オープニングファイト第1試合 総合格闘技ルール |
× |
内藤 征弥 |
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○ |
ハリッド・ディ・ファウスト |
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5×2R |
判定 3-0 |
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第1試合 総合格闘技ルール |
○ |
大山 峻護 |
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× |
ヴァレンタイン・オーフレイム |
セコンド:アリスター・オーフレイム、他??? |
5×3R 1R 1:28 |
アンクルホールド |
※ 岩崎達也に打撃を、山田学には足関節を教えてもらって挑んだという大山。
その成果を存分に出し、打撃で上回ると思われていたオーフレイムの攻撃を冷静に対処し、
グラウンドに持ち込むとヒールホールドをしかけ、極まらないと見るやアンクルホールドに切り替えシューズごと捉え見事復活を果たした。 |
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第2試合 総合格闘技ルール |
× |
宮田 和幸 |
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○ |
イアン・シャファー |
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5×3R |
判定 2-1 |
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第3試合 総合格闘技ルール |
× |
宇野 薫 |
セコンド:廣野剛康、他??? |
○ |
ヨアキム・ハンセン |
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5×3R 3R 4:48 |
KO アゴへの左膝蹴り |
※ 積極的な展開ながら、互いに試合を決することができず3R終盤まで互角の展開で流れ、
スタンドで宇野が時間を確認しようとしたのかセコンドの方を振り向いた瞬間、そ
れを見逃さなかったヨアキムが飛び込み膝蹴りで宇野のアゴを完璧に打ち抜き壮絶なKO勝利をもぎとった。
修斗頂上決戦とも言える一戦を、一瞬の油断で落としてしまった宇野はかなり危ない倒れ方をしたが後々に響かないかが気になる。 |
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第4試合 総合格闘技ルール |
○ |
須藤 元気 |
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× |
ラモン・デッカー |
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5×3R 1R 2:54 |
ヒールホールド |
※ 戦前・戦中・戦後通じてプロらしく振舞い、興行名のHERO'Sというお題目を唱え、この大会を盛り上げたMVPと言えよう。
しかし、デッカーはムエタイの強豪で、以前から総合の練習に取り組んでいたと言っても
中軽量級トップクラスの須藤と総合ルールで闘うには技量が釣り合わなかった。 |
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第5試合 総合格闘技ルール |
○ |
ゲーリー・グッドリッジ |
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× |
アラン・カラエフ |
セコンド:外山慎平、他??? |
5×3R 1R 2:58 |
前腕ギロチンチョーク |
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第6試合 総合格闘技ルール |
× |
B.J.ペン |
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○ |
LYOTO |
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5×3R |
判定 3-0 |
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第7試合 総合格闘技ルール |
× |
ヒース・ヒーリング |
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○ |
サム・グレコ |
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5×3R 1R 2:41 |
TKO 右足の負傷 |
※ PRIDEから戦場を移したヒーリングの半年ぶりの実戦相手は、総合でも適応力の窺えるサム・グレコ。
ゴールデン・グローリーから籍を外したらしいが、半年ぶりのヒーリングは腹回りと太ももに脂肪をたくわえており、
まともな練習ができていないのではと思ってしまう。
試合はヒーリングが左ローを放った瞬間、軸足となった右足を捻り負傷するというあっけない結果で終ってしまう。 |
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第8試合 総合格闘技ルール |
○ |
ボブ・サップ |
セコンド:バス・ルッテン、マット・ヒューム |
× |
キム・ミンス |
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5×3R 1R 1:12 |
KO 右ストレート |
※ 去年の藤田和之戦から打撃に対し極度の臆病さを露呈するようになってしまったサップ。
未知の強豪キム・ミンスの闘い方いかんによっては大晦日のジェロム・レ・バンナ戦のような結果にならないか心配された。
試合はミンスの打撃に怖れながらも強烈な右ストレートで返り討ちにしたが、打撃に怯え闘う姿勢ではこれから先、上が望めない。
一方ミンスは、戦前の舌戦でもサップとひけを取らず、前に出るファイトスタイルと心の強さはとても希望が持てた。 |
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第9試合 総合格闘技ルール(グラウンドでの顔面、頭部への蹴りは禁止) |
× |
秋山 成勲 |
セコンド:門馬秀貴、他??? |
○ |
ジェロム・レ・バンナ |
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5×3R 1R 2:24 |
KO 顔面への左膝蹴り |
※ 体重で30キロ差のある両者、秋山にとってはかなり危険な相手だ。
バンナの強力な打撃を喰らってしまえば寝技に持ち込むことも厳しい。
秋山はスタンドでの打撃に付き合わず、いかに抱き付き柔道特有の方法でテイクダウンし、腕ひしぎに繋げるかが勝利への焦点となる。
予想通り秋山はバンナの打撃をかいくぐり、テイクダウンに成功するが、
想像以上にグラウンドでの対応力を見せるバンナはなかなかパスガードを許さない。
グラウンド技術で大きく上回る秋山がやっとの思いで得た腕ひしぎの好機も
30キロの体格差で撥ね返されてしまいスタンドに逆戻りすると、強烈な打撃でマットに沈んでしまう。
最初の腕ひしぎのチャンスを逃したことと、体格差がそのまま結果に反映されてしまったが、互いのいい部分が見えた試合でもあった。 |
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K-1を主宰するFEGが上井文彦をプロデューサーに、前田日明をスーパーバイザーに迎え新たに興した総合格闘技興行「HERO'S」。
民放ではTBSをスポンサーにし当日放送も行い、日本ではPRIDEに次ぐ規模の総合格闘技イベントだ。
ひとつひとつのカードはどれも魅力的なのだが、3週間という準備期間はあまりに短く、興行としては問題点が多く残った。
K-1出身のジェロム・レ・バンナ、サム・グレコや、柔道金メダリストキム・ミンス、
さらにボブ・サップのような選手が知名度と実力で興行に華を添える中、
前田日明は「総合格闘技最激戦区の中軽量級路線を重視し、
ボクシングのミドル級黄金時代を、HERO'Sで再現したい」という旨の発言をした。
しかし、総合格闘技の中軽量級路線を開拓してきた修斗、パンクラスが競技性を重視した日の目の当たらない興行を行う傍で
ゴールデン放送を行い、派手さでヘビー級に敵わないこの路線がどこまでお茶の間の支持を得られるだろうか。
視聴率に気をとられ、須藤元気vsラモン・デッカーのカードに象徴されるように、
(ネームバリューのある立ち技の強豪が総合格闘技に参戦すること自体は喜ばしいことだが)ネームバリューの均衡を保とうとするあまり、
いきなり実力差のあるマッチメイクを組んでしまったり、
B.J.ペンvsLYOTOのような体格差のあり過ぎるおかしなマッチメイクを組まないか心配される。
格闘技に対するTBS独特の映像手法は「K-1 WORLD MAX」、「Dynamite!!」、
去年の「ROMANEX」と今回の「HERO'S」もほとんど変わらない上、
「リングス」という言葉も使われ、中軽量級とヘビー級の割合など、今後どういう方向性でこの興行を発展させて行くか非常に興味深い。
中軽量級路線がHERO'Sの出現により、修斗やパンクラスをも底上げする形で影響を起こせば業界全体としての利益に繋がるが、
修斗やパンクラスからおいしい所だけを吸収するようなことだけは望まない。 |