謙吾は冷静にガードに入り、スタインズの右腕と首を下から押さえて密着。スタインズは、至近距離から頭突きを放ち、謙吾の体を持ち上げては下に叩き付けるが、謙吾のディフェンスを緩めるには至らない。

　ちょうど試合時間半分の10分が過ぎる。

　ようやく謙吾が動く。上体を起こしにいったスタインズの動きに合わせて下から脱出。スタンドに戻る。組み付いて、そのままテイクダウンを取る謙吾。今度はスタインズがガード・ポジションだ。謙吾の胴に腕を回して密着するスタインズ。細かいパンチをスタインズの側頭部、後頭部に打ち込む謙吾。謙吾のパンチを反則の延髄への攻撃だとアピールするスタインズ。

　結局このまま時間切れに終わった。

（山名尚志）