MMAレフェリーのパイオニア“ビッグ”・ジョン・マッカーシー氏、日本の競技運営関係者に約3時間の“白熱教室”
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米国のMMAレフェリーのパイオニア、“ビッグ”・ジョン・マッカーシー氏が12月27日、日本の競技オフィシャル(レフェリー、ジャッジ、インスペクター等)を対象としたMMAルール講習会を東京で開催した。29日にさいたまスーパーアリーナ大会を開催するベラトールが主催し、日本MMA審判機構(JMOC)とRIZIN FF事務局が協力した。JMOCの豊永稔会長、副会長の植松直哉氏と松宮智生氏、和田良覚相談役、福田正人理事をはじめ、RIZIN・修斗・パンクラス・DEEP等の競技運営関係者や、マスコミなど20人以上が受講した。通訳はRIZINのマッチメーカーの柏木信吾氏が務めた。
マッカーシー氏は1962年10月12日生まれの57歳。UFCの共同創立者の一人であるホリオン・グレイシー氏の元で柔術を学び、93年のUFCのスタート当時からレフェリング、ルール整備に携わり、暴力的だとバッシングされたMMAの啓蒙活動を全米各地で行って来た。08年にCOMMANDという名のMMA競技オフィシャル養成プログラムを創設し、講師を務めている。
今回の講習会でマッカーシー氏は、日本でも馴染み深いUFC・PRIDE等の試合で起こった具体的な事例を挙げつつ、試合の様々なシチュエーションでのレフェリーの判断基準について説明し、受講者と共に議論した。以下はマッカーシー氏が今回語った話題の抜粋。非常に多岐に渡る内容のため、予定の2時間を1時間近くオーバーする白熱の講義となった。最後にマッカーシー氏は「競技オフィシャル同士で支え合い、この競技をより良いものにしていきましょう。私も皆さんも兄弟です」と呼びかけ、受講者から暖かい拍手が起こった。
・新しく生まれる関節技・絞め技の学習を怠らない。フロントチョーク1つでも、ジャパニーズネクタイ、ペルヴィアンネクタイ、ニンジャチョークなどのバリエーションが多数生まれている。どのように技が入り、どこの部位に効いているのかを理解する。
・選手を安全を第一に考える。観客の声や視線は気にしない。観客が退屈だと思っている試合を、ブレイクをかける等して、面白い試合にしようとはしない。観客にレフェリーの印象が残らない試合、その試合を裁くレフェリーが、優れた試合・レフェリーだといえる。
・顔面のカットのよく起こる部位、危険なカットの程度を理解する。
・ドクターの判断を絶対視しない。格闘技の試合は怪我をすることが前提の場だが、日常生活で起こる怪我と性質が違うことを理解していないドクターも中にはいる。試合での判断基準についてドクターとコミュニケーションを取り続け、ドクターから信頼を得れば、ドクターはレフェリーに判断を委ねるようになる。
・反則行為にタイムをかけた後、早く再開させようと焦らない。
・選手が吐いたマウスピースを常に洗う必要は無い。昔のボクシングでは靴の裏の滑り止め用に松脂を塗っていたため、マウスピースを洗う必要があった。その慣習がMMAにも継承されているが、素足で足の裏に何も塗らないMMAで同じような対応は不要と考える。目に見えるような不純物がついていなければ、そのまま装着させてもいい。
(※上記は講義で出た話題のごく一部です。他にも金的・目突き・垂直肘打ち・頭からマットに叩きつける投げ技の反則に関する話題、レフェリーストップに批判のあった試合を裁いたレフェリーから相談を受けた時のエピソード等でも盛り上がりました)