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Kick /K-1 News

K-1 2000年8月26日 直接取材

「アンディの通夜に1300人の会葬者」

▼24日に急逝したアンディ・フグの通夜が、本日午後7時から港区元麻布の麻布山善福寺でおこなわれた。スイス出身の外人選手の葬式ということもあり、式典は無宗教の献花方式で行われた。斎場の中央には一面を白い花で埋め尽くされた祭壇がしつらえられ、在りし日のアンディの笑顔が三方に飾られた。
 これまで7年間に渡ってK-1に貢献し続けた人気選手の葬儀ということもあり、選手、関係者が次々に訪れ、故人に最後の別れを告げた。K-1ジャパンの主力選手である武蔵、中迫、天田、宮本、富平らの他、チーム・アンディを支えた平仲信明コーチ、平直行、本間聡、安生洋二、チームドラゴンの前田憲作、小比類巻貴之、柳澤龍志、極真会館の松井章圭館長、フランシスコ・フィリョ、プロレスラーの高田延彦、ドリームステージエンターテイメントの森下社長、フグとも親交の深かったテレビキャスターの長島一茂氏、など格闘技界から多彩な顔触れが集まり、白いカーネーションを祭壇に供えた。
 冒頭、葬儀委員長の石井和義館長が挨拶に立ち、故人の生前の偉業を讚えた。

「享年35歳という余りにも若く、早すぎる死が僕自身信じられない気持ちでいっぱいです。生前のアンディは誰にでも愛される外国人でした。それどころか、彼は日本人以上に日本人としてサムライのスピリットを持った、自分に厳しく、人に優しい、闘いを通じて感動と勇気を、本当弱い人達に愛を与えられるK-1のトップファイターでした。武道家として多くの人に夢と勇気と感動を与えるとともに、負けても負けても勇気を持って前に出ていく精神を私たちは決して忘れることはありません。そのスピリットはK-1を通じて、空手を通じてあるいは他の格闘技を通じて、子供たちの心にヒーローとして永遠に受け継がれていくと思います。
 私は、最後の言葉になりました" I love you 館長 "" I know "と言ったときの寂しそうな笑顔が忘れられません。彼は最後まで、病気と闘ってるときもヒーローでした」

 死去発表の記者会見では「本当に悲しいときは涙が出ないものですね」と語った石井館長だが、さすがにこの席では盟友の死がいよいよ現実のものとして胸に迫ったのか、挨拶の最中時折声を詰まらせるなど、毅然とした中にも悲しみの表情をのぞかせた。
 その後、駆け付けたファン達も献花に加わり、総勢1300人がアンディを惜しんで長蛇の列を築いた。
 
 ほとんどの人が献花を終えた後、ワイドショーや各種マスコミ記者の求めに応じて、石井館長はカメラの前に立ち、現在の心境やアンディの思い出などを語ったが、その中で今後、アンディを忍んで都内に火葬後の遺骨を分骨して日本寺院のミニチュア的な墓を建てるプランがあることを明かした。これはアンディ本人が生前妻のイローナさん(離婚協議は成立していたが、現在も法的には夫人で今回の葬儀でも喪主を勤めた)に希望として伝えていたものだそうだ。
 また、K-1全体としても、かつて93年にアンディのグローブマッチデビュー戦として開催された「ANDY's GLOBE」にちなんだ同名のメモリアル興行を年一回程度のサイクルで開催、空手を学んで来た若者達の登竜門的興行にしていきたいとのプランも浮上。この興行の収益をアンディの遺児セイヤ君の育英資金に、という考えもあるようだ。さらに、12月10日に開催される東京ドームでのK-1 GP前後に同所で、再度アンディを偲んだ追悼イベントを開催する考えがあることも明かした。

 この日はこうして選手、関係者を中心に今は亡き鉄人を偲ぶ集いとなったわけだが、明日(27日)同じく善福寺で行われる本葬は、ファンを会場に迎え入れアンディとの最後の別れを惜しんでもらう事になるという。

(井田英登)

※なお、参列した日本人選手のコメントは、31日公開予定「BoutReview XX 6号・緊急特集 追悼アンディ・フグ」にて公開します。


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