が来ることを願っている」と話し、現役続行の意志を示した。谷川貞治FEG代表は「これから交渉します。まだ何も決まっていません」と話している。

第7試合 無差別級 5分3R
○セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/クラブ・ヴォルク・ハン)
×アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリージム)
1R 4'21" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)


 試合はテレビ放映されなかったが、会場でマヌーフやカルバンといったHERO'S常連外国人選手に負けず劣らずの声援を浴びていたのが、PRIDEからの移籍組のハリトーノフ。大会後の谷川FEG代表は「今日は私たちのイベントとしては珍しく、当日券が1000枚を超えるぐらい売れた。PRIDEファンもたくさん見に来てくれたようでうれしかった」とその反響を喜ぶ。
 試合は序盤、アリスターが右ロー、右ストレート、左フック等、的確な打撃で優勢。ハリトーノフもスタンディングアームロックでチャンスをつかむが、アリスターに防御されてしまう。
 しばらくアリスターの優勢が続いたが、3分過ぎ、ハリトーノフが右アッパーをきっかけに右フック等も連打し反撃。アリスターも左フックや飛び膝でいったん巻き返したものの、再びハリトーノフが右アッパーをきっかけアリスターを痛めつけ、最後はパンチの連打で仕留めた。アリスターは背中を向けて逃げる戦意喪失状態だった。
 試合後、ロシア軍の軍服姿になったハリトーノフは、ヴォルク・ハン、イリューヒン・ミーシャら往年のリングス・ロシアの勇士と共に記念撮影を行い、結束をアピールした。

第6試合 88kg契約 1R10分・2R5分(延長5分)
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
×ファビオ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
1R 1'00" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 試合前から激しいにらみ合いを繰り広げる両者。パンチの交錯した後、ファビオがマヌーフを押し込んだ際、膝蹴りがローブローとなってしまい、ブレイク後一時中断。再開後、相手をよく見てインローを当てたマヌーフは、距離を詰めてきたファビオのアゴに左右のフックをクリーンヒット。ダウンしたファビオが立ち上がると押し倒し、左の鉄槌の連打でレフェリーストップ勝ちをおさめ、格の違いを見せつけた。

第5試合 85kg契約 1R10分・2R5分(延長5分)
○ユン・ドンシク(韓国/フリー)
×ゼルグ・“弁慶”・ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)
1R 1'29" 腕ひしぎ十字固め


 開始早々蹴りを放った弁慶に対し、ドンシクは組み付いてサバ折りでテイクダウン。サイド、マウントと優位なポジションに移行すると、弁慶のブリッジのカウンターでバックに回り腕十字。得意パターンであっさりと一本をもぎ取った。

第4試合 無差別級 1R10分・2R5分(延長5分)
○ミノワマン(日本/フリー)
×ケビン・ケーシー(アメリカ/ヒクソン・グレイシー柔術アカデミー)
2R 0'42" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 1R、柔術茶帯のケーシーに何度も押し込まれ、グラウンドでもバックを奪われる等、いいところの無かったミノワマン。だが2R開始早々、押し込まれた後にパンチの打ち合いに持ち込むと、右フックでダウンさせた後のグラウンドパンチの連打で逆転勝利。試合後は恒例のSRF 8回で観客と一体となった。



[オープニングファイト/チーム桜畑 vs U-FILE対抗戦]

第2試合 85kg契約 5分2R(延長1R)
○佐藤豪則(日本/チーム桜畑)
×長井憲治(日本/U-FILE CAMP)
1R 2'46" TKO (レフェリーストップ:腕ひしぎ十字固め)

第1試合 70kg契約 5分2R(延長1R)
×高橋 渉(日本/チーム桜畑)
○西内太志郎(日本/U-FILE CAMP)
3R 判定0-3
2R 判定0-1 (松本19-20/岡林19-19/礒野19-19)

Last Update : 09/18 11:08

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