BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [ケージフォース] 2.11 有明:ウィッキー&山崎準決勝へ

GCMコミュニケーション "CAGE FORCE EX -eastern bound-"
2008年2月11日(月/祝) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


 【ONLINE SHOP】GCMオフィシャルマガジン「VICTORIOUS」創刊号〜最新号6冊 好評発売中

 

第7試合 セミファイナル ケージフォース初代フェザー級王者決定トーナメント1回戦 5分3R
山崎 剛(GRABAKA)
×尾崎大海(SHOOTO JAM WATER/パワーゲート・フェザー級(65kg)王者)
2R 2'30" チョークスリーパー


 1R、尾崎が左フックを山崎の顔面に的確にヒット。金網を背にした差し合いの攻防で、山崎はお得意のオンブからのチョークを狙うが、尾崎はふりほどく。
 尾崎は健闘するが、長期戦になると経験で勝る山崎が次第に優位に。2R、差し合いの攻防で山崎は1分以上粘った末にテイクダウンに成功すると、サイドポジションから肘打ちのプレッシャーをかけつつ腕十字を狙う。尾崎は脱出したが、そのカウンターで山崎はバックに回り込んでチョークを極めた。
 マイクを持った山崎は「僕は試合は勝ち負けだけじゃなくお客さんを感動させないといけないと思う。でも、このトーナメント、絶対に優勝してやる!」と、クールなイメージに似合わず絶叫した。

 ここ数年DEEPを主戦場にしていた山崎は06年10月、今成の持つ王座に挑戦するも、今成の下からの蹴り上げで撃沈。翌年2月に志田に敗れたことでトップ戦線から後退し、休憩前の試合での新鋭選手との対戦を余儀なくされた。しかも志田戦以降の3試合は全て判定2-0での決着と接戦続き。今回の一本勝ちはそんな山崎の“勝ちにこだわる”執念の成果ともいえよう。
 準決勝の相手は4月大会のカルバーリョ vs. 星野の勝者で、どちらが上がってきてもタフな試合となることは確実だ。昨年5月で30代に突入した山崎。善戦マンからの脱皮を懸けた本当の勝負所はこれからだ。

第8試合 メインイベント ケージフォース初代フェザー級王者決定トーナメント1回戦 5分3R
ウィッキー聡生(シューティングジム横浜/修斗ウェルター級(70kg)世界9位)
×キム・ジョンマン(韓国/CMA KOREA KTT/修斗ライト級(65kg)世界10位)
1R 2'13" KO (右フック)


 善戦マンからの脱皮に力の入る三十男・山崎とは対照的に、脱力しきっていたのが06年プロ修斗新人王MVPの24歳の新鋭・ウィッキーだ。ピンクに染めた髪、ピンクのトランクスと、久松勇二も顔負けのピンクづくめの風貌もさることながら、ファイトスタイルも脱力系だ。
 ゴングが鳴ると、いきなり左ハイを炸裂。「前に(ジョンマンと)戦った選手がドローだったんで警戒していたけど、始まってすぐ、距離感とスピードを見て行けると思った」という。あとはサウスポーの構えでノーガードのまま上体をクネクネと動かしジョンマンをじらした後、強烈な右フックを炸裂。今成、星野、日沖、前田を苦しめた韓国の新鋭をいとも簡単にマットに沈めた。

 脱力するところでは思いっきり脱力し、力を入れるべきところでは思いっきり入れる。試合後、ウィッキーは「どのスポーツでもどれだけ力を抜くかが大事じゃないですか?」と話していた。このスタイル、単なる表面的なものでは無い。
 マイクアピールも人を喰ったような内容。「どうも、優勝候補のウィッキーです」といきなりカマした後、「山崎さんじゃなく、僕が優勝しますから。あとは言う事無し。帰る!」とだけ話してさっさと退場。シンプルでいて実に彼らしいパフォーマンスだった。
 準決勝では4月大会のエイドリアン・パン vs. アルモンド・サンチェスの勝者と対戦するが、ウィッキーは過去に山崎が修斗で戦っていたことすら知らないほど「他の選手のことを知らない」といい、「ジョンマンとカルバーリョだけ気にしていたので、一回戦が行けたから優勝は行けそう」と自信たっぷりだ。今回の試合への準備期間が短く、肘も金網対策もしていなかったが、金網は「思ったよりやりやすかった」とのこと。準決勝、さらに脱力したウィッキーが見られるかもしれない。

