元サブミッション・アーツ・レスリング。リングス参戦経験もあり、98年にプロ修斗デビューを果たした鶴巻。対するは、プロ・デビューこそ昨年だが、コンバット・レスリングなど、アマチュア総合格闘技界での活躍が長かった竹内出。キャリアを持つ二人がどう闘うのか。

　１ラウンドは膠着した展開となった。
　竹内にしがみつき、コーナーに押し込む鶴巻。必死である。対する竹内の表情には余裕が感じられる。だが、無理にテイクダウンにいこうとはせず、好機を待ちながら、差し合い、体の入れ替えあいを続ける。このままゴング。

　２ラウンド。ようやく竹内が動いた。
　開始早々、蹴りを多用する鶴巻に対し、そのタイミングを見計らってタックル。そのまま上にのる。鶴巻はクローズド・ガードに入るが、そのままディフェンスするのがやっと。竹内のパンチが上から襲いかかる。
　エビぞって顔面をガードし、なんとか堪える鶴巻。セコンドから、オープン・ガードに変えて突き放せという指示が出るが、心理的に追いつめられているのか、どうしてもその通りに動くことができない。時折、下から竹内の腕を掴んで防ぐのがやっとである。しかしそれもしばらくすると外されてしまい、また連打。エビぞって顔面を隠し、ひたすら耐える。

　亀のように守り続けるだけの鶴巻。だが、とにもかくにも打たれ強いことだけは確かだ。殴られても、殴られても、がっちりと顔面を覆った腕がはずれることはない。刻々と終了が近づく。このままでは一本勝ちは無理と竹内が悟り、パスガードに入った時には、もはや時間は残されていなかった。

（山名尚志）

［第１試合］戸井田×勝田

［第２試合］西澤×勝村

［第４試合］秋本×廣野

［第５試合］植松×ペイン

＜大会総評＞

＜全試合結果＞