BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [DEEP] 10.10 後楽園:“蹴り上げ十段”今成、山崎をKO

DEEP事務局 "All In One Solution Inc. Presents DEEP 26 IMPACT"
2006年10月10日(火) 東京・後楽園ホール  観衆・1892人(超満員)

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳  【→紹介記事】 【→掲示板】

第11試合 DEEPフェザー級(-65kg)タイトルマッチ 5分3R
○今成正和(チームROKEN/王者)
×山崎 剛(GRABAKA/挑戦者)
3R 1'49" KO (グラウンド状態での顔面の蹴り上げ)

※今成が初防衛

 休憩明けの第8試合から今ひとつ締まらない判定決着が続いたため、否応無しにメインの戦いに期待がかかる。山崎陣営には菊田、郷野、三崎らが勢ぞろい。結束の高さを窺わせるとともに今回の戦いが非常に重要であることがわかる。
 「ムカついてた。殴りたかった」と試合後話した今成は、序盤からノーガードで打撃を仕掛けていく。グラウンドで下になっても、パンチを休まず打ち、距離が空いたら蹴り上げを狙う等、山崎にプレッシャーをかけ続ける。

 今成は2Rに入っても両手をだらりと下げ、セコンドの青木真也から「ガード上げろ!」と言われても上げない。山崎の打撃はスウェーで間一髪かわし、見ている方をハラハラさせる。ラウンド終盤に必殺の足関で山崎の足を捕まえると、待ってましたとばかりに会場は大きな声援。しかし山崎は体を回転して辛うじて防御する。

 3R、山崎がいきなり飛びヒザを放ち今成から鈍い音が聞こえる。しかし本人は効いた素振りを見せず、その後のパンチはギリギリでいなす。
 グラウンドの展開で上になった山崎に、突然のフィニッシュが待ち受けていた。下から今成の蹴り上げた足が、山崎の顔面にクリーンヒット。前のめりに倒れた山崎に、今成がサッカーボールキックを追撃したところで試合は止められた。

 足関十段という称号に加え、“蹴り上げ十段”という称号を付け加えたくもなるような、お見事で壮絶なフィニッシュ。佐伯繁DEEP代表は試合後「今日の今成は恐かった。山ちゃんは飲まれてたね」と話した。やはり王者になって風格と共に、異質なオーラが出ていたか。下になる展開が多い今成だったが、一発で決める必殺技を持っているからこそ観客は期待し、試合はダレない。そういう魅力を持った選手だと思う。「武士道?いいっすね。夢の舞台です」と話した今成だが、再登場する日もそう遠くないはずだ。

◆今成「(試合は打撃で行っていたが?)ムカついてたんで。インタビューなどを聞いて、自分を舐めとるんだろうなーと思った。甘くないところを見せたかった。足取るより殴りたかったですね。
(足を怪我しているが?)1Rに下からの蹴り上げで相手の歯に当たったんだと思います。(作戦は?)たてなかったです。一緒に練習しているメンバーが強いんで、そのままでいいかと。(防衛戦は?)なるべく無しの方向で(記者陣笑)。(8月に負けたパイシャオンとの再戦は?)もういいっす。飽きました。新しい人とやりたいです。コブリンヤ(=フーベンス・シャーレス:柔術世界王者。5月にZST GT-Fに参戦)とかとやりたいです」

第10試合 76kg契約 5分3R
×中尾受太郎(フリー/DEEPウェルター級(-76kg)王者)
○ファブリシオ・“ピットブル”・モンテイロ(ブラジル/グレイシーバッハ・コンバットチーム)
判定0-3 (野口=モンテイロ/木村=モンテイロ/都鳥=モンテイロ)


 序盤中尾はモンテイロの圧力に手を焼く。コーナーに押し込まれ、スタンドでは様子見の展開。
 2Rに入ると中尾が得意の左ストレートで試合を動かす。モンテイロの顔面にヒットさせ、ダウン気味に倒すも、すぐさま回転した相手に上になられ、踏みつけをもらってしまう。結局中尾は左ストレートをヒットさせただけで、あとはグラウンドで下のポジションとなることが多く、印象悪く判定負けとなった。
 佐伯代表は「正直どっちが勝ってもいいような試合」と内容を酷評。「次回の大会で(タイトルマッチの為)受太郎をメインにしていいのか?という疑問が出てきた」と現王者に警告を鳴らした。

第9試合 71kg契約 5分3R
○横田一則(GRABAKA)
×小見川道大(吉田道場)
判定2-0 (野口=横田/木村=横田/都鳥=ドロー)