第6試合 ウェルター級 5分3R
門馬秀貴(和術慧舟會A-3)
×イ・ヨンフン(韓国/CMA KOREA KTT)
1R 1'44" 腕ひしぎ十字固め


 昨年9月、ウェルター級王者決定トーナメント準決勝でハーディの豪腕に沈んだ門馬が復帰戦。セコンドには秋山成勲の姿も。いきなり蹴り足をつかまれ倒され、パウンドと肘を浴びてしまった門馬だが、落ち着いて両足を昇らせると、得意の下からの腕十字。ヨンフンは腰を浮かせて外そうと耐えるが、再び寝かされた後にガッチリと極りタップした。門馬は金網を乗り越えて応援団と共に喜ぶ恒例のパフォーマンスを久々に繰り広げた。

第5試合 ライト級 5分3R
廣田瑞人(ガッツマン修斗道場/修斗ウェルター級(70kg)世界7位)
×ジョニー・フラシェ(フランス/BTTフランス)
2R 0'08" KO (スタンドパンチ)


 1R、前田からもダウンを奪ったフラシェのハイキックにヒヤリとする場面もあった廣田が、中盤過ぎにテイクダウンに成功。パウンドのラッシュで仕留めにかかり、バックを取りかけるが、フラシェは振りほどくや逆にバックを奪ってみせ、2分近くチョークを狙い続ける。しかし極まらず1Rが終了。ピンチをしのいだ廣田は、2R開始のブザーが鳴ってすぐ、試合に集中する前のフラシェにパンチラッシュ。左ストレートと右フックが連打で決まり、見事逆転勝ちに成功した。

第4試合 ライト級 5分3R
児山佳宏(パラエストラ松戸)
×杉内 勇(Team-Roken)
2R 2'08" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 1R途中まで、杉内が児山のタックルのカウンターでアームロックやオモプラッタを仕掛けていたが、終盤は児山がガッチリと上を固め、的確なパウンドで杉内を苦しめる。2Rは一発目のタックルで児山が上になり、サイドを奪うことに成功。パウンドと押さえ込みでプレッシャーをかけ続け、最後は左のパウンド一発で杉内を仕留めた。

第3試合 ウェルター級 5分2R
瀬戸哲男(極真会館)
高嶋俊成(格闘集団BRAVE)
判定0-1 (芹澤=高嶋/池田=ドロー/松本=ドロー)


 スタンドの攻防で瀬戸が右のインロー、サウスポーの高嶋が左フックを当てると、瀬戸が真後ろに下がり、高嶋が金網に押し込むという展開が何度も繰り返される。両者ともスタミナ消耗が早く、膠着を打開できないまま終了のブザーを聞いた。

第2試合 ミドル級 5分2R
尾崎広紀(和術慧舟會東京本部)
×ノーマン・パライシー(フランス/BTTフランス)
2R 0'37" レフェリーストップ (アームロック)


 1R中盤、パライシーが上からパウンドを当てると、尾崎が後頭部を切り出血。長い時間ドクターチェックが設けられる。再開後、終盤にパライシーがバックマウントでチャンスを作るが、尾崎はアームロックで一本勝ちのチャンスを作る。
 2R開始前も尾崎のドクターチェックがあったが再開。すると開始すぐ、尾崎が左ミドルと右フックの連打でパライシーをダウンさせると、再びアームロックを仕掛けレフェリーストップ。尾崎が約半年ぶりの再起戦を白星で飾った。

第1試合 バンタム級 5分2R
中原太陽(和術慧舟會GODS)
×手塚基伸(総合格闘技道場コブラ会)
1R 1'07" 膝十字固め


 「自分の開会挨拶のマイクが噛まなかったら一本とKOが続くジンクスがある」とケージフォースアドバイザーの宇野薫が今大会後に話していたが、この日は全10試合中8試合が一本またはKO決着に。中でも本戦で最短勝利を飾ったのが、宇野の挨拶の直後に登場した中原だ。
 手塚は開始早々、タックルを仕掛けグラウンドに持ち込もうとするが、中原は冷静にさばくと膝十字へ。手塚はしばらく耐えたが、中原が体勢を変えて極め直すと、手塚はギブアップ。中原が4月大会で開幕するバンタム級トーナメントに向け幸先の良い2008年のスタートを切った。

[プレリミナリーファイト]

第2試合 フェザー級 5分2R
直撃我聞(PUREBREAD大宮)
×佐々木亮太(B-CLUB)
判定3-0

第1試合 フェザー級 5分2R
○鈴木わたる(パワーオブドリーム)
×渡辺 学(綱島柔術)
1R 0'37" 袈裟固め

Last Update : 02/12 13:03

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | STAFF

Copyright(c) 1997-2008 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。