K'zは、再び、今回がデビューの新人選手（98年度アマ修斗優勝）の登場。対する西澤も、アマ修斗優勝の経歴をもって一年前にデビューした選手である。
　だが、両者の見た目は、あまりに対照的だ。157cmというコンパクトな浅黒い体が躍動している西澤。対する勝村は、172cmと、このクラスでは長身。色白で手足がすらっと伸びている。

　15cmという身長差、リーチの差は大きい。エネルギーの塊、という感じでパンチを繰り出していく西澤だが、届かない。あからさまに制空権の違いがある。逆に、勝村は、リードのジャブだけで西澤を十分に牽制できている。
　そして刹那。潜り込むしかない、と突っ込んでいった西澤の顔面に勝村の左のカウンターが見事にヒットする。西澤、ダウン。

　試合再開後に狙ったタックルはすかされたものの、右のジャブが着実に西澤を襲い続ける。ハイキックで対抗する西澤。裏拳からワン・ツーにいく勝村。
　ついに西澤が潜り込みに成功し、胴タックルから押し込んで、ロープの反動をうまくつかって勝村をテイクダウンする。しかし、勝村は、下から完全に密着し、西澤の動きを封じてしまう。息が上がる西澤。動けない。レフェリーがブレイクを命じる。

　またもや勝村のジャブが西澤の顔面を狙う。だが、西澤もガードを固め、顎は打たせない。このまま第一ラウンドは終了。

　２ラウンドも勝村は打撃戦に出る。しかし、西澤は、今度はタックル狙い。一回目のタックルは勝村が受け止め、腕をとりながらがぶって潰してしまう。だが、それでも西澤はあきらめず、勝村のパンチに合わせて再びタックル。今度はテイクダウンに成功する。
　ハーフガードを取る勝村。そのまま下から腕を取り、アームロックを狙うが果たせない。逆に西澤が攻勢に出、パスガード、サイドに回る。マウント狙いは勝村に防がれるが、時折勝村の顔面にパンチを落としながら、再びサイドに回り、今度は腕十字狙いに出る。踏ん張る勝村。ここで時間切れとなった。

　結果はスタンドで優勢だった勝村の逃げ切り判定勝利。
　K'z、一勝である。

（山名尚志）

［第１試合］戸井田×勝田

［第３試合］竹内×鶴巻

［第４試合］秋本×廣野

［第５試合］植松×ペイン

＜大会総評＞

＜全試合結果＞