(レポ&写真) [パンクラス] 12.22 ディファ:山宮、川村下し近藤戦要求
ワールドパンクラスクリエイト "PANCRASE 2007 RISING TOUR" 2007年12月22日(土) 東京・ディファ有明
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第8試合 メインイベント ライトヘビー級 5分3R ×川村 亮(パンクラスism/2位) ○KEI山宮(GRABAKA/元王者) 判定0-3 (梅木28-30/岡本280-30/和田28-30)
パンクラスism主催興行のメインは、ismの超新星・川村と、元ism・現GRABAKAの山宮の激突。そして大会の主役となったのは、パンクラスを“故郷”だと語る山宮だった。
両者ともジャブを打ちつつ、川村は右フック、サウスポーの山宮は左フックを狙う。戦前、山宮は川村について「中途半端に戦うと、あの勢いはハンパじゃないんで、竜巻の中に飛び込むようなものなので、渦巻きと竜巻がぶつかるような戦いをやろうと思っています。逃げたら、追っかけられて巻き込まれるので」と話していたが、実際に戦うと「物凄い圧力だった」といい、正面衝突は回避。とはいえ決して逃げるのではなく、山宮をGRABAKAに誘った郷野を思わせる軽快なステップで周りながらチャンスをうかがい、1R後半、「1年間徹底的にやってきた」というカウンターの左フックで川村をダウンさせる。川村のダメージはそれほど大きくなく、ガードポジションのまま追撃は免れたが、いきなりポイント差をつけられる。 2R以降も川村が右フックで倒そうと前に出るが、一発狙いに偏り距離が遠く、リングを回る山宮をつかまえることができない。時折足を止めての打ち合いでパンチが交錯すると、場内はヒートアップ。川村も当てるが、的確さではやはり山宮のほうが一枚上手だ。3R終盤、川村は「来い!」と叫んで打ち合いに誘うが、クリーンヒットは打てないまま試合終了。ism主催興行のメインを白星で飾ることができなかった。
マイクを持った山宮は「元々パンクラスで活躍するため、GRABAKAに行きました。パンクラスは故郷だと思っています」と話すと涙。「僕は残されたキャリアは短いけど、川村選手はまだ長い。もっと強くなって、絶対にパンクラスを潰さないで下さい」と続けると、場内は暖かい拍手で包まれた。 さらに山宮はスカイ・Aのテレビ解説席にいた近藤有己に対戦を要求。近藤はリングインすると山宮に歩み寄って握手し「挑戦を受けるよ」と受諾した。両者は同じ96年にデビュー。掌底・レガース時代に2度戦い、近藤がいずれも勝利している。スター街道を突き進む近藤の脇役に甘んじ続けた山宮。GRABAKAでの4年を経て、ついに近藤越えまであと一歩のところまで辿り着いた。
◆山宮「ismにいた時から近藤選手と戦いたかった。まさかリングに上がってくれるとは。あんなに近くで向かい合ったのは3年以上ぶり。いろんな気持ちがあった。 自分は練習生の頃から近藤選手を知っているけど、“不動心”と呼ばれる前、グラグラに心が揺れていたころの近藤選手のほうが荒々しかった。あの時の近藤選手を見せて欲しい。 ベルトがあれば試合の付加価値は上がるけど、それよりも人間・近藤有己と戦いたい気持ちが強い。近藤選手に自分の格闘技人生を全てぶつけてみたい。階級制とかとは関係無い部分で戦いたいし、それは近藤選手もわかってくれると思う。今ある体と体でぶつかりたい」
第7試合 セミファイナル ライト級 5分3R ×伊藤崇文(パンクラスism/3位) ○昇侍(K.I.B.A.) 判定0-3 (岡本28-30/和田27-30/大薮28-30)
1R、伊藤が昇侍の蹴り上げのカウンターでパスガードに成功するが、その先の攻め手に欠きブレイク。伊藤はタックルを繰り返すが、動きを読まれると膝を合わせられ劣勢に。昇侍がバックからのパンチ連打で伊藤を痛めつける。 2R、下になった昇侍はリバースに成功すると、再びバックからのパンチを連打。伊藤は脱出すると執拗なタックルで再び上になるが、1R同様攻めあぐねてしまい、チャンスを逃す。 3Rは昇侍がバックからのパンチとサッカーボールキックを繰り返し伊藤を圧倒。伊藤も再三のタックルで不屈の闘志を発揮し、さすがの昇侍も終盤はバテてしまうが、逆転の糸口を見せず、見事ランカーから白星を奪った。 試合後のマイクで昇侍は、1位の星野勇二とのタイトル戦を希望。1月30日の後楽園大会からスタートするライト級王座決定トーナメントに両者エントリーするかどうか、今後の発表を待ちたい。
