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(レポ&写真) [DEEP] 8.4 後楽園:渡辺久江、しなしをKO。隆多激闘

DEEP事務局 "All In One Solution Inc. Presents DEEP25 IMPACT"
2006年8月4日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:2,234人

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ◆ サムライTVにて大会翌日 8/5(土)22:00〜 特急中継!
   ※リピート放送:6(日) 8時 7(月) 25時 8(火) 15時 12(土) 10時 17(木) 10時

第8試合 セミファイナル DEEP女子ライト級(-48kg)王者決定戦 5分2R(マストシステム)
×しなしさとこ(フリー/スマックガール・フライ級(-48kg)女王)
○渡辺久江(フリー)
1R 3'53" KO (右フック)

※渡辺が初代王者に

 「私たちの3年間をそろそろ確かめ合いましょう」。しなしは昨年11月、リング上で渡辺にそう呼びかけた。それから9ヶ月後、確かめ合った結果互いの実力差は歴然だった。試合は渡辺の完勝に終わった。
 1R序盤に渡辺の前蹴りが綺麗に入り、しなしが尻餅を付く。もうそれだけで会場の声援はすさまじい。観客の熱気は以前の試合と比べ物にならない。

 スタンド打撃では渡辺がしなしを圧倒する。しなしに上手く組み付かせず、一定の距離を取って打撃を放っていく。戦前の予想通りやはりこの試合は寝技のしなし、打撃の渡辺になるかと思われた。しかし違った。渡辺のローをキャッチし、しなしがテイクダウンを奪う。だが渡辺が下から三角絞めを仕掛け、しなしをヒヤリとさせる。

 スタンドに戻るとしなしが背負い投げ。だが腰が入らず失敗。下でガードになった渡辺は、まるでグラップラーのように素早く腕十字を仕掛けしなしを寝技で翻弄。腕十字をキャッチしたが、角度が悪く、またしなしが足を上手く使い極めさせずブレイクがかかる。スタンドに戻ってから早々、渡辺の踏み込んで打った右フックが相手の顔面にクリーンヒット。しなしは前のめりに倒れ失神。注目の大一番は衝撃的な結末で幕が降ろされた。渡辺はしなしの総合無敗記録を24戦でストップ。しなしの通算戦績は22勝1敗2分となった。

◆渡辺「(感想は?)完勝でしたね。今回はしなしさんが相手という事でしたけど、初めてフラストレーションや葛藤が無く、余計な気持ち抜きで出来ました。控え室でも愛弓とかとバカ騒ぎしたりして。自分はこういうノリの人間なんで。でも4日前くらいは試合展開とかばっか考えて眠れなかった。昨日、今日はガッツリ寝て。てか奇襲攻撃で速攻負けたらカッコわりーなーってずっと思ってた。
(KOした瞬間は?)倒れたねー。私練習のときとかは周りが驚くくらい当て勘がいいんですよ。(ベルトについて)ベルトはタイの時より嬉しい。しなしさんを倒してのベルトだから重みがある。
(試合プランは)会見の時とかは言わなかったけど、打撃でボコボコにするつもりだった(笑)。1発入れば倒れると思ったから、どう連打していこうと思っていた。向こうの打撃はないから。しなしさんのスゴイところは出入りが早い。あと掴んだら離さないところ。それだけ気を付けた」

◆しなし(佐伯代表が代理)「今日はファンのみなさんに応えられなくてすいませんでした。渡辺選手は強かったです。今日は私の性格の甘いところが出てしまいました」

 



 

第9試合 メインイベント 83kg契約 5分3R
○桜井隆多(R-BLOOD)
×プロフェッサーX(フランス/TEAM Boon!)
1R 4'47" 腕ひしぎ十字固め


