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全日本キックボクシング連盟「THE CHAMPIONSHIP」
2001年1月4日(木)東京・後楽園ホール 

第2試合 第20代・全日本ウェルター級王座決定戦/5回戦 
同級1位
内田康弘
(S.V.G.)
5R1分15秒

KO(3ダウン)
同級2位
千葉友浩
(TEAM-1)
×

※内田が新王者に。

前王者・魔裟斗が団体離脱により剥奪され空位となったウェルター級王者決定戦は、元ライト級王者で1位の内田康弘と2位の千葉友浩の間で争われ、内田が後半ローキックの連打で千葉を三度倒し、二階級制覇に成功した。

序盤は静かだった。共にサウスポーの両者は千葉のジャブ、内田のローキックで牽制しつつ見合うばかりで互いに全く手が出ない。そしてなんと3Rまでこの静かな状態が続き、場内からはさすがにブーイングが飛び始める。双方のセコンドも「踏み込め!」「どんどん行け!」と指示するが内田・千葉両者動けない。基本的に内田も千葉もカウンター主体の選手であるために相手が出てこないと自分も踏み込めないのだが、それにしてもタイトルマッチとも思えない、なにもない3Rだった。

試合がようやく動き始めたのは4Rから。内田はここまで単発ながら右のインロー、左のアウトサイドへのローキックで千葉の右足にダメージをコツコツと与えていったのだがそれが効いてきたのか千葉がバランスを崩し始める。内田ハイ、ミドルあるいはテンカオでプレッシャーをかけ前進していく。
最終ラウンド、開始直後ローでスリップダウンした千葉の様子を見て行けると踏んだのか内田が一気にラッシュ。ローの連打で追いつめると千葉ダウン。さらに膝蹴りからローで千葉崩れ落ち2度目のダウン。内田勝利を確信したのかコーナーに駆け上がるが千葉は立ち上がってくる。それを見た内田、改めて首相撲からの膝蹴り連打、さらに肘からロー連打とたたみかけて3度目のダウンを奪い、こんどこそ本当のKO勝利を飾った。

「どうもありがとうございました!」とリング上から叫んだ内田。今日の勝利は彼がインストラクターを努めるスポーツジムの会員達の声援のおかげだったという。
ようやく陰の実力者から表舞台へ返り咲いた内田だが、今回は反省材料も多そうだ。試合後「セコンドも行けっていってたんですけどね、行けませんでした」とマイペースぶりを発揮。まあこれがいつもの内田の試合らしいといえばそうなのだが。。。しかし今後は王者として勝敗だけでなく内容も問われる試合が増えてくる。そうなった時に内田がどんな試合をするか見物だ。といっても、昨年7月の朴英樹戦(=3RTKO勝ち)のように、始めから倒しに行こうと思えばそれが出来る選手なのだが。内田の試合は奥が深い。
内田は22戦14勝(8KO)6敗2分。歯痒い試合ぶりでいいところなく敗れた千葉は「何もないです」と呆然自失。これで16戦6勝(1KO)9敗1 分。

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レポート:新小田哲  写真:菊地奈々子

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