 上になった横田が、単発ながらも強いパウンドで小見川にプレッシャーをかける。しかし下から小見川も相手の足を狙ったりとアグレッシブに攻める。スタンドでは横田が飛びヒザで相手を下げさせるなど、決定打は無いものの半歩リードといったところか。横井は3R通じて終始グラウンドで上のポジションをキープし、踏みつけ、サッカーボールキックを放つも、致命的なダメージは与えられないまま試合終了。
 横田はマイクで「最後バテちゃいました。そろそろ自分の顔を覚えて下さい。次は山崎さんが出ます。一緒に出る時は負けたことがないので勝ってくると思います。山崎さんの試合は黄色い声援ばかりなので、野太い声援もお願いします」と話した。

◆横田「いつも通りダメでした。相手の打撃にびびり下がってしまいました。まだまだです。寝技は投げられたんでよかったです。パウンドは当たっていましたが、相手の地力がすごかったです」

第8試合 85kg契約 5分2R
×松井大二郎(フリー)
○フラービオ・モウラ(ブラジル/グレイシーバッハ・コンバットチーム)
判定0-3 (野口=モウラ/木村=モウラ/都鳥=モウラ)


 モウラがタックルで上になったり、松井が引き込んでグラウンドの展開になるという展開が続く。松井はフロントチョークに捕らえる場面もあったが、極められず。途中下になった松井が「くそー!!」と叫ぶも、クローズドガードのまま仕掛ける気配が無い。結局、大半の時間上のポジションでコツコツパウンドを打ち続けたモウラが判定で勝利した。

第7試合 76kg契約 5分2R
○長谷川秀彦(SKアブソリュート)
×濱村 健(CMA京都成蹊館)
1R 3'22" チョークスリーパー


 スタンドで濱村にプレッシャーをかけられる長谷川だったが、組み付いてねちっこくグラウンドに持ち込もうとする。しかし濱村は腰が重くなかなか倒れない。スタンドの状態からバックに回った長谷川は、そのままおんぶの格好になりスリーパーでキャッチ。そのままグラウンドになって締め上げると、長谷川曰く「1年半ぶりの一本勝利」を手にした。
 長谷川は「DEEPで初めての一本です。DEEPに上がってからずーっと、ずーっと言いたかった。中尾選手。ベルト賭けて戦ってください」と現ウェルター級王者にアピール。佐伯代表も「彼が挑戦者第一候補」とコメントした。

◆長谷川「一本取れて気持ち良いです。今日の試合がずっと一本勝ちできてて、僕だけ判定だったらどうしようかと。
(タイトル挑戦を表明したが?)そろそろ自分たちの世代にバトンタッチということで。引導を渡したいですね」

第6試合 70kg契約 5分2R
×梅田恒介(R-BLOOD)
○上小園琢大(木口道場レスリング教室)
1R 0'43" ヒールホールド


 側頭部に“R”の剃り込みを入れてきた梅田。所属のR-BLOODを大きくアピールする。開始早々、梅田が組んでテイクダウンを奪うと相手の足関節を狙う。しかし初めて靴を履いての試合だったという梅田は、逆に上小園にヒールホールドを極められてしまい、足を破壊されてしまった。


第5試合 78kg契約 5分2R
×THE NOBO-ROCK(チームROKEN)
○中台 戦(PRB)
1R 1'57" KO (左膝蹴り→グラウンドパンチ連打)

第4試合 80kg契約 5分2R
×窪田幸生(坂口道場)
○キム・ドンヒョン(韓国/CMA KOREA)
1R 2'46" TKO (レフェリーストップ:左膝蹴りでダウン後)

第3試合 70kg契約 5分2R
○中野洋志(マッハ道場)
×BULL(BLUE DOG GYM)
1R 1'55" TKO (ドクターストップ:打撃による左まぶたのカット)

第2試合 90kg契約 5分2R
○栗原 強(チームROKEN)
×ナ・ムジン(韓国/CMA KOREA)
2R 1'14" 腕ひしぎ十字固め

第1試合 無差別級 5分2R
×タカ・クノウ(チーム太田章)
○水口清吾(フリー)
1R 0'57" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)

[フューチャーファイト]

第4試合 77kg契約 5分2R
×安藤 純(超人クラブ)
○八島勇気(P's LAB東京)
1R 1'27" 腕ひしぎ十字固め

第3試合 73kg契約 5分2R
○菊野克紀(A-スクエア)
×小林 裕(U-FILE CAMP登戸)
1R 3'26" チョークスリーパー

第2試合 65kg契約 5分2R
○宮下トモヤ(フリー)
×小見川和隆(マッハ道場)
1R 4'51" フロントチョーク

第1試合 70kg契約 5分2R
○伊藤有起(A-スクエア)
×井上誠牛(和術慧舟會GODS)
1R 0'35" チョークスリーパー


Last Update : 10/12 19:41

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | STAFF

Copyright(c) 1997-2006 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。