 開始早々、桜井がゴング&ダッシュ。約6ヶ月ぶりの復帰戦ということで気合は十分に感じられる。序盤から激しい打撃戦。桜井の右ストレートが当たりプロフェッサーがぐらつくと桜井は一気にラッシュ。飛びつき腕十字を仕掛けるが失敗しグラウンドで下になってしまう。
 桜井は下からも足関節を積極的に狙っていくと「足はバキバキいっていた」と試合後語っているように、かなり極まっていた様子だ。しかしプロフェッサーは構わずに空いている足で顔面を蹴りパンチを放っていき桜井の鼻血を誘いドクターチェックが入る。今年2月の長南戦では鼻の骨折によりドクターストップを受けているため、今回もヒヤヒヤさせられる。
 再開すると桜井は組み付いてテイクダウンを奪うとまたもや足関を狙う。しかし、相手に潰されてしまいパウンド、サッカーボールキックを浴びまたも桜井大ピンチ。ロープ際ということもありなかなか身動きがとれない。

 万事休すかと思われたが、桜井は立ち上がり相手を倒すとマウントを取ることに成功。シーソーゲームの展開で会場の熱は最高潮だ。桜井はマウントから素早く腕十字に移行し、プロフェッサーは粘るも1Rゴング間際で激闘にストップがうたれた。

 「ありがとうございます。ちょっと鼻弱いんでまた鼻血出ちゃいましたけど。もうちょっとヒヤヒヤしないような試合をしたいと思います」と桜井は会場のファンに挨拶した。苦戦はしながらも観客を熱狂させる試合をし、キッチリ一本勝ちを収めたことはPRIDE武士道再出場への大きなアピールポイントになったことだろう。

◆桜井「鼻血出やすかったですね。足は取れそうな感じがあった。手ごたえあったんですけど相手滑りますね。足関の時にもらったパンチが痛かったです。うーん、他はあんまり自分の中で有利とは感じなかったですね。やっぱり格闘技もアツくさせないと、いろんな意味で。(しなしvs渡辺について)前の試合は気にしなかったですね、はい。(長南との再戦について)自分の中ではやると思っています」

◆佐伯代表「(しなしvs渡辺戦は)集大成が出た。パワー差がありましたね。圧力の違いもあった。しなし選手はここ1〜2年でどういう形でできるか。渡辺選手はメディアに出ると思うので、DEEPの価値を上げていってもらえればなと。
(桜井)隆多は運がよかったかな。1R終わってればドクターは止めていたでしょう。まあでも彼が一番おもしろい試合をする。はずれがないでしょ? 日本なんで正直プロフェッサーXが勝ったら会場がトーンダウンしてどうしようかなと(笑)(長南との再戦は?)2月にはやろうと思っています。
 ってか、石井(大輔)vs隆多がメチャメチャ見たいんですよね。引退すると言っていたけどもったいない。あと1年がんばるんじゃないですか。これからじっくり話ししたいと思います」
 

第7試合 76kg契約 5分3R
○中尾受太郎(フリー/DEEPウェルター級(-76kg)王者)
×窪田幸生(フリー)
2R 2'08" TKO (レフェリーストップ:サッカーボールキック)


 久しぶりに「じゅたろう」と書かれた黄色いパンツが後楽園のDEEPに帰ってきた。相変わらずの筋骨隆々な体はもうすぐ36歳という年齢を感じさせない。
 1Rは両者パンチを放つものの探りあいという感じが強い。中尾がグラウンドで最初に上になるも窪田はパスを許さない。やや膠着気味な展開だが見えない緊張が感じられる。
 2Rに入っても中尾が最初にテイクダウンを奪い、1発1発相手の顔面に狙い定めてパウンドを放っていく。スタンドに戻されるも、中尾の左フックが窪田を捕らえる。完全に効いた窪田は右ストレートももらいダウン。中尾は追い討ちのサッカーボールキックを見舞って危なげなく試合を終わらせた。

◆中尾「久しぶりの東京DEEPです。みなさんお久しぶりです。最近一本、KOが無く不甲斐なかったので、今日はできてよかったです。佐伯さんが病気になったという事で、景気よく勝って元気づけられたらいいなと。武士道の方もお呼びがかかればいつでも行きます。タイトルマッチの前に長くてすいません。最後に、強い王者としてDEEPを盛り上げていきたいと思います」