第6試合 キャッチレスリングルール 無差別級 5分2R ×佐藤光留(パンクラスism/84.2kg) ○ジョシュ・バーネット(米国/フリー/無差別級王者/120.5kg) 1R 4'27" TKO (レフェリーストップ:チョークスリーパー)
光留はジョシュの足に必死にしがみつき足関を狙うが、約1.5倍の体格差と本来の技術差は巨大な壁に。ジョシュは途中から押さえ込んだまま笑顔で観客に手を振り余裕の姿勢。フロントネックチャンスリーやSTFといったプロレス技も軽々と決め、最後はきっちりチョークで仕留めた。マイクを持つと「オレハ真ノキング・オブ・パンクラス」と日本語でアピール。入場から退場まで圧倒的な存在感で会場を沸かせた。
第5試合 ライト級 5分3R ○アライケンジ(パンクラスism) ×カク・サジン(韓国/チーム・タックル/5位) 1R 1'17" タップアウト (腕ひしぎ十字固め)
レスリングがベースの両者が、開始早々ロープを背に差し合いの攻防。するとアライがロープの反動を利用しつつサジンを潰してマウントを取ると、ブリッジのカウンターで腕十字を極め、初の一本勝ちをおさめた。得意の打撃で勝負できなかったことを少し悔やんでいたが、「07年は至難の年だった。これをトンネルの出口にしたい」と前向き。08年に新設されるライト級王座戦線に躍り出るか?
第4試合 ミドル級 5分3R ×鳥生将大(パンクラスism) ○ガジエフ・アワウディン(ロシア/SKアブソリュート・ロシア) 1R 0'57" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ)
開始すぐ、鳥生のタックルを潰したガジエフは、ハリトーノフが04年のPRIDE GPのシュルト戦で使ったような変形のマウントポジションで鳥生を完全に捕獲。強力なパンチを連打し、あっさりと試合を終わらせ、会場を凍り付かせた。
第3試合 フェザー級 5分2R ○志田 幹(パンクラスP's LAB東京/2位) ×ジャミール・“ザ・サージェント”・マスー(米国/フリースタイル・アカデミー&総合格闘技道場コブラ会) 判定3-0 (和田20-19/大薮20-19/梅木20-19)
1R、志田がグラウンドでのポジションキープとギロチン、スタンドでのカウンターの左フックで主導権。2R、マスーが下から長い足で蹴り上げを連打し、志田の額を切りチャンスを得る。だがレフェリーはバッティングと判断しドクターチェックを要請。その後も蹴り上げに苦慮した志田だったが、右ストレートやバックマウントでチャンスを作りマスーにポイントを与えず。07年を3戦全勝で乗り切った。
第2試合 ライト級 5分2R ○五十里祐一(パンクラスP's LAB東京/ネオブラッドトーナメント'07ライト級優勝) ×矢野卓見(骨法烏合会) 1R 1'51" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
スタンドの攻防で、五十里が矢野の背後からハイキック。どうやらこれが目に入ってしまったようで、矢野は目をふさいで顔をしかめるが、試合は続行。五十里のパウンドラッシュを浴びて無念のTKO負けとなってしまった。
第1試合 フェザー級 5分2R ○曹 竜也(闘心) ×清水隼人(アンプラグド国分寺) 2R 3'30" タップアウト (チョークスリーパー)
1R、2Rとも曹が上になりパウンドと鉄槌を落とす。清水もテンカオや下からの蹴り上げで応戦。一進一退の展開となったが、曹がギロチンを極め1年8ヶ月ぶりに勝利した。
Last Update : 12/24 17:27
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