第6試合 68kg契約 5分3R
×今成正和(チームROKEN/DEEPフェザー級(-65kg)王者)
○フレジソン・パイシャオン(ブラジル/グレイシー・バッハ)
判定0-2 (野口=パイシャオン/梅木=ドロー/木村=パイシャオン)

 
 1R終盤、今成は簡単にマウントを取られパウンドを浴びてしまう。ゴングに救われるも何か元気がない様子。今成はロー、ミドルを有効に活用しており、蹴りで活路を見出したいところ。2、3Rには必殺の足関を何回か極めにかかるが不発に終わる。結局いいところなく試合終了し、終始グラウンドで有利なポジションにいたパイシャオンが勝利した。

第5試合 83kg契約 5分3R
×石井大輔(フリー)
○ホアン・ジュカオン・カルネイロ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
判定0-3 (大城=カルネイロ/梅木=カルネイロ/木村=カルネイロ)


 石井の会場人気は絶大。試合中には石井コールが度々起こる。しかし試合展開はカルネイロがタックルに行き、石井がそれを切るという地味な展開が続く。石井は何回かテイクダウンされるもすぐ立ち上がり得意の打撃で攻める。しかしカルネイロもいい右のアッパーを何発かヒットさせスタンドではほぼ互角という展開。
 3Rにも同じような展開が続き、カルネイロが石井のバッティングにより出血。石井にイエローカード1が与えられる。結局このカードが響いたか、判定では3者カルネイロを支持した。石井は試合後マイクで引退を表明したが、大会後に佐伯代表から現役続行を求められると、「これから考えさせてください」と話し、撤回を示唆した。

第4試合 76kg契約 5分2R
△長谷川秀彦(SKアブソリュート)
△雷暗 暴(アメリカ/雷道場)
判定1-1 (大城=雷暗/野口=長谷川/梅木=ドロー)


 1R、長谷川のパンチが当たり雷暗は効いた様子。一気にラッシュを仕掛け、雷暗はガード一辺倒になるが仕留めることはできず。2R入り雷暗がテイクダウンを奪い上になる場面が多かったが、有効打を与えることができない。試合は判定にもつれ込み、両者痛み分けのドローに終わった。

第3試合 67kg契約 5分2R
○山崎 剛(GRABAKA)
×杉内 勇(チームROKEN)
判定3-0 (野口=山崎/梅木=山崎/木村=山崎)


 1R中盤、山崎が杉内に腕十字をガッチリ極める。しかし杉内は腕があらぬ方向に曲がっているにも関わらずタップしない。それどころか腕十字を防ぎきってしまう。
 2R入っても山崎ペースは変わらず、グラウンドで常に有利なポジションをキープ。再び腕十字を極める場面があったが、杉内は驚異的な粘りをみせ耐える。山崎がマウントを奪い、パウンドを放ったところで試合は終了し、山崎が判定勝ちを収めた。
 試合後のマイクでは今成の持つDEEPフェザー級のベルトへの挑戦を希望した。

 
第2試合 無差別級 5分2R
○アンソニー“辰治”ネツラー(アメリカ/TEAM Boon!)
×マッスルヒラヌマ(club EDO)
1R 0'20" KO (右ストレート)

第1試合 82kg契約 5分2R
×岩見谷智之(高田道場)
○キム・ドンヒョン(韓国/CMA KPW)
判定0-3 (野口=キム/大城=キム/木村=キム)


◆ フューチャーファイト

第4試合 5分2R
○堀 友彦(フリー)
×小見川和隆(マッハ道場)
1R 4'55" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第3試合 5分2R
×佐藤 力(SKアブソリュート)
○小林 裕(U-FILE CAMP登戸)
1R 0'07" KO (膝蹴り)

第2試合 5分2R
×LUIZ(禅道会横浜支部)
○伊藤有起(A-スクエア)
1R 3'01" フロントチョークスリーパー

第1試合 5分2R
×アンドレ・ニシノ(ブラジル/INFIGHT)
○内山重行(GRABAKAジム)
2R 2'29" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

Last Update : 08/06 14:36

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